「勝利者」誌の過去の号に掲載されたいくつかの記事は、異教徒の間にいる私たちの何人かにとって実際的な助けになりました。私たちは助けを受けただけでなく、教えも受けたのです。私は助けと教えを受けたいと願っています。つきましては、できたら誌面上で一つの質問に答えていだだけないでしょうか。その質問はある人(クリスチャン)に関するものです。あなたはこれまでその人のために強い願いを持って祈り、彼女に取り憑いている「悪鬼」に対する勝利を彼女のために求めてこられました。彼女は自分の意志を悪魔に明け渡しており、自分自身を悪魔に明け渡すことを決意しているようなのですが、それでもあなたは「勝利」を求め続けることができるのでしょうか?
人はどうすれば「強い人を縛って」獲物を奪い取る方法を知ることを願うようになるのでしょうか?私はそうすることを求めているのですが、この女性の場合、強い人は「縛られて」いません。
アフリカ、ケニヤの宣教士より
「勝利者」誌 千九百十一年 第三巻 一月号 初出
主が「最後まで」「人は常に祈るべきであって」「落胆してはならない」(ルカ十八・一、七)と私たちに語られたのは、敵に対する祈りについてのたとえと関係していました。あなたの述べている人が熟慮の上で自分の意志を悪魔に明け渡しているのだとすると、それは敵がいかに自分の捕虜を徹底的に欺けるかを示す証拠に他なりません。
しかし、たとえそうだとしても、あなたはその人のために勝利を求め続けなければなりません。そしてそれによって、あなたは彼女のために戦わなければなりません。その戦いは彼女が自分で戦うべきものなのですが、彼女は戦うことができないのです。あなたは彼女のために祈り続けるべきです。なぜなら、彼女が自分の真の状態を見ることができるようになりさえするなら、彼女はあなたに祈ってほしいと願うだろうからです。あなたは彼女を捕らえている敵に対抗して(エペソ六・十二)祈り続けなければなりません。それは、彼女が敵の影響を受けずに立てるようになり、自分の取るべき道を適切かつ賢明に選べるようになるまでです。今のところ、彼女は選択の自由がない捕虜です。彼女が悪魔的な異教の習わしに戻って行くのは、彼女がそうしたいからではなく、そうするよう追い立てられているからです。なぜなら、彼女には自分で行動する自由がないからです。
祈りの中で、あなたがなすべきことは次の通りです――
1.祈りの焦点を虜にされている彼女の意志の上に置きなさい。そして、その束縛状態の原因(単数または複数)を打ち破って下さるよう、神に求めなさい。
2.彼女に関して誤っている点を見るときはそれが何であれ、「主よ、この解放の妨げを打ち破って下さい」と言いなさい。
3.彼女を捕らえている悪魔に対抗して祈りなさい。そうして、祈りにより、彼女と敵との間にできるだけ深い亀裂を生じさせなさい。
あなた自身については、次のことを覚えておいて下さい――
1.あなたがイエスの御名の中で祈る祈りはすべて、その効力をあなたは見ないかもしれませんが、敵と人々の上に影響を及ぼします。ひどく「取り憑かれて」いる場合、あなたは数ヶ月間解放の兆しを何も見ないかもしれません。それで、敵はあなたに「お前の祈りは役立たずだ」と言い、そうすることによって自分に対するあなたの祈りを止めさせようと願います。しかし、その時こそ「忍耐」すべき時であり、「落胆してはならない」時なのです。
2.しばらくの間、祈っていて良い「感触」があったのに、その後、まるで空を打つかのようである場合、それはもっと過激な祈りの必要性を示す証拠に他なりません――その祈りは欺きと憑依の諸々の原因をより深く貫く祈りです。
3.イエスの御名の中で勝利を求めているにもかかわらず、「敵は『縛られていない』」と言うことは、サタンからの嘘を認めることです。なぜなら、神はあなたにそのようなことは言わないからです。信仰と事実を混同してはいけません。あなたが勝利を求める時、敵は信仰により「縛られ」ます。しかし、それを神がいつ事実とされるかについては、神にまかせなければなりません。もしあなたが見えるところにしたがって歩むなら、あなたは神が御言葉の中で述べておられることではなく、敵の働きを事実として認めることになります。このケースはあなたにとってテストケースであり、戦いのためにあなたを訓練するものなのです。問題は「彼女は解放されることができるのだろうか」ではなく、「あなたが最後まで持ちこたえて落胆しないでいられるかどうか」なのです!
最後に、このような事例を取り扱うにはいくつかの方法があります。(1)勝利を求めるのは一つのことであり、(2)ローマ六・十一、エペソ二・六の上に立ち、敵に対するキリストの権威を行使し、悪霊に「出て行って戻って来るな」と命じることは別のことです。他方、(3)主の御名の中でサタンを叱ることも別のことです(ユダ九節の改訂訳参照)。
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