連続せる落合（おちあい）聖会及び毎日曜日午後に開きつつある神癒会に於いて又個人の要求によりて癒された人々は数え尽くすことは出来ないが、左（さ）に本人の証詞（あかし）数種を掲げることにした。

（一）頑固な皮膚病、肋膜炎、腹膜炎、腎臓炎、トラホーム

川田民子

多分私が十二才の時と思います。額（ひたい）の生（は）え際（ぎわ）に一種の皮膚病（前額（ぜんがく）より両耳までの髪際（けぎわ）に巾（はば）二寸ほどの皮膚少しく高くなり白色（はくしょく）鱗状（りんじょう）に剃脱（はくだつ）し時々掻痒（かゆみ）あり）が起こりまして、如何に治療しても良くなりませんので、皮膚科の大家土肥（どい）博士に診断を受けましたが病名が分からんので血液試験やら其の他様々な試験の結果対症療法を尽くしましたが何の甲斐（かい）もありませんでしたが、額（ひたい）の事ですから女の身として思い止（と）め難（がた）く、あらゆる民間の療法を尽くしました。或いは牛のレンゲ（内臓もしくは肝臓）が良いというので目を閉じて毎日食べました。或いは毒ダミという苦い草を煎（せん）じて飲み、或いは草津の温泉には十四五年間も毎夏（まいなつ）に行き、その他行者（ぎょうじゃ）や易者（えきしゃ）に何程（どれほど）金を巻き上げられた分かりませんでした。斯（か）く人為（じんい）の限りを尽くしましたが少しもよくなりませんでした。

その上元来（がんらい）虚弱な方で十九才の時肋膜炎に罹（かか）り、続いて腹膜炎となり、腎臓炎も加わり到底癒さるべき望みなく七八年間天を怨み、地を詛（のろ）って日を送りましたが偶々（たまたま）柘植（つげ）先生の高名（こうめい）を聞き早速先生の許（もと）に参りまして癒されんことを切に願いました。先生は先ず十字架の上に私の罪も病気も移っていることを御話（おはな）し下され、手を按（つ）けて祈って下さいました。ところがさしもの難症の皮膚病も其の時全く拭（ぬぐ）うが如く癒されて痕跡もなく、同時に肋膜炎も腹膜炎も何時（いつ）の間（ま）にか消えて仕舞ったので人も我も唯（ただ）驚くの外（ほか）なく感謝の涙に咽（むせ）びました。

その他私が三才の時火箸（ひばし）で目を突いたのが原（もと）で視力衰え、トラホームを併発して十数回の手術も其の効なく常に疲れを覚え、大正十四年三月には再発して遂に左眼（さがん）を失明するに至りましたが、柘植（つげ）先生に祈って戴きましたところが俄然（がぜん）癒されて三日目に見えるようになり驚いて神を崇（あが）めました。大正十四年十二月には強烈な丹毒（たんどく）に罹（かか）り、脳の前額（ぜんがく）部より後頭部まで犯され、頭から顔面悉（ことごと）く腫れ上がり全く人間の顔と思えない程になり、発熱も高く人智（じんち）人力（じんりょく）では全く絶望でしたが、之も手を按（つ）けて祈って頂きましたところが奇跡的に癒され、コリント後書五章十七節の御言（みことば）が霊にも肉にも成就して新しくせられ、御血潮（おんちしお）の能力（ちから）を畏れ戦（おのの）きて感謝しております。

（二）喘息、産褥熱

山本かつ子

私は生来の多病（たびょう）で六七才の頃百日咳（ひゃくにちせき）を病みました時から重い喘息（ぜんそく）に罹（かか）り、その為（ため）に子供の時から二十幾年の間というものは病み通し、医者に掛かり通しという有様（ありさま）で新聞や雑誌に出（い）で居る新薬は如何（どん）な手段を巡らしても買って飲み、又あらゆる神仏に願（がん）をかけ、或いは食（しょく）を断ち、或いは髪を切って癒されんことを願いましたが病は年毎（としごと）に重くなる一方で、家は貧しく、悲観（ひかん）の結果遂に不眠のため医者に貰（もら）って置いたモルヒネを溜（た）めて置いて一度に飲んで自殺を計（はか）り、或いは他の毒薬を飲まんとしたこと三度（ど）もありました。

斯（か）かる苦痛の中（うち）に柘植（つげ）先生の事を聞き、大正十一年八月落合（おちあい）に行き先生に御目（おめ）にかかり、神と人との前に一切の罪を告白して御（おん）憐れみを求め、柘植（つげ）先生に手を按（つ）けて祈って戴きました。その時感謝の涙と共に長年の重い喘息（ぜんそく）が全く癒されましたのみならず生涯も全く一変し、以来四年間健全にして薬一服飲んだこともなく感謝の日を過ごしております。この外（ほか）尚（なお）大正十三年産褥熱（さんじょくねつ）に罹（かか）り、四十日間苦しんだ揚げ句病苦を押して無理に教会に参り、柘植（つげ）先生に手を按（つ）けて祈って頂きました其の時全身に能力（ちから）の加わるるを覚えましたが病は全く癒され、家族の者も驚き、これより大反対の母が熱心な信者となり、姉達も救われ、後（のち）主人も救われ、今は一家挙（こぞ）って毎日感謝と喜びの日を送っております。

（三）那々條虫、十二指腸虫、夜尿、蓄膿症、痔核

荒谷静子

私の長男一雄（かずお）が未（ま）だ小学校一年生の頃より不思議な奇病に罹（かか）り、転々として名医の診察を求めましたが中々病原がわかりませんでした。それは那々（なな）條虫（さなだむし）というエジプトの熱病児の腹中（ふくちゅう）より発見されたという日本には珍しい虫で其の上に回虫（かいちゅう）蟯虫（ぎょうちゅう）十二指腸虫（しちょうちゅう）とか様々と虫がわいておりました。早速駿河台（するがだい）杏雲堂（きょううんどう）病院で有名な博士達の治療を受け、前後三回も入院しましたが那々（なな）條虫（さなだむし）は如何（どう）しても除去されませんでした。又長女愛子（あいこ）次男清彦（きよひこ）も験便（けんべん）の結果同病（どうびょう）に罹（かか）り居ることを発見し、あらん限りの手を尽くし、方法を講じ、随分金も費やしましたが何の甲斐（かい）もなく、それがため三人共如何（いか）に注意しても寝小便（ねしょうべん）をすること数回、特に長男の如きは狂気じみて来るので心痛一方（ひとかた）ならず、人知れず涙に咽（むせ）んでおりました。

然（しか）るに奇（くす）しき摂理の御手は私の友人を通して、大正十一年九月落合（おちあい）聖会に導かれ、柘植（つげ）先生の説教の後、子供三人に手を按（つ）けて祈って貰（もら）いましたところが只（ただ）一回で五六年間悩まされた病魔が一時（じ）に駆逐せられ、それ限り全く癒され、以来就床（しゅうしょう）前（ぜん）にどんなに水を飲んでも一回も寝小便（ねしょうべん）をしたことなく完全に癒されました。本人達の喜びは申すまでもなく私の喜びは譬（たと）えるものなく感謝と讃美に日を送っております。

又大正十三年五月三男三郎（さぶろう）は椅子が倒れかかり右の肩胛（けんこう）関節骨折を起こし、素人（しろうと）にも明らかに曲がっておりましたが主人の反対ある中（うち）に骨折医に行かずして只（ただ）信仰に立ち祈って頂いて癒されました。又その兄に伴（つ）れられて遊びに出（い）でて倒れ左の前膊骨（ぜんはくこつ）骨折を起こした時も柘植（つげ）先生に祈って頂いて速やかに癒され、その後二階から落ちて足を痛めて立てなくなりましたがその時も日曜日の神癒会に出（い）でて癒されました。又私自身も十数年来の蓄膿症（ちくのうしょう）と二十年来の痔核（じかく）が祈りによって全く癒され、霊肉共（とも）新たにせられて感謝しております。

（四）脊髄労、脱肛

森下為二郎

私は本年五十一才ですが壮年時代は無病で過ごしましたが大正十一年九月二十日突然背部（せぶ）に痙攣（けいれん）を覚え、身体に痛みを感じ、段々（だんだん）増長（ぞうちょう）して一年後には歩行困難となり、手先萎（しび）れ帯を結ぶことも出来なくなり、その間（あいだ）種々（しゅじゅ）手を尽くましたが何の甲斐（かい）もなく遂に三井（みつい）慈善病院にて脊髄労（せきずいろう）と断定せられ、熱心に服薬を試みその後駿河台（するがだい）の佐々木（ささき）病院、浅草（あさくさ）病院などにて診察を受けましたが同じく脊髄労（せきずいろう）及び脚気（かっけ）とのことにて治療を受けたるも効果なく、果ては占い八卦（はっけ）加治（かじ）祈祷（きとう）天理教（てんりきょう）に至るまで迷い回りましたが何等（なんら）の効なく失望しておりました。

然（しか）るに大正十三年の春長女の婦人病が柘植（つげ）先生の御祈祷（おいのり）によって癒されたるを見て驚き、早速落合（おちあい）伝道館に参り、同先生に手を按（お）いて祈って貰（もら）いましたところが驚くべきことには翌朝（よくちょう）何気（なにげ）なく蚤（のみ）を捕らえたのでこれまで自由の利（き）かなかった指頭（しとう）に力の加わったことがわかり、身体各部の機能も再び恢復（かいふく）し来たったことに心付（こころづ）き、神癒の著しき効顕（こうけん）に驚きました。それのみならず長年便通の時苦しみました脱肛（だっこう）も同時に全く癒され、健康は以前に勝り毎日感謝の生涯を送っております。

（五）急性中耳炎

梶原志津野

大正十三年十二月三十一日のことですが、二三日前より風邪（ふうじゃ）の気味（きみ）で不快を感じておりましたが突然右の耳が痛み出し漸次（ぜんじ）酷（ひど）くなり、付近の耳鼻科の医者に診（み）て貰（もら）いましたところが急性中耳炎（ちゅうじえん）とのことで絶対安静を命ぜられ、横臥（おうが）しておりましたが痛みは益々（ますます）激しく静かに歩む足音も響いて堪（た）え難く感じました。その時私は未（ま）だ神を知りませんでしたが神癒については著しき実例を見ておりましたから柘植（つげ）先生に御祈（おいのり）を願うように従兄（いとこ）に頼みました。尚（なお）も痛みは烈しく熱も四十度近くありましたが、その日急に激痛が消え去り湿布（しっぷ）も取って眠って仕舞いました。後で聞けばその痛みが取れた時は丁度先生に祈って戴いた時と同時刻であったので驚きました。

翌朝（よくちょう）目が醒めた時は全く痛みも無くなり、気分も清々（すがすが）しくなっておりました。まだ病後のことで両親も心配し、外出を許されませんでしたが開かれていた落合（おちあい）聖会に強（し）いて車に乗って出席し、モ一度先生に祈って戴いたら帰りの時は歩いて帰れるようになりました。医者も意外の経過に驚きましたが決して全く癒（なお）ったというのでない外出してはならぬ、注意せないと聾（つんぼ）になるからと申されましたが冬の寒空（さむぞら）小石川（こいしがわ）から落合（おちあい）まで可（か）なりの道を徒歩で毎日朝も晩も通いましたがそれ切（き）り全く癒されました。只（ただ）神様の奇（くす）しき御行（みわざ）を驚き感謝しております。

（六）らい病

山本喜代一

私の病気に気付きましたのは顔面の知覚異常から健康に疑いを起こしたのが初めでその時は十五才の春でした。一人密（ひそ）かに憂いつつ三年は事無（ことな）く過ぎ学校を卒業しました。けれどもその喜びは僅か数十日にして私の身は世にも悲しむべき天刑病の宣告を受けました。それは掛けていた眼鏡（めがね）に脱落した眉毛の着いているのを発見したことでありました。私は今更のように驚き悲しみました、遠からず私は浅ましい姿となって世から棄てられねばならないことに定まったのです。やむなく福田（ふくた）秋水（しゅうすい）氏の高価な売薬（ばいやく）を服用することにしました。努力も希望も愛も私には悉（ことごと）く空しくなりました。一日（いちじつ）千秋（せんしゅう）の憂いを一人の慈母（じぼ）にさえ明かし得ぬ身の悲しさ。私はやがて来たらんとする運命の秋を愁（うれ）えて名を思秋（ししゅう）と改（か）えました。

二年は過ぎて大正十二年の五月不思議な導きを得、初めて柘植（つげ）先生の落合（おちあい）聖会に寄せられました。私は救われました。昔も今も変わらぬ神は十字架の故に私をお癒し下さいました。私は健康体にせられたのです。そしてエス様が私の健康の保証人となって下さいました。お恵みがなかったら今頃如何（いか）になっておったことでしょう。思えば此の身の今斯（か）く在ることが不思議です。八年前の悲しかった思い出は今は恵みと変わり、現世のみならず永遠の幸いに至らしめる緒（いとぐち）となったのでした。『エス様に頼りなば憂いも悩みも喜びとならん』の讃美歌を衷心（ちゅうしん）から歌う事が出来ます。今は教会に近く宿が与えられ業務に従いつつ聖堂に登り、幸いな信仰生活をしております。明かし得ぬ悩みを抱いて暗きに嘆く兄弟姉妹の皆福音の恩恵（めぐみ）に浴（よく）せられんことを祈りつつおります。

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