十六.あなたの心を解放せよ

ブルームハルト父子

ですから、あなたたちはキリストと共によみがえらされたのですから、あなたたちの心を上にあるものに置きなさい。そこにキリストはおられて、神の右に座しておられるからです。(コロサイ三・一)

困難に圧倒される時、自分の心を解放することを学べ。たとえきわめて恐ろしい病に苦しんでいたとしても、もはや耐えられそうにない時、一日中祈りと溜め息のうちに過ごす時、自分の心を解放せよ。自分の心の中から病を追い払え。自分の心を上にあるものに置いて、自分の心を神に治めてもらうようにせよ。望むなら、あなたはたくさんの病を背負い込むこともできる。しかし、病はあなたの心に似つかわしくない。私は言う、あなたの心を解放せよ。自分の心から不幸を追い払え。そして、自分の十字架を負え。

病に打ちひしがれないようにしようではないか。なぜなら、そもそも病とは何か?もし私たちが命の雰囲気の中に生きるなら、病は霧のように消え失せる。私たちはこれを何度も経験するし、医者もそうである。私たちが経験する数々のひどい霧は、最初見た時ほど濃くはない。それらの霧は消え去る。ある時点で生じるが、間もなく消え去って、それがどこから来てどこへ行ったのかを言える人はだれもいない。

それゆえ、あなたの心を解放せよ。もしそうしたければ、自分の頭を些事で悩ませるがいい。しかし、救い主なる神が、あなたのの中に臨在しなければならない。自分が何の役にも立たなくなるほど、つまらないことに縛られてはならない。多くの人々は麻痺している。多くの些事にかまけているからである。特に、痛みや苦痛が自分の心の中に入り込むのを許しているからである。

自分を自由に保て。どん底の苦難の中でも、きわめて不幸な環境の中でも、つまり、どんな境遇の中にあっても、喜んでキリストに仕えられるようになるためである。何ものにも心を曇らされてはならない。自分からのもの――自分に関する配慮や心配――によって、いささかも曇らされてはならない。むしろ、祈りと感謝をもって、自分を新たに神にささげよ。こうして、あなたは地上で神に栄光を帰すのである。そして神は、あなたにのしかかるいっさいのものの上に、あなたを引き上げてくださるのである。

クリストフ・フリードリヒ・ブルームハルト