第十九章 誘惑

ガイオン夫人

気を散らせるものや誘惑と直接戦おうとするなら、かえってそれを強め、神から引き離されてしまいます。神だけが魂の目標でなければなりません。ですから、私たちはひたすら悪から離れ、神に近づかなければなりません。小さな子供は、恐ろしい怪物を見たら、どうするでしょう?そこにとどまって戦おうとはしません。怪物を見ずに、一目散に母親の懐に飛び込みます。母親の懐で子供は安全です。「神はそのまなかにいまし、その都はゆるがない。神は夜明け前にこれを助けられる」(詩篇四六篇五節)。

もし、自分の弱さの中で敵を攻撃しようとするなら、完敗を喫することはなくても、しばしば傷つくことになるでしょう。しかし、神の臨在の中にとどまるなら、自分を支える力を直ちに受けるでしょう。これがダビデの力の源でした。「私はいつも、私の前に主を置いた。主が私の右におられるので、私はゆるぐことがない。それゆえ、私の心は喜び、私の魂は楽しむ。私の身もまた安らかに住まおう」(詩篇十六篇八、九節)。さらに、出エジプト記は、「主があなたがたのために戦われる。あなたがたは静かにしていなければならない」(十四章十四節)と告げています。