エペソ人への書

第一章

1(かみ)御意(みこころ)によりてキリスト・イエスの使徒(しと)となれるパウロ、(ふみ)をエペソに()聖徒(せいと)、キリストに()りて忠實(ちゅうじつ)なる(もの)(おく)る。 2(ねが)はくは(われ)らの(ちち)なる(かみ)および(しゅ)イエス・キリストより(たま)恩惠(めぐみ)平安(へいあん)(なんぢ)らに()らんことを。
3()むべきかな、(われ)らの(しゅ)イエス・キリストの(ちち)なる(かみ)、かれはキリストに()りて(れい)のもろもろの祝福(しくふく)をもて(てん)(ところ)にて(われ)らを(しく)し、 4御前(みまへ)にて(きよ)(きず)なからしめん(ため)に、()(はじめ)(さき)より我等(われら)をキリストの(うち)(えら)び、 5御意(みこころ)のままにイエス・キリストに()(あい)をもて(おの)()となさんことを(さだ)(たま)へり。 6(これ)その(いつく)しみ(たま)(もの)によりて(われ)らに(たま)ひたる恩惠(めぐみ)榮光(えいくわう)(ほまれ)あらん(ため)なり。 7(われ)らは(かれ)にありて恩惠(めぐみ)(とみ)(したが)ひ、その()()りて贖罪(あがなひ)、すなはち(つみ)(ゆるし)()たり。 8(かみ)(われ)らに諸般(もろもろ)知慧(ちゑ)聰明(さとき)とを(あた)へてその恩惠(めぐみ)(みた)しめ、 9御意(みこころ)奧義(おくぎ)御意(みこころ)のままに(しめ)(たま)へり。 10(すなは)(とき)滿()ちて經綸(けいりん)にしたがひ、(てん)()るもの()にあるものを、(ことご)とくキリストに()りて(ひと)つに()せしめ(たま)ふ。これ(みづか)(さだ)(たま)ひし(ところ)なり。 11(われ)らは、(すべ)ての(こと)御意(みこころ)思慮(おもんぱかり)のままに(おこな)ひたまふ(もの)御旨(みむね)によりて(あらか)じめ(さだ)められ、キリストに()りて(かみ)産業(さんげふ)とせられたり。 12これ(はや)くよりキリストに希望(のぞみ)()きし(われ)らが、(かみ)榮光(えいくわう)(ほまれ)とならん(ため)なり。 13(なんぢ)()もキリストに()りて、(まこと)(ことば)すなはち(なんぢ)らの(すくひ)福音(ふくいん)をきき、(かれ)(しん)じて約束(やくそく)(せい)(れい)にて(いん)せられたり。 14これは(われ)らが()くべき嗣業(しげふ)保證(ほしょう)にして、(かみ)()けるものの(あがな)はれ、かつ(かみ)榮光(えいくわう)(ほまれ)あらん(ため)なり。
15この(ゆゑ)(われ)(なんぢ)らが(しゅ)イエスに(たい)する信仰(しんかう)(すべ)ての聖徒(せいと)(たい)する(あい)とを()きて、 16()えず(なんぢ)らのために感謝(かんしゃ)し、わが(いのり)のうちに(なんぢ)らを(おぼ)え、 17(われ)らの(しゅ)イエス・キリストの(かみ)榮光(えいくわう)(ちち)、なんぢらに智慧(ちゑ)默示(もくし)との(れい)(あた)へて、(かみ)()らしめ、 18(なんぢ)らの(こころ)()(あきら)かにし、(かみ)(めし)にかかはる(のぞみ)と、聖徒(せいと)にある(かみ)嗣業(しげふ)榮光(えいくわう)(とみ)と、 19(かみ)大能(たいのう)勢威(いきほひ)活動(はたらき)によりて(しん)ずる(われ)らに(たい)する能力(ちから)(きは)めて(おほい)なるとを()らしめ(たま)はんことを(ねが)ふ。 20(かみ)はその大能(たいのう)をキリストのうちに(はたら)かせて、(これ)死人(しにん)(うち)より(よみが)へらせ、(てん)(ところ)にて(おのれ)(みぎ)()せしめ、 21もろもろの政治(まつりごと)權威(けんゐ)能力(ちから)支配(しはい)、また(ただ)()()のみならず、(きた)らんとする()にも(とな)ふる(すべ)ての()(うへ)()き、 22(よろづ)(もの)をその(あし)(した)(したが)はせ、(かれ)(よろづ)(もの)(うへ)(かしら)として教會(けうくわい)(あた)(たま)へり。 23この教會(けうくわい)(かれ)(からだ)にして、(よろづ)(もの)をもて(よろづ)(もの)滿(みた)(たま)(もの)滿()つる(ところ)なり。

第二章

1(なんぢ)(さき)には(とが)(つみ)とによりて()にたる(もの)にして、 2この()習慣(ならはし)(したが)ひ、空中(くうちゅう)(けん)()(つかさ)、すなはち()從順(じゅうじゅん)()らの(うち)(いま)なほ(はたら)(れい)(つかさ)にしたがひて(あゆ)めり。 3我等(われら)もみな(さき)には(かれ)らの(うち)にをり、(にく)(よく)(したが)ひて()をおくり、(にく)(こころ)との(ほっ)する(まま)をなし、(ほか)(もの)のごとく(うま)れながら(いかり)()なりき。 4されど(かみ)憐憫(あはれみ)()(たま)ふが(ゆゑ)に、(われ)らを(あい)する(おほい)なる(あい)をもて、 5(とが)によりて()にたる我等(われら)をすら、キリスト・イエスに()りてキリストと(とも)(いか)し、((なんぢ)らの(すく)はれしは恩惠(めぐみ)によれり) 6(とも)(よみが)へらせ、(とも)(てん)(ところ)()せしめ(たま)へり。 7これキリスト・イエスに()りて(われ)らに(ほどこ)したまふ仁慈(なさけ)をもて、()恩惠(めぐみ)(きは)めて(おほい)なる(とみ)を、(きた)らんとする(のち)世々(よよ)(あらは)さんとてなり。 8(なんぢ)らは恩惠(めぐみ)により、信仰(しんかう)によりて(すく)はれたり、(これ)おのれに()るにあらず、(かみ)賜物(たまもの)なり。 9行爲(おこなひ)()るにあらず、これ(ほこ)(もの)のなからん(ため)なり。 10(われ)らは(かみ)(つく)られたる(もの)にして、(かみ)(あらか)じめ(そな)(たま)ひし()(わざ)(あゆ)むべく、キリスト・イエスの(うち)(つく)られたるなり。
11されば記憶(きおく)せよ、(にく)によりては異邦人(いはうじん)にして、()にて(にく)(おこな)ひたるかの割禮(かつれい)ありと(とな)ふる(もの)()割禮(かつれい)(とな)へらるる(なんぢ)ら、 12(さき)にはキリストなく、イスラエルの(みん)(せき)(とほ)く、約束(やくそく)(ぞく)する諸般(もろもろ)契約(けいやく)(あづか)りなく、()()りて希望(のぞみ)なく、(かみ)なき(もの)なりき。 13されど(さき)(とほ)かりし(なんぢ)(いま)キリスト・イエスに()りて、キリストの()によりて(ちか)づくことを()たり。 14 2:15(かれ)(われ)らの平和(へいわ)にして、(おの)(にく)により、樣々(さまざま)誡命(いましめ)(のり)より()律法(おきて)(はい)して、(ふた)つのものを(ひと)つとなし、(うらみ)なる(へだて)中籬(なかがき)(こぼ)(たま)へり。これは(ふた)つのものを(おのれ)(おい)(ひと)つの(あたら)しき(ひと)(つく)りて平和(へいわ)をなし、 16十字架(じふじか)によりて(うらみ)(ほろぼ)し、また(これ)によりて(ふた)つのものを(ひと)つの(からだ)となして(かみ)(やはら)がしめん(ため)なり。 17かつ(きた)りて、(とほ)かりし(なんぢ)()にも平和(へいわ)()べ、(ちか)きものにも平和(へいわ)()(たま)へり。 18そはキリストによりて(われ)(ふた)つのもの(ひと)御靈(みたま)にありて(ちち)(ちか)づくことを()たればなり。 19されば(なんぢ)()はもはや旅人(たびびと)また寄寓人(やどりびと)にあらず、聖徒(せいと)(おな)國人(くにびと)また(かみ)家族(かぞく)なり。 20(なんぢ)らは使徒(しと)預言者(よげんしゃ)との(もとゐ)(うへ)()てられたる(もの)にして、キリスト・イエス(みづか)らその(すみ)首石(おやいし)たり。 21おのおのの建造物(たてもの)、かれに()りて()(あは)せられ、彌増(いやまし)(せい)なる(みや)(しゅ)のうちに()るなり。 22(なんぢ)()もキリストに()りて(とも)()てられ、御靈(みたま)によりて(かみ)御住(みすまひ)となるなり。

第三章

1この(ゆゑ)(なんぢ)異邦人(いはうじん)のためにキリスト・イエスの囚人(めしうど)となれる(われ)パウロ―― 2(なんぢ)()のために(われ)(たま)ひたる(かみ)恩惠(めぐみ)經綸(けいりん)(なんぢ)()きしならん、 3(すなは)(われ)まへに簡單(かんたん)()きおくりし(ごと)く、この奧義(おくぎ)默示(もくし)にて(われ)(しめ)されたり。 4(なんぢ)()これを()みてキリストの奧義(おくぎ)にかかはる()(さとり)()ることを()べし。 5この奧義(おくぎ)は、いま御靈(みたま)によりて(せい)使徒(しと)(せい)預言者(よげんしゃ)とに(あらは)されし(ごと)くに、前代(ぜんだい)には(ひと)()らに(しめ)されざりき。 6(すなは)異邦人(いはうじん)福音(ふくいん)によりキリスト・イエスに()りて(とも)世嗣(よつぎ)となり、(とも)一體(いったい)となり、(とも)約束(やくそく)(あづか)(もの)となる(こと)なり。 7(われ)はその福音(ふくいん)役者(えきしゃ)とせらる。これ(かみ)能力(ちから)活動(はたらき)(したが)ひて(われ)(たま)(めぐみ)賜物(たまもの)によるなり。 8(われ)(すべ)ての聖徒(せいと)のうちの(いと)(ちひさ)(もの)よりも(ちひさ)(もの)なるに、キリストの(はか)るべからざる(とみ)異邦人(いはうじん)(つた)へ、 9また萬物(ばんもつ)(つく)(たま)ひし(かみ)のうちに、世々(よよ)(かく)れたる奧義(おくぎ)經綸(けいりん)如何(いか)なるもの()をあらはす恩惠(めぐみ)(たま)はりたり。 10いま教會(けうくわい)によりて(かみ)(ゆたか)なる知慧(ちゑ)を、(てん)(ところ)にある政治(まつりごと)權威(けんゐ)とに()らしめん(ため)なり。 11これは永遠(とこしへ)より(われ)らの(しゅ)キリスト・イエスの(うち)に、(かみ)(さだ)(たま)ひし御旨(みむね)によるなり。 12(われ)らは(かれ)()りて(かれ)(しん)ずる信仰(しんかう)により、(おく)せず(うたが)はずして(かみ)(ちか)づくことを()るなり。 13されば(なんぢ)らに()ふ、わが(なんぢ)()のために()くる患難(なやみ)()きて落膽(きおち)すな、(これ)なんぢらの(ほまれ)なり。 14 3:15この(ゆゑ)(われ)(てん)()とに()諸族(しょぞく)()(おこ)るところの(ちち)(ひざま)づきて(ねが)ふ。 16(ちち)その榮光(えいくわう)(とみ)にしたがひて、御靈(みたま)により(ちから)をもて(なんぢ)らの(うち)なる(ひと)(つよ)くし、 17信仰(しんかう)によりてキリストを(なんぢ)らの(こころ)(すま)はせ、(なんぢ)らをして(あい)()ざし、(あい)(もとゐ)とし、 18(すべ)ての聖徒(せいと)とともにキリストの(あい)(ひろ)さ・(なが)さ・(たか)さ・(ふか)さの如何(いか)ばかりなるかを(さと)り、 19その(はか)()るべからざる(あい)()ることを()しめ、(すべ)(かみ)滿()てる(もの)(なんぢ)らに滿(みた)しめ(たま)はん(こと)を。
20(ねが)はくは(われ)らの(うち)にはたらく能力(ちから)(したが)ひて、(われ)らの(すべ)(もと)むる(ところ)、すべて(おも)(ところ)よりも(いた)(まさ)(こと)をなし()(もの)に、 21榮光(えいくわう)世々(よよ)(かぎ)りなく教會(けうくわい)によりて、(また)キリスト・イエスによりて()らんことを、アァメン。

第四章

1されば(しゅ)()りて囚人(めしうど)たる(われ)なんぢらに(すす)む。(なんぢ)()されたる(めし)(かな)ひて(あゆ)み、 2(こと)(ごと)謙遜(けんそん)柔和(にうわ)寛容(くわんよう)とを(もち)ひ、(あい)をもて(たがひ)(しの)び、 3平和(へいわ)(つなぎ)のうちに(つと)めて御靈(みたま)(たま)一致(いっち)(まも)れ。 4(からだ)(ひと)つ、御靈(みたま)(ひと)つなり。(なんぢ)らが(めし)にかかはる(ひと)(のぞみ)をもて()されたるが(ごと)し。 5(しゅ)(ひと)つ、信仰(しんかう)(ひと)つ、バプテスマは(ひと)つ、 6(すべ)ての(もの)(ちち)なる(かみ)(ひと)つなり。(かみ)(すべ)てのものの(うへ)(いま)し、(すべ)てのものを(つらぬ)き、(すべ)てのものの(うち)(いま)したまふ。 7我等(われら)はキリストの賜物(たまもの)(はかり)(したが)ひて、おのおの恩惠(めぐみ)(たま)はりたり。 8されば()へることあり
『かれ(たか)きところに(のぼ)りしとき、(おほ)くの(とりこ)をひきゐ、人々(ひとびと)賜物(たまもの)(たま)へり』
と。 9(すで)(のぼ)りしと()へば、まづ()(ひく)(ところ)まで(くだ)りしにあらずや。 10(くだ)りし(もの)(すなは)(よろづ)(もの)滿()たん(ため)に、もろもろの(てん)(うへ)(のぼ)りし(もの)なり。 11(かれ)(ある)(ひと)使徒(しと)とし、(ある)(ひと)預言者(よげんしゃ)とし、(ある)(ひと)傳道者(でんどうしゃ)とし、(ある)(ひと)牧師(ぼくし)教師(けうし)として(あた)(たま)へり。 12これ聖徒(せいと)(まった)うして(つとめ)(おこな)はせ、キリストの(からだ)()て、 13我等(われら)をしてみな信仰(しんかう)(かみ)()()知識(ちしき)とに一致(いっち)せしめ、(まった)(ひと)、すなはちキリストの滿()()れるほどに(いた)らせ、 14また我等(われら)はもはや幼童(わらべ)ならず、(ひと)欺騙(あざむきごと)誘惑(まどはし)(てだて)たる惡巧(たくみ)とより(おこ)樣々(さまざま)(をしへ)(かぜ)()きまはされず、 15ただ(あい)をもて(まこと)(たも)ち、(そだ)ちて(すべ)てのこと(かしら)なるキリストに(たっ)せん(ため)なり。 16(かれ)(もと)とし全身(ぜんしん)(すべ)ての節々(ふしぶし)(たすけ)にて(ととの)ひ、かつ(つらな)り、肢體(したい)おのおの(はかり)(おう)じて(はたら)くにより、その(からだ)成長(せいちゃう)し、(みづか)(あい)によりて()てらるるなり。
17されば(われ)これを()ひ、(しゅ)()りて(あかし)す、なんぢら(いま)よりのち、異邦人(いはうじん)のその(こころ)虚無(むなしき)(まか)せて(あゆ)むが(ごと)(あゆ)むな。 18(かれ)らは(おもひ)(くら)くなりて、()(うち)なる無知(むち)により、(こころ)頑固(かたくな)によりて(かみ)生命(いのち)(とほ)ざかり、 19(はぢ)()らず、放縱(ほしいまま)(すべ)ての汚穢(けがれ)(おこな)はんとて(おのれ)好色(かうしょく)(わた)せり。 20されど(なんぢ)らはかくの(ごと)くならん(ため)にキリストを(まな)べるにあらず。 21(なんぢ)らは(かれ)()き、(かれ)()りてイエスにある眞理(まこと)(したが)ひて(をし)へられしならん。 22(すなは)(なんぢ)誘惑(まどはし)(よく)のために(ほろ)ぶべき(さき)動作(ふるまひ)()ける(ふる)(ひと)()ぎすて、 23(こころ)(れい)(あらた)にし、 24眞理(まこと)より()づる()(せい)とにて、(かみ)(かたど)(つく)られたる(あたら)しき(ひと)()るべきことなり。
25されば虚僞(いつはり)をすてて各自(おのおの)その(となり)(まこと)をかたれ、(われ)(たがひ)(えだ)なればなり。 26(なんぢ)(いか)るとも(つみ)(をか)すな、憤恚(いきどほり)()()るまで(つづ)くな。 27惡魔(あくま)機會(をり)()さすな。 28(ぬすみ)する(もの)(いま)よりのち(ぬすみ)すな、むしろ(まづ)しき(もの)()(あた)()るために()づから(はたら)きて()(わざ)をなせ。 29()しき(ことば)一切(いっさい)なんぢらの(くち)より(いだ)すな、ただ(とき)(したが)ひて(ひと)(とく)()つべき()(ことば)(いだ)して、()(もの)(えき)()させよ。 30(かみ)(せい)(れい)(うれ)ひしむな、(なんぢ)らは贖罪(あがなひ)()のために(せい)(れい)にて(いん)せられたるなり。 31(すべ)ての(にがき)憤恚(いきどほり)(いかり)喧噪(さわぎ)誹謗(そしり)、および(すべ)ての惡意(あくい)(なんぢ)()より()てよ。 32(たがひ)仁慈(なさけ)憐憫(あはれみ)とあれ、キリストに()りて(かみ)(なんぢ)らを(ゆる)(たま)ひしごとく、(なんぢ)らも(たがひ)(ゆる)せ。

第五章

1されば(なんぢ)(あい)せらるる子供(こども)のごとく、(かみ)(なら)(もの)となれ。 2(また)キリストの(なんぢ)らを(あい)し、(われ)らのために(おのれ)(かうば)しき(かをり)献物(ささげもの)とし犧牲(いけにへ)として、(かみ)(ささ)(たま)ひし(ごと)く、(あい)(うち)をあゆめ。 3聖徒(せいと)たるに(かな)ふごとく、淫行(いんかう)、もろもろの汚穢(けがれ)、また慳貪(むさぼり)(なんぢ)らの(うち)にて(とな)ふる(こと)だに()な。 4また()づべき(ことば)(おろか)なる(はなし)戯言(たはむれごと)()ふな、これ(よろ)しからぬ(こと)なり、(むし)感謝(かんしゃ)せよ。 5(すべ)淫行(いんかう)のもの、(けが)れたるもの、(むさぼ)るもの、(すなは)偶像(ぐうざう)(をが)(もの)どもの、キリストと(かみ)との(くに)世嗣(よつぎ)たることを()ざるは、(なんぢ)らの(かた)()(ところ)なり。 6(なんぢ)(ひと)(むな)しき(ことば)(あざむ)かるな、(かみ)(いかり)はこれらの(こと)によりて()從順(じゅうじゅん)()らに(およ)ぶなり。 7この(ゆゑ)(かれ)らに(くみ)する(もの)となるな。 8(なんぢ)(もと)(やみ)なりしが、(いま)(しゅ)()りて(ひかり)となれり、(ひかり)子供(こども)のごとく(あゆ)め。 9(ひかり)(むす)()はもろもろの(ぜん)正義(ただしき)誠實(まこと)となり) 10(しゅ)(よろこ)(たま)ふところの如何(いか)なるかを(わきま)()れ。 11()(むす)ばぬ(くら)(わざ)(くみ)する(こと)なく、(かへ)つて(これ)()めよ。 12(かれ)らが(かく)れて(おこな)ふことは(これ)()ふだに()づべき(こと)なり。 13(すべ)てかかる(こと)は、()めらるるとき(ひかり)にて(あらは)さる、(あらは)さるる(もの)はみな(ひかり)となるなり。 14この(ゆゑ)()(たま)
(ねむ)れる(もの)よ、()きよ、死人(しにん)(うち)より()(あが)れ。
さらばキリスト(なんぢ)(てら)(たま)はん』
15されば(つつし)みてその(あゆ)むところに(こころ)せよ、(かしこ)からぬ(もの)(ごと)くせず、(かしこ)(もの)(ごと)くし、 16また機會(をり)をうかがへ、そは(とき)()しければなり。 17この(ゆゑ)(おろか)とならず、(しゅ)御意(みこころ)如何(いかん)(さと)れ。 18(さけ)()ふな、放蕩(はうたう)はその(うち)にあり、むしろ御靈(みたま)にて滿(みた)され、 19()讃美(さんび)(れい)(うた)とをもて(かた)()ひ、また(しゅ)(むか)ひて(こころ)より(かつ)うたひ、かつ讃美(さんび)せよ。 20(すべ)ての(こと)()きて(つね)(われ)らの(しゅ)イエス・キリストの()によりて(ちち)なる(かみ)感謝(かんしゃ)し、 21キリストを(おそれ)みて(たがひ)(したが)へ。
22(つま)たる(もの)よ、(しゅ)(したが)ふごとく(おのれ)(をっと)(したが)へ。 23キリストは(みづか)(からだ)救主(すくひぬし)にして教會(けうくわい)(かしら)なるごとく、(をっと)(つま)(かしら)なればなり。 24教會(けうくわい)のキリストに(したが)ふごとく、(つま)(すべ)てのこと(をっと)(したが)へ。 25(をっと)たる(もの)よ、キリストの教會(けうくわい)(あい)し、(これ)がために(おのれ)()(たま)ひしごとく、(なんぢ)らも(つま)(あい)せよ。 26キリストの(おのれ)()(たま)ひしは、(みづ)(あらひ)をもて(ことば)によりて教會(けうくわい)(きよ)め、これを(せい)なる(もの)として、 27汚點(しみ)なく(しわ)なく、(すべ)()くのごとき(たぐひ)なく、(きよ)(きず)なき(たふと)教會(けうくわい)を、おのれの(まへ)()てん(ため)なり。 28()くのごとく(をっと)はその(つま)(おのれ)(からだ)のごとく(あい)すべし。(つま)(あい)するは(おのれ)(あい)するなり。 29(おのれ)()(にく)(もの)(かつ)てあることなし、(みな)これを(そだ)(やしな)ふ、キリストの教會(けうくわい)()けるも(また)かくの(ごと)し。 30(われ)らは(かれ)(からだ)(えだ)なり、 31『この(ゆゑ)(ひと)(ちち)(はは)(はな)れ、その(つま)()ひて二人(ふたり)のもの一體(いったい)となるべし』 32この奧義(おくぎ)(おほい)なり、わが()(ところ)はキリストと教會(けうくわい)とを()せるなり。 33(なんぢ)()おのおの(おのれ)のごとく()(つま)(あい)せよ、(つま)(また)その(をっと)(うやま)ふべし。

第六章

1()たる(もの)よ、なんぢら(しゅ)にありて兩親(ふたおや)(したが)へ、これ(ただ)しき(こと)なり。 2『なんぢの(ちち)(はは)(うやま)へ(これ約束(やくそく)(くは)へたる誡命(いましめ)(はじめ)なり) 3さらばなんぢ幸福(さいはひ)()、また()(うへ)(いのち)(なが)からん』 4(ちち)たる(もの)よ、(なんぢ)らの子供(こども)(いか)らすな、ただ(しゅ)薫陶(くんたう)訓戒(くんかい)とをもて(そだ)てよ。
5(しもべ)たる(もの)よ、キリストに(したが)ふごとく(おそ)れをののき、眞心(まごころ)をもて(にく)につける主人(しゅじん)(したが)へ。 6(ひと)(よろこ)ばする(もの)(ごと)く、ただ()(まへ)(こと)のみを(つと)めず、キリストの(しもべ)のごとく(こころ)より(かみ)御旨(みむね)をおこなひ、 7(ひと)(つか)ふる(ごと)くせず、(しゅ)(つか)ふるごとく(こころよ)くつかへよ。 8そは奴隷(どれい)にもあれ、自主(じしゅ)にもあれ、各自(おのおの)おこなふ()(わざ)によりて(しゅ)より()(むくい)()くることを(なんぢ)()ればなり。 9主人(しゅじん)たる(もの)よ、(なんぢ)らも(しもべ)(たい)()(おこな)ひて威嚇(おびやかし)()めよ、そは(かれ)らと(なんぢ)らとの(しゅ)(てん)(いま)して、(かたよ)()たまふことなきを(なんぢ)()ればなり。
10(をはり)()はん、(なんぢ)(しゅ)にありて()大能(たいのう)勢威(いきほひ)()りて(つよ)かれ。 11惡魔(あくま)(てだて)(むか)ひて()()んために、(かみ)武具(ぶぐ)をもて(よろ)ふべし。 12(われ)らは血肉(けつにく)(たたか)ふにあらず、政治(まつりごと)權威(けんゐ)、この()暗黒(くらき)(つかさ)どるもの、(てん)(ところ)にある(あく)(れい)(たたか)ふなり。 13この(ゆゑ)(かみ)武具(ぶぐ)()れ、(なんぢ)()しき()()ひて(あた)()ちむかひ、(すべ)ての(こと)成就(じゃうじゅ)して()()んためなり。 14(なんぢ)()つに(まこと)(おび)として(こし)(むす)び、正義(ただしき)胸當(むねあて)として(むね)()て、 15平和(へいわ)福音(ふくいん)(そなへ)(くつ)として(あし)穿()け。 16この(ほか)なほ信仰(しんかう)(たて)()れ、(これ)をもて()しき(もの)(すべ)ての火矢(ひや)()すことを()ん。 17また(すくひ)(かぶと)および御靈(みたま)(つるぎ)、すなはち(かみ)(ことば)()れ。 18(つね)にさまざまの(いのり)(ねがひ)とをなし、御靈(みたま)によりて(いの)り、また()(さま)して(すべ)ての聖徒(せいと)のためにも(ねが)ひて()まざれ。 19(また)わが(くち)(ひら)くとき(ことば)(たま)はり、(はばか)らずして福音(ふくいん)奧義(おくぎ)(しめ)し、 20(かた)るべき(ところ)(はばか)らず(かた)()るように、()がためにも(いの)れ、(われ)はこの福音(ふくいん)のために使者(つかひ)となりて(くさり)(つな)がれたり。
21(あい)する兄弟(きゃうだい)(しゅ)()りて忠實(まめやか)なる役者(えきしゃ)テキコ、()情況(ありさま)わが()(ところ)のことを、(つぶさ)(なんぢ)らに()らせん。 22われ(かれ)(つかは)すは、()(こと)(なんぢ)らに()らせて、(なんぢ)らの(こころ)(なぐさ)めしめん(ため)なり。
23(ねが)はくは(ちち)なる(かみ)および(しゅ)イエス・キリストより(たま)平安(へいあん)と、信仰(しんかう)(ともな)へる(あい)と、兄弟(きゃうだい)たちに()らんことを。 24(ねが)はくは()ちぬ(あい)をもて(われ)らの(しゅ)イエス・キリストを(あい)する(すべ)ての(もの)御惠(みめぐみ)あらんことを。