イザヤ書

第一章

1アモツの()イザヤがユダの(わう)ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤのときに(しめ)されたるユダとヱルサレムとに(かか)異象(いしやう) 2(てん)よきけ()(みみ)をかたぶけよ ヱホバの(かた)りたまふ(ことば)あり (いは)く われ()をやしなひ(そだ)てしにかれらは(われ)にそむけり 3(うし)はその(しゆ)をしり驢馬(ろば)はそのあるじの(むまや)をしる (され)どイスラエルは(しら)ず わが(たみ)はさとらず 4ああ(つみ)ををかせる國人(くにびと)よこしまを()ふたみ (あく)をなす(もの)のすゑ (やぶ)りそこなふ種族(やから) かれらはヱホバをすてイスラエルの聖者(せいしや)をあなどり(これ)をうとみて退(しりぞ)きたり 5なんぢら(なん)ぞかさねがさね(もと)りて(なほ)(うた)れんとするか その(かしら)はやまざる(ところ)なくその(こころ)はつかれはてたり 6(あし)のうらより(かしら)にいたるまで(また)きところなくただ創痍(きず)打傷(うちきず)腫物(しゆもつ)とのみなり (しか)してこれを(あは)すものなく(つつ)むものなく(また)あぶらにて(やは)らぐる(もの)もなし 7なんぢらの(くに)はあれすたれなんぢらの諸邑(まちまち)()にてやかれなんぢらの田畑(たはた)はその(まへ)にて外人(あだしびと)にのまれ(すで)にあだし(びと)にくつがへされて荒廢(あれすた)れたり 8シオンの(むすめ)はぶだうぞのの(いほり)のごとく瓜田(うりばたけ)假舎(かりや)のごとくまた(かこみ)をうけたる(しろ)のごとく(ただ)ひとり(のこ)れり 9萬軍(ばんぐん)のヱホバわれらに(すこ)しの(のこり)をとどめ(たま)ふことなくば我儕(われら)はソドムのごとく(また)ゴモラに(おな)じかりしならん 10なんぢらソドムの有司(つかさびと)よヱホバの(ことば)をきけ なんぢらゴモラの(たみ)よ われらの(かみ)律法(おきて)(みみ)をかたぶけよ 11ヱホバ(いひ)たまはくなんぢらが(ささ)ぐるおほくの犠牲(いけにへ)はわれに(なに)(えき)あらんや (われ)はをひつじの燔祭(はんさい)とこえたるけものの(あぶら)とにあけり われは牡牛(をうし)あるひは小羊(こひつじ)あるひは牡山羊(をやぎ)()をよろこばず 12なんぢらは(われ)(まみ)えんとてきたる このことを()がなんぢらに(もと)めしや (いたづ)らにわが(には)をふむのみなり 13むなしき祭物(そなへもの)をふたたび(たづさ)ふることなかれ 燻物(たきもの)はわがにくむところ 新月(しんげつ)および安息日(あんそくにち)また會衆(くわいしゆう)をよびあつむることも()がにくむところなり なんぢらは聖會(せいくわい)(あく)()ぬ われ(ゆる)すにたへず 14わが(こころ)はなんぢらの新月(しんげつ)節會(せちゑ)とをきらふ (これ)わが重荷(おもに)なり われ(おふ)にうみたり 15(われ)なんぢらが()をのぶるとき()をおほひ 汝等(なんぢら)がおほくの祈禱(いのり)をなすときも(きく)ことをせじ なんぢらの()には()みちたり 16なんぢら(おのれ)をあらひ(おのれ)をきよくしわが眼前(めのまへ)よりその惡業(あしきわざ)をさり (あく)をおこなふことを()17(ぜん)をおこなふことをならひ 公平(こうへい)をもとめ (しへた)げらるる(もの)をたすけ 孤子(みなしご)公平(こうへい)をおこなひ 寡婦(やもめ)(うつたへ)をあげつらへ 18ヱホバいひたまはく (いざ)われらともに(あげつら)らはん なんぢらの(つみ)()のごとくなるも(ゆき)のごとく(しろ)くなり(くれなゐ)のごとく(あか)くとも(ひつじ)()のごとくにならん 19(もし)なんぢら(うけが)ひしたがはば()美產(よきもの)をくらふことを()べし 20もし汝等(なんぢら)こばみそむかば(つるぎ)にのまるべし ()はヱホバその御口(みくち)よりかたりたまへるなり 21忠信(ちうしん)なりし(まち)いかにして妓女(うかれめ)とはなれる (むか)しは公平(こうへい)にてみち正義(せいぎ)その(なか)にやどりしに(いま)(ひと)をころす(もの)ばかりとなりぬ 22なんぢの白銀(しろかね)(かす)となり なんぢの葡萄酒(ぶだうしゆ)(みづ)をまじへ 23なんぢの長輩(をさたち)はそむきて盗人(ぬすびと)伴侶(かたうど)となり おのおの賄賂(まひなひ)をよろこび 贓財(おくりもの)をおひもとめ 孤子(みなしご)公平(こうへい)をおこなはず 寡婦(やもめ)(うたへ)はかれらの(まへ)にいづること(あた)はず 24このゆゑに(しゆ)萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの全能者(ぜんのうしや)のたまはく (ああ)われ(てき)にむかひて(おもひ)をはらし(あた)にむかひて(むくい)をすべし 25(われ)また()をなんぢの(うへ)にそへ なんぢの(かす)をことごとく(きよ)くし なんぢの(なまり)をすべて取去(とりさ)26なんぢの審士(さばきびと)(もと)のごとく なんぢの議官(ぎくわん)(はじめ)のごとくに(かへ)すべし (しか)るのちなんぢは正義(せいぎ)(まち)忠信(ちうしん)(まち)ととなへられん 27シオンは公平(こうへい)をもてあがなはれ 歸來(かへりきた)るものも正義(せいぎ)をもて(あがな)はるべし 28されど(とが)ををかすものと罪人(つみびと)とはともに(やぶ)れ ヱホバをすつる(もの)もまた(ほろ)びうせん 29なんぢらはその(よろこ)びたる橿樹(かしのき)によりて(はぢ)をいだき そのえらびたる(その)によりて(はぢ)(あから)むべし 30なんぢらは()のかるる橿樹(かしのき)のごとく(みづ)なき(その)のごとくならん 31權勢(いきほひ)あるものは(あさ)のごとく その(わざ)火花(ひばな)のごとく (ふた)つのもの一同(ともに)もえてこれを撲滅(うちけ)すものなし

第二章

1アモツの()イザヤが(しめ)されたるユダとヱルサレムとにかかる(ことば) 2すゑの()にヱホバの(いへ)(やま)はもろもろの(やま)のいただきに(かたく)()ち もろもろの(みね)よりもたかく(あが)り すべての(くに)(ながれ)のごとく(これ)につかん 3おほくの(たみ)ゆきて(あひ)(かたり)いはん (いざ)われらヱホバの(やま)にのぼりヤコブの(かみ)(いへ)にゆかん (かみ)われらにその(みち)ををしへ(たま)はん われらその(みち)をあゆむべしと そは律法(おきて)はシオンよりいでヱホバの(ことば)はヱルサレムより(いづ)べければなり 4ヱホバはもろもろの(くに)のあひだを(さば)き おほくの(たみ)をせめたまはん (かく)てかれらはその(つるぎ)をうちかへて(すき)となし その(やり)をうちかへて(かま)となし (くに)(くに)にむかひて(つるぎ)をあげず 戰鬪(たたかひ)のことを(ふたた)びまなばざるべし 5ヤコブの(いへ)よきたれ 我儕(われら)ヱホバの(ひかり)にあゆまん 6(しゆ)よなんぢはその(たみ)ヤコブの(いへ)をすてたまへり ()はかれらのなかに(ひがし)のかたの風俗(ならはし)みち (みな)ペリシテ(びと)のごとく陰陽師(おんやうし)となり 異邦人(ことくにびと)のともがらと()をうちて(ちかひ)をたてしが(ゆゑ)なり 7かれらの(くに)には黄金(こがね)白銀(しろかね)みちて財寶(たから)(かず)かぎりなし かれらの(くに)には(うま)みちて戰車(いくさぐるま)のかず(かぎ)りなし 8かれらの(くに)には偶像(ぐうざう)みち (みな)おのが()(わざ)その(ゆび)のつくれる(もの)ををがめり 9(いや)しきものは(かが)められ(たふと)きものは(ひくく)せらる かれらを(ゆる)したまふなかれ 10なんぢ岩間(いはのひま)にいり また(つち)にかくれて ヱホバの(おそ)るべき容貌(みかたち)とその稜威(みいつ)光輝(かがやき)とをさくべし 11この()には()をあげて(たか)ぶるもの(ひくく)せられ (おご)(ひと)かがめられ (ただ)ヱホバのみ(たく)くあげられ(たま)はん 12そは萬軍(ばんぐん)のヱホバの(ひとつ)()あり すべて(たか)ぶる(もの)おごる(もの)みづからを(あがむ)るものの(うへ)にのぞみて(これ)をひくくし 13またレバノンのたかく(そびえ)たるすべての香柏(かうはく)バシヤンのすべての橿樹(かしのき) 14もろもろの高山(たかきやま)もろもろの(そび)えたる(みね) 15すべてのたかき(やぐら)すべての堅固(けんご)なる石垣(いしがき) 16およびタルシシのすべての(ふね)すべての(した)ふべき(うる)はしきものに(のぞ)むべし 17この()には(たか)ぶる(もの)はかがめられ (おご)(ひと)はひくくせられ (ただ)ヱホバのみ(たか)くあげられ(たま)はん 18かくて偶像(ぐうざう)はことごとく(ほろ)びうすべし 19ヱホバたちて()震動(ふるひうごか)したまふとき人々(ひとびと)そのおそるべき容貌(みかたち)とその稜威(みいつ)光輝(かがやき)とをさけて(いはほ)(ほら)()(あな)とにいらん 20その()人々(ひとびと)おのが(はい)せんとて(つく)れる白銀(しろかね)のぐうざうと黄金(こがね)のぐうざうとを鼹鼠(うころもち)のあな蝙蝠(かはほり)(あな)になげすて 21岩々(いはいは)(はざま)けはしき山峽(やまあひ)にいり ヱホバの(たち)()をふるひうごかしたまふその(おそ)るべき容貌(みかたち)稜威(みいつ)のかがやきとを(さけ)22なんぢら(はな)より(いき)のいでいりする(ひと)()ることをやめよ(かか)るものは(なん)ぞかぞふるに()らん

第三章

1みよ(しゆ)ばんぐんのヱホバ、ヱルサレムおよびユダの(たの)むところ(よる)ところなる(すべ)てその(たの)むところの(かて) すべてその(たの)むところの(みづ) 2勇士(ますらを) 戰士(いくさびと) 審士(さばきびと) 預言者(よげんしや) 卜筮者(うらなひしや) 長老(ちやうらう) 3五十人(ごじふにん)(かしら) 貴顯者(たふときもの) 議官(ぎくわん) (げい)(たけ)たる(もの)および言語(ことば)たくみなるものを除去(のぞきさ)りたまはん 4われ童子(わらべ)をもてかれらの(きみ)とし嬰兒(みどりご)にかれらを(をさ)めしめん 5(たみ)たがひに(あひ)(しへた)(ひと)おのおのその(となり)をしへたげ 童子(わらべ)(おい)たる(もの)にむかひて(たか)ぶり (いや)しきものは(たふと)きものに(むか)ひてたかぶらん 6そのとき(ひと)ちちの(いへ)にて兄弟(きやうだい)にすがりていはん (なんぢ)なほ(ころも)あり われらの有司(つかさびと)となりてこの荒敗(やぶれ)をその()にてをさめよと 7その()かれ(こゑ)をあげていはん (われ)なんぢらを(いや)すものとなるを()じ わが(いへ)(かて)なくまた(ころも)なし (われ)をたてて(たみ)有司(つかさびと)とすることなかれと 8(これ)かれらの(した)行爲(おこなひ)とはみなヱホバにそむきてその榮光(えいくわう)()ををかししが(ゆゑ)に ヱルサレムは(やぶ)れユダは(たふ)れたればなり 9かれらの面色(かほばせ)はその(あし)きことの(あかし)をなし ソドムのごとくその(つみ)をあらはして(かく)すことをせざるなり かれらの靈魂(たましひ)はわざはひなるかな(みづか)らその(あく)(むくい)をとれり 10なんぢら義人(ただしきひと)にいへ かならず福祉(さいはひ)をうけんと 彼等(かれら)はそのおこなひの()をくらふべければなり 11惡者(あしきもの)はわざはひなる(かな)かならず災禍(わざはひ)をうけん その()(むくい)きたるべければなり 12わが(たみ)はをさなごに(しへた)げられ婦女(をんな)にをさめらる (ああ)わが(たみ)よなんぢを(みちび)くものは(かへり)てなんぢを(まよ)はせ(なんぢ)のゆくべき(みち)()13ヱホバ(たち)いでて公理(ことはり)をのべ(たち)てもろもろの(たみ)審判(さばき)(たま)14ヱホバ(きた)りておのが(たみ)長老(ちやうらう)ともろもろの(きみ)とをさばきて(いひ)(たま)はん なんぢらは葡萄園(ぶだうぞの)をくひあらせり (まづし)きものより(かす)めとりたる(もの)はなんぢらの(いへ)にあり 15いかなれば汝等(なんぢら)わが(たみ)をふみにじり(まづし)きものの(かほ)をすりくだくやと これ(しゆ)萬軍(ばんぐん)のヱホバのみことばなり 16ヱホバまた(いひ)(たま)はくシォンの女輩(むすめら)はおごり (うなじ)をのばしてあるき ()にて(こび)をおくり 徐々(しづしづ)としてあゆみゆくその(あし)にはりんりんと(おと)あり 17このゆゑに(しゆ)シオンのむすめらの(かしら)をかぶろにしヱホバ(かれ)らの醜所(みにくきところ)をあらはし(たま)はん 18その()(しゆ)かれらが(あし)にかざれる(うる)はしき(くしろ)をとり 瓔珞(やうらく) 半月飾(つきがたのかざり) 19耳環(みみわ) 手釧(うでわ) 面帕(かほおほひ) 20華冠(かんむり) 脛飾(すねかざり) (おび) 香盒(かうがう) 符嚢(まもりぶくろ) 21指環(ゆびわ) 鼻環(はなわ) 22公服(こうふく) 上衣(うはぎ) 外帔(おほひぎぬ) 金嚢(かねぶくろ) 23(かがみ) 細布(にぎたへ)(ころも) 首帕(かしらぎぬ) 被衣(かつぎ)などを取除(とりのぞ)きたまはん 24(しか)して(かぐ)はしき(かう)はかはりて臭穣(あしきにほひ)となり (おび)はかはりて(なは)となり (うる)はしく(あみ)たる(かみ)はかぶろとなり (はなや)かなる(ころも)はかはりて麁布(あらたへ)のころもとなり 麗顔(みめよきかほ)はかはりて烙鐵(やきがね)せられたる(きず)とならん 25なんぢの(をとこ)はつるぎにたふれ なんぢの勇士(ますらを)はたたかひに(たふ)るべし 26その(もん)はなげきかなしみ シオンは荒廢(あれすた)れて()にすわらん

第四章

1その()七人(ななたり)のをんな一人(ひとり)(をとこ)にすがりていはん 我儕(われら)おのれの(かて)をくらひ(おのれ)のころもを()るべし ただ我儕(われら)になんぢの()をとなふることを(ゆる)してわれらの(はぢ)をとりのぞけと 2その()ヱホバの(えだ)はさかえて(かがや)かん ()よりなりいづるものの()はすぐれ(また)うるはしくして(のが)れのこれるイスラエルの(えき)となるべし 3(しか)してシオンに(のこ)れるもの ヱルサレムにとどまれる(もの) すべて此等(これら)のヱルサレムに(ながら)ふる(もの)のなかに(しる)されたるものは(せい)ととなへられん 4そは(しゆ)さばきするみたまと(やき)つくす(みたま)とをもてシオンのむすめらの(けがれ)をあらひ ヱルサレムの()をその(なか)よりのぞきたまふ(とき)きたるべければなり 5(ここ)にヱホバはシオンの(やま)のすべての住所(すまひ)と もろもろの聚會(あつまり)とのうへに (ひる)(くも)(けぶり)とをつくり(よる)はほのほの(ひかり)をつくり(たま)はん あまねく(さかえ)のうへに覆庇(おほひ)あるべし 6また(ひと)つの假廬(かりいほ)ありて (ひる)はあつさをふせぐ(かげ)となり 暴風(はやち)(あめ)とをさけてかくるる(ところ)となるべし

第五章

1われわが(あい)する(もの)のために(うた)をつくり ()があいするものの葡萄園(ぶだうぞの)のことをうたはん わが(あい)するものは(つち)(こえ)たる(やま)にひとつの葡萄園(ぶだうぞの)をもてり 2(かれ)その(その)をすきかへし(いし)をのぞきて(よき)ぶだうをうゑ そのなかに望樓(ものみ)をたて酒榨(さかぶね)をほりて(よき)葡萄(ぶだう)のむすぶを(のぞ)みまてり (しか)るに(むす)びたるものは野葡萄(のぶだう)なりき 3さればヱルサレムに(すめ)るものとユダの(ひと)(こふ)なんぢら(われ)とわがぶだうぞのとの(あひだ)をさばけ 4わが葡萄園(ぶだうぞの)にわれの(なし)たるほか(なに)のなすべき(こと)ありや (われ)はよきぶだうの(むす)ぶをのぞみまちしに (いか)なれば野葡萄(のぶだう)をむすびしや 5(され)ばわれわが葡萄園(ぶだうぞの)になさんとすることを汝等(なんぢら)につげん (われ)はぶだうぞのの籬芭(まがき)をとりさりてその(くひ)あらさるるにまかせ その(かき)をこぼちてその(ふみ)あらさるるにまかせん 6(われ)これを(あら)してふたたび(かる)ことをせず(たがへ)すことをせず(おどろ)(いばら)とをはえいでしめん また(くも)(おほ)せてそのうへに(あめ)ふることなからしめん 7それ萬軍(ばんぐん)のヱホバの葡萄園(ぶだうぞの)はイスラエルの(いへ)なり その(よろこ)びたまふところの植物(うゑもの)はユダの(ひと)なり これに公平(こうへい)をのぞみたまひしに(かへ)りて()をながし これに正義(せいぎ)をのぞみ(たま)ひしにかへりて號呼(さけび)あり 8(わざは)ひなるかな(かれ)らは(いへ)(いへ)をたてつらね 田圃(たはた)田圃(たはた)をましくはへて 餘地(よち)をあまさず (おのれ)ひとり(くに)のうちに(すま)んとす 9萬軍(ばんぐん)のヱホバ(わが)(みみ)につげて(のたま)はく ()におほくの(いへ)はあれすたれ(おほい)にして(うるは)しき(いへ)(ひと)のすむことなきにいたらん 10十段(じつだん)のぶだうぞの(わづ)かに(いち)バテをみのり(いち)ホメルの穀種(たね)はわづかに(いち)エパを(みの)るべし 11(わざは)ひなるかなかれらは(あさ)つとにおきて濃酒(こきさけ)をおひもとめ ()のふくるまで(とど)まりてのみ (さけ)にその()をやかるるなり 12かれらの酒宴(しゆえん)には(こと)あり (しつ)あり (つづみ)あり (ふえ)あり 葡萄酒(ぶだうしゆ)あり されどヱホバの作爲(みわざ)をかへりみずその(みて)のなしたまふところに()をとめず 13(かか)るが(ゆゑ)にわが(たみ)無知(むち)にして(とりこ)にせられ その貴顯者(たふときもの)はうゑ そのもろもろの(たみ)(かわき)によりて(つか)れはてん 14また陰府(よみ)はその欲望(のぞみ)をひろくし その(はか)られざる(くち)をはる かれらの榮華(えいぐわ) かれらの群衆(ぐんしゆう) かれらの饒富(にぎはひ) および(よろこ)びたのしめる(ひと)みなその(なか)におつべし 15(いや)しき(もの)はかがめられ (たふと)きものは(ひく)くせられ ()をあげて(たか)ぶる(もの)はひくくせらるべし 16されど萬軍(ばんぐん)のヱホバは公平(こうへい)によりてあがめられ (せい)なる(かみ)正義(せいぎ)によりて(せい)とせられ(たま)ふべし 17(しか)して小羊(こひつじ)おのが牧場(まき)にあるごとくに(くさ)をはみ (ゆた)かなるものの()はあれて旅客(たびびと)にくらはれん 18(わざは)ひなるかな彼等(かれら)はいつはりを(なは)となして(あく)をひき (つな)にて(くるま)をひくごとく(つみ)をひけり 19かれらは(いふ) その(なさ)んとする(こと)をいそぎて(すみや)かになせ 我儕(われら)これを()ん イスラエルの聖者(せいしや)のさだむることを逼來(せまりきた)らせよ われらこれを(しら)んと 20(わざは)ひなるかな かれらは(あく)をよびて(ぜん)とし(ぜん)をよびて(あく)とし (くらき)をもて(ひかり)とし(ひかり)をもて(くらし)とし (にがき)をもて(あまし)とし(あまき)をもて(にがし)とする(もの)なり 21わざはひなる(かな) かれらは(おのれ)をみて(かしこ)しとし(みづか)らかへりみて(さとし)とする(もの)なり 22(わざは)ひなるかな かれらは葡萄酒(ぶだうしゆ)をのむに丈夫(ますらを)なり 濃酒(こきさけ)(あは)するに勇者(ゆうしや)なり 23かれらは賄賂(まひなひ)によりて(あし)きものを(ただし)となし 義人(ぎじん)よりその()をうばふ 24(これ)によりて火舌(ひのした)刈株(かりかぶ)をくらふがごとく また枯草(かれくさ)火焰(ほのほ)のなかにおつるがごとく その()はくちはてその(はな)(ちり)のごとくに(とび)さらん かれらは萬軍(ばんぐん)のヱホバの律法(おきて)をすててイスラエルの聖者(せいしや)のことばを(なみ)したればなり 25この(ゆゑ)にヱホバその(たみ)にむかひて(いかり)をはなち (みて)をのべてかれらを(うち)たまへり (やま)はふるひうごきかれらの(かばね)(ちまた)のなかにて糞土(あくた)のごとくなれり (しか)はあれどヱホバの(いかり)やまずして(なほ)その()(のば)したまふ 26かくて(はた)をたててとほき國々(くにぐに)をまねき彼等(かれら)をよびて()(はて)より(きた)らしめたまはん ()よかれら(はし)りて(すみや)かにきたるべし 27その(なか)には(つか)れたふるるものなく(ねぶ)りまたは(いぬ)るものなし その(こし)(おび)はとけずその(くつ)(ひも)はきれず 28その()(とく)その(ゆみ)はことごとく()り その(むま)のひづめは(いし)のごとくその(くるま)()疾風(はやち)のごとしと(とな)へられん 29その(ほゆ)ること(しし)のごとく また小獅(こじし)のごとく(ほえ)うなりつつ獲物(えもの)をつかみて掠去(かすめさ)れども(これ)をすくふ(もの)なし 30その()かれらが嘯響(なりどよ)めくこと(うみ)のなりどよめくがごとし もし()をのぞまば(くらき)(なやみ)とありて(ひかり)黑雲(くろくも)のなかにくらくなりたるを()

第六章

1ウジヤ(わう)のしにたる(とし)われ(たか)くあがれる御座(みくら)にヱホバの()(たま)ふを()しにその衣裾(もすそ)殿(との)にみちたり 2セラピムその(うへ)にたつ おのおの(むつ)(つばさ)あり その(ふたつ)をもて(おも)をおほひ その(ふたつ)をもて(あし)をおほひ (その)(ふたつ)をもて飛翔(とびかけ)3たがひに(よび)いひけるは(せい)なるかな(せい)なるかな(せい)なるかな萬軍(ばんぐん)のヱホバ その榮光(えいくわう)全地(ぜんち)にみつ 4(かく)よばはる(もの)(こゑ)によりて(しきみ)のもとゐ(ゆり)うごき(いへ)のうちに(けぶり)みちたり 5このとき(われ)いへり (わざは)ひなるかな(われ)ほろびなん (われ)はけがれたる(くちびる)(たみ)のなかにすみて(けがれ)たるくちびるの(もの)なるに わが()ばんぐんのヱホバにまします(わう)()まつればなりと 6(ここ)にかのセラピムのひとり(ひばし)をもて(だん)(うへ)よりとりたる熱炭(あかきひ)()にたづさへて(われ)にとびきたり 7わが(くち)(ふれ)ていひけるは ()よこの()なんぢの(くちびる)にふれたれば(すで)になんぢの(あく)はのぞかれ なんぢの(つみ)はきよめられたりと 8(われ)またヱホバの(こゑ)をきく(いは)く われ(たれ)をつかはさん(たれ)かわれらのために(ゆく)べきかと そのとき(われ)いひけるはわれ(ここ)にあり(われ)をつかはしたまへ 9ヱホバいひたまはく(ゆき)てこの(たみ)にかくのごとく(つげ)よ なんぢら(きき)てきけよ(され)どさとらざるべし ()てみよ(され)どしらざるべしと 10なんぢこの(たみ)のこころを(にぶ)くしその(みみ)をものうくし その()をおほへ (おそ)らくは(かれ)らその()にて()その(みみ)にてきき その(こころ)にてさとり(ひるが)へりて(いや)さるることあらん 11ここに(われ)いひけるは (しゆ)よいつまで如此(かく)あらんか (しゆ)こたへたまはく (まち)はあれすたれて()むものなく (いへ)(ひと)なく (くに)ことごとく荒土(あれち)となり 12人々(ひとびと)ヱホバに遠方(とほきかた)までうつされ (すた)りたるところ國中(くにのうち)におほくならん(とき)まで 如此(かく)あるべし 13そのなかに十分(じふぶん)(いち)のこる(もの)あれども()もまた(のみ)つくされん されど聖裔(きよきたね)のこりてこの()()となるべし()のテレビントまたは橿樹(かしのき)がきらるることありともその()ののこるがごとし

第七章

1ウジヤの()ヨタムその()ユダヤ(わう)アハズのとき アラムの(わう)レヂンとレマリヤの()イスラエル(わう)ペカと(のぼ)りきたりてヱルサレムを(せめ)しがつひに(かつ)ことあたはざりき 2ここにアラムとエフライムと結合(むすびつら)なりたりとダビデの(いへ)につぐる(もの)ありければ (わう)のこころと(たみ)(こころ)とは林木(はやしのき)(かぜ)にうごかさるるが(ごと)くに(うご)けり 3その(とき)ヱホバ、イザヤに(いひ)たまひけるは(いま)なんぢと(なんぢ)()シヤルヤシユブと(とも)にいでて(ぬの)をさらす()大路(おほぢ)のかたはらなる上池(かみのいけ)樋口(ひぐち)にゆきてアハズを(むか)4これに(つぐ)べし なんぢ (つつし)みて(しづ)かなれ アラムのレヂン(およ)びレマリヤの()はげしく(いか)るとも(ふたつ)燼餘(もえのこ)りたる(けぶ)れる片柴(はしば)のごとし (おそ)るるなかれ(こころ)をよわくするなかれ 5アラム、エフライム(およ)びレマリヤの()なんぢにむかひて(あし)(はかり)ごとを(くはだ)てていふ 6われらユダに攻上(せめのぼ)りて(これ)をおびやかし我儕(われら)のためにこれを(やぶ)りとり タビエルの()をその(なか)にたてて(わう)とせんと 7されど(しゆ)ヱホバいひたまはく この(こと)おこなはれずまた(なる)ことなし 8アラムの(かしら)はダマスコ、ダマスコの(かしら)はレヂンなり エフライムは六十五年(ろくじふごねん)のうちに(やぶ)れて(くに)をなさざるべし 9またエフライムの(かしら)はサマリヤ、サマリヤの(かしら)はレマリヤの()なり (もし)なんぢら(しん)ぜずばかならず(たつ)ことを()じと 10ヱホバ(ふたた)びアハズに(つげ)ていひたまはく 11なんぢの(かみ)ヱホバに(ひとつ)豫兆(しるし)をもとめよ (あるい)はふかき(ところ)あるひは(うへ)のたかき(ところ)にもとめよ 12アハズいひけるは(われ)これを(もと)めじ (われ)はヱホバを(こころ)むることをせざるべし 13イザヤいひけるは ダビデのいへよ(こふ)なんぢら(きけ) なんぢら(ひと)をわづらはしこれを小事(ちひさし)として(また)わが(かみ)をも(わづら)はさんとするか 14この(ゆゑ)(しゆ)みづから(ひとつ)豫兆(しるし)をなんぢらに(たま)ふべし ()よをとめ(はら)みて()をうまん その()をインマヌエルと(とな)ふべし 15かれ(あく)をすて(ぜん)をえらぶことを(しる)ころほひにいたりて乳酥(にうそ)蜂蜜(はちみつ)とをくらはん 16そはこの()いまだ(あく)をすて(ぜん)をえらぶことを(しら)ざるさきになんぢが(いみ)きらふ(ふたり)(わう)()はすてらるべし 17ヱホバはエフライムがユダを(はな)れし(とき)よりこのかた(のぞ)みしことなき()(なんぢ)となんぢの(たみ)となんぢの(ちち)(いへ)とにのぞませ(たま)はん(これ)アツスリヤの(わう)なり 18其日(そのひ)ヱホバ、エジプトなる河々(かはがは)のほとりの(はへ)をまねきアツスリヤの()(はち)をよびたまはん 19(みな)きたりて(あれ)たるたに岩穴(いはあな)すべての荊棘(いばら)すべての牧場(まき)のうへに(とど)まるべし 20その()(しゆ)はかはの(むか)ふより(やと)へるアツスリヤの(わう)剃刀(かみそり)として(かしら)(あし)()とを(そり)たまはん また(ひげ)をも(のぞ)きたまふべし 21その()(ひと)わかき牝犢(めうし)ひとつと(ひつじ)ふたつとを(かひ)をらん 22その(いだ)すところの(ちち)おほきによりて乳酥(にうそ)をくらふことを()ん すべて(くに)のうちに(のこ)れるものは乳酥(にうそ)蜂蜜(はちみつ)とをくらふべし 23その()千株(ちもと)(ぎん)一千(いつせん)(あたひ)をえたる葡萄(ぶだう)ありし(ところ)もことごとく(いばら)(おどろ)はえいづべし 24(いばら)とおどろと()にあまねきがゆゑに人々(ひとびと)()(ゆみ)とをもて彼處(かしこ)にゆくなり 25(すき)をもて(ほり)たがへしたる山々(やまやま)もいばらと(おどろ)のために(ひと)おそれてその(なか)にゆくことを()じ その()はただ(うし)をはなち(ひつじ)にふましむる(ところ)とならん

第八章

1ヱホバ(われ)にいひたまひけるは(ひとつ)(おほい)なる(ふだ)をとり そのうへに平常(よのつね)文字(もじ)にてマヘル シャラル ハシ バズと(しる)2われ信實(しんじつ)證者(あかしびと)なる祭司(さいし)ウリヤおよびエベレキヤの()ゼカリヤをもてその(あかし)をなさしむ 3われ預言者(よげんしゃ)(つま)にちかづきしとき(かれ)はらみて()をうみければ ヱホバ(われ)にいひたまはく その()をマヘル シャラル ハシ バズと(とな)へよ 4そはこの()いまだ(われ)(ちち)わが(はは)とよぶことを()らざるうちに ダマスコの(とみ)とサマリヤの財寳(たから)はうばはれてアツスリヤ(わう)のまへに(いた)るべければなり 5ヱホバまた(かさね)(われ)につげたまへり(いは)6この(たみ)はゆるやかに(なが)るるシロアの(みづ)をすててレヂンとレマリヤの()とをよろこぶ 7(これ)によりて(しゆ)はいきほひ(たけ)くみなぎりわたる大河(おほかは)(みづ)をかれらのうへに堰入(せきいれ)たまはん (これ)はアツスリヤ(わう)とそのもろもろの威勢(ゐせい)とにして (もも)支流(えだかは)にはびこり もろもろの(きし)をこえ 8ユダにながれいり (あふ)れひろごりてその(うなじ)にまで(およ)ばん インマヌエルよ そののぶる(つばさ)はあまねくなんぢの()にみちわたらん 9もろもろの(たみ)よ さばめき(さわ)げなんぢら(くだ)かるべし (とほ)きくにぐにの(もの)よ きけ (こし)におびせよ 汝等(なんぢら)くだかるべし (こし)(おび)せよ なんぢら(くだ)かるべし 10なんぢら(たがひ)にはかれ つひに徒勞(むなしく)ならん なんぢら(ことば)をいだせ(つい)におこなはれじ そは(かみ)われらとともに(いま)せばなり 11ヱホバつよき()をもて此如(かく)われに(しめ)し この(たみ)(みち)にあゆまざらんことを(われ)にさとして言給(いひたまは)はく 12此民(このたみ)のすべて叛逆(はんぎやく)ととなふるところの(もの)をなんぢら叛逆(はんぎやく)ととなふるなかれ 彼等(かれら)のおそるるところを汝等(なんぢら)おそるるなかれ(をのの)くなかれ 13なんぢらはただ萬軍(ばんぐん)のヱホバを(せい)としてこれを(かしこ)みこれを(おそ)るべし 14(しか)らばヱホバはきよき避所(さけどころ)となりたまはん (され)どイスラエルの(ふたつ)(いへ)には(つまづ)(いし)となり(さまた)ぐる(いは)とならん ヱルサレムの(たみ)には網罟(あみ)となり機濫(わな)とならん 15おほくの人々(ひとびと)これによりて(つまづ)きかつ(たふ)れやぶれ (あみ)せられまた(とら)へらるべし 16證詞(あかし)をつかね律法(おきて)をわが弟子(でし)のうちに(とづ)べし 17いま(みかほ)をおほひてヤコブの(いへ)をかへりみ(たま)はずといへども (われ)そのヱホバを(まち)そのヱホバを(のぞ)みまつらん 18()よわれとヱホバが(われ)にたまひたる子輩(こら)とはイスラエルのうちの豫兆(しるし)なり(くす)しき(かた)なり ()はシオンの(やま)にいます萬軍(ばんぐん)のヱホバの(あた)へたまふ(ところ)なり 19もし(ひと)なんぢらにつげて巫女(みこ)および魔術者(まじゆつしや)のさえづるがごとく細語(ささやく)がごとき(もの)にもとめよといはば(たみ)はおのれの(かみ)にもとむべきにあらずや いかで活者(いけるもの)のために死者(しねるもの)にもとむることを()んといへ 20ただ律法(おきて)證詞(あかし)とを(もと)むべし 彼等(かれら)のいふところ此言(このことば)にかなはずば晨光(しののめ)あらじ 21かれら(くに)をへあるきて(くるし)みうゑん その(うう)るとき(いかり)をはなち(おの)(わう)おのが(かみ)をさして(のろ)ひかつその(かほ)をうへに(むけ)22また()をみれば艱難(なやみ)幽暗(くらき)とくるしみの(やみ)とあり かれらは昏黑(まくらき)におひやられん

第九章

1(いま)くるしみを(うく)れども(のち)には(やみ)なかるべし (むか)しはゼブルンの()ナフタリの()をあなどられしめ(たま)ひしかど (のち)には(うみ)にそひたる()ヨルダンの(むかふ)() ことくに(びと)のガリラヤに(さかえ)をうけしめ(たま)へり 2幽暗(くらき)をあゆめる(たみ)(おほい)なる(ひかり)をみ 死蔭(しかげ)()にすめる(もの)のうへに(ひかり)てらせり 3なんぢ(たみ)をましその歡喜(よろこび)(おほい)にしたまひければ かれらは收穫時(かりいれどき)によろこぶがごとく掠物(えもの)をわかつときに(たのし)むがごとく(なんぢ)(みまへ)によろこべり 4そは(なんぢ)かれらがおへる(くびき)とその(かた)(しもと)(しへた)ぐるものの(つゑ)とを()り これを()りてミデアンの()のごとくなし(たま)ひたればなり 5すべて(みだ)れたたかふ兵士(つはもの)のよろひと()にまみれたる(ころも)とはみな()のもえくさとなりて(やか)るべし 6ひとりの嬰兒(みどりご)われらのために(うま)れたり 我儕(われら)はひとりの()をあたへられたり 政事(まつりごと)はその(かた)にあり その()奇妙(きめう)また議士(ぎし) また大能(たいのう)(かみ)とこしへのちち 平和(へいわ)(きみ)ととなへられん 7その政事(まつりごと)平和(へいわ)とはましくははりて(かぎ)りなし (かつ)ダビデの(くらゐ)にすわりてその(くに)ををさめ(いま)よりのちとこしへに公平(こうへい)正義(せいぎ)とをもてこれを(たて)これを(たも)ちたまはん 萬軍(ばんぐん)のヱホバの熱心(ねっしん)これを(なし)たまふべし 8(しゆ)一言(ひとこと)をヤコブにおくり(これ)をイスラエルの(うへ)にのぞませ(たま)へり 9すべてのこの(たみ)エフライムとサマリヤに()るものとは(しる)ならん かれらは(たか)ぶり(ほこ)(こころ)をもていふ 10(かはら)くづるるともわれら斫石(きりいし)をもて(たて) くはの()きらるるともわれら香柏(かうはく)をもて(これ)にかへんと 11この(ゆゑ)にヱホバ、レヂンの(てき)をあげもちゐてイスラエルを(せめ)しめ その(あた)をたけび(いさま)しめたまはん 12(まへ)にアラム(びと)あり(うしろ)にペシリテ(びと)あり (くち)をはりてイスラエルを(のま)んとす (しか)はあれどヱホバの(いかり)やまずして(なほ)その()をのばしたまふ 13(され)どこの(たみ)はおのれをうつものに(かへ)らず萬軍(ばんぐん)のヱホバを(もと)めず 14(かか)るゆゑにヱホバ一日(ひとひ)のうちに(かしら)()椶櫚(しゆろ)のえだと(あし)とをイスラエルより斷切(たちきり)たまはん 15その(かしら)とは(おい)たるもの(たふと)きもの その()とは謊言(いつはり)をのぶる預言者(よげんしゃ)をいふなり 16この(たみ)をみちびく(もの)はこれを(まよ)はせその引導(みちびき)をうくる(もの)はほろぶるなり 17このゆゑに(しゆ)はその少壯者(わかきもの)をよろこびたまはず その孤兒(みなしご)寡婦(やもめ)とを(あはれ)みたまはざるべし (これ)その(たみ)はことごとく(よこし)まなり(あく)をおこなふ(もの)なり おのおのの(くち)(おろ)かなる(こと)をかたればなり (しか)はあれどヱホバの(いかり)やまずして(なほ)その()をのばしたまふ 18(あく)()のごとくもえ(おどろ)(いばら)とを(くひ)つくし(しげ)りあふ(はやし)をやくべければみな(けぶり)となりむらがりて上騰(たちのぼ)らん 19萬軍(ばんぐん)のヱホバの(いかり)によりて()はくろく(やけ) その(たみ)()のもえくさとなり人々(ひとびと)たがひに相憐(あひあはれ)むことなし 20(ひと)みぎに(つか)めどもなほ(うゑ) ひだりに(くら)へども(なほ)あかず おのおのその(うで)(にく)をくらふべし 21マナセはエフライムを エフライムはマナセをくらひ (また)かれら相合(あひあひ)てユダを()めん (しか)はあれどヱホバの(いかり)やまずして(なほ)その()をのばしたまふ

第十章

1不義(ふぎ)のおきてをさだめ暴虐(しへたげ)のことばを(しる)すものは(わざはひ)ひなるかな 2かれらは(ともし)きものの(うたへ)をうけず わが(たみ)のなかの(まづ)しきものの權利(けんり)をはぎ寡婦(やもめ)資產(もちもの)をうばひ孤兒(みなしご)のものを(かす)3なんぢら(こら)しめらるる()きたらば(なに)をなさんとするか 敗壞(やぶれ)とほきより(きた)らんとき(なに)をなさんとするか なんぢら(のが)れゆきて(たれ)にすくひを(もと)めんとするか また何處(いづこ)になんぢらの(さかえ)をのこさんとするか 4ただ(いまし)められたるものの(した)にかがみ (ころ)されたるもののしたに伏仆(ふしたふ)れんのみ (しか)はあれどヱホバのいかり(やま)ずして()ほその()をのばしたまふ 5(やよ)アツスリヤ(びと) なんぢはわが(いかり)(つゑ)なり その()(しもと)はわが忿恚(いきどほり)なり 6われ(かれ)をつかはして邪曲(よこしま)なる(くに)をせめ(われ)かれに(めい)じて()がいかれる(たみ)をせめてその所有(もちもの)をかすめその財寶(たから)をうばはしめ かれらを(ちまた)(ひぢ)のごとくに蹂躪(ふみにじ)らしめん 7されどアツスリヤ(びと)のこころざしは(かく)のごとくならず その(こころ)(おもひ)もまた(かく)のごとくならず そのこころは敗壞(やぶれ)をこのみ あまたの(くに)をほろぼし(たた)8かれ(いふ) わが諸侯(きみたち)はみな(わう)にあらずや 9カルノはカルケミシの(ごと)く ハマテはアルパデの(ごと)く サマリヤはダマスコの(ごと)きにあらずや 10わが()偶像(ぐうざう)につかふる國々(くにぐに)()たり その(ゑり)たる(ざう)はヱルサレムおよびサマリヤのものに(すぐ)れたり 11われ(すで)にサマリヤとその偶像(ぐうざう)とに(おこな)へるごとく(また)ヱルサレムとその偶像(ぐうざう)とにおこなはざる(べけ)んやと 12このゆゑに(しゆ)いひたまふ (われ)シオンの(やま)とヱルサレムとに(なさ)んとする(こと)をことごとく(とげ)をはらんとき (われ)アツスリヤ(わう)のおごれる(こころ)()とその(たか)ぶり(あふ)ぎたる()とを(ばつ)すべし 13そは(かれ)いへらく われ()(ちから)智慧(ちゑ)とによりて(これ)をなせり (われ)はかしこし 國々(くにぐに)(さかひ)をのぞき その()たるものをうばひ (また)われは丈夫(ますらを)にしてかの(くらゐ)()するものを(おろ)したり 14わが()もろもろの(たみ)のたからを()たりしは()をとるが(ごと)く また(あめ)(した)取收(とりをさ)めたりしは(のこ)しすてたる(たまご)をとりあつむるが(ごと)くなりき あるひは(つばさ)をうごかし あるひは(くち)をひらき あるひは喃々(なんなん)する(もの)もなかりしなりと 15(をの)はこれをもちゐて(きる)ものにむかひて(おのれ)みづから(ほこ)ることをせんや (のこぎり)は これを(うご)かす(もの)にむかひて(おのれ)みづから(たか)ぶることをせんや ()はあだかも(しもと)がおのれを(あぐ)るものを(うご)かし(つゑ)みづから()にあらざるものを(あげ)んとするにひとし 16このゆゑに(しゆ)萬軍(ばんぐん)のヱホバは(こえ)たるものを(やせ)しめ (かつ)その榮光(えいくわう)のしたに()のもゆるが(ごと)火焰(ほのほ)をおこし(たま)はん 17イスラエルの(ひかり)()のごとく その聖者(せいしや)はほのほの(ごと)くならん (かく)一日(ひとひ)のうちに(いばら)とおどろとを(やき)ほろぼし 18(また)かの(はやし)(つち)(こえ)たる田圃(たはた)(さかえ)をうせしめ 靈魂(たましひ)をも()をもうせしめて(やめ)るものの(おとろ)へたるが(ごと)くなさん 19かつ(はやし)のうちに(のこ)れる()わづかにして童子(わらべ)(かぞ)へうるが(ごと)くになるべし 20その()イスラエルの(のこ)れる(もの)とヤコブの(いへ)ののがれたる(もの)とは(ふたた)びおのれを(うち)(もの)にたよらず誠意(まごころ)をもてイスラエルの聖者(せいしや)ヱホバにたよらん 21その(のこ)れるものヤコブの(のこ)れるものは大能(たいのう)(かみ)にかへるべし 22ああイスラエルよ なんぢの(たみ)(うみ)(いさご)のごとしといへども(のこ)りて(かへ)りきたる(もの)はただ僅少(わづか)ならん そは敗壞(ほろび)すでにさだまり()にて(あふ)るべければなり 23(しゆ)萬軍(ばんぐん)のヱホバの(さだ)めたまへる敗壞(ほろび)はこれを(あまね)國内(くにのうち)におこなひ(たま)ふべし 24このゆゑに(しゆ)萬軍(ばんぐん)のヱホバいひたまはく シオンに(すめ)るわが(たみ)よアツスリヤ(びと)エジプトの(れい)にならひ(しもと)をもて(なんぢ)をうち(つゑ)をあげて(なんぢ)をせむるとも(おそ)るるなかれ 25ただ頃刻(しばらく)にして忿恚(いきどほり)はやまん ()がいかりは彼等(かれら)をほろぼして(やま)26萬軍(ばんぐん)のヱホバむかしミデアン(びと)をオレブの(いは)のあたりにて(うち)たまひしごとくに禍害(わざはひ)をおこして(これ)をせめ (また)その(つゑ)(うみ)のうへに(のば)しエジプトの(れい)にしたがひてこれを(あげ)たまはん 27その()かれの重荷(おもに)はなんぢの(かた)より(おり) かれの(くびき)はなんぢの(くび)よりはなれ その(くびき)はあぶらの(ゆゑ)をもて(やぶ)れん 28かれアイにきたりミグロンを(すぎ)ミクマシにてその輜重(しちよう)をとどめ 29渡口(わたりぐち)をすぎてゲバに宿(やど)る ここに(おい)てラマはをののきサウルギべア(びと)(のが)れはしれり 30ガリムの(むすめ)よなんぢ(こゑ)をあげて(さけ)べ ライシよ(みみ)をかたぶけて()け アナトテよなんぢも(こゑ)をあげよ 31マデメナはさすらひゲビムの(たみ)はのがれ(はし)れり 32この()かれノブに(たち)とどまり シオンのむすめの(やま)ヱルサレムの(をか)にむかひて()をふりたり 33(しゆ)ばんぐんのヱホバは雄々(をを)しくたけびてその(えだ)(たち)たまはん (たけ)(たか)きものは(きり)おとされ(そび)えたる(もの)はひくくせらるべし 34また(くろがね)をもて(しげ)りあふ(はやし)をきり(たま)はん レバノンは能力(ちから)あるものに(たふ)さるべし

第十一章

1ヱツサイの(かぶ)より(ひと)つの()いで その()より(ひと)つの(えだ)はえて()をむすばん 2その(うへ)にヱホバの(れい)とどまらん これ智慧(ちゑ)聰明(そうめい)(れい) 謀略(ぼうりやく)才能(さいのう)(れい) 知識(ちしき)(れい) ヱホバをおそるるの(れい)なり 3かれはヱホバを(おそ)るるをもて歡樂(たのしみ)とし また()みるところによりて審判(さばき)をなさず (みみ)きくところによりて斷定(さだめ)をなさず 4正義(せいぎ)をもて(まづ)しき(もの)をさばき 公平(こうへい)をもて(くに)のうちの(いや)しき(もの)のために斷定(さだめ)をなし その(くち)(つゑ)をもて(くに)をうちその口唇(くちびる)氣息(いぶき)をもて惡人(あしきもの)をころすべし 5正義(せいぎ)はその(こし)(おび)となり 忠信(ちゆうしん)はその()のおびとならん 6おほかみは小羊(こひつじ)とともにやどり (へう)小山羊(こやぎ)とともにふし (こうし) をじし (こえ)たる家畜(けだもの)ともに(をり)てちひさき童子(わらべ)にみちびかれ 7牝牛(めうし)(くま)とはくひものを(とも)にし (くま)()(うし)()とともにふし (しし)はうしのごとく(わら)をくらひ 8乳兒(ちのみご)毒蛇(どくじや)のほらにたはふれ ()ばなれの()()をまむしの(あな)にいれん 9(かく)てわが聖山(きよきやま)のいづこにても(そこな)ふことなく(やぶ)ることなからん そは(みづ)(うみ)をおほへるごとくヱホバをしるの知識(ちしき)()にみつべければなり 10その()ヱツサイの()たちてもろもろの(たみ)(はた)となり もろもろの邦人(くにびと)はこれに(まつろ)ひきたり榮光(えいくわう)はそのとどまる(ところ)にあらん 11その()(しゆ)はまたふたたび()をのべてその(たみ)ののこれる(わづ)かのものをアツスリヤ、エジプト、パテロス、エテオピア、エラム、シナル、ハマテおよび(うみ)のしまじまより(あがな)ひたまふべし 12ヱホバは國々(くにぐに)(ため)(はた)をたててイスラエルの(おひ)やられたる(もの)をあつめ()四極(よものはて)よりユダの散失(ちりうせ)たるものを(つど)へたまはん 13またエフライムの(そねみ)はうせ ユダを(なや)ますものは(たた)れ エフライムはユダをそねまず ユダはエフライムを(なや)ますことなかるべし 14かれらは西(にし)なるペリシテ(びと)(さかひ)にとびゆき相共(あひとも)にひがしの子輩(こら)をかすめ その()をエドムおよびモアブにのべアンモンの子孫(しそん)をおのれに(まつろ)はしめん 15ヱホバ、エジプトの海汊(いりうみ)をからし(かは)のうへに()をふりて熱風(あつきかぜ)をふかせ その(かは)をうちて(ななつ)小流(こがは)となし (くつ)をはきて(わた)らしめたまはん 16(かく)てその(たみ)ののこれる(わづ)かのものの(ため)にアツスリヤより(きた)るべき(ひと)つの大路(おほぢ)あり (むか)しイスラエルがエジプトの()よりいでし(とき)のごとくなるべし

第十二章

1その()なんぢ(いは)ん ヱホバよ(われ)なんぢに感謝(かんしや)すべし (なんぢ)さきに(われ)をいかり(たま)ひしかどその(いかり)はやみて(われ)をなぐさめたまへり 2()(かみ)はわが(すくひ)なり われ依賴(よりたのみ)ておそるるところなし (しゆ)ヱホバはわが(ちから)わが(うた)なり ヱホバは(また)わが(すくひ)となりたまへりと 3此故(このゆゑ)になんぢら欣喜(よろこび)をもて(すくひ)()より(みづ)をくむべし 4その()なんぢらいはん ヱホバに感謝(かんしや)せよ その(みな)をよべ その行爲(みわざ)をもろもろの(たみ)(なか)につたへよ その(みな)のあがむべきことを(かた)りつげよと 5ヱホバを(ほめ)うたへ そのみわざは(たか)くすぐれたればなり これを全地(ぜんち)につたへよ 6シオンに(すめ)るものよ(こゑ)をあげてよばはれ イスラエルの聖者(せいしや)はなんぢの(うち)にて(おほい)なればなり

第十三章

1アモツの()イザヤが(しめ)されたるバビロンにかかる重負(おもに)預言(よげん) 2なんぢらかぶろの(やま)(はた)をたて(こゑ)をあげ()をふり彼等(かれら)をまねきて貴族(きぞく)(もん)にいらしめよ 3われ(すで)にきよめ(わか)ちたるものに(めい)じ わが丈夫(ますらを)ほこりかにいさめる(もの)をよびて わが(いかり)をもらさしむ 4(やま)におほくの(ひと)(こゑ)きこゆ(おほい)なる(たみ)あるがごとし もろもろの國民(くにびと)のよりつどひて(さば)めく(こゑ)きこゆ これ萬軍(ばんぐん)のヱホバたたかひの軍兵(つはもの)()したまふなり 5かれらはとほき(くに)より(てん)(はて)よりきたる これヱホバとその忿恚(いきどほり)をもらす(うつは)とともに全國(ぜんこく)をほろぼさんとて(きた)るなり 6なんぢら泣號(なきさけ)ぶべしヱホバの()ちかづき全能者(ぜんのうしや)よりいづる敗亡(ほろび)きたるべければなり 7この(ゆゑ)にすべての()はたれ(すべて)(ひと)のこころは(きえ)ゆかん 8かれら(をのの)きおそれ艱難(なやみ)(うれへ)とにせまられ ()をうまんとする(をんな)のごとく(くる)しみ(たがひ)におどろき (あひ)みあひてその(かほ)(ほのほ)のごとくならん 9()よヱホバの()(から)くして忿恚(いきどほり)とはげしき(いかり)とをもて(きた)り この(くに)をあらしその(なか)よりつみびとを絶滅(たちほろぼ)さん 10(てん)のもろもろの(ほし)とほしの宿(やどり)(ひかり)をはなたず ()はいでてくらく(つき)は その(ひかり)をかがやかさざるべし 11われ(あしき)ことのために()をつみし 不義(ふぎ)のために(あし)きものをばつし (おご)れるものの(ほこり)をとどめ (あら)ぶるものの傲慢(たかぶり)をひくくせん 12われ(ひと)をして精金(よきこがね)よりもすくなくオフルの黄金(こがね)よりも(すく)なからしめん 13かくて(また)われ萬軍(ばんぐん)のヱホバの忿恚(いきどほり)のとき(はげ)しき(いか)りの()(てん)をふるはせ()をうごかしてその(ところ)をうしなはしむべし 14かれらは(おは)るる鹿(しか)のごとく(あつ)むるものなき(ひつじ)のごとくなりて各自(おのおの)おのれの(たみ)にかへりおのれの(くに)にのがれゆかん 15すべて其處(そこ)にあるもの見出(みいだ)さるれば (ささ)拘留(ひきとめ)らるるものは(つるぎ)にたふされ 16彼等(かれら)嬰兒(みどりご)はその目前(めのまへ)にてなげくだかれ その家財(いへのもの)はかすめうばはれ その(つま)はけがさるべし 17()よわれ白銀(しろかね)をもかへりみず黄金(こがね)をもよろこばざるメデア(びと)をおこして(これ)にむかはしめん 18かれらは(ゆみ)をもて(わか)きものを()くだき(はら)()をあはれむことなく小子(をさなご)をみてをしむことなし 19すべての(くに)(なか)にてうるはしくカルデヤ(びと)がほこり(かざり)となせるバビロンはむかし(かみ)にほろぼされたるソドム、ゴモラのごとくならん 20ここに()むもの(なが)くたえ世々(よよ)にいたるまで(をる)ものなく アラビヤ(びと)もかしこに幕屋(まくや)をはらず牧人(ひつじかひ)もまたかしこにはその(むれ)をふさすることなく 21ただ猛獸(あらきけもの)かしこにふし (ほゆ)るものその(いへ)にみち 鴕鳥(だてう)かしこにすみ 牡山羊(をやぎ)かしこに(をど)らん 22豺狼(おほかみ)その(しろ)のなかになき野犬(のいぬ)えいぐわの(みや)にさけばん その(とき)のいたるは(ちか)きにあり その()(のぶ)ることなかるべし

第十四章

1ヱホバ、ヤコブを(あはれ)みイスラエルをふたたび(えら)びて(これ)をおのれの()におきたまはん 異邦人(ことくにびと)これに(くはは)りてヤコブの(いへ)にむすびつらなるべし 2もろもろの(たみ)はかれらをその(ところ)にたづさへいたらん(しか)してイスラエルの(いへ)はヱホバの()にてこれを奴婢(しもべはしため)となし(さき)におのれを(とりこ)にしたるものを(とりこ)にし おのれを(しへた)げたるものを(をさ)めん 3ヱホバなんぢの(うれへ)艱難(なやみ)とをのぞき (また)なんぢが(つと)むるからき(つとめ)をのぞきて安息(あんそく)をたまふの() 4なんぢこの(うた)をとなへバビロン(わう)をせめていはん(しへた)ぐる(もの)いかにして(やす)みしや (かね)をはたる(もの)いかにして(やす)みしやと 5ヱホバあしきものの(しもと)ともろもろの有司(つかさびと)(つゑ)とををりたまへり 6かれらは(いかり)をもてもろもろの(たみ)をたえず(うち)てはうち 忿恚(いきどほり)をもてもろもろの(くに)ををさむれど その暴虐(しへたげ)をとどむる(もの)なかりき 7(いま)全地(ぜんち)やすみを()おだやかを() ことごとく(こゑ)をあげてうたふ 8()にまつの()およびレバノンの香柏(かうはく)さへもなんぢの(ゆゑ)により(よろこ)びていふ (なんぢ)すでに(ふし)たれば樵夫(きこり)のぼりきたりてわれらを(せむ)ることなしと 9(した)陰府(よみ)はなんぢの(ゆゑ)により(うご)きて(なんぢ)のきたるをむかへ()のもろもろの英雄(えいゆう)亡靈(なきたま)をおこし國々(くにぐに)のもろもろの(わう)をその(くらゐ)より(たち)おこらしむ 10かれらは(みな)なんぢに(つげ)ていはん (なんぢ)もわれらのごとく(よわ)くなりしや (なんぢ)もわれらと(おな)じくなりしやと 11なんぢの榮華(えいぐわ)となんぢの(こと)()はすでに陰府(よみ)におちたり (うじ)なんぢの(した)にしかれ蚯蚓(みみづ)なんぢをおほふ 12あしたの()明星(みやうじやう)よいかにして(てん)より(おち)しや もろもろの(くに)をたふしし(もの)よいかにして(きら)れて()にたふれしや 13(なんぢ)さきに心中(こころのうち)におもへらく われ(てん)にのぼり(われ)くらゐを(かみ)(ほし)のうへにあげ(きた)(はて)なる集會(つどひ)(やま)にざし 14たかき雲漢(くもゐ)にのぼり至上者(いとたかきもの)のごとくなるべしと 15(され)どなんぢは陰府(よみ)におとされ(あな)最下(いやした)にいれられん 16なんぢを()るものは熟々(つらつら)なんぢを()なんぢに()をとめていはん この(ひと)()をふるはせ列國(くにぐに)をうごかし 17()荒野(あれの)のごとくし もろもろの(まち)をこぼち (とら)へたるものをその(いへ)にときかへさざりしものなるかと 18もろもろの(くに)(わう)たちはことごとく(みな)たふとき(さま)にておのおのその(いへ)にねぶる 19(され)どなんぢは(いみ)きらふべき(えだ)のごとく おのが(はか)のそとにすてられその周圍(まはり)には(つるぎ)にて(さし)ころされ(あな)におろされ (いし)におほはれたる(もの)ありて(ふみ)つけらるる(かばね)にことならず 20(なんぢ)おのれの(くに)をほろぼし おのれの(たみ)をころししが(ゆゑ)に かれらとおなじく(はうむ)らるることあたはず それ(あく)をおこなふものの(すゑ)はとこしへに()をよばるることなかるべし 21先祖(せんぞ)のよこしまの(ゆゑ)をもて その子孫(しそん)のために戮場(ほふりば)をそなへ 彼等(かれら)をしてたちて()をとり世界(せかい)のおもてに(まち)をみたすことなからしめよ 22萬軍(ばんぐん)のヱホバのたまはく (われ)(たち)てかれらを()めバビロンよりその()(のこ)りたるものとを絶滅(たちほろぼ)し その()その(まご)をたちほろぼさんと これヱホバの聖言(みことば)なり 23われバビロンを刺蝟(はりねずみ)のすみかとし(ぬま)とし(かつ)ほろびの(ははき)をもてこれを掃除(はらひのぞ)かんと これ萬軍(ばんぐん)のヱホバのみことばなり 24萬軍(ばんぐん)のヱホバ(ちかひ)をたてて(いひ)(たま)はくわがおもひし(こと)はかならず(なり) わがさだめし(こと)はかならず(たた)25われアツスリヤ(びと)をわが()にてうちやぶり わが山々(やまやま)にてふみにじらん ここにおいて(かれ)がおきし(くびき)はイスラエル(びと)よりはなれ (かれ)がおはせし重負(おもに)はイスラエル(ひと)(かた)よりはなるべし 26これは全地(ぜんち)のことにつきて(さだ)めたる謀略(はかりごと)なり (これ)はもろもろの(くに)のうへに(のば)したる()なり 27萬軍(ばんぐん)のヱホバさだめたまへり(たれ)かこれを(やぶ)ることを()んや その()をのばしたまへり(たれ)かこれを押返(おしかへ)すことを()んや 28アハズ(わう)(しに)たる(とし)おもにの預言(よげん)ありき 29(いは)く ペリシテの全地(ぜんち)よなんぢをうちし(つゑ)をれたればとて(よろこ)ぶなかれ (へび)()より(まむし)いでその()はとびかける巨蛇(をろち)となるべければなり 30いと(まづ)しきものはものくひ(とも)しきものは安然(やすらか)にふさん われ饑饉(ききん)をもてなんぢの()をしなせ(なんぢ)がのこれる(もの)をころすべし 31(もん)よなげけ(まち)よさけべ ペリシテよなんぢの全地(ぜんち)きえうせたり そはけぶり(きた)よりいできたり その軍兵(つはもの)(つら)におくるるものなし 32その(くに)使者(つかひ)たちに(なに)とこたふべきや (こた)へていはん ヱホバ、シオンの(もとゐ)をおきたまへり その(たみ)のなかの(くる)しむものは避所(さけどころ)をこの(うち)にえん

第十五章

1モアブにかかる重負(おもに)のよげん (いは)く/モアブのアルは一夜(ひとよ)()にあらされて(ほろ)びうせ モアブのキルは一夜(ひとよ)のまに(あら)されてほろびうせん 2かれバイテおよびデボンの高所(たかきところ)にのぼりて()き モアブはネボ(およ)びメデバの(うへ)にてなげきさけぶ おのおのその(かしら)禿(かぶろ)にしその(ひげ)をことごとく(そり)たり 3かれら麁服(あらたへ)をきてその(ちまた)にあり 屋蓋(やね)または(ひろ)きところにて(みな)なきさけび(かな)しむこと(はなは)だし 4ヘシボンとエレアレと(さけ)びてその(こゑ)ヤハズにまで(きこ)ゆ この(ゆゑ)にモアブの軍兵(つはもの)こゑをあげ その靈魂(たましひ)うちに(あり)てをののけり 5わが(こころ)モアブのために(さけ)びよばはれり その貴族(きぞく)はゾアルおよびヱグラテシリシヤにのがれ (なき)つつルヒテの(さか)をのぼり ホロナイムの(みち)にて敗亡(ほろび)(こゑ)をあぐ 6ニムリムの(みづ)はかわき(くさ)はかれ(なへ)はつきて緑蔬(あをきもの)あらず 7このゆゑに彼等(かれら)はその()たる(とみ)とその(をさ)めたる(もの)をたづさへて(やなぎ)(かは)をわたらん 8その泣號(なきさけび)のこゑはモアブの(さかひ)をめぐり 悲歎(なげき)のこゑはエグライムにいたり なげきの(こゑ)はべエルエリムにいたる 9デモンの(みづ)()にて(みつ) われデモンの(うへ)にひとしほ禍害(わざはひ)をくはへ モアブの(のが)れたる(もの)とこの()(のこ)りたるものとに(しし)をおくらん

第十六章

1なんぢら荒野(あれの)のセラより羔羊(こひつじ)をシオンの(むすめ)(やま)におくりて(くに)(をさ)にをさむべし 2モアブの女輩(むすめら)はアルノンの(わたり)にありてさまよふ(とり)のごとく()をおはれたる(ひな)のごとくなるべし 3相謀(あひはか)りて審判(さばき)をおこなひ 亭午(まひる)にもなんぢの(かげ)(よる)のごとくならしめ 驅逐人(さすらひびと)をかくし (のが)れきたるものを(あら)はすなかれ 4わが驅逐人(さすらひびと)をなんぢとともに(をら)しめ (なんぢ)モアブの避所(さけどころ)となりて(これ)をそこなふ(もの)のまへより(のが)れしめよ 勒索者(しひうばふもの)はうせ(そこな)ふものはたえ暴虐者(しへたぐるもの)()より(たた)れん 5ひとつの(くらゐ)あはれみをもて(かた)くたち眞實(まこと)をおこなふ(もの)そのうへに()せん (かれ)ダビデの幕屋(まくや)にをりて審判(さばき)をなし公平(こうへい)をもとめて()をおこなふに(はや)6われらモアブの傲慢(たかぶり)をきけり その(たか)ぶること(はなは)だし われらその(ほこり)とたかぶりと忿恚(いきどほり)とをきけり その大言(たいげん)はむなし 7この(ゆゑ)にモアブはモアブの(ため)になきさけび(たみ)みな(なき)さけぶべし なんぢら(かな)らず(はなは)だしく(こころ)をいためてキルハレステの乾葡萄(ほしぶだう)のためになげくべし 8そはヘシボンの(はた)とシブマのぶだうの()とは(しぼ)みおとろへたり その(えだ)さきにはヤゼルにまでいたりて荒野(あれの)にはびこりのびて(うみ)をわたりしが 國々(くにぐに)のもろもろの(しゆ)その(うる)はしき(えだ)ををりたり 9この(ゆゑ)にわれヤゼルの(なく)とひとしくシブマの葡萄(ぶだう)()のためになかん ヘシボンよエレアレよわが(なみだ)なんぢをひたさん そは鬨聲(ときのこゑ)なんぢが果物(このみ)なんぢが收穫(かりいれ)()のうへにおちきたればなり 10欣喜(よろこび)とたのしみとは(つち)(こえ)たる(はた)より(とり)さられ 葡萄園(ぶだうぞの)には(うた)ふことなく歡呼(よろこびよ)ばふことなく酒榨(さかぶね)にはふみて(さけ)をしぼるものなし (われ)そのよろこびたつる(こゑ)をやめしめたり 11このゆゑにわが心腸(はらわた)はモアブの(ゆゑ)をもて(こと)のごとく(なり)ひびき キルハレスの(ゆゑ)をもてわが(うち)もまた(しか)12モアブは高處(たかきところ)にいでて(うみ)つかれその聖所(きよきところ)にきたりて(いの)るべけれど(しるし)あらじ 13こはヱホバが(さき)にモアブに(つき)てかたりたまへる聖言(みことば)なり 14されど(いま)ヱホバかたりて(いひ)たまはくモアブの(さかえ)はその(おほい)なる群衆(ぐんしう)とともに傭人(やとひびと)()にひとしく 三年(みとせ)のうちに(はづ)かしめをうけ (のこ)れる(もの)はなはだ(すく)なくして(ちから)なからん

第十七章

1ダマスコにかかはる重負(おもに)預言(よげん) いはく/()よダマスコは(まち)のすがたをうしなひて荒墟(あれつか)となるべし 2アロエルの諸邑(まちまち)はすてられん獸畜(けもの)のむれそこにすみてその(ふし)やすめるをおびやかす(もの)もなからん 3エフライムの(しろ)はすたりダマスコの政治(まつりごと)はやみ スリアの(のこ)れる(もの)はイスラエルの子輩(こら)のさかえのごとく(きえ)うせん (これ)萬軍(ばんぐん)のヱホバの聖言(みことば)なり 4その()ヤコブの(さかえ)はおとろへその(こえ)たる(にく)はやせて 5あだかも收穫人(かりいれびと)(むぎ)をかりあつめ(かひな)をもて()をかりたる(あと)のごとくレパイムの(たに)()をひろひたるあとの(ごと)くならん 6されど橄欖樹(かんらんのき)をうつとき(ふた)(みつ)()(こずゑ)にのこし あるひは()(いつつ)をみのりおほき()外面(そとも)のえだに(のこ)せるが(ごと)(とり)のこさるるものあるべし (これ)イスラエルの(かみ)ヱホバの聖言(みことば)なり 7その()(ひと)おのれを(つく)れるものを(あふ)ぎのぞみイスラエルの聖者(せいしや)()をとめん 8(かく)ておのれの()(わざ)なる祭壇(さいだん)をあふぎ(のぞ)まず おのれの(ゆび)のつくりたるアシラの(ざう)()(ざう)とに()をとめじ 9その()かれが堅固(けんご)なるまちまちは (むかし)イスラエルの子輩(こら)をさけてすてさりたる(もり)のなか(みね)のうへに(いま)のこれる荒跡(あれあと)のごとく荒地(あれち)となるべし 10そは(なんぢ)おのがすくひの(かみ)をわすれ (おの)がちからとなるべき(いは)(こころ)にとめざりしによる このゆゑになんぢ(うつ)くしき植物(うゑもの)をうゑ(こと)やうの(えだ)をさし 11かつ(うゑ)たる()(まがき)をまはし(あした)()をいださしむれども 患難(なやみ)()といたましき(うれへ)()ときたりて收穫(かりいれ)()はとびさらん 12(ああ)おほくの(たみ)はなりどよめけり(うみ)のなりどよめく(ごと)くかれらも鳴動(なりどよ)めけり もろもろの(くに)はなりひびけり大水(おほみづ)のなりひびくが(ごと)くかれらも鳴響(なりひび)けり 13もろもろの(くに)はおほくの(みづ)のなりひびくがごとく鳴響(なりひび)かん されど(かみ)かれらを(せめ)たまふべし かれら(とほ)くのがれて(かぜ)にふきさらるる(やま)のうへの粃糠(もみがら)のごとく また旋風(はやち)にふきさらるる(ちり)のごとくならん 14()よゆふぐれに恐怖(おそれ)あり いまだ黎明(よあけ)にいたらずして彼等(かれら)(うせ)たり これ我儕(われら)をかすむる(もの)のうくべき(むくい)われらを(うば)ふもののひくべき(くじ)なり

第十八章

1(ああ)エテオピアの(かは)彼方(かなた)なるさやさやと羽音(はおと)のきこゆる() 2この()(あし)のふねを(みづ)にうかべ海路(うみぢ)より使者(つかひ)をつかはさんとてその使者(つかひ)にいへらく 疾走(とくはし)使(つかひ)よなんぢら河々(かはがは)(ながれ)のわかるる(くに)にゆけ(たけ)たかく(はだへ)なめらかなる (はじ)めより(いま)にいたるまで(おそ)るべく(なは)もてはかり(ひと)(ふみ)にじる(たみ)にゆけ 3すべて()にをるもの()にすむものよ (やま)のうへに(はた)のたつとき汝等(なんぢら)これを()ラッパの鳴響(なりひび)くときなんぢら(これ)をきけ 4そはヱホバわれに如此(かく)いひ(たま)へりいはく (そら)はれわたり()てり收穫(かりいれ)(ねつ)むしてつゆけき(くも)のたるる(あひだ) われわが居所(すまひ)にしづかに()てながめん 5收穫(かりいれ)のまへにその()またく(はえ)その(はな)ぶだうとなりて(じゆく)せんとするとき かれ(かま)をもて(つる)をかり(えだ)をきり(さら)6(かく)てみな(やま)のたけきとりと()(けもの)とになげあたへらるべし 猛鳥(たけきとり)そのうへにて(なつ)をすごし()のけものその(うへ)にて(ふゆ)をわたらん 7そのとき河々(かはがは)(ながれ)のわかるる(くに)(たけ)たかく(はだへ)なめらかなる (はじ)めより(いま)にいたるまで(おそ)るべく(なは)もてはかり(ひと)をふみにじる(たみ)より 萬軍(ばんぐん)のヱホバにささぐる禮物(れいもつ)をたづさへて 萬軍(ばんぐん)のヱホバの聖名(みな)のところシオンの(やま)にきたるべし

第十九章

1エジプトにかかる重負(おもに)のよげん いはく/ヱホバははやき(くも)にのりてエジプトに(きた)りたまふ エジプトのもろもろの偶像(ぐうざう)はその(みまへ)にふるひをののき エジプト(びと)のこころはその(うち)にて(きえ)ゆかん 2(われ)エジプト(びと)をたけび(いさ)ましめてエジプト(びと)(せめ)しめん(かく)てかれら各自(おのおの)その兄弟(きやうだい)をせめおのおのその(となり)をせめ (まち)(まち)をせめ(くに)はくにを(せむ)べし 3エジプト(びと)靈魂(たましひ)うせてその(なか)むなしくならん われその謀略(はかりごと)をほろぼすべし かれらは偶像(ぐうざう)および呪文(じゆもん)をとなふるもの巫女(みこ)魔術者(まじゆつしや)にもとむることを()4われエジプト(びと)苛酷(かこく)なる主人(しゆじん)()にわたさん あらあらしき(わう)かれらを(をさ)むべし(これ)(しゆ)萬軍(ばんぐん)のヱホバの聖言(みことば)なり 5(うみ)(みづ)はつき(かは)もまた(かれ)てかわかん 6また河々(かはがは)はくさき(にほひ)をはなちエジプトの(ほり)はみな漸次(やや)にへりてかわき(よし)(あし)とかれはてん 7ナイルのほとりの草原(くさはら)ナイルの(きし)にほどちかき(ところ)すべてナイルの最寄(もより)にまきたる(もの)はことごとく(かれ)てちりうせん 8漁者(すなどり)もまた(なげ)き すべてナイルに(つり)をたるる(もの)はかなしみ(あみ)(みづ)のうへに(しく)ものはおとろふべし 9(ねり)たる(あさ)にて(もの)つくるもの白布(しろぬの)(をる)ものは(はぢ)あわて 10その(はしら)はくだけ一切(すべて)のやとはれたる(もの)のこころ(うれ)ひかなしまん 11(まこと)やゾアンの諸侯(きみたち)(おろか)なりパロの(もつと)もかしこき議官(ぎくわん)のはかりごとは癡鈍(しれゆく)べし (さら)ばなんぢら(いか)でパロにむかひて(われ)はかしこきものの() われは(いにし)への(わう)()なりといふを()んや 12なんぢの智者(かしこきもの)いづくにありや (かれ)らもし萬軍(ばんぐん)のヱホバの(さだ)めたまひしエジプトに(かか)はることを(さとり)()ばこれをなんぢに(つぐ)るこそよけれ 13ゾアンのもろもろの諸侯(きみたち)(おろ)かなり ノフの諸侯(きみたち)(まど)ひたり かれらはエジプトのもろもろの支派(わかれ)隅石(すみいし)なるに(かへり)てエジプトをあやまらせたり 14ヱホバ(まが)れる(こころ)をその(なか)にまじへ(たま)ひしにより 彼等(かれら)はエジプトのすべて(なす)ところを(あやま)らせ(あた)かも(ゑへ)(ひと)哇吐(ものはく)ときによろめくが(ごと)くならしめたり 15エジプトにて(あるひ)(かしら)あるひは()あるひは椶櫚(しゆろ)のえだまたは(よし)すべてその(なす)ところの(わざ)なかるべし 16その()エジプトは婦女(をんな)のごとくならん 萬軍(ばんぐん)のヱホバの(うご)かしたまふ(みて)のその(うへ)にうごくが(ゆゑ)におそれをののくべし 17ユダの()はエジプトに(おそ)れらる この(こと)をかたりつぐれば()くもの(みな)おそる これ萬軍(ばんぐん)のヱホバ、エジプトに(むか)ひて(さだ)めたまへる謀略(はかりごと)(ゆゑ)によるなり 18その()エジプトの()(いつつ)(まち)あり カナンの方言(くにことば)をかたりまた萬軍(ばんぐん)のヱホバに(ちか)ひをたてん その(うち)のひとつは日邑(ひのまち)ととなへらるべし 19その()エジプトの()(なか)にヱホバをまつる(ひと)つの祭壇(さいだん)あり その(さかひ)にヱホバをまつる(ひとつの)(はしら)あらん 20これエジプトの()にて萬軍(ばんぐん)のヱホバの(しるし)となり(あかし)となるなり かれら暴虐者(しへたぐるもの)(ゆゑ)によりてヱホバに號求(さけびもと)むべければ ヱホバは(すく)ふもの(まも)るものを(つかは)してこれを(たす)けたまはん 21ヱホバおのれをエジプトに(しら)せたまはん その()エジプト(びと)はヱホバをしり犠牲(いけにへ)祭物(そなへもの)とをもて(これ)につかへん 誓願(せいぐわん)をヱホバにたてて(なし)とぐべし 22ヱホバ、エジプトを(うち)たまはん ヱホバこれを(うち)これを(いや)したまふ この(ゆゑ)にかれらヱホバに(かへ)らん ヱホバその懇求(ねがひ)をいれて(これ)をいやし(たま)はん 23その()エジプトよりアツスリヤにかよふ大路(おほぢ)ありて アツスリヤ(びと)はエジプトにきたり エジプト(びと)はアツスリヤにゆき エジプト(びと)とアツスリヤ(びと)相共(あひとも)につかふることをせん 24その()イスラエルはエジプトとアツスリヤとを(とも)にし(みつ)あひならび()のうへにて福祉(さいはひ)をうくる(もの)となるべし 25萬軍(ばんぐん)のヱホバこれを(しゆく)して(いひ)たまはく わが(たみ)なるエジプトわが()(わざ)なるアツスリヤわが產業(さんげふ)なるイスラエルは(さいは)ひなるかな

第二十章

1アツスリヤのサルゴン(わう)タルタンを(つかは)してアシドドにゆかしむ (かれ)がアシドドを(せめ)てとりし(とし)にあたり 2この(とき)ヱホバ、アモツの()イザヤに(より)てかたりたまはく (ゆけ)なんぢの(こし)よりあらたへの(ころも)をとき(なんぢ)(あし)より(くつ)をぬげ ここに(おい)てかれその(ごと)くなし赤裸(はだか)跣足(はだし)にて(あゆ)めり 3ヱホバ(いひ)(たまは)く わが(しもべ)イザヤは三(ねん)(あひだ)はだかはだしにてあゆみ エジプトとエテオピアとの豫兆(しるし)となり(くす)しき(かた)となりたり 4(かく)のごとくエジプトの(とりこ)とエテオピアの俘囚(とらはれびと)とはアツスリヤの(わう)にひきゆかれ その(わか)きも(おい)たるもみな赤裸(はだか)跣足(はだし)にて(ゐさらひ)までもあらはしエジプトの(はぢ)をしめすべし 5かれらはその(たのみ)とせるエテオピアその(ほこり)とせるエジプトのゆゑをもて(おそ)れはぢん 6その()この濱邊(はまべ)(たみ)いはん ()よ われらの(たのみ)とせる(くに)われらが(のが)れゆきて(たすけ)をもとめアツスリヤ(わう)()より救出(すくひいだ)されんとせし(くに)すでに(かく)のごとし 我儕(われら)はいかにして(まぬ)かるるを()んやと

第二十一章

1うみべの荒野(あれの)にかかる重負(おもに)のよげん いはく/荒野(あれの)よりおそるべき()より(みなみ)のかたの暴風(はやち)のふきすぐるが(ごと)くきたれり 2われ(から)默示(もくし)をしめされたり 欺騙者(あざむくもの)はあざむき(あら)すものはあらすべし エラムよ(のぼ)れメデアよかこめ (われ)すでにすべての歎息(なげき)をやめしめたり 3この(ゆゑ)にわが(こし)(はなは)だしくいたみ (さん)にのぞめる婦人(をんな)(ごと)(くる)しみ(われ)にせまれり われ(もだ)(くる)しみて(きく)ことあたはず(われ)をののきて(みる)ことあたはず 4わが(こころ)みだれまどひて(わなな)(おづ)ること(はなは)だし わが(たの)しめる(ゆふべ)はかはりて(おそ)れとなりぬ 5(かれ)らは(せき)をまうけ(むしろ)をしきてくひのみす もろもろの(きみ)よたちて(たて)にあぶらぬれ 6ヱホバかく(われ)にいひ(たま)へり (なんぢ)ゆきて斥候(ものみ)をおきその()るところを(つげ)しめよ 7かれ(むま)にのりて二列(ふたなみ)にならび(きた)るものを() また驢馬(ろば)にのりたると駱駝(らくだ)にのりたるとをみば (みみ)をかたぶけて詳細(つまびらか)にきくことをせしめよと 8かれ(しし)(ごと)(よば)はりて(いひ)けるは わが(しゆ)よわれ終日(ひねもす)やぐらに(たち)よもすがら斥候(ものみ)()にたつ 9(むま)にのりて二列(ふたなみ)にならびたる(もの)きたれり (かれ)こたへていはくバビロンは(たふ)れたり (たふ)れたりそのもろもろの(かみ)(ざう)はくだけて()にふしたり 10蹂躙(ふみにじ)らるるわが(たみ)よわが打場(うちば)のたなつものよ (われ)イスラエルの(かみ)萬軍(ばんぐん)のヱホバに(きけ)るところのものを(なんぢ)につげたり 11ドマに(かか)るおもにの預言(よげん) いはく/(ひと)ありセイルより(われ)をよびていふ 斥候(ものみ)()はなにのときぞ 斥候(ものみ)()はなにの(とき)12ものみ(こた)へていふ (あした)きたり()またきたる (なんぢ)もしとはんとおもはば(とへ) なんぢら(かへ)りきたるべし 13アラビヤにかかる重負(おもに)のよげん (いは)く/デダンの客商(たびあきうど)よなんぢらはアラビヤの(はやし)にやどらん 14テマの()のたみよ(みづ)をたづさへて(かわ)ける(もの)をむかへ (かて)をもて逃遁(にげのが)れたるものを(むか)へよ 15かれらは(やいば)をさけ (すで)にぬきたる(つるぎ)すでに(はり)たる(ゆみ)およびたたかひの艱難(なやみ)をさけて(にげ)きたれり 16そは(しゆ)われにいひたまはく 傭人(やとひびと)()にひとしく一年(ひととせ)のうちにケダルのすべての榮華(えいぐわ)はつきはてん 17そののこれる弓士(いて)のかずとケダルの子孫(ひとびと)のますらをとは(すく)なかるべし ()はイスラエルの(かみ)ヱホバのかたり(たま)へるなり

第二十二章

1異象(いしやう)(たに)にかかる重負(おもに)のよげん (いは)く/なんぢら何故(なにゆゑ)にみな屋蓋(やね)にのぼれるか 2(なんぢ)はさわがしく(かまび)すしき(まち)ほこりたのしむ(まち) なんぢのうちの(ころ)されたるものは(つるぎ)をもて(ころ)されしにあらず (また)たたかひにて()しにもあらず 3なんぢの有司(つかさびと)はみな(とも)にのがれゆきしかど弓士(いて)にいましめられ (なんぢ)(たみ)はとほくにげゆきしかど見出(みいだ)されて(みな)ともに(いまし)められたり 4この(ゆゑ)にわれいふ回顧(ふりかへり)てわれを()るなかれ (われ)いたく(なき)かなしまん わが(たみ)のむすめの(そこな)はれたるによりて(われ)をなぐさめんと(つと)むるなかれ 5そは(しゆ)萬軍(ばんぐん)のヱホバ異象(いしやう)のたにに騒亂(さわぎ)ふみにじり惶惑(あわてまどひ)()をきたらせたまふ (かき)はくづれ號呼(さけび)のこゑは山々(やまやま)にきこゆ 6エラムは(えびら)をおひたり 歩兵(ほへい)騎兵(きへい)とありキルは(たて)をあらはせり 7かくて戰車(いくさぐるま)はなんぢの(うるは)しき(たに)にみち 騎兵(きへい)はその(もん)にむかひてつらなれり 8ユダの庇護(おほひ)はのぞかる その()なんぢは(はやし)のいへの武具(ぶぐ)をあふぎのぞめり 9なんぢらダビデのまちの(やぶれ)おほきを()る なんぢら(しも)のいけの(みづ)をあつめ 10またヱルサレムの(いへ)をかぞへ(かつ)その(いへ)をこぼちて(かき)をかたくし 11(ひと)つの水坑(みづため)をかきとかきとの(あひだ)につくりて古池(ふるいけ)(みづ)をひけりされどこの(こと)をなし(たま)へるものを仰望(あふぎのぞ)まず この(こと)をむかしより(いとな)みたまへる(もの)をかへりみざりき 12その()(しゆ)萬軍(ばんぐん)のヱホバ(めい)じて(なき)かなしみ(かしら)をかぶろにし麁服(あらたへ)をまとへと(おほ)せたまひしかど 13なんぢらは(よろこ)びたのしみ(うし)をほふり(ひつじ)をころし(にく)をくらひ(さけ)をのみていふ 我儕(われら)くらひ(かつ)のむべし明日(あす)はしぬべければなりと 14萬軍(ばんぐん)のヱホバ默示(もくし)をわが(みみ)にきかしめたまはく まことにこの邪曲(よこしま)はなんぢらが()にいたるまで(のぞ)(きよ)めらるるを()ずと これ(しゆ)萬軍(ばんぐん)のヱホバのみことばなり 15(しゆ)ばんぐんのヱホバ如此(かく)のたまふ ゆけ(みや)ををさめ(くら)をつかさどるセブナにゆきていへ 16なんぢここに(なに)のかかはりありや また(ここ)にいかなる(ひと)のありとして(おの)がために(はか)をほりしや (かれ)はたかきところに(はか)をほり(いは)をうがちて(おの)がために住所(すみか)をつくれり 17()よヱホバはつよき(ひと)のなげうつ(ごと)くに(なんぢ)をなげうち(たま)はん 18なんぢを(つつ)みかためふりまはして(ひろら)かなる()(まり)のごとくなげいだしたまはん 主人(しゆじん)のいへの(はぢ)となるものよ(なんぢ)そこにて(しに)そのえいぐわの(くるま)もそこにあらん 19(われ)なんぢをその(つとめ)よりおひその(くらゐ)よりひきおとさん 20その()われわが(しもべ)ヒルキヤの()エリアキムを(よび)21なんぢの(ころも)をきせ(なんぢ)(おび)をもて(かた)め なんぢの政權(まつりごと)をその()にゆだぬべし (かく)(かれ)ヱルサレムの(たみ)とユダの(いへ)とに(ちち)とならん 22(われ)またダビデのいへの(かぎ)をその(かた)におかん (かれ)あくればとづるものなく(かれ)とづればあくるものなし 23(われ)かれをたてて堅處(かたきところ)にうちし(くぎ)のごとくすべし (しか)してかれはその(ちち)(いへ)のさかえの(くらゐ)とならん 24その(ちち)(いへ)のもろもろの(さかえ)(かれ)がうへに(かか)る その()その(まご)およびすべての(うつは)のちひさきもの(さら)より瓶子(へいじ)にいたるまでも(しか)らざるなし 25萬軍(ばんぐん)のヱホバのたまはくその()かたき(ところ)にうちたる(くぎ)はぬけいで(きら)れておちん そのうへにかかれる()もまた(たた)るべし こはヱホバ(かた)(たま)へるなり

第二十三章

1ツロに(かか)るおもにの預言(よげん) いはく/タルシシのもろもろの(ふね)よなきさけべ ツロは荒廢(あれすた)れて(いへ)なく(いる)べきところなければなり かれら此事(このこと)をキツテムの()にて(つげ)しらせらる 2うみべの(たみ)よもだせ (さき)には(うみ)をゆきかふシドンの商賣(あきうど)くさぐさの(もの)をかしこに(みた)せたり 3ツロは(おほい)なる(みづ)をわたりくるシホルの種物(たねもの)とナイルがはの穀物(たなつもの)とによりて収納(しふなふ)をえたり ツロはもろもろの(くに)のつどふ(いち)なりき 4シドンよはづべし そは(うみ)すなはち海城(うみのしろ)かくいへり(いは)く われ(くる)しまずうまず壯男(わかきをとこ)をやしなはず處女(をとめ)をそだてざりきと 5この音信(おとづれ)のエジプトにいたるとき彼等(かれら)ツロのおとづれによりて(いた)くうれふべし 6なんぢらタルシシにわたれ 海邊(うみべ)のたみよ汝等(なんぢら)なきさけぶべし 7これは(あが)れる()いにしへよりありし(まち)おのが(あし)にてうつり(とほ)くたびずまひせる(まち)なんぢらの(たの)しみの(まち)なりしや 8(かく)のごとくツロに(むか)ひてはかりしは(たれ)なるか ツロは(かんむり)をさづけし(まち) その(なか)のあきうどは(きみ) その(なか)貿易(うりかひ)するものは()のたふとき(もの)なりき 9これ萬軍(ばんぐん)のヱホバの(さだ)(たま)ふところにして すべて華美(あてやか)にかざれる驕奢(おごり)をけがし()のもろもろの貴者(たふときもの)をひくくしたまはんが(ため)なり 10タルシシの(むすめ)よナイルのごとく(おの)()にあふれよ なんぢを(むす)びかたむる(おび)ふたたびなかるべし 11ヱホバその()(うみ)(うへ)にのべて國々(くにぐに)をふるひうごかし(たま)へり ヱホバ、カナンにつきて詔命(みことのり)をいだしその保砦(とりで)をこぼたしめたまふ 12(かれ)いひたまはく(しへた)げられたる處女(をとめ)シドンのむすめよ (なんぢ)ふたたびよろこぶことなかるべし (たち)てキツテムにわたれ彼處(かしこ)にてなんぢまた安息(やすみ)をえじ 13カルデヤ(びと)のくにを()よ この(たみ)はふたたびあることなし アツスリヤ(びと)この(くに)()のけものの居所(をりどころ)にさだめたり かれら(やぐら)をたてもろもろの殿(との)をこぼちて荒墟(あれつか)となせり 14タルシシのもろもろの(ふね)よなきさけべ なんぢの保砦(とりで)はくだかれたり 15その()ツロは七十(ねん)のあひだ(わす)れらるべし ひとりの(わう)のながらふる()のかずなり七十(ねん)(をは)りてのちツロは妓女(うかれめ)のうたの(ごと)くならん 16さきに(わす)れられたるうかれめよ(こと)をとりて城市(まち)をへめぐり (たくみ)(たん)じておほくの(うた)をうたひ(ひと)にふたたび記念(おもひいで)らるべし 17七十(ねん)をはりてヱホバまたツロを(かへり)みたまはん ツロはふたたびその利潤(くぼさ)をえて()のおもてにあるもろもろの(くに)(たはれ)をおこなふべし 18その貿易(あきなひ)とその()たる利潤(くぼさ)とはきよめてヱホバに(ささ)ぐべければ(これ)をたくはへず(つむ)ことをせざるなり その貿易(あきなひ)はヱホバの(まへ)にをるものの(よう)となり(あき)くらふ(りやう)となり華美(はなやか)なるころもの(りやう)とならん

第二十四章

1()よヱホバこの()をむなしからしめ荒廢(あれすた)れしめこれを(くつが)へしてその(たみ)をちらしたまふ 2かくて(たみ)祭司(さいし)もひとしく (しもべ)(しゆ)もひとしく 下婢(はしため)主婦(いへとじ)もひとしく (かふ)ものも(うる)ものもひとしく (かす)ものも(かる)ものもひとしく ()をはたるものも()をいだす(もの)もひとしくこの(こと)にあふべし 3()はことごとく(むな)しくことごとく(かす)められん こはヱホバの(いひ)たまへるなり 4()はうれへおとろへ()(なえ)おとろへ()のたふときものも(なえ)はてたり 5(たみ)おきてにそむき(のり)ををかし とこしへの契約(けいやく)をやぶりたるがゆゑに ()はその(した)にけがされたり 6このゆゑに呪詛(のろひ)()をのみつくしそこに(すめ)るものは(つみ)をうけまた()(たみ)はやかれて(わづ)かばかり(のこ)れり 7あたらしき(さけ)はうれへ葡萄(ぶだう)はなえ (こころ)たのしめるものはみな歎息(たんそく)せざるはなし 8(つづみ)のおとは(しづ)まり(よろこ)ぶものの(こゑ)はやみ(こと)()もまたしづまれり 9彼等(かれら)はふたたび(うた)うたひ(さけ)のまず濃酒(こきさけ)はこれをのむものに(にが)くなるべし 10(さわ)ぎみだれたる(まち)はすでにやぶられ毎家(いへいへ)はことごとく(とぢ)(ひと)のいるなし 11街頭(ちまた)には(さけ)(ゆゑ)によりて(さけ)ぶこゑあり すべての歡喜(よろこび)はくらくなり()のたのしみは(さり)ゆけり 12(まち)はあれすたれたる(ところ)のみのこり その(もん)もこぼたれて(やぶ)れぬ 13()のうちにてもろもろの(たみ)のなかにて(のこ)るものは橄欖(かんらん)()のうたれしのちの()(ごと)葡萄(ぶだう)収穫(かりいれ)はてしのちの()のごとし 14これらのもの(こゑ)をあげてよばはん ヱホバの稜威(みいつ)のゆゑをもて(うみ)より(よろこ)びよばはん 15この(ゆゑ)になんぢら(ひがし)にてヱホバをあがめ (うみ)のしまじまにてイスラエルの(かみ)ヱホバの()をあがむべし 16われら()(はて)より(うた)をきけり いはく榮光(えいくわう)はただしきものに()すと/われ(いへ)らく(われ)やせおとろへたり(われ)やせおとろへたり (われ)はわざはひなるかな 欺騙者(あざむくもの)はあざむき欺騙者(あざむくもの)はいつはりをもて(あざ)むけり 17()にすむものよ恐怖(おそれ)陷阱(おとしあな)(わな)とはなんぢに(のぞ)めり 18おそれの(こゑ)をのがるる(もの)はおとしあなに(おちい)り おとしあなの(なか)よりいづるものは(わな)にかかるべし そは高處(たかきところ)(まど)ひらけ()(もとゐ)ふるひうごけばなり 19()(くだ)けにくだけ()はやぶれにやぶれ()(ゆれ)にゆれ 20()はゑへる(もの)のごとく(よろめ)きによろめき假廬(かりや)のごとくふりうごく その(つみ)はそのうへにおもく(つい)にたふれて(ふたた)びおくることなし 21その()ヱホバはたかき(ところ)にて(たか)きところの軍兵(つはもの)(きた)()にて()のもろもろの(わう)(きた)めたまはん 22かれらは囚人(めしうど)(あな)にあつめらるるごとく(あつ)められて 獄中(ひとやのうち)にとざされ(おほ)くの()をへてのち(つみ)せらるべし 23かくて萬軍(ばんぐん)のヱホバ、シオンの(やま)およびヱルサレムにて統治(すべをさ)め かつその長老(ちやうらう)たちのまへに榮光(えいくわう)あるべければ (つき)(おも)あからみ()ははぢて(いろ)かはるべし

第二十五章

1ヱホバよ(なんぢ)はわが(かみ)なり (われ)なんぢを(あが)めなんぢの()をほめたたへん (なんぢ)さきに(たへ)なる(わざ)をおこなひ 古時(いにしへ)より(さだ)めたることを眞實(しんじつ)をもて(なし)たまひたればなり 2なんぢ(まち)をかへて石堆(いしづか)となし 堅固(けんご)なる(しろ)荒墟(あれづか)となし 外人(あだしびと)京都(みやこ)(まち)とならしめず永遠(とこしへ)にたつることを()ざらしめたまへり 3この(ゆゑ)につよき(たみ)はなんぢをあがめ (あら)びたる國々(くにぐに)(しろ)はなんぢをおそるべし 4そはなんぢ(よわ)きものの保砦(とりで)となり (とも)しきものの(なやみ)のときの保砦(とりで)となり 雨風(あめかぜ)のふききたりて(かき)をうつごとく(あら)ぶるものの(あれ)きたるときの避所(さけどころ)となり (ねつ)をさくる(かげ)となりたまへり 5なんぢ外人(あだしびと)喧嘩(さわぎ)をおさへて(かわ)ける()より(ねつ)をとりのぞく(ごと)くならしめ (あら)ぶるものの凱歌(かちうた)をとどめて(くも)(かげ)をもて(ねつ)をとどむる(ごと)くならしめたまはん 6萬軍(ばんぐん)のヱホバこの(やま)にてもろもろの(たみ)のために(こえ)たるものをもて(えん)をまうけ (ひさ)しくたくはへたる葡萄酒(ぶだうしゆ)をもて(えん)をまうく (ずゐ)おほき(こえ)たるもの(ひさ)しくたくはへたる(すめ)るぶだう(しゆ)(えん)なり 7(また)この(やま)にてもろもろの(たみ)のかぶれる面帕(かほおほひ)と もろもろの(くに)のおほへる外帔(おほひぎぬ)をとりのぞき 8とこしへまで()(のみ)たまはん (しゆ)ヱホバはすべての(かほ)より(なみだ)をぬぐひ 全地(ぜんち)のうへよりその(たみ)凌辱(はづかしめ)をのぞき(たま)はん これはヱホバの(かた)りたまへるなり 9その()此如(かく)いはん これはわれらの(かみ)なり われら俟望(まちのぞ)めり (かれ)われらを(すく)ひたまはん (これ)ヱホバなり われらまちのぞめり 我儕(われら)そのすくひを(よろこ)びたのしむべしと 10ヱホバの(みて)はこの(やま)にとどまり モアブはその(ところ)にてあくたの(みづ)のなかにふまるる(わら)のごとく蹂躙(ふみにじ)られん 11(かれ)そのなかにて游者(およぐもの)のおよがんとして()をのばすが(ごと)(おの)()をのばさん (され)どヱホバその()脆計(たばかり)とともにその傲慢(たかぶり)(ふせ)たまはん 12なんぢの(かき)たかき堅固(けんご)なる(しろ)はヱホバかたぶけたふし ()におとして(ちり)にまじへたまはん

第二十六章

1その()ユダの(くに)にてこの(うた)をうたはん われらに堅固(けんご)なる(まち)あり (かみ)すくひをもてその(かき)その(かこひ)となしたまふべし 2なんぢら(もん)をひらきて忠信(ちうしん)(まも)るただしき國民(くにびと)をいれよ 3なんぢは平康(やすき)にやすきをもて心志(こころざし)かたき(もの)をまもりたまふ (かれ)はなんぢに依賴(よりたの)めばなり 4なんぢら常盤(とことは)にヱホバによりたのめ (しゆ)ヱホバはとこしへの(いは)なり 5たかきに()るものを(たふ)し そびえたる(しろ)をふせしめ ()にふせしめて(ちり)にまじへ(たま)へり 6かくて(あし)これをふまん (くる)しむものは(あし)にて(これ)をふみ (まづ)しき(もの)はその(うへ)をあゆまん 7(ただし)きものの(みち)(なほ)からざるなし なんぢ(ただし)きものの(みち)(なほ)(たひ)らかにし(たま)8ヱホバよ審判(さばき)をおこなひたまふ(みち)にてわれら(なんぢ)をまちのぞめり われらの(こころ)はなんぢの()となんぢの記念(きねん)()とをしたふなり 9わがこころ(よる)なんぢを(した)ひたり わがうちなる(れい)あしたに(なんぢ)をもとめん そは(なんぢ)のさばき()におこなはるるとき()にすめるもの正義(ただしき)をまなぶべし 10惡者(あしきもの)はめぐまるれども公義(ただしき)をまなばず (なほ)()にありてなほ不義(ふぎ)をおこなひヱホバの稜威(みいつ)()ることをこのまず 11ヱホバよなんぢの(みて)たかく(あが)れどもかれら(かへり)みず (され)どなんぢが(たみ)をすくひたまふ熱心(ねつしん)()ばはぢをいだかん ()なんぢの(てき)をやきつくすべし 12ヱホバよ(なんぢ)はわれらのために平和(へいわ)をまうけたまはん 我儕(われら)のおこなひしことは(みな)なんぢの(なし)たまへるなり 13ヱホバわれらの(かみ)よなんぢにあらぬ(ほか)(しゆ)ども(さき)にわれらを(をさ)めたり (され)どわれらはただ(なんぢ)によりて(なんぢ)()をかたりつげん 14かれら(しに)たればまたいきず 亡靈(なきたま)となりたればまた(かへ)らず なんぢかれらを(ただ)してこれを(ほろ)ぼし その記念(きねん)()をさへ(ことごと)くうせしめたまへり 15ヱホバよなんぢこの國民(くにびと)をましたまへり(この)くにびとを(まし)たまへり なんぢは(たふと)ばれたまふ なんぢ()(さかひ)をことごとく(ひろ)めたまへり 16ヱホバよかれら苦難(なやみ)のときに(なんぢ)をあふぎのぞめり 彼等(かれら)なんぢの懲罰(こらしめ)にあへるとき(せち)になんぢに禱告(ねぎごと)せり 17ヱホバよわれらは(はら)める(をんな)のうむとき(ちか)づきてくるしみ その(いた)みによりて(さけ)ぶがごとく(なんぢ)のまへに(しか)ありき 18われらは(はら)みまた(くる)しみたれどその(うめ)るところは(かぜ)ににたり われら(すくひ)()にほどこさず()にすむ(もの)うまれいでざりき 19なんぢの死者(しねるもの)はいきわが(たみ)(かばね)はおきん (ちり)にふすものよ(さめ)てうたうたふべし なんぢの(つゆ)草木(くさき)をうるほす(つゆ)のごとく()はなきたまをいださん 20わが(たみ)よゆけ なんぢの(へや)にいり(なんぢ)のうしろの()をとぢて忿恚(いきどほり)のすぎゆくまで暫時(しばらく)かくるべし 21()よヱホバはその(ところ)をいでて()にすむものの不義(ふぎ)をただしたまはん ()はその(うへ)なる()をあらはにして(ころ)されたるものをまた(おほ)はざるべし

第二十七章

1その()ヱホバは(かた)(おほい)いなるつよき(つるぎ)をもて 疾走(とくはし)るへびレビヤタン(まが)りうねる(へび)レビヤタンを(ばつ)しまた(うみ)にある(わに)をころし(たま)ふべし 2その()如此(かく)うたはん うるはしき葡萄園(ぶだうぞの)あり(これ)をうたへよ 3われヱホバこれを(まも)り をりをり(みづ)そそぎ ()(ひる)もまもりて(そこな)ふものあらざらしめん 4(われ)にいきどほりなし(ねが)はくは荊棘(いばらおどろ)のわれと(たたか)はんことを (さら)ばわれすすみ(むか)へて(みな)もろともに焚盡(やきつく)さん 5(むし)ろわが(ちから)にたよりて(われ)とやはらぎを(むす)べ われと平和(やはたぎ)をむすぶべし 6(のち)にいたらばヤコブは()をはりイスラエルは()をいだして(はな)さきその()せかいの(おもて)にみちん 7ヤコブ(しゆ)にうたるるといへども(かれ)をうちしものの(しゆ)にうたるるが(ごと)きことあらんや ヤコブの(ころ)さるるは(かれ)をころししものの(ころ)さるるが(ごと)きことあらんや 8(なんぢ)がヤコブを(おひ)たまへる懲罰(こらしめ)(のり)にかなひぬ 東風(こち)のふきし()なんぢあらき(かぜ)をもてこれをうつし(たま)へり 9(かか)るがゆゑにヤコブの不義(ふぎ)はこれによりて(きよ)められん これに(より)てむすぶ()(つみ)をのぞくことをせん (かれ)祭壇(さいだん)のもろもろの(いし)(くだ)けたる石灰(いしはひ)のごとくになし アシラの(ざう)()(ざう)とをふたたび(たつ)ることなからしめん 10堅固(けんご)なる(まち)はあれてすさまじく棄去(すてさら)れたる(いへ)のごとく また荒野(あれの)のごとし (こうし)このところにて(くさ)をはみ此所(このところ)にてふし (かつ)そこなる()のえだをくらはん 11その(えだ)かるるとき(をり)とらる 婦人(をんな)きたりてこれを(やか)ん これは無知(むち)(たみ)なるが(ゆゑ)(これ)をつくれる(もの)あはれまず これを(かたち)づくれるもの(めぐ)まざるべし 12その()なんぢらイスラエルの子輩(こら)よ ヱホバは打落(うちおと)したる()をあつむるごとく 大河(おほかは)(ながれ)よりエジプトの(かは)にいたるまでなんぢらを(ひと)(ひと)つにあつめたまふべし 13その()(おほい)なるラッパ(なり)ひびきアツスリヤの()にさすらひたる(もの) エジプトの()におひやられたる(もの) きたりてヱルサレムの聖山(きよきやま)にてヱホバを(をが)むべし

第二十八章

1(ゑへ)るものなるエフライム(びと)よなんぢらの(ほこり)(かんむり)はわざはひなるかな (さけ)におぼるるものよ(こえ)たる(たに)(かしら)にある(しぼま)んとする(はな)のうるはしき(かざり)はわざはひなるかな 2みよ(しゆ)はひとりの(ちから)ある强剛者(つよきもの)をもち(たま)へり それは(へう)をまじへたる暴風(はやち)のごとく(やぶ)りそこなふ狂風(つむじかぜ)のごとく大水(おほみづ)のあぶれ(みなぎ)るごとく(はげ)しくかれを()になげうつべし 3(ゑへ)るものなるエフライム(びと)のほこりの(かんむり)(あし)にて(ふみ)にじられん 4(こえ)たる(たに)のかしらにある(しぼま)んとする(はな)のうるはしきかざりは (なつ)こぬに(じゆく)したる初結(はつなり)無花果(いちぢく)のごとし ()るものこれをみて()()おそしと(のみ)いるるなり 5その()萬軍(ばんぐん)のヱホバその(たみ)ののこれる(もの)のために(さかえ)のかんむりとなり(うるは)しき(かんむり)となり(たま)はん 6さばきの(せき)にざするものには審判(さばき)(れい)をあたへ(いくさ)(もん)よりおひかへす(もの)には(ちから)をあたへ(たま)ふべし 7(され)どかれらも(さけ)によりてよろめき濃酒(こきさけ)によりてよろぼひたり 祭司(さいし)預言者(よげんしや)とは濃酒(こきさけ)によりてよろめき (さけ)にのまれ濃酒(こきさけ)によりてよろぼひ (しか)して默示(もくし)をみるときにもよろめき審判(さばき)をおこなふときにも(つまづ)けり 8すべて(ぜん)には(はき)たるものと(けがれ)とみちて(きよ)きところなし 9かれは(たれ)にをしへて知識(ちしき)をあたへんとするか (たれ)にしめして音信(おとづれ)(さと)らせんとするか (ちち)をたち(ふところ)をはなれたる(もの)にするならんか 10そは誡命(いましめ)にいましめをくはへ誡命(いましめ)にいましめをくはへ (のり)にのりをくはへ(のり)にのりをくはへ (ここ)にもすこしく(かしこ)にもすこしく(をし)11このゆゑに(かみ)あだし(くちびる)(こと)なる(した)とをもてこの(たみ)にかたりたまはん 12(さき)にかれらに(いひ)たまひけるは()安息(やすみ)なり疲困者(つかれたるもの)にやすみをあたへよ ()安慰(なぐさめ)なりと されど(かれ)らは(きく)ことをせざりき 13(かか)るがゆゑにヱホバの(ことば)かれらにくだりて 誡命(いましめ)にいましめをくはへ誡命(いましめ)にいましめをくはへ (のり)にのりをくはへ(のり)にのりをくはへ (ここ)にもすこしく(かしこ)にも(すこ)しくをしへん (これ)によりて彼等(かれら)すすみてうしろに(たふ)れそこなはれ(わな)にかかりて(とら)へらるべし 14なんぢら(この)ヱルサレムにある(たみ)ををさむるところの輕慢者(あなどるもの)よヱホバの(ことば)をきけ 15なんぢらは(いへ)(われ)()契約(けいやく)をたて陰府(よみ)とちぎりをむすべり (みなぎ)りあふるる禍害(わざはひ)のすぐるときわれらに(きた)らじ そはわれら虛僞(いつはり)をもて避所(さけどころ)となし欺詐(あざむき)をもて()をかくしたればなりと 16このゆゑに(かみ)ヱホバかくいひ(たま)()よわれシオンに(ひと)つの(いし)をすゑてその(もとゐ)となせり これは(こころみ)をへたる(いし)たふとき隅石(すみいし)かたくすゑたる(いし)なり これに依賴(よりたの)むものはあわつることなし 17われ公平(こうへい)準繩(はかりなは)とし正義(せいぎ)(おもし)とす (かく)(へう)はいつはりにてつくれる避所(さけどころ)をのぞきさり(みづ)はその(かく)れたるところに(みなぎ)りあふれん 18(なんぢ)らが()とたてし契約(けいやく)はきえうせ陰府(よみ)とむすべるちぎりは(なる)ことなし されば(みなぎ)(あふ)るるわざはひのすぐるとき汝等(なんぢら)はこれに(ふみ)たふさるべし 19その(すぐ)るごとになんぢらを(とら)へん 朝々(あさなあさな)にすぎ(ひる)(よる)もすぐ この音信(おとづれ)をきき わきまふるのみにても(をのの)きをるなり 20その(さま)(とこ)みじかくして()をのぶることあたはず (ふすま)せまくして()をおほふこと(あた)はざるが(ごと)21そはヱホバ往昔(むかし)ペラヂムの(やま)にて(たち)たまひしがごとくにたち ギベオンの(たに)にて忿恚(いきどほり)をはなちたまひしが(ごと)くにいきどほり (しか)してその所爲(おこなひ)をおこなひ(たま)はん (くす)しき所爲(みおこなひ)なり その(わざ)(なし)たまはん (こと)なる(みわざ)なり 22この(ゆゑ)になんぢら(あなど)るなかれ (おそら)くはなんぢらの縲絏(いましめ)きびしくならん (われ)すでに全地(ぜんち)のうへにさだまれる敗亡(ほろび)あるよしを(しゆ)萬軍(ばんぐん)のヱホバより(きき)たればなり 23なんぢら(みみ)をかたぶけてわが(こゑ)をきけ(ねんご)ろにわが(ことば)をきくべし 24農夫(のうふ)たねをまかんに(いか)日々(ひにひに)たがへし日々(ひにひに)その()をすき その土塊(つちくれ)をくだくことのみを()んや 25もし()(おもて)をたひらかにせばいかで罌粟(けし)をまき 馬芹(まきん)(たね)をおろし 小麥(こむぎ)をうねにうゑ 大麥(おほむぎ)をさだめたる(ところ)にうゑ 粗麥(はだかむぎ)(くろ)にうゑざらんや 26(かく)のごときはかれの(かみ)これに智慧(ちゑ)をあたへて(をし)へたまへるなり 27けしは連耞(からさを)にてうたず 馬芹(まきん)はそのうへに車輪(くるま)をきしらせず罌栗(けし)をうつには(つゑ)をもちひ 馬芹(まきん)をうつには(ぼう)をもちふ 28(むぎ)をくだくか(いな)くるまにきしらせ(うま)にふませて(おと)すことはすれども(たえ)ずしかするにあらず これを(くだ)くことをせざるべし 29()もまた萬軍(ばんぐん)のヱホバよりいづ その謀略(はかりごと)はくすしくその智慧(ちゑ)はすぐれたり

第二十九章

1ああアリエルよアリエルよ ああダビデの(えい)をかまへたる(まち)よ としに(とし)をくはへ節會(せちゑ)まはりきたらば 2われアリエルをなやまし(これ)にかなしみと歎息(なげき)とあらしめん (かれ)をアリエルのごとき(もの)となすべし 3われ(なんぢ)のまはりに(えい)をかまへ保砦(とりで)をきづきて(なんぢ)をかこみ(やぐら)をたててなんぢを(せむ)べし 4かくてなんぢは(ひく)くせられ ()にふしてものいひ(ちり)のなかより低聲(ひくきこゑ)をいだしてかたらん (なんぢ)のこゑは巫女(みこ)のこゑのごとく()よりいで(なんぢ)のことばは(ちり)のなかより(さえ)づるがごとし 5(され)どなんぢのあだの群衆(もろもろ)はこまやかなる(ちり)(ごと)く あらぶるものの群衆(もろもろ)はふきさらるる粃糠(もみがら)(ごと)くならん (にはか)にまたたく()にこの(こと)あるべし 6萬軍(ばんぐん)のヱホバはいかづち 地震(ぢしん) おほごゑ 暴風(はやち) つむじかぜ(およ)びやきつくす()(ほのほ)をもて(のぞ)みたまふべし 7(かく)てアリエルを(せめ)てたたかふ國々(くにぐに)のもろもろ アリエルとその(しろ)とをせめたたかひて(なや)ますものは みな(ゆめ)のごとく()のまぼろしの(ごと)くならん 8(うゑ)たるものの(くら)ふことを(ゆめ)みて(さめ)きたればその(こころ)なほ(むな)しきがごとく (かわ)けるものの(のむ)ことを(ゆめ)みて(さめ)きたれば(つか)れかつ(しきり)にのまんことを(ほつ)するがごとく シオンの(やま)をせめて(たたか)ふくにぐにの群衆(もろもろ)もまた(しか)あらん 9なんぢらためらへ(しか)しておどろかん なんぢら放肆(ほしいまま)にせよ(しか)して()くらまん かれらは(ゑへ)りされど(さけ)のゆゑにあらず かれらはよろめけりされど濃酒(こきさけ)のゆゑにあらず 10そはヱホバ酣睡(うまい)(れい)をなんぢらの(うへ)にそそぎ (しか)してなんぢらの()をとぢ なんぢらの(かほ)をおほひたまへり その()預言者(よげんしや)そのかほは先知者(せんちしや)なり 11かかるが(ゆゑ)にすべての默示(もくし)はなんぢらには(ふう)じたる(ふみ)のことばのごとくなり 文字(もじ)しれる(ひと)にわたして(こふ)これを(よめ)といはんに(こた)へて(ふう)じたるがゆゑによむこと(あた)はずといはん 12また文字(もじ)しらぬ(ひと)にわたして(こふ)これをよめといはんにこたへて文字(もじ)しらざるなりといはん 13(しゆ)いひ(たま)はく この(たみ)(くち)をもて(われ)にちかづき口唇(くちびる)をもてわれを(うやま)へども その(こころ)はわれに(とほざ)かれり そのわれを(かしこ)みおそるるは(ひと)誡命(いましめ)によりてをしへられしのみ 14この(ゆゑ)にわれこの(たみ)のなかにて(ふたた)びくすしき(わざ)をおこなはん そのわざは(くす)しくしていとあやし かれらの(なか)なる智者(ちしや)のちゑはうせ聰明者(さときもの)のさときはかくれん 15(おの)がはかりごとをヱホバに(ふか)くかくさんとする(もの)はわざはひなるかな 暗中(くらきうち)にありて(わざ)をおこなひていふ (たれ)かわれを()んや たれか(われ)をしらんやと 16なんぢらは(まが)れり いかで陶工(すゑものづくり)をみて土塊(つちくれ)のごとくおもふ(べけ)んや (つく)られし(もの)おのれを(なし)れるものをさして(われ)をつくれるにあらずといふをえんや (かたち)づくられたる(うつは)はかたちづくりし(もの)をさして智慧(ちゑ)なしといふを()んや 17(しばら)くしてレバノンはかはりて良田(よきはた)となり 良田(よきはた)(はやし)のごとく()ゆるとききたるならずや 18その()聾者(みみしひ)はこの(ふみ)のことばをきき盲者(めしひ)()はくらきより(やみ)よりみることを()べし 19(へりく)だるものはヱホバによりてその歡喜(よろこび)をまし (ひと)のなかの(まづし)きものはイスラエルの聖者(せいしや)によりて快樂(たのしみ)をうべし 20(あらぶ)るものはたえ 侮慢者(あなどるもの)はうせ 邪曲(よこしま)(をり)をうかがふ(もの)はことごとく斷滅(たちほろぼ)さるべければなり 21かれらは(うたへ)をきく(とき)まげて(ひと)をつみし 邑門(まちのもん)にていさむるものを謀略(はかりごと)におとしいれ (むな)しき(ことば)をかまへて義人(ただしきひと)をしりぞく 22この(ゆゑ)にむかしアブラハムを(あがな)ひたまひしヱホバはヤコブの(いへ)につきて如此(かく)いひたまふ ヤコブは(いま)より(はぢ)をかうむらず その(かほ)はいまより(いろ)をうしなはず 23かれの子孫(しそん)はその(なか)にわがおこなふ()のわざをみん その(とき)わが()(せい)としヤコブの聖者(せいしや)(せい)としてイスラエルの(かみ)をおそるべし 24(こころ)あやまれるものも知識(ちしき)をえ つぶやけるものも敎誨(をしへ)をまなばん

第三十章

1ヱホバのたまはく (もと)るる子輩(こら)はわざはひなるかな かれら謀略(はかりごと)をすれども(われ)によりてせず (ちかひ)をむすべどもわが(みたま)にしたがはず ますます(つみ)につみをくはへん 2かれらわが(くち)にとはずしてエジプトに(くだ)りゆきパロの(ちから)をかりておのれを(つよ)くしエジプトの(かげ)によらん 3パロのちからは(かへり)てなんぢらの(はぢ)となり エジプトの(かげ)によるは(かへり)てなんぢらの(はづ)かしめとなるべし 4かれの(きみ)たちはゾアンにあり かれの使者(つかひ)たちはハネスにきたれり 5かれらは(みな)おのれを(えき)することあたはざる(たみ)によりて(はぢ)をいだく かの(たみ)はたすけとならず(えき)とならず かへりて(はぢ)となり(そしり)となれり 6(みなみ)のかたの牲畜(けもの)にかかる重負(おもに)のよげん (いは)く/かれらその財貨(たから)(わか)驢馬(ろば)のかたにおはせ その寳物(はうもつ)駱駝(らくだ)()におはせて 牝獅(めじし) 牡獅(をじし) まむし(およ)びとびかける(をろち)のいづる(くる)しみと艱難(なやみ)との(くに)をすぎて (おのれ)をえきすること(あた)はざる(たみ)にゆかん 7そのエジプトの(たすけ)はいたづらにして(むな)し このゆゑに(われ)はこれを(やす)みをるラハブとよべり 8いま(ゆき)てこれをその(まへ)にて(ふだ)にしるし(ふみ)にのせ (のち)()(つた)へてとこしへに(あかし)とすべし 9これは(もと)れる(たみ)いつはりをいふ子輩(こら)ヱホバの律法(おきて)をきくことをせざる子輩(こら)なり 10かれら()るものに(むか)ひていふ()るなかれと 默示(もくし)をうる(もの)にむかひていふ(なほ)きことを(しめ)すなかれ (なめら)かなることをかたれ虛僞(いつはり)をしめせ 11なんぢら大道(おほぢ)をさり(みち)をはなれ われらが(まへ)にイスラエルの聖者(せいしや)をあらしむるなかれと 12(これ)によりてイスラエルの聖者(せいしや)かくいひ(たま)ふ なんぢらこの(ことば)をあなどり暴虐(しへたげ)邪曲(よこしま)とをたのみて(これ)にたよれり 13(かか)るがゆゑにこの不義(ふぎ)なんぢらには凸出(つきいで)ておちんとするたかき(かき)のさけたるところのごとく その破壞(やぶれ)にはかに(しば)しが()にきたらんと 14(しゆ)これを(やぶ)りあだかも陶工(すゑものづくり)(かめ)をくだきやぶるがごとくして(をし)みたまはず その(くだけ)のなかに()より()をとり(いけ)より(みづ)をくむほどの一片(ひとひら)だに見出(みいだ)すことなからん 15(しゆ)ヱホバ、イスラエルの聖者(せいしや)かくいひたまへり なんぢら(たち)かへりて(しづ)かにせば(すくひ)をえ 平穩(おだやか)にして依賴(よりたの)まば(ちから)をうべしと (され)どなんぢらこの(こと)をこのまざりき 16なんぢら(かへり)ていへり (いな)われら(むま)にのりて逃走(にげはし)らんと この(ゆゑ)になんぢら逃走(にげはし)らん (また)いへりわれら(はや)きものに(のら)んと この(ゆゑ)になんぢらを(おふ)もの(はや)かるべし 17ひとり叱咤(しつた)すれば千人(せんにん)にげはしり 五人(ごにん)しつたすればなんぢら逃走(にげはし)りて その(のこ)るものは(わづ)かに山嶺(やまのいただき)にある(さを)のごとく (をか)のうへにある(はた)のごとくならん 18ヱホバこれにより(まち)てのち恩惠(めぐみ)汝等(なんぢら)にほどこし これにより(あが)りてのちなんぢらを(あはれ)れみたまはん ヱホバは公平(こうへい)(かみ)にましませり (すべ)てこれを俟望(まちのぞ)むものは(さいは)ひなり 19シオンにをりヱルサレムにをる(たみ)よ なんぢは(ふたた)びなくことあらじ そのよばはる(こゑ)(おう)じて(かなら)ずなんぢに(めぐみ)をほどこしたまはん (しゆ)ききたまふとき(ただち)にこたへたまふべし 20(しゆ)はなんぢらになやみの(かて)とくるしみの(みづ)とをあたへ(たま)はん なんぢを(をしふ)るもの(ふたた)びかくれじ (なんぢ)()はその(をしふ)るものを(つね)にみるべし 21なんぢ(みぎ)にゆくも(ひだり)にゆくもその(みみ)に これは(みち)なりこれを(あゆ)むべしと後邊(うしろべ)にてかたるをきかん 22(また)なんぢら白銀(しろかね)をおほひし(きざ)める(ざう) こがねをはりし()たる(ざう)をけがれとし 穢物(きたなきもの)のごとく打棄(うちすて)ていはん ()れと 23なんぢが()にまく(たね)(しゆ)(あめ)をあたへ また()になりいづる(かて)をたまふ その土產(なりいでもの)こえて(ゆた)かならん その()なんぢの家畜(けもの)はひろき牧場(まきば)(くさ)をはむべし 24()をたがへす(うし)驢馬(ろば)とは團扇(うちは)にてあふぎ()にてとほし(しほ)をくはへたる飼料(かひば)をくらはん 25(おほい)なる殺戮(さつりく)()やぐらのたふるる(とき)もろもろのたかき(やま)もろもろのそびえたる(みね)(かは)とみづの(ながれ)とあるべし 26かくてヱホバその(たみ)のきずをつつみ そのうたれたる創痍(いたで)をいやしたまふ()には(つき)のひかりは()(ひかり)のごとく()のひかりは七倍(ななかさ)をくはへて(ななつ)()のひかりの(ごと)くならん 27()よヱホバの()はとほき(ところ)よりきたり そのはげしき(いかり)はもえあがる(ほのほ)のごとく その(くちびる)はいきどほりにてみち その(した)はやきつくす()のごとく 28その氣息(いき)はみなぎりて(うなじ)にまでいたる(ながれ)のごとし (かつ)ほろびの(ふるひ)にてもろもろの(くに)をふるひ(また)まどはす(たづな)をもろもろの(たみ)(くち)におきたまはん 29なんぢらは(うた)うたはん節會(せちゑ)をまもる()のごとし なんぢらは(こころ)によろこばん(ふえ)をならしヱホバの(やま)にきたりイスラエルの(いは)につくときの(ごと)30ヱホバはその稜威(みいつ)のこゑをきかしめ (はげ)しき(いかり)をはなちて(やき)つくす()のほのほと暴風(はやち)大雨(おほあめ)(へう)とをもて その(かひな)のくだることを(しめ)したまはん 31ヱホバのこゑによりてアツスリヤ(びと)はくじけん (しゆ)はこれを(しもと)にてうち(たま)ふべし 32ヱホバの(あらか)じめさだめたまへる(つゑ)をアツスリヤのうへにくはへたまふごとに (つづみ)をならし(こと)をひかん (しゆ)はうごきふるふ戰闘(たたかひ)をもてかれらとたたかひ(たま)ふべし 33トペテは往古(いにしへ)よりまうけられ また(わう)のために(そな)へられたり これを(ふか)くしこれを(ひろ)くしここに()とおほくの(たきぎ)とをつみおきたり ヱホバの氣息(いき)これを硫黄(ゆわう)のながれのごとくに(もや)さん

第三十一章

1(たすけ)をえんとてエジプトにくだり(むま)によりたのむものは(わざは)ひなるかな 戰車(いくさぐるま)おほきが(ゆゑ)にこれにたのみ騎兵(きへい)はなはだ(つよ)きがゆゑに(これ)にたのむ されどイスラエルの聖者(せいしや)をあふがずヱホバを(もとむ)ることをせざるなり 2(しか)はあれどもヱホバもまた智慧(ちゑ)あるべし かならず禍害(わざはひ)をくだしてその(ことば)をひるがへしたまはず (たち)てあしきものの(いへ)をせめ また不義(ふぎ)(おこな)(もの)(たすけ)をせめ(たま)はん 3かのエジプト(びと)(ひと)にして(かみ)にあらずその(むま)(にく)にして(れい)にあらず ヱホバその(みて)をのばしたまはば(たす)くるものも(つまづ)き たすけらるる(もの)もたふれてみなひとしく(ほろ)びん 4ヱホバ如此(かく)われにいひたまふ (しし)のほえ壯獅(わかじし)獲物(えもの)をつかみてほえたけれるとき 許多(あまた)のひつじかひ相呼(あひよび)つどひてむかひゆくとも その(こゑ)によりて(くじ)けずその喧譁(かまびす)しきによりて(おく)せざるごとく 萬軍(ばんぐん)のヱホバくだりてシオンの(やま)およびその(をか)にて(たたか)(たま)ふべし 5(とり)(ひな)をまもるがごとく萬軍(ばんぐん)のヱホバはヱルサレムをまもりたまはん これを(まも)りてこれをすくひ踰越(すぎこし)てこれを(たす)けたまはん 6イスラエルの子輩(こら)よなんぢらさきには(はなは)だしく(しゆ)にそむけり (いま)たちかへるべし 7なんぢらおのが()につくりて(つみ)ををかしし白銀(しろかね)のぐうざう黄金(こがね)偶像(ぐうざう)をその()おのおのなげすてん 8(ここ)にアツスリヤびとは(つるぎ)にてたふれん されど(ひと)のつるぎにあらず (つるぎ)かれらをほろぼさん されど()(ひと)のつるぎにあらず かれら(つるぎ)のまへより(にげ)はしりその(わか)きものは役丁(よばろ)とならん 9かれらの(いは)はおそれによりて逝去(すぎさ)り その(きみ)たちは(はた)をみてくじけん こはヱホバの御言(みことば)なり ヱホバの()はシオンにありヱホバの()はヱルサレムにあり

第三十二章

1(ここ)にひとりの(わう)あり 正義(せいぎ)をもて統治(すべをさ)め その(きみ)たちは公平(こうへい)をもて(つか)さどらん 2また(ひと)ありて(かぜ)のさけどころ暴雨(おほあめ)ののがれどころとなり (かわ)ける()にある(みづ)のながれのごとく (うみ)つかれたる()にある(おほい)なる岩陰(いはかげ)(ごと)くならん 3()るものの()はくらまず (きく)ものの(みみ)はかたぶけきくをうべし 4(さわ)がしきものの(こころ)はさとりて知識(ちしき)をえ 吃者(ことどもり)(した)はすみやけくあざやかに(かた)るをうべし 5(おろか)かなる(もの)はふたたび尊貴(たふとし)とよばるることなく 狡猾(さかしら)なる(もの)はふたたび大人(たいじん)とよばるることなかるべし 6そは(おろか)なるものは(おろか)なることをかたり その(こころ)不義(ふぎ)をかもし邪曲(よこしま)をおこなひ ヱホバにむかひて(みだり)なることをかたり (うゑ)たる(もの)のこころを(むな)しくし(かわ)けるものの飮料(のみもの)をつきはてしむ 7狡猾(さかしら)なるものの(もち)ゐる(うつは)はあしし (かれ)あしき企圖(くはだて)をまうけ虛僞(いつはり)のことばをもて(くる)しむ(もの)をそこなひ (とも)しき(もの)のかたること正理(ことわり)なるも(なほ)これを(そこな)へり 8たふとき(ひと)はたふとき謀略(はかりごと)をまうけ(つね)にたふとき(こと)をおこなふ 9安逸(やすらか)にをる婦等(をんなたち)よおきてわが(こゑ)をきけ 思煩(おもひわづら)ひなき女等(むすめたち)よわが(ことば)(みみ)(かたぶ)けよ 10思煩(おもひわづら)ひなきをんなたちよ一年(ひととせ)あまりの()をすぎて(をのの)きあわてん そは葡萄(ぶだう)収穫(かりいれ)むなしく()ををさむる(とき)きたるまじければなり 11やすらかにをる婦等(をんなたち)よふるひおそれよ おもひわづらひなき(もの)よをののきあわてよ (ころも)をぬぎ裸體(はだか)になりて(こし)麁服(あらたへ)をまとへ 12かれら良田(よきはた)のため(みの)りゆたかなる葡萄(ぶだう)()のために(むね)をうたん 13(おどろ)(いばら)わが(たみ)()にはえ (たのし)みの(まち)なるよろこびの家々(いへいへ)にもはえん 14そは殿(との)はすてられ にぎはひたる(まち)はあれすたれ オペルと(やぐら)とはとこしへに洞穴(ほらあな)となり ()驢馬(ろば)のたのしむところ(ひつじ)のむれの(くさ)はむところとなるべし 15されど(つひ)には(みたま)うへより我儕(われら)にそそぎて 荒野(あれの)はよき(はた)となり 良田(よきはた)(はやし)のごとく()ゆるとききたらん 16そのとき公平(こうへい)はあれのにすみ 正義(せいぎ)はよき(はたけ)にをらん 17かくて正義(せいぎ)のいさをは平和(へいわ) せいぎのむすぶ()はとこしへの平隱(おだやか)とやすきなり 18わが(たみ)はへいわの(いへ)にをり (おも)ひわづらひなき住所(すみか)にをり (やす)らかなる休息所(いこひどころ)にをらん 19されどまづ(へう)ふりて(はやし)くだけ(まち)もことごとくたふるべし 20なんぢらもろもろの(みづ)のほとりに(たね)をおろし (うし)および驢馬(ろば)(あし)をはなちおく(もの)はさいはひなり

第三十三章

1(わざはひ)ひなるかななんぢ(そこな)はれざるに(ひと)をそこなひ (あざむ)かれざるに(ひと)をあざむけり なんぢが(そこな)ふこと(をは)らば(なんぢ)そこなはれ なんぢが(あざむ)くことはてなば(なんぢ)あざむかるべし 2ヱホバよわれらを(めぐ)(たま)へわれらなんぢを俟望(まちのぞ)めり なんぢ(あさ)ごとにわれらの(かひな)となり また患難(なやみ)のときにわれらの(すくひ)となりたまへ 3なりとどろく(こゑ)によりてもろもろの(たみ)にげはしり なんぢの(たち)たまふによりてもろもろの(くに)はちりうせぬ 4蟊賊(おほねむし)のものをはみつくすがごとく(ひと)なんぢらの(たから)をとり(つく)さん また(いなご)のとびつどふがごとく(ひと)なんぢらの(たから)にとびつどふべし 5ヱホバは(いと)たかし高處(たかきところ)にすみたまふなり ヱホバはシオンに公正(こうせい)正義(せいぎ)とを(みた)せたまひたり 6なんぢの()はかたくたち (すくひ)智惠(ちゑ)知識(ちしき)とはゆたかにあらん ヱホバをおそるるは(くに)(たから)なり 7()よかれらの勇士(ますらを)(そと)にありてさけび ()をもとむる使者(つかひ)はいたく(なげ)8大路(おほぢ)あれすたれて旅客(たびびと)たえ (てき)契約(けいやく)をやぶり諸邑(まちまち)をなみし(ひと)をもののかずとせず 9()はうれへおとろへ レバノンは(はぢ)らひて()れ シヤロンはアラバの(ごと)くなり バシヤンとカルメルとはその()をおとす 10ヱホバ(いひ)(たま)はく われ(いま)おきん(いま)たたん (いま)みづからを(たか)くせん 11なんぢらの(はら)むところは枇糠(もみがら)のごとく なんぢらの(うむ)ところは(わら)のごとし なんぢらの氣息(いき)()となりてなんぢらを(くら)ひつくさん 12もろもろの(たみ)はやかれて(はひ)のごとくなり (いばら)のきられて()にもやされたるが(ごと)くならん 13なんぢら(とほく)にあるものよ わが(おこな)ひしことをきけ なんぢら(ちかき)にあるものよ わが能力(ちから)をしれ 14シオンの罪人(つみびと)はおそる 戰慄(をののき)はよこしまなる(もの)にのぞめり われらの(うち)たれか(やき)つくす()(とどま)ることを()んや 我儕(われら)のうち(たれ)かとこしへに(やく)るなかに(とどま)るをえんや 15()をおこなふもの(なほき)をかたるもの(しへた)げてえたる()をいとひすつるもの()をふりて賄賂(まひなひ)をとらざるもの (みみ)をふさぎて()をながす謀略(はかりごと)をきかざるもの ()をとぢて(あく)をみざる(もの) 16かかる(ひと)はたかき(ところ)にすみ かたき(いは)はその(やぐら)となり その(かて)はあたへられその(みづ)はともしきことなからん 17なんぢの()はうるはしき(さま)なる(わう)() とほくひろき(くに)をみるべし 18(なんぢ)(こころ)はかの(おそろ)しかりしことどもを(おも)ひいでん 會計(くわいけい)せし(もの)はいづくにありや (みつぎ)をはかりし(もの)はいづくにありや (やぐら)をかぞへし(もの)はいづくにありや 19(なんぢ)ふたたび暴民(あらきたみ)をみざるべし かの(たみ)言語(ことば)はふかくして(さと)りがたくその(した)(こと)にして(とき)がたし 20われらの節會(せちゑ)(まち)シオンを()よ なんぢの()はやすらかなる居所(すまひ)となれるヱルサレムを()ん ヱルサレムはうつさるることなき幕屋(まくや)にして その(くひ)はとこしへにぬかれず その(なは)(ひと)すぢだに(たた)れざるなり 21ヱホバ(われ)らとともに彼處(かしこ)にいまして稜威(みいつ)をあらはし(たま)はん (かく)てそのところはひろき(かは)ひろき(ながれ)あるところとなりて その(なか)には漕舟(こぐふね)もいらず巨艦(おほぶね)もすぐることなかるべし 22ヱホバはわれらを(さば)きたまふもの ヱホバはわれらに律法(おきて)をたてたまひし(もの) ヱホバはわれらの(わう)にましまして我儕(われら)をすくひ(たま)ふべければなり 23なんぢの船纜(ふなづな)はとけたり その桅杆(ほばしら)のもとを(むす)びかたむることあたはず ()をあぐることあたはず その(とき)おほくの(たから)をわかち跛者(あしなへ)までも掠物(えもの)あらん 24かしこに(すめ)るものの(うち)われ(やめ)りといふ(もの)なし彼處(かしこ)にをる(たみ)(とが)はゆるされん

第三十四章

1もろもろの(くに)よちかづきてきけ もろもろの(たみ)(みみ)をかたぶけよ ()()にみつるもの世界(せかい)とせかいより()るすべての(もの)きけ 2ヱホバはよろづの(くに)にむかひて(いか)り そのよろづの(いくさ)にむかひて忿恚(いきどほ)り かれらをことごとく(ほろぼ)し かれらを(ほふ)らしめたまふ 3かれらは(ころ)されて抛棄(なげすて)られ その(かばね)臭氣(くさきか)たちのぼり(やま)はその()にて(とか)されん 4(てん)萬象(ばんざう)はきえうせ もろもろの(てん)書巻(まきもの)のごとくにまかれん その萬象(ばんざう)のおつるは葡萄(ぶだう)()のおつるがごとく無花果(いちぢく)のかれたる()のおつるが(ごと)くならん 5わが(つるぎ)(てん)にてうるほひたり ()よエドムの(うへ)にくだり滅亡(ほろび)(さだ)めたる(たみ)のうへにくだりて(これ)をさばかん 6ヱホバの(つるぎ)()にてみち(あぶら)にてこえ小羊(こひつじ)山羊(やぎ)との() 牡羊(をひつじ)(じん)のあぶらにて()ゆ ヱホバはボズラにて(にへ)のけものをころしエドムの()にて(おほい)にほふることをなし(たま)へり 7その屠場(ほふりば)には野牛(のうし) こうし 牡牛(をうし)もともに(くだ)る そのくには()にてうるほされ その(ちり)はあぶらにて(こや)さるべし 8こはヱホバの(あた)をかへしたまふ()にしてシオンの(うたへ)のために(むくい)をなしたまふ(とし)なり 9エドムのもろもろの(かは)はかはりて樹脂(やに)となり その(ちり)はかはりて硫磺(ゆわう)となり その(つち)はかはりてもゆる樹脂(やに)となり 10(ひる)(よる)もきえずその(けぶり)つくる(とき)なく上騰(たちのぼ)らん かくて世々(よよ)あれすたれ永遠(とこしへ)までもその(ところ)をすぐる(もの)なかるべし 11()刺猬(はりねづみ)とそこを(おの)がものとなし(さぎ)(からす)とそこにすまん ヱホバそのうへに(みだれ)をおこす(なは)をはり空虛(むなしき)をきたらする(おもし)をさげ(たま)ふべし 12(くに)をつぐべき(もの)をたてんとて貴者(たふときもの)ふたたび呼集(よびあつむ)ることをせじ もろもろの諸侯(きみたち)はみな(うせ)てなくなるべし 13その殿(との)にはことごとく(いばら)はえ (しろ)にはことごとく刺草(いらくさ)(あざみ)とはえ 野犬(のいぬ)のすみか駝鳥(だてう)(には)とならん 14()のけものと豺狼(おほかみ)とここにあひ 牡山羊(をやぎ)その(とも)をよび 鴟鴞(ふくろふ)もまた宿(やど)りてここを安所(やすみどころ)とせん 15(へび)ここに(あな)をつくり(たまご)をうみてこれを(かへ)しおのれの(かげ)(した)()をあつむ (とび)もまたその(とも)とともに此處(ここ)にあつまらん 16なんぢらヱホバの(ふみ)をつまびらかにたづねて(よむ)べし これらのもの(ひと)つも(かく)ることなく(また)ひとつもその(とも)をかくものあらじ そはヱホバの(くち)このことを(めい)じ その(みたま)これらを(あつ)めたまふべければなり 17ヱホバこれらのものに(くじ)をひかせ()づから(なは)をもて(はか)り この()をわけあたへて(なが)くかれらに(たも)たしめ 世々(よよ)にいたるまでここに(すま)しめたまはん

第三十五章

1荒野(あれの)とうるほひなき()とはたのしみ 沙漠(さばく)はよろこびて番紅(さふらん)(はな)のごとくに(さき)かがやかん 2(さかん)(さき)かがやきてよろこび(かつ)よろこび(かつ)うたひ レバノンの(さかえ)をえカルメルおよびシヤロンの(うるは)しきを()ん かれらはヱホバのさかえを()われらの(かみ)のうるはしきを()るべし 3なんぢら(なえ)たる()をつよくし(よわ)りたる(ひざ)をすこやかにせよ 4(こころ)さわがしきものに(むかひ)ていへ なんぢら雄々(をを)しかれ(おそ)るるなかれ なんぢらの(かみ)をみよ 刑罰(けいばつ)きたり(かみ)(むくい)きたらん (かみ)きたりてなんぢらを(すくひ)ひたまふべし 5そのとき瞽者(めしひ)()はひらけ聾者(みみしひ)(みみ)はあくことを()べし 6そのとき跛者(あしなへ)鹿(しか)(ごと)くにとびはしり唖者(おふし)(した)はうたうたはん そは荒野(あれの)(みづ)わきいで沙漠(さばく)(かは)ながるべければなり 7やけたる(すな)(いけ)となり うるほひなき()はみづの(みなもと)となり 野犬(のいぬ)のふしたるすみかは蘆葦(あしよし)のしげりあふ(ところ)となるべし 8かしこに大路(おほぢ)あり そのみちは聖道(きよきみち)ととなへられん (けが)れたるものはこれを(すぐ)ることあたはず ただ(しゆ)(たみ)のために(そな)へらる これを(あゆ)むものはおろかなりとも(まよ)ふことなし 9かしこに(しし)をらず あらき(けもの)もその(みち)にのぼることなし (され)ばそこにて(これ)にあふ(こと)なかるべし ただ(あがな)はれたる(もの)のみそこを(あゆ)まん 10ヱホバに(あがな)ひすくはれし(もの)うたうたひつつ(かへり)てシオンにきたり その(かうべ)にとこしへの歡喜(よろこび)をいただき(たのしみ)とよろこびとをえん (しか)して悲哀(かなしみ)となげきとは(にげ)さるべし

第三十六章

1ヒゼキヤ(わう)の十四(ねん)にアツスリヤの(わう)セナケリブ(のぼ)りきたりてユダのもろもろの堅固(けんご)なる(まち)をせめとれり 2アツスリヤ(わう)ラキシよりラブシヤケをヱルサレムに(つか)はし大軍(たいぐん)をひきゐてヒゼキヤ(わう)のもとに(ゆか)しむ ラブシヤケ漂工(ぬのさらし)()のおほぢの(かたへ)なる(かみ)(いけ)()にそひてたてり 3この(とき)ヒゼキヤの()なる家司(いへづかさ)エリアキム 書記(しよき)セブナ、アサフの()なる史官(しくわん)ヨア(いで)てこれを(むか)4ラブシヤケかれらにいひけるは なんぢら(いま)ヒゼキヤにいへ大王(だいわう)アツスリヤの(わう)かくいへり なんぢの(たのみ)とするその(たの)むところは(なに)なるか 5(われ)いふ なんぢが(とく)ところの(いくさ)のはかりごととその能力(ちから)とはただ口唇(くちさきら)のことばのみ (いま)なんぢ(たれ)によりたのみて(われ)にさかふことをなすや 6()よなんぢエジプトに依賴(よりたの)めり これ(いた)める(よし)(つゑ)によりたのめるがごとし もし(ひと)これに(より)もたれなばその()をつきさされん エジプト(わう)パロがすべて(おのれ)によりたのむものに(たい)するは(かく)のごとし 7(なんぢ)われらはわれらの(かみ)ヱホバに依賴(よりたの)めりと(われ)にいはんかそは(さき)にヒゼキヤが(たか)きところと祭壇(さいだん)とをみな取去(とりさり)てユダとヱルサレムとにむかひ汝等(なんぢら)ここなる(ひと)つの祭壇(さいだん)のまへにて(はい)すべしといへる(それ)ならずや 8いま(こふ)わが(きみ)アツスリヤ(わう)(かけ)をせよ われ(なんぢ)二千(にせん)(むま)(あた)ふべければ(なんぢ)よりこれに(のる)ものをいだせ (はた)して(いだ)しうべしや 9(され)ばいかで我君(わがきみ)のいとちひさき(しもべ)(をさ)一人(ひとり)をだに退(しりぞ)くることを()んや なんぞエジプトによりたのみて戰車(いくさぐるま)騎兵(きへい)とをえんとするや 10いま(われ)のぼりきたりてこの(くに)をせめほろぼすはヱホバの(むね)にあらざるべけんや ヱホバわれにいひたまはく のぼりゆきてこの(くに)をせめぼろぼせと 11(ここ)にエリアキムとセブナとヨアと(とも)にラブシヤケにいひけるは(こふ)スリアの方言(くにことば)にて僕輩(しもべら)にかたれ我儕(われら)これをさとりうるなり石垣(いしがき)のうへなる(たみ)のきくところにてはユダヤの方言(くにことば)をもてわれらに(かた)るなかれ 12ラブシヤケいひけるは わが(きみ)はこれらのことをなんぢの(きみ)となんぢとにのみ(かた)らんために(われ)をつかはししならんや なんぢらと(とも)におのが(ふん)をくらひおのが(ゆばり)をのまんとする石垣(いしがき)のうへに()する人々(ひとびと)にも(われ)をつかはししならずや 13(かく)てラブシヤケたちてユダヤの方言(くにことば)もて大聲(おほごゑ)によばはりいひけるは なんぢら大王(だいわう)アツスリヤ(わう)のことばをきくべし 14(わう)かくのたまへり なんぢらヒゼキヤに(まど)はさるるなかれ (かれ)なんぢらを(すく)ふことあたはず 15ヒゼキヤがなんぢらをヱホバに(よら)しめんとする(ことば)にしたがふなかれ (かれ)いへらく ヱホバかならず我儕(われら)をすくひこの(まち)はアツスリヤ(わう)()にわたさるることなしと 16ヒゼキヤに聽從(ききしたが)ふなかれ アツスリヤ(わう)かくのたまへり なんぢらわれと親和(よしみ)をなし()できたりて(われ)にくだれ おのおのその葡萄(ぶだう)とその無花果(いちぢく)とをくらひ かのおのその(ゐど)(みづ)をのむことを()べし 17(つひ)には(われ)きたりて汝等(なんぢら)をほかの(くに)にたづさへゆかん その(くに)はなんぢの(くに)のごとき(くに)にして 穀物(たなつもの) ぶだう(しゆ) パンおよび葡萄園(ぶだうぞの)あり 18おそらくはをヒゼキヤなんぢらに(とき)てヱホバわれらを(すく)ふべしといはん (され)どももろもろの(くに)神等(かみたち)のなかにその(くに)をアツスリヤ(わう)()より(すく)へる(もの)ありしや 19ハマテ、アルバデの神等(かみたち)いづこにありや セバルワイムの神等(かみたち)いづこにありや (また)わが()よりサマリヤを救出(すくひいだ)しし(かみ)ありや 20これらの(くに)のもろもろの(かみ)のなかに(たれ)かその(くに)をわが()よりすくひいだしし(もの)ありや さればヱホバも(いか)でわが()よりヱルサレムを(すく)ひいだし()んと 21如此(かく)ありければ(たみ)(もだ)して一言(ひとこと)をもこたへざりき そは(これ)にこたふるなかれとの(わう)のおほせありつればなり 22そのときヒルキヤの()なる家司(いへつかさ)エリアキム書記(しよき)セブナおよびアサフの()なる史官(しくわん)ヨアころもを()てヒゼキヤにゆき(これ)にラブシヤケの(ことば)をつげたり

第三十七章

1ヒゼキヤ(わう)これをききてその(ころも)をさき麁衣(あらたへ)をまとひてヱホバの(いへ)にゆき 2家司(いへつかさ)エリアキム書記(しよき)セブナおよび祭司(さいし)のなかの長老等(としよりたち)をして(みな)あらたへをまとはせてアモツの()預言者(よげんしや)イザヤのもとにゆかしむ 3かれらイザヤにいひけるは ヒゼキヤ如此(かく)いへり けふは患難(なやみ)(せめ)(はづ)かしめの()なり そは()うまれんとして(これ)をうみいだすの(ちから)なし 4なんぢの(かみ)ヱホバあるひはラブシヤケがもろもろの(ことば)をききたまはん (かれ)はその(きみ)アツスリヤ(わう)につかはされて(いけ)(かみ)をそしれり なんぢの(かみ)ヱホバその(ことば)をききて(あるい)はせめたまふならん されば(こふ)なんぢこの(のこ)れるもののために祈禱(いのり)をささげよと 5かくてヒゼキヤ(わう)諸僕(しもべら)イザヤにいたる 6イザヤかれらに(いひ)けるは なんぢらの(きみ)につげよ ヱホバ(かく)いひたまへり(いは)く アツスリヤ(わう)のしもべら(われ)をののしりけがせり なんぢらその(きき)しことばによりて(おそ)るるなかれ 7()よわれかれが(こころ)をうごかすべければ (ひと)つの風聲(うはさ)をききておのが(くに)にかへらん かれをその(くに)にて(つるぎ)にたふれしむべし 8(ここ)にラブシヤケはアツスリヤ(わう)がラキシを(はな)れさりしとききて(かへ)りけるとき(をり)しも(わう)はリブナを(せめ)をれり 9このときエテオピアの(わう)テルハカの(こと)についてきけり(いは)く かれいでて(なんぢ)とたたかふべしと このことをききて使者(つかひ)をヒゼキヤに(つかは)していふ 10なんぢらユダの(わう)ヒゼキヤにつげて如此(かく)いへ なんぢが(たの)める(かみ)なんぢを(あざむ)きてヱルサレムはアツスリヤ(わう)()にわたされじといふを(きく)ことなかれ 11()よアツスリヤの王等(わうたち)もろもろの(くに)にいかなることをおこなひ如何(いかに)してこれを(ことごと)くほろぼししかを(なんぢ)ききしならん されば(なんぢ)すくはるることを()んや 12わが先祖(せんぞ)たちの(ほろ)ぼししゴザン、ハラン、レゼフおよびテラサルなるエデンの(やから)など此等(これら)のくにぐにの(かみ)はその(くに)をすくひたりしや 13ハマテの(わう)アルバデの(わう)セバルワイムの(みやこ)(わう)ヘナの(わう)およびイワの(わう)はいづこにありやと 14ヒゼキヤつかひの()より(ふみ)をうけて(これ)(よめ)り しかしてヒゼキヤ、ヱホバの(みや)にのぼりゆきヱホバの(みまへ)にこのふみを()15ヒゼキヤ、ヱホバに(いのり)ていひけるは 16ケルビムの(うへ)()したまふ萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)よ ただ(なんぢ)のみ()のうへなるよろづの(くに)(かみ)なり なんぢは天地(あめつち)をつくりたまへり 17ヱホバよ(みみ)をかたむけて(きき)たまへ ヱホバよ()をひらきて()たまへ セナケリブ使者(つかひ)して(いけ)(かみ)をそしらしめし(こと)をことごとくききたまへ 18ヱホバよ()にアツスリヤの王等(わうたち)はもろもろの國民(くにびと)とその()とをあらし(こぼ)19かれらの(かみ)たちを()になげいれたり これらのものは(かみ)にあらず (ひと)()(わざ)にして あるひは()あるひは(いし)なり (かか)るがゆゑに(ほろ)ぼされたり 20さればわれらの(かみ)ヱホバよ (いま)われらをアツスリヤ(わう)()より(すく)ひいだして ()のもろもろの(くに)にただ(なんぢ)のみヱホバなることを(しら)しめたまへ 21ここにアモツの()イザヤ(ひと)をつかはしてヒゼキヤにいはせけるは イスラエルの(かみ)ヱホバかくいひたまふ (なんぢ)はアツスリヤ(わう)セナケリブのことにつきて(われ)にいのれり 22ヱホバが(かれ)のことにつきて(かた)(たま)へるみことばは(これ)なり いはくシオンの處女(をとめ)はなんぢを(あなど)りなんぢをあざけり ヱルサレムの女子(をみなご)はなんぢの背後(うしろ)より(かうべ)をふれり 23(なんぢ)がそしりかつ(ののし)れるものは(たれ)ぞ なんぢが(こゑ)をあげ()をたかく(むけ)てさからひたるものはたれぞ イスラエルの聖者(せいしや)ならずや 24なんぢその使者(つかひ)によりて(しゆ)をそしりていふ (われ)はおほくの戰車(いくさぐるま)をひきゐて山々(やまやま)のいただきに(のぼ)りレバノンの(おく)にまでいりぬ (われ)はたけたかき香柏(かうはく)とうるはしき松樹(まつのき)とをきり またその(はて)なるたかき(ところ)にゆき(こえ)たる()(はやし)にゆかん 25(われ)()をほりて(みづ)をのみたり われは足跖(あしのうら)をもてエジプトの河々(かはがは)をからさんと 26なんぢ(きか)ずや これらのことはわが(むかし)よりなす(ところ) いにしへの()よりさだめし(ところ)なり (いま)なんぢがこの堅城(かたきしろ)をこぼちあらして石堆(いしづか)となすも(また)わがきたらしし(ところ)なり 27そのなかの(たみ)はちから(よわ)くをののきて(はぢ)をいだき 野草(ののくさ)のごとく(あを)()のごとく屋蓋(やね)(くさ)のごとく(いま)だそだたざる(なへ)のごとし 28(われ)なんぢが()ること出入(いでいり)すること(また)われにむかひて(いか)りさけべることをしる 29なんぢが(われ)にむかひて(いか)りさけべると(なんぢ)がほこれる(ことば)とわが(みみ)にいりたれば(われ)なんぢの(はな)()をはめ(なんぢ)のくちびるに(くつわ)をつけて(なんぢ)がきたれる(みち)よりかへらしめん 30ヒゼキヤよ(われ)がなんぢにたまふ(しるし)はこれなり なんぢら今年(ことし)落穂(おちぼ)より(はえ)たるものを(くら)明年(つぎのとし)糵生(ひつぢ)より(いで)たるものを(くら)はん 三年(みとせ)にあたりては(まく)ことをなし(かる)ことをなし 葡萄(ぶだう)ぞのを(つく)りてその()(くら)ふべし 31ユダの(いへ)ののがれて(のこ)れる(もの)はふたたび(した)()をはり(うへ)()(むす)ぶべし 32そは(のこ)るものはヱルサレムよりいで(のが)るるものはシオンの(やま)よりいづるなり 萬軍(ばんぐん)のヱホバの熱心(ねつしん)これを(なし)たまふべし 33この(ゆゑ)にヱホバ、アツスリヤの(わう)については如此(かく)いひたまふ (かれ)はこの(しろ)にいらず ここに()をはなたず(たて)(しろ)のまへにならべず (るゐ)をきづきて(せむ)ることなし 34かれはそのきたりし(みち)よりかへりてこの(しろ)にいらず 35(われ)おのれの(ゆゑ)によりて(しもべ)ダビデの(ゆゑ)によりて この(しろ)をまもり この(しろ)をすくはん これヱホバ宣給(のたまへ)るなり 36ヱホバの使者(つかひ)いできたりアツスリヤの陣營(ぢんえい)のなかにて十八(まん)千人(せんにん)をうちころせり早晨(あさつと)におきいでて()ればみな(しに)てかばねとなれり 37アツスリヤ(わう)セナケリブ(たち)てかへりゆきニネベにとどまる 38一日(あるひ)おのが(かみ)ニスロクのみやにて禮拜(をがみ)をなし(をり)しにその()アデランメレクとシヤレゼルと(つるぎ)をもて(かれ)をころし(しか)してアララテの()ににげゆけり かれが()エサルハドンつぎて(わう)となりぬ

第三十八章

1そのころヒゼキヤやみて(しな)んとせしにアモツの()預言者(よげんしや)イザヤきたりて(かれ)にいふ ヱホバ如此(かく)いひたまはく なんぢ(いへ)遺言(ゆゐごん)をとどめよ (なんぢ)しにて(いく)ることあたはざればなり 2(ここ)にヒゼキヤ(かほ)(かべ)にむけてヱホバに(いの)りいひけるは 3ああヱホバよ (ねがは)くはわがなんぢの(みまへ)眞實(まこと)をもて一心(ひとつこころ)をもてあゆみ なんぢの()によきことを(おこな)ひたるをおもひいでたまへ (かく)てヒゼキヤ(いた)くなきぬ 4ヱホバの(ことば)イザヤにのぞみて(いは)5なんぢ(ゆき)てヒゼキヤにいへ なんぢの(ちち)ダビデの(かみ)ヱホバかくいひ(たま)はく (われ)なんぢの禱告(いのり)をききなんぢの(なみだ)をみたり (われ)なんぢの(よはひ)を十五(ねん)ましくはへ 6(かつ)なんぢとこの(しろ)とを(すく)ひてアツスリヤわうの()をのがれしめん(また)われこの(しろ)をまもるべし 7ヱホバ(かた)りたまひたる此事(このこと)(なし)たまふ(あかし)にこの(しるし)をなんぢに(たま)8()よわれアハズの日晷(ひばかり)にすすみたる日影(ひかげ)を十()しりぞかしめんといひければ(すなは)ちひばかりにすすみたる日影(ひかげ)()しりぞきぬ 9ユダの(わう)ヒゼキヤ(やまひ)にかかりてその(やまひ)のいえしのち(しる)しし(ふみ)()のごとし 10(われ)いへり わが(よは)ひの全盛(まさかり)のとき陰府(よみ)(もん)にいりわが餘年(のこりのとし)をうしなはんと 11(われ)いへり われ(ふたた)びヱホバを()(たてまつ)ることあらじ(ふたた)びいけるものの()にてヱホバを()(たてまつ)ることあらじ われは(なき)ものの(なか)にいりてふたたび(ひと)()ることあらじ 12わが住所(すまひ)はうつされて牧人(ひつじかひ)幕屋(まくや)をとりさるごとくに(われ)をはなる わがいのちは織工(はたおり)(ぬの)をまきをはりて(はた)より(きり)はなすごとくならん なんぢ朝夕(あしたゆふべ)のあひだに(われ)をたえしめたまはん 13われは天明(あかつき)におよぶまで(おのれ)をおさへてしづめたり (しゆ)(しし)のごとくに(わが)もろもろの(ほね)(くだ)きたまふ なんぢ朝夕(あしたゆふべ)(あひだ)にわれを(たえ)しめたまはん 14われは(つばくら)のごとく(つる)のごとくに(かなし)みなき(はと)のごとくにうめき わが()はうへを()ておとろふ ヱホバよわれは(せま)りくるしめらる (ねがは)くはわが中保(なかだち)となりたまへ 15(しゆ)はわれとものいひ(かつ)そのごとくみづから(なし)たまへり われ(なに)をいふべきか わが()にある(あひだ)わが靈魂(たましひ)(くる)しめる(ゆゑ)によりて(つつし)みてゆかん 16(しゆ)よこれらの(こと)によりて(ひと)(いく)るなり わが靈魂(たましひ)のいのちも(また)くこれらの(こと)によるなり (ねがは)くはわれを(いや)しわれを(いか)したまへ 17()よわれに(はなはだ)しき艱苦(くるしみ)をあたへたまへるは(われ)平安(やすき)をえしめんがためなり (なんぢ)わがたましひを(あい)して滅亡(ほろび)(あな)をまぬかれしめ(たま)へり そはわが(つみ)をことごとく背後(うしろ)にすてたまへり 18陰府(よみ)はなんぢに感謝(かんしや)せず ()はなんぢを讃美(さんび)せず (はか)にくだる(もの)はなんぢの誠實(まこと)をのぞまず 19(ただ)いけるもののみ(いけ)るものこそ(なんぢ)にかんしやするなれ わが今日(けふ)かんしやするが(ごと)(ちち)はなんぢの誠實(まこと)をその()にしらしめん 20ヱホバ(われ)(すく)ひたまはん われら()にあらんかぎりヱホバのいへにて(こと)をひきわが(うた)をうたはん 21イザヤいへらく無花果(いちぢく)一團(ひとかたまり)をとりきたりて腫物(しゆもつ)のうへにつけよ (わう)かならずいえん 22ヒゼキヤも(また)いへらく わがヱホバの(いへ)にのぼることにつきては(なに)(しるし)あらんか

第三十九章

1そのころバラダンの()バビロン(わう)メロダクバラダン、ヒゼキヤが(やまひ)をうれへて(いえ)しことをききければ(ふみ)禮物(ゐやしろ)とをおくれり 2ヒゼキヤその使者(つかひ)のきたるによりて(よろこ)びこれに財物(たからもの) 金銀(きんぎん) 香料(かをりもの) たふとき(あぶら)ををさめたる(いへ)およびすべての軍器(つはもの)ををさめたる(いへ)また(くら)のなかなる(もの)をことごとく()す おほよそヒゼキヤのいへの(うち)にあるものと全國(ぜんこく)のうちにあるものと ()せざるものは(ひとつ)もあらざりき 3ここに預言者(よげんしや)イザヤ、ヒゼキヤ(わう)のもとに(きた)りていひけるは この人々(ひとびと)はなにをいひしや何處(いづこ)よりなんぢのもとに(きた)りしや ヒゼキヤ(いひ)けるは かれらはとほき(くに)よりバビロンより(われ)にきたれり 4イザヤいふ 彼等(かれら)はなんぢの(いへ)にてなにを()たりしや ヒゼキヤ(こた)ふ かれらはわが(いへ)にあるものを(みな)みたり(また)わが(くら)のなかにあるものは(ひと)つをもかれらに()せざるものなかりき 5イザヤ、ヒゼキヤにいふ なんぢ萬軍(ばんぐん)のヱホバの(ことば)をきけ 6みよ()きたらん なんぢの(いへ)のものなんぢの列祖(おやたち)がけふまで(たくは)へたるものは(みな)バビロンにたづさへゆかれて(のこ)るもの(ひとつ)もなかるべし ()はヱホバのみことばなり 7なんぢの()より(うま)れいでん(もの)もとらはれ寺人(じじん)とせられてバビロン(わう)(みや)のうちにあらん 8ヒゼキヤ、イザヤにいひけるは (なんぢ)がかたるヱホバのみことばは()し また(いふ) わが()にあるほどは太平(おだやか)眞理(まこと)とあるべしと

第四十章

1なんぢらの(かみ)いひたまはく なぐさめよ汝等(なんぢら)わが(たみ)をなぐさめよ 2(ねんご)ろにヱルサレムに(かた)(これ)によばはり(つげ)よ その服役(ふくえき)()すでに(をは)り その(とが)すでに(ゆる)されたり そのもろもろの(つみ)によりてヱホバの()よりうけしところは(ばい)したりと 3よばはるものの(こゑ)きこゆ(いは)く なんぢら()にてヱホバの(みち)をそなへ沙漠(さばく)にわれらの(かみ)大路(おほぢ)をなほくせよと 4もろもろの(たに)はたかくもろもろの(やま)(をか)とはひくくせられ (まが)りたるはなほく崎嶇(けはしき)はたひらかにせらるべし 5(かく)てヱホバの榮光(えいくわう)あらはれ(ひと)みな(とも)にこれを()ん こはヱホバの(くち)より(かた)りたまへるなり 6(こゑ)きこゆ(いは)く よばはれ(こた)へていふ(なに)とよばはるべきか いはく(ひと)はみな(くさ)なり その榮華(はえ)はすべて()(はな)のごとし 7(くさ)はかれ(はな)はしぼむ ヱホバの(いき)そのうへに(ふき)ければなり ()(たみ)はくさなり 8(くさ)はかれ(はな)はしぼむ (しか)どわれらの(かみ)のことばは永遠(とこしへ)にたたん 9よき音信(おとづれ)をシオンにつたふる(もの)よ なんぢ高山(たかやま)にのぼれ (よき)おとづれをヱルサレムにつたふる(もの)よ なんぢ(つよ)(こゑ)をあげよ こゑを(あげ)ておそるるなかれ ユダのもろもろの(まち)につけよ なんぢらの(かみ)きたり(たま)へりと 10みよ(しゆ)ヱホバ能力(ちから)をもちて(きた)りたまはん その(かひな)統治(すべをさ)めたまはん 賞賜(たまもの)はその()にあり はたらきの(あたひ)はその(みまへ)にあり 11(しゆ)牧者(ぼくしや)のごとくその(むれ)をやしなひ その(かひな)にて小羊(こひつじ)をいだき(これ)をその懷中(ふところ)にいれてたづさへ(ちち)をふくまする(もの)をやはらかに(みちび)きたまはん 12たれか掌心(たなごころ)をもてもろもろの(みづ)をはかり(ゆび)をのばして(てん)をはかり また()(ちり)量器(ます)にもり天秤(てんびん)をもてもろもろの(やま)をはかり權衡(はかり)をもてもろもろの(をか)をはかりしや 13(たれ)かヱホバの(みたま)をみちびきその議士(はかりびと)となりて(をしへ)しや 14ヱホバは(たれ)とともに(はか)りたまひしや たれかヱホバを(さと)くしこれに公平(こうへい)(みち)をまなばせ知識(ちしき)をあたへ明通(さとり)のみちを(しめ)したりしや 15()よもろもろの國民(くにびと)(をけ)のひとしづくのごとく 權衡(はかり)のちりのごとくに(おも)ひたまふ島々(しまじま)はたちのぼる塵埃(ちりあくた)のごとし 16レバノンは(しば)にたらずそのなかの(けもの)燔祭(はんさい)にたらず 17ヱホバの(みまへ)にはもろもろの國民(くにびと)みななきにひとし ヱホバはかれらを(なき)もののごとく(むなし)きもののごとく(おも)ひたまふ 18(され)ばなんぢら(たれ)をもて(かみ)にくらべ いかなる肖像(かたち)をもて(かみ)にたぐふか 19偶像(ぐうざう)はたくみ()てつくり 金工(かぬち)こがねをもて(これ)をおほひ白銀(しろかね)をもて(これ)がために(くさり)をつくれり 20かかる寳物(はうもつ)をそなへえざる(まづ)しきものは(くつ)まじき()をえらみ良匠(よきたくみ)をもとめてうごくことなき(ざう)をたたしむ 21なんぢら(しら)ざるか なんぢら(きか)ざるか (はじめ)よりなんぢらに(つた)へざりしか なんぢらは()(もとゐ)をおきしときより(さと)らざりしか 22ヱホバは()のはるか(うへ)にすわり()にすむものを(いなご)のごとく()たまふ おほぞらを薄絹(うすぎぬ)のごとく()き これを(すま)ふべき幕屋(まくや)のごとくはり(たま)23(また)もろもろの(きみ)をなくならしめ()審士(さばきびと)をむなしくせしむ 24かれらは(わづ)かに(うゑ)られ(わづ)かに(まか)れ その(みき)わづかに()()ざししに (かみ)そのうへを(ふき)たまへば(すなは)ちかれて(わら)のごとく暴風(はやち)にまきさらるべし 25聖者(せいしや)いひ(たま)はく さらばなんぢら(たれ)をもて(われ)にくらべ(われ)にたぐふか 26なんぢら()をあげて(たかき)をみよ たれか此等(これら)のものを創造(さうざう)せしやをおもへ (しゆ)(かず)をしらべてその萬象(ばんざう)をひきいだしおのおのの()をよびたまふ (しゆ)のいきほひ(おほい)なり その(ちから)のつよきがゆゑに(いつ)(かく)ることなし 27ヤコブよなんぢ何故(なにゆゑ)にわが(みち)はヱホバにかくれたりといふや イスラエルよ(なんぢ)なにゆゑにわが(うたへ)はわが(かみ)(まへ)をすぎされりとかたるや 28(なんぢ)しらざるか(きか)ざるかヱホバはとこしへの(かみ)()のはての創造者(さうざうしや)にして(うみ)たまふことなく また(つか)れたまふことなく その聰明(さとき)こと(はか)りがたし 29(つか)れたるものには(ちから)をあたへ勢力(いきほひ)なきものには(つよ)きをまし(くは)へたまふ 30年少(としわか)きものもつかれてうみ(さか)んなるものも(おとろ)へおとろふ 31(しか)はあれどヱホバを俟望(まちのぞ)むものは(あたら)なる(ちから)をえん また(わし)のごとく(つばさ)をはりてのぼらん (はし)れどもつかれず(あゆ)めども(うま)ざるべし

第四十一章

1もろもろの(しま)よわがまへに(もだ)せ もろもろの(たみ)よあらたなる(ちから)をえて(ちか)づききたれ (しか)して(かた)れ われら寄集(よりつど)ひて(あげつ)らはん 2たれか(ひがし)より(ひと)をおこししや われは公義(ただしき)をもて(これ)をわが足下(あしもと)()し その(まへ)にもろもろの(くに)(ふく)せしめ また(これ)にもろもろの(わう)ををさめしめ かれらの(つるぎ)をちりのごとくかれらの(ゆみ)をふきさらるる(わら)のごとくならしむ 3(かく)(かれ)はこれらのものを(おひ) その(あし)いまだ(ゆか)ざる(みち)をやすらかに(すぎ)ゆけり 4このことは()がおこなひしや たが(なし)しや たが太初(はじめ)より世々(よよ)(ひと)をよびいだししや われヱホバなり (われ)ははじめなり(をはり)なり 5もろもろの(しま)はこれを()ておそれ()(はて)はをののきて寄集(よりつど)ひきたれり 6かれら(たがひ)にその(となり)をたすけ その兄弟(きやうだい)にいひけるは なんぢ雄々(をを)しかれ 7木匠(こだくみ)鐵工(かぬち)をはげまし(つち)をもて(たひ)らぐるものは鐵碪(かなしき)をうつものを(はげ)ましていふ 接合(つぎあは)せいとよしと また(くぎ)をもて(かた)うして(うご)くことなからしむ 8(され)どわが(しもべ)イスラエルよ わが(えら)めるヤコブわが(とも)アブラハムの(すゑ)9われ()のはてより(なんぢ)をたづさへきたり()のはしよりなんぢを(めし) かくて(なんぢ)にいへり (なんぢ)はわが(しもべ)われ(なんぢ)をえらみて(すて)ざりきと 10おそるるなかれ (われ)なんぢとともにあり (おどろ)くなかれ(われ)なんぢの(かみ)なり われなんぢを(つよ)くせん (まこと)になんぢを(たす)けん (まこと)にわがただしき右手(みぎのて)なんぢを(ささ)へん 11()よなんぢにむかひて(いか)るものはみな(はぢ)をえて(あわ)てふためかん なんぢと(あらそ)ふものは(なき)もののごとくなりて滅亡(ほろびう)せん 12なんぢ(たづ)ぬるとも(なんぢ)とたたかふ人々(ひとびと)にあはざるべし (なんぢ)といくさする(もの)はなきものの(ごと)くなりて(むな)しくなるべし 13そは(われ)ヱホバなんぢの(かみ)はなんぢの右手(みぎのて)をとりて(なんぢ)にいふ (おそ)るるなかれ(われ)なんぢを(たす)けんと 14またヱホバ宣給(のたま)ふ なんぢ(むし)にひとしきヤコブよイスラエルの(ひと)よ おそるるなかれ(われ)なんぢをたすけん(なんぢ)をあがなふものはイスラエルの聖者(せいしや)なり 15()よわれ(なんぢ)をおほくの鋭歯(ときは)ある(あたら)しき打麥(むぎうち)(うつは)となさん なんぢ(やま)をうちて細微(こまやか)にし(をか)粃糠(もみがら)のごとくにすべし 16なんぢ(あふ)げば(かぜ)これを(まき)さり 狂風(はやち)これを(ふき)ちらさん (なんぢ)はヱホバによりて(よろこ)びイスラエルの聖者(せいしや)によりて(ほこ)らん 17(まづ)しきものと(とも)しきものと(みづ)(もと)めて(みづ)なくその(した)かわきて(おとろ)ふるとき われヱホバ(きき)てこたへん (われ)イスラエルの(かみ)かれらを(すて)ざるなり 18われ(かは)をかぶろの(やま)にひらき(いづみ)(たに)のなかにいだし また荒野(あれの)(いけ)となし(かわ)ける()(みづ)(みなもと)(なさ)19(われ)あれのに香柏(かうはく) 合歎樹(ねむのき) もちの() および(あぶら)()をうゑ沙漠(さばく)(まつ) (すぎ) (およ)黄楊(つげ)をともに(おか)20かくて彼等(かれら)これを()てヱホバの()(なし)たまふところイスラエルの聖者(せいしや)(つく)(たま)(ところ)なるをしり(かつ)こころをとめ(かつ)ともどもにさとらん 21ヱホバ(いひ)(たまは)く なんぢらの道理(ことわり)をとり(いだ)せ ヤコブの(わう)いひたまはく 汝等(なんぢら)のかたき(あかし)をもちきたれ 22これを持來(もちきた)りてわれらに(のち)ならんとする(こと)をしめせ そのいやさきに()るべきことを(しめ)せ われら(こころ)をとめてその(をはり)をしらん (あるい)はきたらんとする(こと)をわれらに(きか)すべし 23なんぢら(のち)ならんとすることをしめせ我儕(われら)なんぢらが(かみ)なることを()らん なんぢら(あるい)はさいはひし(あるい)はわざはひせよ 我儕(われら)ともに()ておどろかん 24()よなんぢらは(なき)もののごとし なんぢらの(わざ)はむなし なんぢらを(えら)ぶものは(にく)むべきものなり 25われ一人(ひとり)(おこ)して(きた)よりきたらせ()()をよぶものを(ひがし)よりきたらしむ (かれ)きたりもろもろの(をさ)をふみて(ひぢ)のごとくにし陶工(すゑつくり)のつちくれを(ふむ)がごとくにせん 26たれか(はじめ)よりこれらの(こと)をわれらに(つげ)てしらしめたりや たれか上古(いにしへ)よりわれらに(つげ)てこは()なりといはしめたりや 一人(ひとり)だに(つぐ)るものなし一人(ひとり)だに(きか)するものなし 一人(ひとり)だになんぢらの(ことば)をきくものなし 27われ(あらか)じめシオンにいはん なんぢ()よ かれらを()よと われ(また)よきおとづれを(つぐ)るものをヱルサレムに(あた)へん 28われ()るに一人(ひとり)だになし かれらのなかに謀略(はかりごと)をまうくるもの一人(ひとり)だになし (われ)かれらに(とへ)どこたふるもの一人(ひとり)だになし 29かれらの(わざ)はみな徒然(いたづら)にして(なき)もののごとし その偶像(ぐうざう)(かぜ)なりまた(むな)しきなり

第四十二章

1わが(たす)くるわが(しもべ)わが(こころ)よろこぶわが撰人(えらびびと)をみよ (われ)わが(みたま)をかれにあたへたり かれ異邦人(ことくにびと)(みち)をしめすべし 2かれは(さけ)ぶことなく(こゑ)をあぐることなくその(こゑ)街頭(ちまた)にきこえしめず 3また(いた)める(あし)ををることなくほのくらき燈火(ともしび)をけすことなく 眞理(まこと)をもて(みち)をしめさん 4かれは(おとろ)へず喪膽(きおち)せずして(みち)()にたてをはらん もろもろの(しま)はその法言(をしへ)をまちのぞむべし 5(てん)をつくりてこれをのべ ()とそのうへの產物(なりいでもの)とをひらき そのうへの(たみ)(いき)をあたへ その(なか)をあゆむものに(みたま)をあたへたまふ(かみ)ヱホバかく(いひ)(たま)6(いは)くわれヱホバ公義(ただしき)をもてなんぢを(めし)たり われなんぢの()をとり(なんぢ)をまもり なんぢを(たみ)契約(けいやく)とし異邦人(ことくにびと)のひかりとなし 7(しか)して(めしひ)()(ひら)俘囚(とらはれびと)(ひとや)よりいだし (くらき)にすめるものを(をり)のうちより(いだ)さしめん 8われはヱホバなり(これ)わが()なり (われ)はわが榮光(えいくわう)をほかの(もの)にあたへず わがほまれを偶像(ぐうざう)にあたへざるなり 9さきに預言(よげん)せるところはや()れり (われ)また(あたら)しきことをつげん (こと)いまだ(きざ)さざるさきに(われ)まづなんぢらに(きか)せんと 10(うみ)にうかぶもの (うみ)のなかに(みつ)るもの もろもろの(しま)およびその(たみ)よ ヱホバにむかひて(あたら)しき(うた)をうたひ ()(はて)よりその頌美(ほまれ)をたたへまつれ 11荒野(あれの)とその(なか)のもろもろの(まち)とケダル(びと)のすめるもろもろの村里(むらざと)はこゑをあげよ セラの(たみ)はうたひて(やま)のいただきよりよばはれ 12榮光(えいくわう)をヱホバにかうぶらせ その頌美(ほまれ)をもろもろの(しま)にて(かた)りつげよ 13ヱホバ勇士(ますらを)のごとく(いで)たまふ また戰士(いくさびと)のごとく熱心(ねつしん)をおこし (こゑ)をあげてよばはり大能(ちから)をあらはして(あた)をせめ(たま)はん 14われ(ひさ)しく(こゑ)をいださず(もだ)して(おのれ)をおさへたり (いま)われ()をうまんとする婦人(をんな)のごとく(さけ)ばん (われ)いきづかしくかつ(あへ)がん 15われ(やま)(をか)とをあらし(かつ)すべてその(うへ)木草(きくさ)をからし もろもろの(かは)(しま)としもろもろの(いけ)(から)さん 16われ瞽者(めしひ)をその(いま)だしらざる大路(おほぢ)にゆかしめ その(いま)だしらざる(みち)をふましめ (くらき)をその(まへ)(ひかり)となし (まが)れるをその(まへ)になほくすべし (われ)これらの(こと)をおこなひて(かれ)らをすてじ 17(きざ)みたる偶像(ぐうざう)にたのみ()たる偶像(ぐうざう)にむかひて汝等(なんぢら)はわれらの(かみ)なりといふものは退(しりぞ)けられて(おほい)(はぢ)をうけん 18聾者(みみしひ)よきけ 瞽者(めしひ)()をそそぎてみよ 19瞽者(めしひ)はたれぞ わが(しもべ)にあらずや (たれ)かわがつかはせる使者(つかひ)(ごと)瞽者(みみしひ)あらんや (たれ)かわが(とも)(ごと)きめしひあらんや (たれ)かヱホバの(しもべ)のごときめしひあらんや 20(なんぢ)おほくのことを()れども(かへり)みず (みみ)をひらけども(きか)ざるなり 21ヱホバおのれ()なるがゆゑに(おほい)にしてたふとき律法(おきて)をたまふをよろこび(たま)へり 22(しか)るにこの(たみ)はかすめられ(うば)はれて みな穴中(あなのなか)にとらはれ(ひとや)のなかに(とぢ)こめらる (かく)てその(かす)めらるるを(たす)くる(もの)なく その(うば)はれたるを(つくの)へといふ(もの)なし 23なんぢらのうち(たれ)かこのことに(みみ)をかたぶけん たれか(こころ)をもちゐて(のち)のために(これ)をきかん 24ヤコブを(うば)はせしものは(たれ)ぞ かすむる(もの)にイスラエルをわたしし(もの)はたれぞ (これ)ヱホバにあらずや われらヱホバに(つみ)ををかし その(みち)をあゆまず その律法(おきて)にしたがふことを(この)まざりき 25この(ゆゑ)にヱホバ(はげ)しき(いかり)をかたぶけ (たけ)きいくさをきたらせ その(はげ)しきこと()(ごと)四圍(まはり)にもゆれども(かれ)しらず その()(やけ)せまれども(こころ)におかざりき

第四十三章

1ヤコブよなんぢを創造(さうざう)せるヱホバいま如此(かく)いひ(たま)ふ イスラエルよ(なんぢ)をつくれるもの(いま)かく(いひ)(たま)ふ おそるるなかれ(われ)なんぢを(あがな)へり (われ)なんぢの()をよべり(なんぢ)はわが(もの)なり 2なんぢ水中(みづのなか)をすぐるときは(われ)ともにあらん(かは)のなかを(すぐ)るときは(みづ)なんぢの(うへ)にあふれじ なんぢ火中(ひのなか)をゆくとき(やか)るることなく火焰(ほのほ)もまた(もえ)つかじ 3(われ)はヱホバなんぢの(かみ)イスラエルの聖者(せいしや) なんぢの(すくひ)(ぬし)なり われエジプトを(あた)えてなんぢの(あがなひ)(しろ)となし エテオピアとセバとをなんぢに()4われ()てなんぢを(たから)とし(たふと)きものとして(また)なんぢを(あい)す この(ゆゑ)にわれ(ひと)をもてなんぢにかへ (たみ)をなんぢの(いのち)にかへん 5(おそ)るるなかれ(われ)なんぢとともにあり (われ)なんぢの(すゑ)(ひがし)よりきたらせ西(にし)より(なんぢ)をあつむべし 6われ(きた)にむかひて(ゆる)せといひ(みなみ)にむかひて(とどむ)るなかれといはん わが()()(とほ)きよりきたらせ わが(むすめ)らを()(はて)よりきたらせよ 7すべてわが()をもて(とな)へらるる(もの)をきたらせよ (われ)かれらをわが榮光(えいくわう)のために創造(さうざう)せり われ(さき)にこれを(つく)りかつ(なし)をはれり 8()あれども瞽者(めしひ)のごとく(みみ)あれど聾者(みみしひ)のごとき(たみ)をたづさへ(いで)9國々(くにぐに)はみな(あひ)(つど)ひもろもろの(たみ)はあつまるべし 彼等(かれら)のうち(たれ)かいやさきに()るべきことをつげ(これ)をわれらに(きか)することを()んや その證人(あかしびと)をいだして(おのれ)()なるをあらはすべし 彼等(かれら)ききて()はまことなりといはん 10ヱホバ宣給(のたまは)くなんぢらはわが證人(あかしびと)わがえらみし(しもべ)なり (され)ばなんぢら(しり)てわれを(しん)じわが(しゆ)なるをさとりうべし (われ)よりまへにつくられし(かみ)なく(われ)よりのちにもあることなからん 11ただ(われ)のみ(われ)はヱホバなり われの(ほか)にすくふ(もの)あることなし 12われ(さき)につげまた(すくひ)をほどこし また(この)(こと)をきかせたり 汝等(なんぢら)のうちには他神(あだしかみ)なかりき なんぢらはわが(あかし)(びと)なり (われ)(かみ)なり これヱホバ()(たまへ)るなり 13(いま)よりわれは(しゆ)なりわが()より(すく)ひいだし()るものなし われ(おこな)はば(たれ)かとどむることを()んや 14なんぢらを(あがな)ふものイスラエルの聖者(せいしや)ヱホバかく(いひ)たまふ なんぢらの(ため)にわれ(ひと)をバビロンにつかはし彼處(かしこ)にあるカルデヤ(びと)をことごとく(くだ)らせ その宴樂(あそび)(ふね)にのりてのがれしむ 15われはヱホバなんぢらの聖者(せいしや)イスラエルを創造(さうざう)せしもの(また)なんぢらの(わう)なり 16ヱホバは(うみ)のなかに大路(おほぢ)をまうけ(おほい)なる(みづ)のなかに(みち)をつくり 17戰車(いくさぐるま)および(むま) 軍兵(つはもの) 武士(もののふ)をいできたらせ ことごとく(たふ)れて(おこ)ることあたはず (みな)ほろびて燈火(ともしび)のきえうするが(ごと)くならしめ(たま)へり 18ヱホバ(いひ)(たまは)く なんぢら往昔(むかし)のことを(おも)ひいづるなかれ また上古(いにしへ)のことをかんがふるなかれ 19()よわれ(あたら)しき(わざ)をなさん(やが)ておこるべし なんぢら(しら)ざるべけんや われ荒野(あれの)(みち)をまうけ沙漠(さばく)(かは)をつくらん 20()(けもの)われを(あが)むべし 野犬(のいぬ)および駝鳥(だてう)もまた(しか)り われ(みづ)荒野(あれの)にいだし(かは)沙漠(さばく)にまうけてわが(たみ)わがえらびたる(もの)にのましむべければなり 21この(たみ)はわが頌美(ほまれ)をのべしめんとて(われ)おのれのために(つく)れるなり 22(しか)るにヤコブよ(なんぢ)われを(よび)たのまざりき イスラエルよ(なんぢ)われを(いと)ひたり 23なんぢ燔祭(はんさい)のひつじを(われ)にもちきたらず犠牲(いけにへ)をもて(われ)をあがめざりき われ(なんぢ)にそなへものの()をおはせざりき また乳香(にうかう)をもて(なんぢ)をわづらはせざりき 24なんぢは銀貨(かね)をもて()がために菖蒲(あやめ)をかはず 犠牲(いけにへ)のあぶらをもて(われ)をあかしめず (かへり)てなんぢの(つみ)()をわれに(おは)せ なんぢの邪曲(よこしま)にて(われ)をわづらはせたり 25われこそ(われ)みづからの(ゆゑ)によりてなんぢの(とが)をけし(なんぢ)のつみを(こころ)にとめざるなれ 26なんぢその()なるをあらはさんがために(おの)(こと)をのべて(われ)記念(きねん)せしめよ われら相共(あひとも)にあげつらふべし 27なんぢの遠祖(とほつおや)つみををかし(なんぢ)のをしへの()われにそむけり 28この(ゆゑ)にわれ聖所(せいじよ)(かしら)たちを(けが)さしめヤコブを(のろ)はしめイスラエルをののしらしめん

第四十四章

1されどわが(しもべ)ヤコブよわが(えら)みたるイスラエルよ(いま)きけ 2なんぢを創造(さうざう)し なんぢを胎内(はらのうち)につくり(また)なんぢを(たす)くるヱホバ如此(かく)いひたまふ わがしもベヤコブよわが(えら)みたるヱシュルンよおそるるなかれ 3われ(かわ)けるものに(みづ)をそそぎ()たる()(ながれ)をそそぎ わが(みたま)をなんぢの子輩(こら)にそそぎ わが恩惠(めぐみ)をなんぢの(すゑ)にあたふべければなり 4(かく)てかれらは(くさ)のなかにて(かは)のほとりの(やなぎ)のごとく(はえ)そだつべし 5ある(ひと)はいふ(われ)はヱホバのものなりと ある(ひと)はヤコブの()をとなへん ある(ひと)はヱホバの(もの)なりと()にしるしてイスラエルの()をなのらん 6ヱホバ、イスラエルの(わう)イスラエルをあがなふもの萬軍(ばんぐん)のヱホバ如此(かく)いひたまふ われは(はじめ)なりわれは(をはり)なり われの(ほか)(かみ)あることなし 7(われ)いにしへの(たみ)をまうけしより以來(このかた) たれかわれのごとく後事(のちのこと)をしめし(また)つげ(また)わが(まへ)にいひつらねんや (こころ)みに(なら)んとすること(きた)らんとすることを(つげ)8なんぢら(おそ)るるなかれ(をのの)くなかれ (われ)いにしへより(きか)せたるにあらずや(つげ)しにあらずや なんぢらはわが證人(あかしびと)なり われのほか(かみ)あらんや (われ)のほかには(いは)あらず われその(ひと)つだに(しる)ことなし 9偶像(ぐうざう)をつくる(もの)はみな(むな)しく かれらが(した)ふところのものは(えき)なし その(あかし)()るものは(みる)ことなく(しる)ことなし (かか)るがゆゑに(はぢ)をうくべし 10たれか(かみ)をつくり(また)えきなき偶像(ぐうざう)()たりしや 11()よその伴侶(ともがら)はみなはぢん その匠工(たくみ)らは(ひと)なり かれら(みな)あつまりて(たつ)ときはおそれてもろともに(はづ)るなるべし 12鐵匠(かなだくみ)(をの)をつくるに(すみ)()をもてこれをやき(つち)もてこれを(きた)へつよき(うで)をもてこれをうちかたむ (うう)れば(ちから)おとろへ(みづ)をのまざればつかれはつべし 13木匠(こだくみ)はすみなはをひきはり(しゆ)にてゑがき(かんな)にてけづり文回(ふみまはし)をもて(ゑが)(これ)(ひと)(かたち)にかたどり(ひと)(うるは)しき(すがた)にしたがひて(つく)(しか)して(いへ)のうちに安置(あんち)14あるひは香柏(かうはく)をきりあるひは(かしは)をとり あるひは橿(かし)をとり (あるい)ははやしの()のなかにて(ひとつ)をえらび あるひは(すぎ)をうゑ(あめ)をえて(そだ)たしむ 15(しか)して(ひと)これを(たきぎ)となし(これ)をもておのが()をあたため(また)これを(もや)してパンをやき(また)これを(かみ)につくりてをがみ偶像(ぐうざう)につくりてその(まへ)にひれふす 16その(なかば)()にもやしその(なかば)(にく)をにて(くら)ひ あるひは(にく)をあぶりてくひあき また()をあたためていふ ああ(われ)あたたまれり われ(あつ)きをおぼゆ 17(かく)てその(あまり)をもて(かみ)につくり偶像(ぐうざう)につくりてその(まへ)にひれふし(これ)ををがみ(これ)にいのりていふ なんぢは吾神(わがかみ)なり(われ)をすくへと 18これらの(ひと)(しる)ことなく(さと)ることなし その()ふさがりて()えず その(こころ)とぢてあきらかならず 19(こころ)のうちに(おも)ふことをせず智識(ちしき)なく明悟(さとり)なきがゆゑに(われ)そのなかばを()にもやしその炭火(すみび)のうへにパンをやき(にく)をあぶりて(くら)ひ その()のあまりをもて(われ)いかで(にく)むべきものを(つく)るべけんや (われ)いかで()のはしくれに俯伏(ひれふ)すことをせんやといふ(もの)もなし 20かかる(ひと)(はひ)をくらひ (まよ)へる(こころ)にまどはされて(おの)がたましひを(すく)ふあたはず またわが右手(みぎのて)にいつはりあるにあらずやとおもはざるなり 21ヤコブよ イスラエルよ 此等(これら)のことを(こころ)にとめよ (なんぢ)はわが(しもべ)なり (われ)なんぢを(つく)れり なんぢわが(しもべ)なり イスラエルよ(われ)はなんぢを(わす)れじ 22(われ)なんぢの(とが)(くも)のごとくに()し なんぢの(つみ)(きり)のごとくにちらせり なんぢ(われ)にかへれ(われ)なんぢを(あがな)ひたればなり 23(てん)よ うたうたへヱホバこのことを(なし)たまへり (した)なる()よよばはれ もろもろの(やま)(はやし)およびその(なか)のもろもろの()よ こゑを(はな)ちてうたふべし ヱホバはヤコブを(あがな)へり イスラエルのうちに榮光(えいくわう)をあらはし(たま)はん 24なんぢを(あがな)ひなんぢを胎内(はらのうち)につくれるヱホバかく(いひ)たまふ (われ)はヱホバなり(われ)よろづのものを創造(さうざう)し ただ(われ)のみ(てん)をのべ みづから()をひらき 25いつはるものの豫兆(しるし)をむなしくし卜者(うらなふもの)をくるはせ智者(かしこきもの)をうしろに退(しりぞ)けてその知識(ちしき)をおろかならしむ 26われわが(しもべ)のことばを(とげ)しめ わが使者(つかひ)のはかりごとを(なら)しめ ヱルサレムについては(たみ)また(すま)はんといひ ユダのもろもろの(まち)については(かさ)ねて(たて)らるべし(われ)その荒廢(あれすたれ)たるところを(もと)にかへさんといふ 27また(ふち)(めい)ず かわけ(われ)なんぢのもろもろの(かは)をほさんと 28(また)クロスについては(かれ)はわが牧者(ぼくしや)すべてわが(この)むところを(なら)しむる(もの)なりといひ ヱルサレムについてはかさねて(たて)られその(みや)(もとゐ)すゑられんといふ

第四十五章

1われヱホバわが受膏者(じゆかうじや)クロスの右手(みぎのて)をとりてもろもろの(くに)をそのまへに(くだ)らしめ もろもろの(わう)(こし)をとき(とびら)をその(まへ)にひらかせて(もん)をとづるものなからしめん 2われ(なんぢ)のまへにゆきて崎嶇(けはしき)をたひらかにし (あかがね)(もん)をこぼち くろがねの關木(くわんのき)をたちきるべし 3われなんぢに(くらき)ところの財貨(たから)とひそかなるところに(かく)せるたからとを(あた)へ なんぢに(われ)はヱホバなんぢの()をよべるイスラエルの(かみ)なるを(しら)しめん 4わが(しもべ)ヤコブわが(えら)みたるイスラエルのために(われ)なんぢの()をよべり (なんぢ)われを(しら)ずといへどわれ()をなんぢに(たま)ひたり 5われはヱホバなり (われ)のほかに(かみ)なし 一人(ひとり)もなし (なんぢ)われをしらずといへども(われ)なんぢを(かた)うせん 6(しか)して()のいづるところより西(にし)のかたまで人々(ひとびと)(われ)のほかに(かみ)なしと(しる)べし (われ)はヱホバなり(ほか)にひとりもなし 7われは(ひかり)をつくり(また)くらきを創造(さうざう)す われは平和(へいわ)をつくりまた禍害(わざはひ)をさうざうす (われ)はヱホバなり (われ)すべてこれらの(こと)をなすなり 8(てん)ようへより(したた)らすべし (くも)()をふらすべし ()はひらけて(すくひ)(しやう)()をもともに(もえ)いだすべし われヱホバ(これ)創造(さうざう)せり 9世人(よのひと)はすゑものの(うち)のひとつの陶器(すゑもの)なるに(おのれ)をつくれる(もの)とあらそふはわざはひなるかな 泥塊(つちくれ)はすゑものつくりにむかひて(なんぢ)なにを(つく)るかといふべけんや (また)なんぢの(つく)りたる(もの)なんぢを()なしといふべけんや 10(ちち)にむかひて(なんぢ)なにゆゑに()むことをせしやといひ (をんな)にむかひて(なんぢ)なにゆゑに(うみ)のくるしみをなししやといふ(もの)はわざはひなるかな 11ヱホバ、イスラエルの聖者(せいしや)イスラエルを(つく)れるもの如此(かく)いひたまふ (のち)きたらんとすることを(われ)にとへ またわが子女(こら)とわが()(わざ)とにつきて汝等(なんぢら)われに(いは)せよ 12われ()をつくりてそのうへに(ひと)創造(さうざう)せり われ(みづか)らの()をもて(てん)をのべ その萬象(ばんざう)をさだめたり 13われ()をもて()のクロスを(おこ)せり われそのすべての(みち)をなほくせん (かれ)はわが(まち)をたてわが俘囚(とらはれびと)(あたひ)のためならず(むくい)のためならずして(ゆる)すべし これ萬軍(ばんぐん)のヱホバの聖言(みことば)なり 14ヱホバ如此(かく)いひたまふ エジプトがはたらきて()しものとエテオピアがあきなひて()しものとはなんぢの(もの)とならん また()のたけ(たか)きセバ(びと)きたりくだりて(なんぢ)にしたがひ(なは)につながれて(くだ)り なんぢのまへに()しなんぢに(いの)りていはん まことに(かみ)はなんぢの(なか)にいませり このほかに(かみ)なし一人(ひとり)もなしと 15(すくひ)をほどこし(たま)ふイスラエルの(かみ)よ まことに(なんぢ)はかくれています(かみ)なり 16偶像(ぐうざう)をつくる(もの)はみな(はぢ)をいだき(はづ)かしめをうけ諸共(もろとも)にはぢあわてて退(しりぞ)かん 17されどイスラエルはヱホバにすくはれて永遠(とこしへ)(すくひ)をえん なんぢらは世々(よよ)かぎりなく(はぢ)をいだかず(はづ)かしめをうけじ 18ヱホバは(てん)創造(さうざう)したまへる(もの)にしてすなはち(かみ)なり また()をもつくり(なし)てこれを(かた)くし徒然(いたづら)にこれを創造(さうざう)(たま)はず これを(ひと)住所(すみか)につくり(たま)へり ヱホバかく宣給(のたま)ふ われはヱホバなり(われ)のほかに(かみ)あることなしと 19われは(かく)れたるところ()のくらき(ところ)にてかたらず (われ)はヤコブの(すゑ)になんぢらが(われ)をたづぬるは徒然(いたづら)なりといはず (われ)ヱホバはただしき(こと)をかたり(なほ)きことを()20汝等(なんぢら)もろもろの(くに)より(のが)れきたれる(もの)よ つどひあつまり(とも)にすすみききたれ ()(かたち)をになひ(すく)ふことあたはざる(かみ)にいのりするものは無智(むち)なるなり 21なんぢらその道理(ことわり)をもちきたりて(のべ)よ また(とも)にはかれ 此事(このこと)をたれか上古(いにしへ)より(しめ)したりや (たれ)かむかしより(つげ)たりしや ()はわれヱホバならずや (われ)のほかに(かみ)あることなし われは()をおこなひ(すくひ)をほどこす(かみ)にして(われ)のほかに(かみ)あることなし 22()(はて)なるもろもろの(ひと)よ なんぢら(われ)をあふぎのぞめ(さら)ばすくはれん われは(かみ)にして(ほか)(かみ)なければなり 23われは(おのれ)をさして(ちか)ひたり この(ことば)はただしき(くち)よりいでたれば(かへ)ることなし すべての(ひざ)はわがまへに(かが)み すべての(した)はわれに(ちかひ)をたてん 24(ひと)われに(つい)ていはん正義(ただしき)(ちから)とはヱホバにのみありと 人々(ひとびと)ヱホバにきたらん すべてヱホバにむかひて(いか)るものは(はぢ)をいだくべし 25イスラエルの(すゑ)はヱホバによりて()とせられ(かつ)ほこらん

第四十六章

1ベルは()しネボは(かが)む かれらの(かたち)はけものと家畜(けだもの)とのうへにあり なんぢらが(もた)げあるきしものは()となりて(つか)れおとろへたるけものの(おふ)ところとなりぬ 2かれらは(かが)みかれらは(とも)にふし その()となれる(もの)をすくふこと(あた)はずして(おのれ)とらはれゆく 3ヤコブの(いへ)よイスラエルのいへの(のこ)れるものよ (はら)をいでしより(われ)におはれ(たい)をいでしより(われ)にもたげられしものよ (みな)われにきくべし 4なんぢらの年老(としおゆ)るまで(われ)はかはらず白髮(しらが)となるまで(われ)なんぢらを(おは)(われ)つくりたれば(もた)ぐべし(われ)また()ひかつ(すく)はん 5なんぢら(われ)をたれに(くら)べ たれに(たぐ)ひ たれに(なず)らへ かつ(あひ)くらぶべきか 6人々(ひとびと)ふくろより黄金(こがね)をかたぶけいだし權衡(はかり)をもて白銀(しろかね)をはかり金工(かなだくみ)をやとひてこれを(かみ)につくらせ(これ)にひれふして(をが)7彼等(かれら)はこれをもたげて(かた)にのせ ()ひゆきてその(ところ)安置(あんち)す すなはち(たち)てその(ところ)をはなれず (ひと)これにむかひて(よば)はれども(こた)ふること(あた)はず (また)これをすくひて苦難(くるしみ)のうちより(いだ)すことあたはず 8なんぢら此事(このこと)をおもひいでて(かた)くたつべし 悖逆者(そむけるもの)よこのことを(こころ)にとめよ 9汝等(なんぢら)いにしへより以來(このかた)のことをおもひいでよ われは(かみ)なり(われ)のほかに(かみ)なし われは(かみ)なり(われ)のごとき(もの)なし 10われは(をはり)のことを(はじめ)よりつげ いまだ(なら)ざることを(むかし)よりつげ わが謀畧(はかりごと)はかならず()つといひ すべて()がよろこぶことを(なさ)んといへり 11われ(ひがし)より(わし)をまねき遠國(とほきくに)よりわが(さだ)めおける(ひと)をまねかん (われ)このことを(かた)りたれば(かな)らず(きた)らすべし (われ)このことを(はか)りたればかならず()すべし 12なんぢら(こころ)かたくなにして()にとほざかるものよ(われ)にきけ 13われわが()をちかづかしむ(べけ)ればその(きた)ること(とほ)からず わが(すくひ)おそからず (われ)すくひをシオンにあたへ わが榮光(えいくわう)をイスラエルにあたへん

第四十七章

1バビロンの處女(をとめ)よ くだりて(ちり)のなかにすわれ カルデヤ(びと)のむすめよ(みくら)にすわらずして()にすわれ (なんぢ)ふたたび婀娜(なよよか)にして(あて)なりととなへらるることなからん 2(すりうす)をとりて(こな)をひけ 面帕(かほおほひ)をとりさり(うちぎ)をぬぎ(すね)をあらはして(かは)をわたれ 3なんぢの(はだ)はあらはれなんぢの(はぢ)はみゆべし われ(あだ)をむくいて(ひと)をかへりみず 4われらを(あがな)ひたまふ(もの)はその()萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの聖者(せいしや)といふ 5カルデヤ(びと)のむすめよ なんぢ(くち)をつぐみてすわれ (また)くらき(ところ)にいりてをれ (なんぢ)ふたたびもろもろの(くに)主母(とじ)ととなへらるることなからん 6われわが(たみ)をいきどほりわが產業(さんげふ)をけがして(これ)をなんぢの()にあたへたり (なんぢ)これに憐憫(あはれみ)をほどこさず年老(としおい)たるもののうへに(はなは)だおもき(くびき)をおきたり 7(なんぢ)いへらく(われ)とこしへに主母(とじ)たらんと (かく)てこれらのことを(こころ)にとめず(また)その(をはり)をおもはざりき 8なんぢ歡樂(たのしみ)にふけり(やす)らかにをり (こころ)のうちにただ(われ)のみにして(われ)のほかに(たれ)もなく(われ)はやもめとなりてをらず また()をうしなふことを(しる)まじとおもへる(もの)よなんぢ(いま)きけ 9()をうしなひ寡婦(やもめ)となるこの(ふた)つのこと一日(ひとひ)のうちに(にはか)になんぢに(きた)らん(なんぢ)おほく魔術(まじゆつ)をおこなひひろく呪詛(まじなひ)をほどこすと(いへど)もみちみちて(なんぢ)にきたるべし 10(なんぢ)おのれの(あく)によりたのみていふ (われ)をみるものなしと なんぢの智慧(ちゑ)となんぢの聰明(さとき)とはなんぢを(まどは)せたり なんぢ(こころ)のうちにおもへらくただ(われ)のみにして(われ)のほかに(たれ)もなしと 11この(ゆゑ)にわざはひ(なんぢ)にきたらん なんぢ(まじな)ひてこれを(のぞ)くことをしらず 艱難(なやみ)なんぢに(おち)きたらん (なんぢ)これをはらふこと(あた)はず なんぢの(おも)ひよらざる荒廢(あれすたれ)にはかに(なんぢ)にきたるべし 12(いま)なんぢわかきときより(つと)めおこなひたる呪詛(まじなひ)とおほくの魔術(まじゆつ)とをもて(たち)むかふべしあるひは(えき)をうることあらん あるひは(てき)をおそれしむることあらん 13なんぢは謀畧(はかりごと)おほきによりて(うみ)つかれたり かの(てん)をうらなふもの(ほし)をみるもの新月(しんげつ)をうらなふ(もの)もし(あた)はば いざたちて(なんぢ)をきたらんとする(こと)よりまぬかれしむることをせよ 14(かれ)らは(わら)のごとくなりて()にやかれん おのれの()をほのほの勢力(いきほひ)よりすくひいだすこと(あた)はず その()()をあたたむべき炭火(すみび)にあらず(また)その(まへ)にすわるべき()にもあらず 15(なんぢ)がつとめて(おこな)ひたる(こと)(つひ)にかくのごとくならん (なんぢ)のわかきときより(なんぢ)とうりかひしたる(もの)おのおのその(ところ)にさすらひゆきて一人(ひとり)だになんぢを(すく)ふものなかるべし

第四十八章

1ヤコブの(いへ)よなんぢら(これ)をきけ (なんぢ)らはイスラエルの()をもて(とな)へられ ユダの根源(みなもと)よりいでヱホバの()によりて(ちか)ひイスラエルの(かみ)をかたりつぐれども 眞實(まこと)をもてせず正義(ただしき)をもてせざるなり 2かれらはみづから聖京(きよきみやこ)のものととなへイスラエルの(かみ)によりたのめり その()萬軍(ばんぐん)のヱホバといふ 3われ(いま)よりさきに(なり)しことを(すで)にいにしへより(つげ)たり われ(くち)よりいだして(すで)にのべつたへたり (われ)にはかにこの(こと)をおこなひ(しか)して(なり)4われ(なんぢ)がかたくなにして(うなじ)(すぢ)はくろがねその(ひたひ)はあかがねなるを()れり 5このゆゑに(われ)はやくよりかの(こと)をなんぢにつげ その(なら)ざるさきに(これ)をなんぢに(きか)しめたり (おそら)くはなんぢ(いは)ん わが偶像(ぐうざう)これを()せり(きざ)みたるざう()たる(ざう)これを(めい)じたりと 6なんぢ(すで)にきけり (すべ)てこれを()(なんぢ)(これ)をのべつたへざるか われ(いま)より(あたら)なる(こと)なんぢが(いま)だしらざりし秘事(ひめごと)をなんぢに(しめ)さん 7これらの(こと)はいま創造(さうざう)せられしにて上古(いにしへ)よりありしにあらず この()よりさきに(なんぢ)これを(きか)ざりき (しか)らずば(なんぢ)いはん()よわれこれを()れりと 8(なんぢ)これを(きく)こともなく(しる)こともなく なんぢの(みみ)はいにしへより(ひら)けざりき (われ)なんぢが(あざむ)きあざむきて(うま)れながら悖逆者(そむくもの)ととなへられしを()ればなり 9わが()のゆゑによりて(われ)いかりを(おそ)くせん わが頌美(ほまれ)のゆゑにより(われ)しのびてなんぢを絶滅(たちほろぼ)すことをせじ 10()よわれなんぢを(ねり)たり されど白銀(しろかね)(ごと)くせずして患難(なやみ)()をもてこころみたり 11われ(おのれ)のため(われ)おのれの(ため)にこれを(なさ)ん われ(いか)でわが()をけがさしむべき (われ)わが榮光(えいくわう)をほかの(もの)にあたることをせじ 12ヤコブよわが(めし)たるイスラエルよ われにきけ われは(これ)なり われは(はじめ)また(をはり)なり 13わが()()のもとゐを(すゑ)わが(みぎ)()(てん)をのべたり (われ)よべば彼等(かれら)はもろともに(たつ)なり 14(なんぢ)(みな)あつまりてきけ ヱホバの(あい)するものヱホバの(この)みたまふ(ところ)をバビロンに()し その(かひな)はカルデヤ(びと)のうへにのぞまん 彼等(かれら)のうち(たれ)かこれらの(こと)をのべつげしや 15ただ(われ)のみ(われ)かたれり (われ)かれをめし(われ)かれをきたらせたり その(みち)さかゆべし 16なんぢら(われ)にちかよりて(これ)をきけ (われ)はじめより(これ)をひそかに(かた)りしにあらず その(なり)しときより(われ)はかしこに()り いま(しゆ)ヱホバわれとその(みたま)とをつかはしたまへり 17なんぢの贖主(あがなひぬし)イスラエルの聖者(せいしや)ヱホバかく言給(いひたまは)く われはなんぢの(かみ)ヱホバなり (われ)なんぢに(えき)することを(をし)へ なんぢを(みちび)きてそのゆくべき(みち)にゆかしむ 18(ねがは)くはなんぢわが命令(いましめ)にききしたがはんことを もし(しか)らばなんぢの平安(やすき)(かは)のごとく (なんぢ)()はうみの(なみ)のごとく 19なんぢの(すゑ)はすなのごとく (なんぢ)(たい)よりいづる(もの)細沙(いさご)のごとくになりて その()はわがまへより(たた)るることなく(ほろぼ)さるることなからん 20なんぢらバビロンより(いで)てカルデヤ(びと)よりのがれよ なんらぢ(よろこび)(こゑ)をもてのべきかせ()のはてにいたるまで(かた)りつたへ ヱホバはその(しもべ)ヤコブをあがなひ(たま)へりといへ 21ヱホバかれらをして沙漠(さばく)をゆかしめ(たま)へるとき彼等(かれら)はかわきたることなかりき ヱホバ彼等(かれら)のために(いは)より(みづ)をながれしめ また(いは)をさきたまへば(みづ)ほどばしりいでたり 22ヱホバいひたまはく(あし)きものには平安(やすき)あることなし

第四十九章

1もろもろの(しま)(われ)にきけ (とほ)きところのもろもろの(たみ)(みみ)をかたむけよ (われ)うまれいづるよりヱホバ(われ)()し われ(はは)(たい)をいづるよりヱホバわが()をかたりつげたまへり 2ヱホバわが(くち)利劍(ときつるぎ)となし(われ)をその()のかげにかくし (われ)をとぎすましたる()となして(えびら)にをさめ(たま)へり 3また(われ)にいひ(たま)はく (なんぢ)はわが(しもべ)なり わが榮光(えいくわう)のあらはるべきイスラエルなりと 4されど(われ)いへり われは徒然(いたづら)にはたらき(えき)なくむなしく(ちから)をつひやしぬと (しか)はあれど(まこと)にわが審判(さばき)はヱホバにあり わが(むくい)はわが(かみ)にあり 5ヤコブをふたたび(おのれ)にかへらしめイスラエルを(おのれ)のもとにあつまらせんとて (われ)をうまれいでしより(たて)ておのれの(しもべ)となし(たま)へるヱホバいひ(たま)ふ((われ)はヱホバの(まへ)にたふとくせらる (また)わが(かみ)はわが(ちから)となりたまへり) 6その聖言(みことば)にいはく なんぢわが(しもべ)となりてヤコブのもろもろの支派(わかれ)をおこし イスラエルのうちののこりて(まつた)うせしものを(かへ)らしむることはいと(かろ)(われ)また(なんぢ)をたてて異邦人(ことくにびと)(ひかり)となし ()がすくひを()のはてにまで(いた)らしむ 7ヱホバ、イスラエルの贖主(あがなひぬし)イスラエルの聖者(せいしや)(ひと)にあなどらるるもの (たみ)にいみきらはるるもの (をさ)たちに(えき)せらるる(もの)にむかひて如此(かく)いひたまふ もろもろの(わう)()てたちもろもろの(きみ)はみて(はい)すべし これ信實(まこと)あるヱホバ、イスラエルの聖者(せいしや)なんぢを(えら)びたまへるが(ゆゑ)なり 8ヱホバ如此(かく)いひたまふ われ(めぐみ)のときに(なんぢ)にこたへ(すくひ)()になんぢを(たす)けたり われ(なんぢ)をまもりて(たみ)契約(けいやく)とし(くに)をおこし(あれ)すたれたる()をまた產業(さんげふ)としてかれらにつがしめん 9われ(いま)しめられたる(もの)にいでよといひ(くらき)にをるものに(あらは)れよといはん かれら(みち)すがら(くら)ふことをなし もろもろの禿(かぶろ)なる(やま)にも牧草(まきくさ)をうべし 10かれらは(うゑ)ずかわかず (また)やけたる(すな)もあつき()もうつことなし 彼等(かれら)をあはれむもの(これ)をみちびきて(いづみ)のほとりに(やわら)かにみちびき(たま)ければなり 11(われ)わがもろもろの(やま)(みち)とし わが大路(おほぢ)をたかくせん 12()人々(ひとびと)あるひは(とほ)きよりきたり あるひは(きた)また西(にし)よりきたらん (あるい)はまたシニムの()よりきたるべし 13(てん)ようたへ()よよろこべ もろもろの(やま)(こゑ)をはなちてうたへ ヱホバはその(たみ)をなぐさめその(くるし)むものを(あはれ)みたまへばなり 14(され)どシオンはいへりヱホバ(われ)をすて(しゆ)われをわすれたまへりと 15(をんな)その乳兒(ちのみご)をわすれて(おの)がはらの()をあはれまざることあらんや (たと)ひかれら(わす)るることありとも(われ)はなんぢを(わす)るることなし 16われ(たなごころ)になんぢを彫刻(ゑりきざ)めり なんぢの石垣(いしがき)はつねにわが(まへ)にあり 17なんぢの子輩(こら)はいそぎ(きた)り なんぢを(こぼ)つもの(なんぢ)をあらす(もの)(なんぢ)より(いで)さらん 18なんぢ()をあげて環視(みまは)せよ これらのもの(みな)あひあつまりて(なんぢ)がもとに(きた)るべし ヱホバ宣給(のたま)く われは(いく)なんぢ此等(これら)をみな()によそほひて(かざり)となし 新婦(にひつま)(おび)のごとくに(これ)をまとふべし 19なんぢの(あれ)かつ(すた)れたるところ(こぼ)たれたる()は こののち(すま)ふもの(おほ)くして(せま)きをおぼえん なんぢを(のみ)つくししもの(はるか)にはなれ()るべし 20むかし(わか)れたりしなんぢの子輩(こら)はのちの()なんぢの(みみ)のあたりにて(かた)りあはん(いは)く ここは(われ)がために(せば)し なんぢ(ほか)にゆきて(われ)にすむべき(ところ)をえしめよと 21その(とき)なんぢ心裏(こころのうち)にいはん (たれ)かわがために此等(これら)のものを(うみ)しや われ()をうしなひて(ひとり)()りかつ(とらは)(かつ)さすらひたり (たれ)かこれを(そだ)てしや ()よわれ一人(ひとり)のこされたり 此等(これら)はいづこに(をり)しや 22(しゆ)ヱホバいひたまはく ()よわれ()をもろもろの(くに)にむかひてあげ (はた)をもろもろの(たみ)にむかひてたてん (かく)てかれらはその懷中(ふところ)になんぢの子輩(こら)をたづさへ その(かた)になんぢの女輩(むすめら)をのせきたらん 23もろもろの(わう)はなんぢの養父(やしなひおや)となり その后妃(きさきたち)はなんぢの乳母(めのと)となり かれらはその(かほ)()につけて(なんぢ)にひれふし なんぢの(あし)(ちり)をなめん (しか)して(なんぢ)わがヱホバなるをしり われを俟望(まちのぞ)むものの(はぢ)をかうぶることなきを()るならん 24勇士(ますらを)がうばひたる掠物(えもの)をいかでとりかへし 強暴者(あらちを)がかすめたる(とりこ)をいかで(すくひ)いだすことを()んや 25されどヱホバ如此(かく)いひたまふ(いは)く ますらをが(かす)めたる(とりこ)もとりかへされ 強暴者(あらちを)がうばひたる掠物(えもの)もすくひいださるべし そは(われ)なんぢを(せむ)るものをせめてなんぢの子輩(こら)をすくふべければなり 26(われ)なんぢを(しへた)ぐるものにその(にく)をくらはせ またその()をあたらしき(さけ)のごとくにのませて(ゑは)しめん (しか)して萬民(よろづのたみ)はわがヱホバにして(なんぢ)をすくふ(もの)なんぢを(あがな)ふものヤコブの全能者(ぜんのうしや)なることを()るべし

第五十章

1ヱホバかくいひ(たま)ふ わがなんぢらの(はは)をさりたる離書(さりぶみ)はいづこにありや (われ)いづれの債主(さいしゆ)になんぢらを(うり)わたししや ()よなんぢらはその不義(ふぎ)のために()られ なんぢらの(はは)(なんぢ)らの咎戻(とが)のために()られたり 2わがきたりし(とき)なにゆゑ一人(ひとり)もをらざりしや (われ)よびしとき何故(なにゆゑ)ひとりも(こた)ふるものなかりしや わが()みぢかくして(あがな)ひえざるか われ(すく)ふべき(ちから)なからんや ()よわれ叱咤(しつた)すれば(うみ)はかれ(かは)はあれのとなりそのなかの(うを)(みづ)なきによりかわき(しに)臭氣(にほひ)をいだすなり 3われ(くろ)きころもを(てん)にきせ麁布(あらたへ)をもて(おほひ)となす 4(しゆ)ヱホバは(をしへ)をうけしものの(した)をわれにあたへ(ことば)をもて(つか)れたるものを(たすけ)(ささ)ふることを(しり)()しめたまふ また(あさ)ごとに(さま)しわが(みみ)をさまして(をしへ)をうけし(もの)のごとく(きく)ことを()しめたまふ 5(しゆ)ヱホバわが(みみ)をひらき(たま)へり われは(さから)ふことをせず退(しりぞ)くことをせざりき 6われを(むちう)つものにわが()をまかせわが(ひげ)をぬくものにわが(ほほ)をまかせ (はぢ)(つばき)とをさくるために(かほ)をおほふことをせざりき 7(しゆ)ヱホバわれを(たす)けたまはん この(ゆゑ)にわれ(はづ)ることなかるべし (われ)わが(かほ)(いし)(ごと)くして(はぢ)しめらるることなきを()8われを()とするもの(ちか)きにあり たれか(われ)とあらそはんや われら相共(あひとも)にたつべし わが(あだ)はたれぞや(ちか)づききたれ 9(しゆ)ヱホバわれを(たす)(たま)はん (たれ)かわれを(つみ)せんや ()よかれらはみな(ころも)のごとくふるび(しみ)のためにくひつくされん 10汝等(なんぢら)のうちヱホバをおそれその(しもべ)(こゑ)をきくものは(たれ)ぞや (くらき)をあゆみて(ひかり)をえざるともヱホバの(みな)をたのみおのれの(かみ)にたよれ 11()をおこし火把(ひのたば)(おぶ)るものよ汝等(なんぢら)みなその()のほのほのなかをあゆめ (また)なんぢらの(もや)したる火把(ひのたば)のなかをあゆめ なんぢら(かく)のごとき(こと)をわが()よりうけて(かなし)みのうちに(ふす)べし

第五十一章

1()をおひ(もと)めヱホバを(たづ)ねもとむるものよ(われ)にきけ なんぢらが斫出(きりいだ)されたる(いは)となんぢらの掘出(ほりいだ)されたる(あな)とをおもひ()2なんぢらの(ちち)アブラハム(およ)びなんぢらを(うみ)たるサラをおもひ()よ われ(かれ)をその(ただ)一人(ひとり)なりしときに()しこれを(しゆく)してその子孫(ひとびと)をまし(くは)へたり 3そはヱホバ、シオンを(なぐさ)め またその(すべ)てあれたる(ところ)をなぐさめて その荒野(あれの)をエデンのごとくその沙漠(さばく)をヱホバの(その)のごとくなしたまへり (かく)てその(なか)によろこびと歡樂(たのしみ)とあり感謝(かんしや)とうたうたふ(こゑ)とありてきこゆ 4わが(たみ)よわが(ことば)にこころをとめよ わが國人(くにびと)よわれに(みみ)をかたぶけよ 律法(おきて)はわれより()づ われわが(みち)をかたく(さだ)めてもろもろの(たみ)(ひかり)となさん 5わが()はちかづきわが(すくひ)はすでに(いで)たり わが(かひな)はもろもろの(たみ)をさばかん もろもろの(しま)はわれを俟望(まちのぞ)み わがかひなに依賴(よりたのま)6なんぢら()をあげて(てん)()また(した)なる()をみよ (てん)(けぶり)のごとくきえ()(ころも)のごとくふるびその(なか)にすむ(もの)これとひとしく(しな)ん されどわが(すくひ)はとこしへにながらへ わが()はくだくることなし 7()をしるものよ(こころ)のうちにわが律法(おきて)をたもつ(たみ)よ われにきけ (ひと)のそしりをおそるるなかれ(ひと)のののしりに(をのの)くなかれ 8そはかれら(ころも)のごとく(しみ)にはまれ(ひつじ)()のごとく(むし)にはまれん されどわが()はとこしへに(なが)らへ わがすくひ萬代(よろづよ)におよぶべし 9さめよ(さめ)よヱホバの(かひな)よちからを()よ さめて(いにし)への(とき)むかしの()にありし(ごと)くなれ ラハブをきりころし(わに)をさしつらぬきたるは(なんぢ)にあらずや 10(うみ)をかわかし(おほい)なる(ふち)(みづ)をかわかし また(うみ)のふかきところを(あがな)はれたる(ひと)のすぐべき(みち)となししは(なんぢ)にあらずや 11ヱホバに(あがな)ひすくはれしもの(うた)うたひつつ(かへ)りてシオンにきたり その(かうべ)にとこしへの歡喜(よろこび)をいただきて快樂(たのしみ)とよろこびとをえん (しか)してかなしみと歎息(なげき)とはにげさるべし 12(われ)こそ(われ)なんぢらを(なぐさ)むれ (なんぢ)いかなる(もの)なれば(しぬ)べき(ひと)をおそれ(くさ)(ごと)くなるべき(ひと)()をおそるるか 13いかなれば(てん)をのべ()(もとゐ)をすゑ(なんぢ)をつくりたまへるヱホバを(わす)れしや (いか)なれば(なんぢ)をほろぼさんとて豫備(そなへ)する(しへた)ぐるものの(いきどほ)れるをみて(つね)にひねもす(おそ)るるか (しへた)ぐるものの忿恚(いきどほり)はいづこにありや 14()をかがめゐる俘囚(とらはれびと)はすみやかに(とか)れて (しぬ)ることなく(あな)にくだることなく その(かて)はつくること(なか)るべし 15(われ)(うみ)をふるはせ(なみ)をなりどよめかする(なんぢ)(かみ)ヱホバなり その御名(みな)萬軍(ばんぐん)のヱホバといふ 16(われ)わが(ことば)をなんぢの(くち)におきわが()のかげにて(なんぢ)をおほへり かくてわれ(てん)をうゑ()(もとゐ)をすゑ シオンにむかひて(なんぢ)はわが(たみ)なりといはん 17ヱルサレムよさめよさめよ(おき)よ なんぢ(まへ)にヱホバの()よりその忿恚(いきどほり)のさかづきをうけて()み よろめかす大杯(おほさかづき)をのみ(かつ)すひほしたり 18なんぢの(うめ)るもろもろの()のなかに(なんぢ)をみちびく(もの)なく (なんぢ)のそだてたるもろもろの()(なか)にてなんぢの()をたづさふる(もの)なし 19この(ふたつ)のこと(なんぢ)にのぞめり(たれ)かなんぢのために(なげか)んや 荒廢(あれすたれ)饑饉(ききん)ほろびの(つるぎ)なんぢに(およ)べり(われ)いかにして(なんぢ)をなぐさめんや 20なんぢの()らは(いき)たえだえにして(あみ)にかかれる羚羊(かもしか)のごとくし街衢(ちまたちまた)(くち)にふす ヱホバの忿恚(いきどほり)となんぢの(かみ)のせめとはかれらに滿(みち)たり 21このゆゑに(くる)しめるもの(さけ)にあらで(ゑひ)たるものよ(これ)をきけ 22なんぢの(しゆ)ヱホバおのが(たみ)(うたへ)をあげつらひ(たま)ふ なんぢの(かみ)かくいひ(たま)(われ)よろめかす酒杯(さかづき)をなんぢの()より取除(とりのぞ)き わがいきどほりの大杯(おほさかづき)をとりのぞきたり (なんぢ)ふたたびこれを(のむ)ことあらじ 23(われ)これを(なんぢ)をなやますものの()にわたさん (かれ)らは(さき)になんぢの靈魂(たましひ)にむかひて(いへ)らく なんぢ()せよわれら(こえ)ゆかんと (しか)してなんぢその()(つち)のごとくし(ちまた)のごとくし彼等(かれら)のこえゆくに(まか)せたり

第五十二章

1シオンよ(さめ)よさめよ(なんぢ)(ちから)()聖都(きよきみやこ)ヱルサレムよなんぢの(うるは)しき(ころも)をつけよ (いま)より割禮(かつれい)をうけざる(もの)および(きよ)からざるものふたたび(なんぢ)にいること(なか)るべければなり 2なんぢ()(ちり)をふりおとせ ヱルサレムよ(おき)よすわれ (とらは)れたるシオンのむすめよ(なんぢ)がうなじの(なは)をときすてよ 3そはヱホバかく(いひ)(たま)ふ なんぢらは(あたひ)なくして()られたり (かね)なくして(あがな)はるべし 4(しゆ)ヱホバ如此(かく)いひ(たま)(さき)にわが(たみ)エジプトにくだりゆきて彼處(かしこ)にとどまれり アツスリヤ(びと)ゆゑなくして彼等(かれら)をしへたげたり 5ヱホバ宣給(のたまは)く わが(たみ)はゆゑなくして(とらは)れたり されば(われ)ここに(なに)をなさん ヱホバのたまはく 彼等(かれら)をつかさどる(もの)さけびよばはり わが()はつねに終日(ひねもす)けがさるるなり 6この(ゆゑ)にわが(たみ)はわが()をしらん このゆゑにその()には(かれ)らこの(ことば)をかたるものの(われ)なるをしらん (われ)ここに()7よろこびの音信(おとづれ)をつたへ平和(おだやか)をつげ (よき)おとづれをつたへ(すくひ)をつげ シオンに(むか)ひてなんぢの(かみ)はすべ(をさ)めたまふといふものの(あし)山上(やまのうへ)にありていかに(うるは)しきかな 8なんぢが斥候(ものみ)(こゑ)きこゆ かれらはヱホバのシオンに(かへ)(たま)ふを()()とあひあはせて()るが(ゆゑ)にみな(こゑ)をあげてもろともにうたへり 9ヱルサレムの荒廢(あれすた)れたるところよ(こゑ)をはなちて(とも)にうたふべし ヱホバその(たみ)をなぐさめヱルサレムを(あがな)ひたまひたればなり 10ヱホバそのきよき(みて)をもろもろの國人(くにびと)()のまへにあらはしたまへり ()のもろもろの(はて)までもわれらの(かみ)のすくひを()11なんぢら(され)よされよ 彼處(かしこ)をいでて(けが)れたるものに(ふる)るなかれ その(なか)をいでよ ヱホバの(うつは)をになふ(もの)よ なんぢら(きよ)くあれ 12なんぢら(いそ)ぎいづるにあらず(はし)りゆくにあらず ヱホバはなんぢらの(まへ)にゆきイスラエルの(かみ)はなんぢらの軍後(しんがり)となり(たま)ふべければなり 13()よわがしもべ智慧(ちゑ)をもておこなはん (あが)りのぼりて(はなは)だたかくならん 14(さき)にはおほくの(ひと)かれを()ておどろきたり(その面貌(おもつら)はそこなはれて(ひと)(こと)なりその形容(かたち)はおとろへて(ひと)()とことなれり) 15(のち)には(かれ)おほく國民(くにびと)にそそがん (わう)たち(かれ)によりて(くち)(つぐ)まん そはかれら(いま)だつたへられざることを()いまだ(きか)ざることを(さと)るべければなり

第五十三章

1われらが(のぶ)るところを(しん)ぜしものは(たれ)ぞや ヱホバの()はたれにあらはれしや 2かれは(しゆ)のまへに(めば)えのごとく (かわ)きたる(つち)よりいづる樹株(こかぶ)のごとくそだちたり われらが()るべきうるはしき(すがた)なく うつくしき(かたち)はなく われらがしたふべき艶色(みばえ)なし 3かれは(あなど)られて(ひと)にすてられ 悲哀(かなしみ)(ひと)にして病患(なやみ)をしれり また(かほ)をおほひて(さく)ることをせらるる(もの)のごとく(あなど)られたり われらも(かれ)をたふとまざりき 4まことに(かれ)はわれらの病患(なやみ)をおひ我儕(われら)のかなしみを(にな)へり (しか)るにわれら(おも)へらく(かれ)はせめられ(かみ)にうたれ(くる)しめらるるなりと 5(かれ)はわれらの(とが)のために(きずつ)けられ われらの不義(ふぎ)のために(くだ)かれ みづから懲罰(こらしめ)をうけてわれらに平安(やすき)をあたふ そのうたれし(きず)によりてわれらは(いや)されたり 6われらはみな(ひつじ)のごとく(まよ)ひておのおの(おの)(みち)にむかひゆけり (しか)るにヱホバはわれら(すべ)てのものの不義(ふぎ)をかれのうへに(おき)たまへり 7(かれ)はくるしめらるれどもみづから(へりく)だりて(くち)をひらかず 屠場(ほふりば)にひかるる羔羊(こひつじ)(ごと)()をきる(もの)のまへにもだす(ひつじ)(ごと)くしてその(くち)をひらかざりき 8かれは虐待(しへたげ)審判(さばき)とによりて取去(とりさら)れたり その()(ひと)のうち(たれ)(かれ)(いけ)るものの()より(たた)れしことを(おも)ひたりしや (かれ)はわが(たみ)のとがの(ため)にうたれしなり 9その(はか)はあしき(もの)とともに(まう)けられたれど (しぬ)るときは(とめ)るものとともになれり かれは(あらび)をおこなはずその(くち)には虚僞(いつはり)なかりき 10されどヱホバはかれを(くだ)くことをよろこびて(これ)をなやましたまへり (かく)てかれの靈魂(たましひ)とがの献物(そなへもの)をなすにいたらば(かれ)その(すゑ)をみるを()その()(なが)からん かつヱホバの(よろこ)(たま)ふことは(かれ)()によりて(さか)ゆべし 11かれは(おの)がたましひの煩勞(いたづき)をみて(こころ)たらはん わが(ただ)しき(しもべ)はその知識(ちしき)によりておほくの(ひと)()とし(また)かれらの不義(ふぎ)をおはん 12このゆゑに(われ)かれをして(おほい)なるものとともに(もの)をわかち(とら)しめん かれは(つよ)きものとともに掠物(えもの)をわかちとるべし (かれ)はおのが靈魂(たましひ)をかたぶけて()にいたらしめ(とが)あるものとともに(かぞ)へられたればなり (かれ)はおほくの(ひと)(つみ)をおひ(とが)あるものの(ため)にとりなしをなせり

第五十四章

1なんぢ(はら)まず()をうまざるものよ(うた)うたふべし (うみ)のくるしみなきものよ(こゑ)をはなちて(うた)ひよばはれ (をつと)なきものの()はとつげるものの()よりおほしと ()はヱホバの聖言(みことば)なり 2(なんぢ)幕屋(まくや)のうちを(ひろ)くし なんぢが住居(すまひ)のまくをはりひろげて(をし)むなかれ (なんぢ)(つな)をながくしなんぢの(くひ)をかたくせよ 3そはなんぢが(みぎ)(ひだり)にひろごり なんぢの(すゑ)はもろもろの(くに)をえ 荒廢(あれすたれ)れたる(まち)をもすむべき(ところ)となさしむべし 4(おそ)るるなかれなんぢ(はづ)ることなからん (あわ)てためくことなかれ(なんぢ)はぢしめらるることなからん (わか)きときの(はぢ)をわすれ寡婦(やもめ)たりしときの恥辱(はづかしめ)をふたたび(おぼゆ)ることなからん 5なんぢを(つく)(たま)へる(もの)はなんぢの(をつと)なり その()萬軍(ばんぐん)のヱホバ なんぢを(あがな)(たま)ふものはイスラエルの聖者(せいしや)なり 全世界(ぜんせかい)(かみ)ととなへられ(たま)ふべし 6ヱホバ(なんぢ)をまねきたまふ (すて)られて(こころ)うれふる(つま)また(わか)きとき(とつぎ)てさられたる(つま)をまねくがごとしと ()はなんぢの(かみ)のみことばなり 7(われ)しばし(なんぢ)をすてたれど(おほい)なる憐憫(あはれみ)をもて(なんぢ)をあつめん 8わが忿恚(いきどほり)あふれて(しばら)くわが(かほ)をなんぢに(かく)したれど 永遠(とこしへ)のめぐみをもて(なんぢ)をあはれまんと ()はなんぢをあがなひ(たま)ふヱホバの聖言(みことば)なり 9このこと(われ)にはノアの洪水(こうずゐ)のときのごとし (われ)むかしノアの洪水(こうずゐ)をふたたび()にあふれ(なが)るることなからしめんと(ちか)ひしが そのごとく(われ)ふたたび(なんぢ)をいきどほらず (ふたた)びなんぢを(せめ)じとちかひたり 10(やま)はうつり(をか)はうごくとも わが仁慈(いつくしみ)はなんぢよりうつらず 平安(やすき)をあたふるわが契約(けいやく)はうごくことなからんと ()はなんぢを(あはれ)みたまふヱホバのみことばなり 11なんぢ(くる)しみをうけ暴風(はやち)にひるがへされ 安慰(なぐさめ)をえざるものよ (われ)うるはしき彩色(いろどり)をなしてなんぢの(いし)をすゑ (あを)(たま)をもてなんぢの(もとゐ)をおき 12くれなゐの(たま)をもてなんぢの(やぐら)をつくり むらさきの(たま)をもてなんぢの(もん)をつくり なんぢの境内(さかひのうち)はあまねく寳石(はうせき)にてつくるべし 13(また)なんぢの子輩(こら)はみなヱホバに(をしへ)をうけ なんぢの子輩(こら)のやすきは(おほい)ならん 14なんぢ()をもて(かた)くたち 虐待(しへたげ)よりとほざかりて(をづ)ることなく また恐懼(おそれ)よりとほざかるべし そは恐懼(おそれ)なんぢに(ちか)づくことなければなり 15(たと)ひかれら群集(むれつど)ふとも(われ)によるにあらず (すべ)てむれつどひて(なんぢ)をせむる(もの)はなんぢの(ゆゑ)にたふるべし 16みよ炭火(すみび)をふきおこして(もち)ゐべき(うつは)をいだす鐵工(かなだくみ)はわが創造(さうざう)するところ (また)あらし(ほろ)ぼす(もの)もわが創造(さうざう)するところなり 17すべてなんぢを(せめ)んとてつくられしうつはものは()あることなし 興起(おこりた)ちてなんぢとあらそひ(うた)ふる(した)はなんぢに(つみ)せらるべし これヱホバの僕等(しもべら)のうくる產業(さんげふ)なり (これ)かれらが(われ)よりうくる()なりとヱホバのたまへり

第五十五章

1(ああ)なんぢら(かわ)ける(もの)ことごとく(みづ)にきたれ (かね)なき(もの)もきたるべし 汝等(なんぢら)きたりてかひ(もと)めてくらへ きたれ(かね)なく(あたひ)なくして葡萄酒(ぶだうしゆ)(ちち)とをかへ 2なにゆゑ(かて)にもあらぬ(もの)のために(かね)をいだし (あく)ことを()ざるもののために(らう)するや われに聽從(ききしたが)へ さらばなんぢら美物(よきもの)をくらふをえ(あぶら)をもてその靈魂(たましひ)をたのしまするを()3(みみ)をかたぶけ(われ)にきたりてきけ 汝等(なんぢら)のたましひは(いく)べし われ(また)なんぢらととこしへの契約(けいやく)をなしてダビデに(やく)せし(かは)らざる(めぐみ)をあたへん 4()よわれ(かれ)をたててもろもろの(たみ)(あかし)とし(また)もろもろの(たみ)(きみ)となし命令(めいれい)する(もの)となせり 5なんぢは(しら)ざる國民(くにびと)をまねかん (なんぢ)をしらざる國民(くにびと)はなんぢのもとに(はし)りきたらん ()はなんぢの(かみ)ヱホバ、イスラエルの聖者(せいしや)のゆゑによりてなり ヱホバなんぢを(たふと)くしたまへり 6なんぢら(あふ)ことをうる()にヱホバを(たづ)ねよ (ちか)くゐたまふ()によびもとめよ 7(あし)きものはその(みち)をすて よこしまなる(ひと)はその思念(おもひ)をすててヱホバに(かへ)れ さらば憐憫(あはれみ)をほどこしたまはん 我等(われら)(かみ)にかへれ(ゆたか)(ゆるし)をあたへ(たま)はん 8ヱホバ宣給(のたまは)くわが(おもひ)はなんぢらの(おもひ)とことなり わが(みち)はなんぢらのみちと(こと)なれり 9(てん)()よりたかきがごとく わが(みち)はなんぢらの(みち)よりも(たか)く わが(おもひ)はなんぢらの(おもひ)よりもたかし 10(てん)より(あめ)くだり(ゆき)おちて(また)かへらず ()をうるほして(もの)をはえしめ ()をいださしめて(まく)ものに(たね)をあたへ (くら)ふものに(かて)をあたふ 11如此(かく)わが(くち)よりいづる(ことば)もむなしくは(われ)にかへらず わが(よろこ)ぶところを()し わが(めい)(おく)りし(こと)をはたさん 12なんぢらは(よろこ)びて(いで)きたり平穩(おだやか)にみちびかれゆくべし(やま)(をか)とは(こゑ)をはなちて(みまへ)にうたひ()にある()はみな()をうたん 13松樹(まつのき)はいばらにかはりてはえ岡拈樹(もちのき)(おどろ)にかはりてはゆべし ()はヱホバの頌美(ほまれ)となり(また)とこしへの(しるし)となりて(たゆ)ることなからん

第五十六章

1ヱホバ如此(かく)いひ(たま)ふ なんぢら公平(こうへい)をまもり正義(せいぎ)をおこなふべし わが(すくひ)のきたるはちかく わが()のあらはるるは(ちか)ければなり 2安息日(あんそくにち)をまもりて(けが)さず その()をおさへて(あし)きことをなさず (かく)おこなふ(ひと)かく(かた)くまもる(ひと)()はさいはひなり 3ヱホバにつらなれる異邦人(ことくにびと)はいふなかれ ヱホバ(かなら)(われ)をその(たみ)より(わか)(たま)はんと 寺人(じじん)もまたいふなかれ われは(かれ)たる()なりと 4ヱホバ如此(かく)いひたまふ わが安息日(あんそくにち)をまもり わが(よろこ)ぶことをえらみて()契約(けいやく)(かた)くまもる寺人(じじん)には 5(われ)わが(いへ)のうちにてわが(かき)のうちにて(むすこ)にも(むすめ)にもまさる記念(きねん)のしるしと()とをあたへ (また)とこしへの()をたまふて(たゆ)ることなからしめん 6またヱホバにつらなりこれに(つか)へ ヱホバの()(あい)しその(しもべ)となり 安息日(あんそくにち)をまもりて(けが)すことなく(すべ)てわが契約(けいやく)をかたくまもる異邦人(ことくにびと)7(われ)これをわが聖山(きよきやま)にきたらせ わが(いのり)(いへ)のうちにて(たのし)ましめん かれらの燔祭(はんさい)犠牲(いけにへ)とはわが祭壇(さいだん)のうへに(をさ)めらるべし わが(いへ)はすべての(たみ)のいのりの(いへ)ととなへらるべければなり 8イスラエルの放逐(おひやら)れたるものを(あつ)めたまふ(しゆ)ヱホバのたまはく (われ)さらに(ひと)をあつめて(すで)にあつめられたる(もの)にくはへん 9野獸(ののけもの)よみなきたりてくらへ (はやし)にをるけものよ(みな)きたりてくらへ 10斥候(ものみ)はみな瞽者(めしひ)にしてしることなし みな(おふし)なる(いぬ)にして(ほゆ)ることあたはず みな(ゆめ)みるもの(ふし)ゐるもの(ねむ)ることをこのむ(もの)なり 11この(いぬ)はむさぼること(はなは)だしくして(あく)ことをしらず かれらは(さと)ることを()ざる牧者(ぼくしや)にして(みな)おのが(みち)にむかひゆき (いづ)れにをる(もの)もおのおの(おのれ)()をおもふ 12かれら(たがひ)にいふ(いで)われ(さけ)をたづさへきたらん われら濃酒(こきさけ)にのみあかん かくて明日(あす)もなほ今日(けふ)のごとく(おほい)にみち(たら)はせんと

第五十七章

1義者(ただしきもの)ほろぶれども(こころ)にとむる(ひと)なく (いつく)しみ(ふか)人々(ひとびと)とりさらるれども(ただし)きものの禍害(わざはひ)のまへより取去(とりさら)るるなるを(さと)るものなし 2かれは平安(やすき)にいり (なほ)きをおこなふ(もの)はその寐床(ふしど)にやすめり 3なんぢら巫女(みこ)() 淫人(たはれびと)また妓女(うかれめ)(すゑ)(ちかづ)ききたれ 4なんぢら(たれ)にむかひて(たはぶ)れをなすや (たれ)にむかひて(くち)をひらき(した)をのばすや なんぢらは悖逆(そむき)子輩(こら)いつはりの黨類(ともがら)にあらずや 5なんぢらは橿樹(かしのき)のあひだ(みど)りなる木々(きぎ)のしたに(こころ)をこがし (たに)のなか(いは)狹間(はざま)()をころせり 6なんぢは(たに)のなかの(なめら)かなる(いし)をうくべき嗣業(ゆづり)とし これをなんぢが所有(もちもの)とす なんぢ(また)これに灌祭(くわんさい)をなし(これ)にそなへものを(ささ)げたり われ(これ)によりていかで(こころ)をなだむべしや 7なんぢは(たか)くそびえたる(やま)(うへ)になんぢの(とこ)をまうけ かつ其處(そこ)にのぼりゆきて犠牲(いけにへ)をささげたり 8また()および(はしら)のうしろに(なんぢ)記念(きねん)をおけり なんぢ(われ)をはなれて他人(あだしびと)()をあらはし (のぼ)りゆきてその(とこ)をひろくし かれらと(ちかひ)をなし (また)かれらの(とこ)(あい)し これがためにその(ところ)をえらびたり 9なんぢ香膏(にほひあぶら)とおほくの薫物(かをりもの)とをたづさへて(わう)にゆき (また)なんぢの使者(つかひ)をとほきにつかはし陰府(よみ)にまで(おのれ)をひくくせり 10なんぢ(みち)のながきに(つか)れたれどなほ(のぞみ)なしといはず なんぢ(ちから)をいきかへされしによりて衰弱(おとろへ)ざりき 11なんぢ(たれ)をおそれ(たれ)のゆゑに(をのの)きていつはりをいひ (われ)をおもはず(また)そのことを(こころ)におかざりしや われ(ひさ)しく(もだ)したれど(なんぢ)かへりて(われ)をおそれざりしにあらずや 12(われ)なんぢの()をつげしめさん なんぢの(わざ)はなんぢに(えき)せじ 13なんぢ(よばは)るときその(あつ)めおきたるもの(なんぢ)をすくへ (かぜ)はかれらを(ことごと)くあげさり (いき)はかれらを(ふき)さらん (され)どわれに依賴(よりたの)むものは()をつぎわが聖山(きよきやま)をうべし 14また(ひと)いはん (つち)をもり(つち)をもりて(みち)をそなへよ わが(たみ)のみちより躓礙(つまづくもの)をとりされと 15至高(いとたか)至上(いとうへ)なる永遠(とこしへ)にすめるもの聖者(せいしや)となづくるもの如此(かく)いひ(たま)(われ)はたかき(ところ)きよき(ところ)にすみ (また)こころ(くだ)けてへりくだる(もの)とともにすみ (へりく)だるものの(れい)をいかし(くだ)けたるものの(こころ)をいかす 16われ(かぎり)なくは(あらそ)はじ(われ)たえずは(いか)らじ (しか)らずば(ひと)のこころ()がまへにおとろへん わが(つく)りたる(れい)はみな(しか)らん 17(かれ)のむさぼりの(つみ)により(われ)いかりて(これ)をうちまた(かほ)をおほひて(いか)りたり (しか)るになほ(もと)りて(おの)がこころの(みち)にゆけり 18されど(われ)その(みち)をみたり (われ)かれを(いや)すべし (また)かれを(みちび)きてふたたび安慰(なぐさめ)をかれとその(なか)のかなしめる(もの)とにかへすべし 19(われ)くちびるの()をつくれり (とほ)きものにも(ちか)きものにも平安(やすき)あれ平安(やすき)あれ (われ)かれをいやさん ()はヱホバのみことばなり 20(しか)はあれど惡者(あしきもの)はなみだつ(うみ)のごとし (しづ)かなること(あた)はずしてその(みづ)つねに(にごり)(ひぢ)とをいだせり 21わが(かみ)いひたまはく(あし)きものには平安(やすき)あることなしと

第五十八章

1(おほい)によばはりて(こゑ)ををしむなかれ (なんぢ)のこゑをラッパのごとくあげ わが(たみ)にその(とが)をつげヤコブの(いへ)にその(つみ)をつげしめせ 2かれらは日々(ひび)われを尋求(たづねもと)めわが(みち)をしらんことをこのむ ()をおこなひ(かみ)(のり)をすてざる(くに)のごとく(ただ)しき(のり)をわれにもとめ(かみ)相近(あひちか)づくことをこのめり 3かれらはいふ われら斷食(だんじき)するになんぢ()たまはず われら(こころ)をくるしむるになんぢ(しり)たまはざるは(なん)ぞやと ()よなんぢらの斷食(だんじき)()にはおのがこのむ(わざ)をなし その工人(はたらきびと)をことごとく(なや)めつかふ 4()よなんぢら斷食(だんじき)するときは(あひ)あらそひ(あひ)きそひ(あく)(こぶし)をもて(ひと)をうつ なんぢらの(いま)のだんじきはその(こゑ)をうへに(きこ)えしめんとにあらざるなり 5(かく)のごとき斷食(だんじき)はわが(よろこ)ぶところのものならんや かくのごときは(ひと)その靈魂(たましひ)をなやますの()ならんや その(かうべ)(よし)のごとくにふし麁服(あらたへ)(はひ)とをその(した)にしくをもて斷食(だんじき)()またヱホバに(いれ)らるる()ととなふべけんや 6わが(よろこ)ぶところの斷食(だんじき)はあくの(なは)をほどき (くびき)のつなをとき(しへた)げらるるものを(はな)ちさらしめ すべての(くびき)ををるなどの(こと)にあらずや 7また(うゑ)たる(もの)になんぢのパンを(わか)ちあたへ さすらへる貧民(まづしきもの)をなんぢの(いへ)にいれ(はだ)かなるものを()てこれに()せ おのが骨肉(こつにく)()をかくさざるなどの(こと)にあらずや 8しかる(とき)はなんぢのひかり(あかつき)(ごと)くにあらはれいで (なんぢ)すみやかに(いや)さるることを() なんぢの()はなんぢの(まへ)にゆき ヱホバの榮光(えいくわう)はなんぢの軍後(しんがり)となるべし 9また(なんぢ)よぶときはヱホバ(こた)へたまはん なんぢ(さけ)ぶときは(われ)ここに()りといひ(たま)はん/もし(なんぢ)のなかより(くびき)をのぞき指點(ゆびさし)をのぞき(あし)きことをかたるを(のぞ)10なんぢの靈魂(たましひ)(ほつ)するものをも(うゑ)たる(もの)にほどこし (くる)しむものの(こころ)滿足(みちたら)しめば なんぢの(ひかり)くらきにてりいで なんぢの(やみ)(ひる)のごとくならん 11ヱホバは(つね)になんぢをみちびき (かわ)けるところにても(なんぢ)のこころを滿足(みちたら)しめ なんぢの(ほね)をかたうし(たま)はん なんぢは(うるほ)ひたる(その)のごとく(みづ)のたえざる(いづみ)のごとくなるべし 12(なんぢ)よりいづる(もの)はひさしく荒廢(あれすた)れたる(ところ)をおこし なんぢは累代(よよ)やぶれたる(もとゐ)をたてん (ひと)なんぢをよびて破隙(やぶれ)をおぎなふ(もの)といひ 市街(ちまた)をつくろひてすむべき(ところ)となす(もの)といふべし 13もし安息日(あんそくにち)になんぢの歩行(あゆみ)をとどめ (わが)聖日(せいじつ)になんぢの(この)むわざをおこなはず 安息日(あんそくにち)をとなへて樂日(たのしみのひ)となし ヱホバの聖日(せいじつ)をとなへて(たふと)むべき()となし (これ)をたふとみて(おの)(みち)をおこなはず おのが(この)むわざをなさず おのが(ことば)をかたらずば 14その(とき)なんぢヱホバを(たの)しむべし ヱホバなんぢを()のたかき(ところ)にのらしめ なんぢが先祖(せんぞ)ヤコブの產業(さんげふ)をもて(なんぢ)をやしなひ(たま)はん こはヱホバ(みくち)より(かた)りたまへるなり

第五十九章

1ヱホバの(みて)はみぢかくして(すく)ひえざるにあらず その(みみ)はにぶくして(きこ)えざるにあらず 2(ただ)なんぢらの邪曲(よこしま)なる(わざ)なんぢらとなんぢらの(かみ)との(あひだ)をへだてたり (また)なんぢらの(つみ)その(みかほ)をおほひて(きこ)えざらしめたり 3そはなんぢらの()()にてけがれ なんぢらの(ゆび)はよこしまにて(けが)れ なんぢらのくちびるは虚僞(いつはり)をかたり なんぢらの(した)(あく)をささやき 4その一人(ひとり)だに正義(ただしき)をもてうつたへ眞實(まこと)をもて(あげつ)らふものなし (かれ)らは虚浮(むなしき)をたのみ虚僞(いつはり)をかたり ()しきくはだてをはらみ不義(ふぎ)をうむ 5かれらは(まむし)(たまご)をかへし蛛網(くものす)をおる その(たまご)をくらふものは(しぬ)るなり (たまご)もし(ふま)るればやぶれて毒蛇(どくじや)をいだす 6その()るところは(ころも)になすあたはず その(わざ)をもて()をおほふこと(あた)はず かれらの(わざ)はよこしまの(わざ)なり かれらの()には暴虐(あらび)のおこなひあり 7かれらの(あし)はあくにはしり(つみ)なき()をながすに(はや)し かれらの思念(おもひ)はよこしまの思念(おもひ)なり 殘害(やぶれ)滅亡(ほろび)とその路徑(みち)にのこれり 8(かれ)らは平穩(おだやか)なる(みち)をしらず その(すぐ)るところに公平(こうへい)なく(また)まがれる小徑(こみち)をつくる (すべ)てこれを(ふむ)ものは平穩(おだやか)をしらず 9このゆゑに公平(こうへい)はとほくわれらをはなれ正義(せいぎ)はわれらに追及(おひしか)ず われら(ひかり)をのぞめど(くらき)をみ 光輝(かがやき)をのぞめど(やみ)をゆく 10われらは瞽者(めしひ)のごとく(かき)をさぐりゆき()なき(もの)のごとく(さぐ)りゆき正午(ひる)にても日暮(たそがれ)のごとくにつまづき 強壯(すこやか)なる(もの)のなかにありても(しぬ)るもののごとし 11我儕(われら)はみな(くま)のごとくにほえ鴿(はと)のごとくに(いた)くうめき 審判(さばき)をのぞめどもあることなく (すくひ)をのぞめども(とほ)くわれらを(はな)12われらの(とが)はなんぢの(みまへ)におほく われらのつみは(あかし)してわれらを(うた)へ われらのとがは(われ)らとともに()り われらの邪曲(よこしま)なる(わざ)はわれら(みづか)らしれり 13われら(つみ)ををかしてヱホバを(すて)われらの(かみ)にはなれてしたがはず 暴虐(しひたげ)悖逆(そむき)とをかたり虚僞(いつはり)のことばを(こころ)にはらみて説出(ときいだ)すなり 14公平(こうへい)はうしろに退(しりぞ)けられ正義(せいぎ)ははるかに(たて)り そは 眞實(まこと)衢間(ちまた)にたふれ 正直(なほき)はいることを()ざればなり 15眞實(まこと)はかけてなく(あく)をはなるるものは(かす)めうばはる/ヱホバこれを()てその公平(こうへい)のなかりしを(よろこ)びたまはざりき 16ヱホバは(ひと)なきをみ中保(なかだち)なきを(あや)しみたまへり (かく)てその(かひな)をもてみづから(たす)け その()をもてみづから(ささへ)たまへり 17ヱホバ()をまとひて護胸(むねあて)とし(すくひ)をその(かしら)にいただきて(かぶと)となし (あた)をまとひて(ころも)となし 熱心(ねつしん)をきて外服(うはぎ)となしたまへり 18かれらの(わざ)にしたがひて(むくい)をなし(てき)にむかひていかり(あた)にむかひて(むくい)をなし また島々(しまじま)にむくいをなし(たま)はん 19西方(にしのかた)にてヱホバの(みな)をおそれ ()のいづる(ところ)にてその榮光(えいくわう)をおそるべし ヱホバは(ゐせ)ぎとめたる(かは)のその氣息(みいぶき)にふき(つひ)えたるがごとくに(きた)りたまふ(べけ)ればなり 20ヱホバのたまはく贖者(あがなふもの)シオンにきたりヤコブのなかの(とが)をはなるる(もの)につかんと 21ヱホバいひ(たまは)く なんぢの(うへ)にあるわが(みたま)なんぢの(くち)におきたるわがことばは (いま)よりのち永遠(とこしへ)になんぢの(くち)よりなんぢの(すゑ)(くち)より(なんぢ)のすゑの(すゑ)(くち)よりはなれざるべし わがかれらにたつる契約(けいやく)はこれなりと()はヱホバのみことばなり

第六十章

1(おき)よひかりを(はな)て なんぢの(ひかり)きたりヱホバの榮光(えいくわう)なんぢのうへに照出(てりいで)たればなり 2()よくらきは()をおほひ(やみ)はもろもろの(たみ)をおほはん されど(なんぢ)(うへ)にはヱホバ照出(てりいで)たまひてその榮光(えいくわう)なんぢのうへに(あら)はるべし 3もろもろの(くに)はなんぢの(ひかり)にゆき もろもろの(わう)はてり(いづ)るなんぢが光輝(かがやき)にゆかん 4なんぢの()をあげて環視(みまは)せ かれらは(みな)つどひて(なんぢ)にきたり (なんぢ)子輩(こら)はとほきより(きた)り なんぢの女輩(むすめら)はいだかれて(きた)らん 5そのときなんぢ()てよろこびの(ひかり)をあらはし なんぢの(こころ)おどろきあやしみ(かつ)ひろらかになるべし そは(うみ)(とみ)はうつりて(なんぢ)につき もろもろの(くに)貨財(たから)はなんぢに(きた)るべければなり 6おほくの駱駝(らくだ)ミデアンおよびエバのわかき駱駝(らくだ)なんぢの(なか)にあまねくみち シバのもろもろの(ひと)こがね乳香(にうかう)をたづさへきたりてヱホバの(ほまれ)をのべつたへん 7ケダルのひつじの(むれ)はみな(なんぢ)にあつまりきたり ネバヨテの牡羊(をひつじ)はなんぢに(つか)へ わが祭壇(さいだん)のうへにのぼりて受納(うけいれ)られん (かく)てわれわが榮光(えいくわう)(いへ)をかがやかすべし 8(くも)のごとくにとび(はと)のその(すみか)にとびかへるが(ごと)くしてきたる(もの)はたれぞ 9もろもろの(しま)はわれを俟望(まちのぞ)み タルシシのふねは首先(いやさき)になんぢの子輩(こら)をとほきより(のせ)きたり (また)かれらの金銀(きんぎん)をともにのせきたりてなんぢの(かみ)ヱホバの()にささげ イスラエルの聖者(せいしや)にささげん ヱホバなんぢを(かがや)かせたまひたればなり 10異邦人(ことくにびと)はなんぢの石垣(いしがき)をきづき かれらの王等(わうたち)はなんぢに(つか)へん そは(われ)いかりて(なんぢ)をうちしかどまた(めぐみ)をもて(なんぢ)(あはれ)みたればなり 11なんぢの(もん)はつねに(ひら)きて(よる)(ひる)もとざすことなし こは(ひと)もろもろの(くに)貨財(たから)をなんぢに(たづさ)へきたり その王等(わうたち)をひきゐ(きた)らんがためなり 12なんぢに(つか)へざる(くに)(たみ)とはほろび そのくにぐには(また)くあれすたるべし 13レバノンの(さかえ)はなんぢにきたり (まつ) (すぎ) 黄楊(つげ)はみな(とも)にきたりて()聖所(せいじよ)をかがやかさん われ(また)わが(あし)をおく(ところ)をたふとくすべし 14(なんぢ)(くる)しめたるものの子輩(こら)はかがみて(なんぢ)にきたり (なんぢ)をさげしめたる(もの)はことごとくなんぢの足下(あしもと)にふし (かく)(なんぢ)をヱホバの(みやこ)イスラエルの聖者(せいしや)のシオンととなへん 15なんぢ(さき)にはすてられ(にく)まれてその(なか)をすぐる(もの)もなかりしが (いま)はわれ(なんぢ)をとこしへの華美(はなやか)よよの歡喜(よろこび)となさん 16なんぢ(また)もろもろの(くに)(ちち)をすひ(わう)たちの乳房(ちぶさ)をすひ (しか)して(われ)ヱホバなんぢの救主(すくひぬし)なんぢの贖主(あがなひぬし)ヤコブの全能者(ぜんのうしや)なるを()るべし 17われ黄金(こがね)をたづさへきたりて赤銅(あかがね)にかへ 白銀(しろかね)をたづさへきたりて(くろがね)にかへ 赤銅(あかがね)()にかへ(くろがね)(いし)にかへ なんぢの施政者(つかさびと)をおだやかにし なんぢを(えき)するものを(ただし)うせん 18強暴(あらび)のこと(ふたた)びなんぢの()にきこえず 殘害(そこなひ)敗壞(やぶれ)とはふたたびなんぢの(さかひ)にきこえず (なんぢ)その石垣(いしがき)をすくひととなへ その(もん)(ほまれ)ととなへん 19(ひる)()ふたたびなんぢの(ひかり)とならず (つき)もまた(かがや)きてなんぢを(てら)さず ヱホバ永遠(とこしへ)になんぢの(ひかり)となり なんぢの(かみ)はなんぢの(さかえ)となり(たま)はん 20なんぢの()はふたたび(いら)ず なんぢの(つき)はかくることなかるべし そはヱホバ永遠(とこしへ)になんぢの(ひかり)となり (なんぢ)のかなしみの()(をは)るべければなり 21(なんぢ)(たみ)はことごとく義者(ただしきもの)となりてとこしへに()(つが)ん かれはわが(うゑ)たる樹株(こかぶ)わが()(わざ)わが榮光(えいくわう)をあらはす(もの)となるべし 22その(ちひさ)きものは(せん)となり その(よわ)きものは強國(つよきくに)となるべし われヱホバその(とき)いたらば(すみや)かにこの(こと)をなさん

第六十一章

1(しゆ)ヱホバの(みたま)われに(のぞ)めり こはヱホバわれに(あぶら)をそそぎて(まづし)きものに福音(ふくいん)をのべ(つた)ふることをゆだね (われ)をつかはして(こころ)(いた)める(もの)をいやし俘囚(とらはれびと)にゆるしをつげ (いまし)められたるものに解放(ときはなち)をつげ 2ヱホバのめぐみの(とし)とわれらの(かみ)刑罰(けいばつ)()とを(つげ)しめ (また)すべて(かなし)むものをなぐさめ 3(はひ)にかへ(かんむり)をたまひてシオンの(なか)のかなしむ(もの)にあたへ 悲哀(かなしみ)にかへて歡喜(よろこび)のあぶらを(あた)へ うれひの(こころ)にかへて讃美(さんび)(ころも)をかたへしめたまふなり かれらは()() ヱホバの(うゑ)たまふ(もの) その榮光(えいくわう)をあらはす(もの)ととなへられん 4彼等(かれら)はひさしく(あれ)たる(ところ)をつくろひ 上古(いにしへ)より(すた)れたる(ところ)をおこし (あれ)たる邑々(まちまち)をかされて(あたら)にし世々(よよ)すたれたる(ところ)をふたたび(たつ)べし 5外人(あだしびと)はたちてなんぢらの(むれ)をかひ 異邦人(ことくにびと)はなんぢらの(はた)をたがへす(もの)となり 葡萄(ぶだう)をつくる(もの)とならん 6(され)どなんぢらはヱホバの祭司(さいし)ととなへられ われらの(かみ)役者(つかへびと)とよばれ もろもろの(くに)(とみ)をくらひ かれらの(さかえ)をえて(みづか)らほこるべし 7(さき)にうけし(はぢ)にかへ(ばい)して賞賜(たまもの)をうけ凌辱(はづかしめ)にかへ嗣業(ゆづり)をえて(たのし)むべし (しか)してその()にありて(ばい)したる賞賜(たまもの)をたもち永遠(とこしへ)によろこびを()8われヱホバは公平(こうへい)をこのみ邪曲(よこしま)なるかすめごとをにくみ 眞實(まこと)をもて彼等(かれら)にむくいをあたへ 彼等(かれら)ととこしへの契約(けいやく)をたつべければなり 9かれらの(すゑ)はもろもろの(くに)のなかに(しら)れ かれらの子輩(こら)はもろもろの(たみ)のなかに(しら)れん すべてこれを()るものはそのヱホバの(しく)したまへる(すゑ)なるを(わきま)ふべし 10われヱホバを(おほい)によろこび わが靈魂(たましひ)はわが(かみ)をたのしまん そは(われ)にすくひの(ころも)をきせ()外服(うはぎ)をまとはせて 新郎(にひむこ)(かんむり)をいただき新婦(にひよめ)(たま)こがねの(かざり)をつくるが(ごと)くなしたまへばなり 11()(めざ)をいだし(はた)はまけるものを(しやう)ずるがごとく (しゆ)ヱホバは()(ほまれ)とをもろもろの(くに)のまへに(しやう)ぜしめ(たま)ふべし

第六十二章

1われシオンの()あさ()光輝(かがやき)のごとくにいで ヱルサレムの(すくひ)もゆる松火(たいまつ)のごとくになるまではシオンのために(もだ)さずヱルサレムのために(やす)まざるべし 2もろもろの(くに)はなんぢの()() もろもろの(わう)はみななんぢの(さかえ)をみん (かく)てなんぢはヱホバの(くち)にて(さだ)(たま)(あたら)しき()をもて(とな)へらるべし 3また(なんぢ)はうるはしき(かんむり)のごとくヱホバの()にあり (わう)(かんむり)のごとくなんぢの(かみ)のたなごころにあらん 4(ひと)ふたたび(なんぢ)をすてられたる(もの)といはず (ふたた)びなんぢの()をあれたる(もの)といはじ (かへり)てなんぢをヘフジバ(わが(よろこ)ぶところ)ととなへ なんぢの()をベウラ(配偶(はいぐう))ととなふべし そはヱホバなんぢをよろこびたまふ なんぢの()配偶(はいぐう)をえん 5わかきものの處女(をとめ)をめとる(ごと)くなんぢの子輩(こら)はなんぢを(めと)らん 新郎(にひむこ)新婦(にひよめ)をよろこぶごとくなんぢの(かみ)なんぢを(よろこ)びたまふべし 6ヱルサレムよ(われ)なんぢの石垣(いしがき)のうへに斥候(ものみ)をおきて終日(ひねもす)終夜(よもすがら)たえず(もだ)すことなからしむ なんぢらヱホバに記念(きねん)したまはんことを(もと)むるものよ (みづか)らやすむなかれ 7ヱホバ、ヱルサレムをたてて全地(ぜんち)(ほまれ)をえしめ(たま)ふまでは(やす)(まつ)るなかれ 8ヱホバその右手(みぎのて)をさしその大能(たいのう)(かひな)をさし(ちか)ひて宣給(のたまは)く われ(ふたた)びなんぢの五穀(たなつもの)をなんぢの(てき)にあたへて(くら)はせず 異邦人(ことくにびと)はなんぢが(らう)したる(さけ)をのまざるべし 9収穫(かりいれ)せしものは(これ)をくらひてヱホバを(ほめ)たたへ 葡萄(ぶだう)をあつめし(もの)はわが聖所(せいじよ)(には)にて(これ)をのむべし 10(もん)よりすすみゆけ(すす)みゆけ (たみ)(みち)をそなへ(つち)をもり(つち)をもりて大路(おほぢ)をまうけよ (いし)をとりのぞけ もろもろの(たみ)(はた)をあげて(しめ)11ヱホバ()(はて)にまで(つげ)てのたまはく 汝等(なんぢら)シオンの(むすめ)にいへ ()よなんぢらの(すくひ)きたる ()(しゆ)(みて)にその恩賜(たまもの)あり はたらきの(あたひ)はその(まへ)にあり 12(しか)してかれらはきよき(たみ)またヱホバにあがなはれたる(もの)ととなへられん なんぢは(ひと)にもとめ(たづね)らるるもの(すて)られざる(まち)ととなへらるべし

第六十三章

1このエドムよりきたり緋衣(あかきころも)をきてボヅラよりきたる(もの)はたれぞ その服飾(よそほひ)はなやかに(おほい)なる能力(ちから)をもて(いかめ)しく(あゆ)みきたる(もの)はたれぞ これは()をもてかたり(おほい)にすくひをほどこす(われ)なり 2なんぢの服飾(よそほひ)はなにゆゑに(あか)くなんぢの(ころも)はなにゆゑに酒榨(さかぶね)をふむ(もの)とひとしきや 3(われ)はひとりにて酒榨(さかぶね)をふめり もろもろの(たみ)のなかに(われ)とともにする(もの)なし われ(いかり)によりて彼等(かれら)をふみ忿恚(いきどほり)によりてかれらを(ふみ)にじりたれば かれらの()わが(ころも)にそそぎわが服飾(よそほひ)をことごとく(けが)したり 4そは刑罰(けいばつ)()わが(こころ)(うち)にあり 救贖(あがなひ)(とし)すでにきたれり 5われ()てたすくる(もの)なく(ささふ)(もの)なきを(あや)しめり この(ゆゑ)にわが(かひな)われをすくひ(わが)いきどほり(われ)をささへたり 6われ(いかり)によりてもろもろの(たみ)をふみおさへ 忿恚(いきどほり)によりてかれらを(ゑは)しめ かれらの()()(なが)れしめたり 7われはヱホバのわれらに(ほどこ)したまへる各種(もろもろ)のめぐみとその(ほまれ)とをかたりつげ (また)その憐憫(あはれみ)にしたがひ(その)おほくの恩惠(めぐみ)にしたがひてイスラエルの(いへ)にほどこし(たま)ひたる(おほい)なる恩寵(めぐみ)をかたり(つげ)8ヱホバいひたまへり (まこと)にかれらはわが(たみ)なり 虚僞(いつはり)をせざる子輩(こら)なりと (かく)てヱホバはかれらのために救主(すくひぬし)となりたまへり 9かれらの艱難(なやみ)のときはヱホバもなやみ(たま)ひてその面前(みまへ)使(つかひ)をもて彼等(かれら)をすくひ その(あい)とその憐憫(あはれみ)とによりて彼等(かれら)をあがなひ彼等(かれら)をもたげ昔時(いにしへ)()つねに彼等(かれら)をいだきたまへり 10(しか)るにかれらは(もと)りてその(きよき)(みたま)をうれへしめたる(ゆゑ)にヱホバ翻然(ひるがへり)かれらの(あた)となりて(みづか)らこれを(せめ)たまへり 11(ここ)にその(たみ)いにしへのモーセの()をおもひいでて(いひ)けるは かれらとその(むれ)牧者(ぼくしや)とを(うみ)より(たづさ)へあげし(もの)はいづこにありや 彼等(かれら)のなかに(きよき)(みたま)をおきしものは何處(いづこ)にありや 12榮光(えいくわう)のかひなをモーセの(みぎ)にゆかしめ 彼等(かれら)のまへに(みづ)をさきて(みづか)らとこしへの()をつくり 13彼等(かれら)をみちびきて(むま)()をはしるがごとく(つまづ)かで(ふち)をすぎしめたりし(もの)はいづこに()りや 14(たに)にくだる家畜(けだもの)(ごと)くにヱホバの(みたま)かれらをいこはせ(たま)へり (しゆ)よなんぢは(かく)おのれの(たみ)をみちびきて榮光(えいくわう)()をつくり(たま)へり 15ねがはくは(てん)より俯觀(ふしみそ)なはし その榮光(えいくわう)あるきよき居所(すみか)より()たまへ なんぢの熱心(ねつしん)となんぢの大能(ちから)あるみわざとは(いま)いづこにありや なんぢの(せち)なる仁慈(いつくしみ)憐憫(あはれみ)とはおさへられて(われ)にあらはれず 16(なんぢ)はわれらの(ちち)なり アブラハムわれらを(しら)ず イスラエルわれらを(みと)めず されどヱホバよ(なんぢ)はわれらの(ちち)なり 上古(いにしへ)よりなんぢの(みな)をわれらの贖主(あがなひぬし)といへり 17ヱホバよ何故(なにゆゑ)にわれらをなんぢの(みち)より(はな)れまどはしめ我儕(われら)のこころを頑固(かたくな)にして(なんぢ)(おそ)れざらしめたまふや (ねがは)くはなんぢの僕等(しもべら)のためになんぢの產業(さんげふ)なる支派(やから)のために(かへ)りたまへ 18(なんぢ)のきよきたみ()をえて(ひさ)しからざるにわれらの(てき)なんぢの聖所(せいじよ)をふみにじれり 19我儕(われら)はなんぢに上古(いにしへ)より(をさ)められざる(もの)のごとく なんぢの(みな)をもて(となへ)られざる(もの)のごとくなりぬ

第六十四章

1(ねがは)くはなんぢ(てん)(さき)てくだり(たま)へ なんぢのみまへに山々(やまやま)ふるひ(うご)かんことを 2()(しば)をもやし()(みづ)(わか)すがごとくして(くだ)りたまへ かくて(みな)をなんぢの(てき)にあらはし もろもろの(くに)をなんぢのみまへに戰慄(ふるひをのの)かしめたまへ 3(なんぢ)われらが逆料(はかり)あたはざる(おそ)るべき(こと)をおこなひ(たま)ひしときに(くだ)りたまへり 山々(やまやま)はその(まへ)にふるひうごけり 4上古(いにしへ)よりこのかた(なんぢ)のほかに(いか)なる(かみ)ありて俟望(まちのぞ)みたる(もの)にかかる(こと)をおこなひしや いまだ(きか)ず いまだ(みみ)にいらず いまだ()にみしことなし 5(なんぢ)はよろこびて()をおこなひなんぢの(みち)にありてなんぢを紀念(きねん)するものを(むか)へたまふ ()よなんぢ(いか)りたまへり われらは(つみ)ををかせり かかる(さま)なること(すで)にひさし 我儕(われら)いかで(すく)はるるを()んや 6我儕(われら)はみな(きよ)からざる(もの)のごとくなり われらの()はことごとく(けが)れたる(ころも)のごとし 我儕(われら)はみな木葉(このは)のごとく()れ われらのよこしまは暴風(はやち)のごとく(われ)らを吹去(ふきさ)れり 7なんぢの()をよぶ(もの)なく みづから(はげ)みて(なんぢ)によりすがる(もの)なし なんぢ(みかほ)をおほひてわれらを(かへり)みたまはず われらが邪曲(よこしま)をもてわれらを消失(きえう)せしめたまへり 8されどヱホバよ(なんぢ)はわれらの(ちち)なり われらは泥塊(つちくれ)にしてなんぢは陶工(すゑつくり)なり (われ)らは(みな)なんぢの御手(みて)のわざなり 9ヱホバよいたく(いか)りたまふなかれ (なが)くよこしまを記念(きねん)したまふなかれ (ねがは)くは(かへり)みたまへ 我儕(われら)はみななんぢの(たみ)なり 10(なんぢ)のきよき諸邑(まちまち)()となりシオンは()となりヱルサレムは荒廢(あれすた)れたり 11(われ)らの先祖(せんぞ)(なんぢ)(ほめ)たたへたる榮光(えいくわう)ある我儕(われら)のきよき(みや)()にやかれ 我儕(われら)のしたひたる(ところ)はことごとく(あれ)はてたり 12ヱホバよこれらの(こと)あれども(なんぢ)なほみづから(おさ)へたまふや なんぢなほ(もだ)してわれらに(ふか)くくるしみを(うけ)しめたまふや

第六十五章

1(われ)はわれを(もと)めざりしものに(とひ)もとめられ (われ)をたづねざりしものに見出(みいだ)され わが()をよばざりし(くに)にわれ(いへ)らく われは(ここ)にあり(われ)はここに(あり)2(よか)らぬ(みち)をあゆみおのが思念(おもひ)にしたがふ(もと)れる(たみ)をひねもす()をのべて(まね)けり 3この(たみ)はまのあたり(つね)にわが(いかり)をひき (その)のうちにて犠牲(いけにへ)をささげ (かはら)(だん)にて(かう)をたき 4(はか)のあひだにすわり隱密(ひそか)なる(ところ)にやどり (ゐのこ)(にく)をくらひ(にく)むべきものの(あつもの)をその器皿(うつはもの)にもりて 5(ひと)にいふなんぢ其處(そこ)にたちて(われ)にちかづくなかれ そは(われ)なんぢよりも(きよ)しと (かれ)らはわが(はな)のけぶり終日(ひねもす)もゆる()なり 6()よこの(こと)わが(まへ)にしるされたり われ(もだ)さずして(むく)いかへすべし (かなら)ずかれらの懷中(ふところ)(むく)いかへすべし 7ヱホバいひ(たまは)く なんぢらの邪曲(よこしま)となんぢらが列祖(せんぞたち)のよこしまとはともに(むく)いかへすべし かれらは山上(やまのうへ)にて(かう)をたき(をか)のうへにて(われ)(けが)ししがゆゑに (われ)まづその(わざ)をはかりてその懷中(ふところ)にかへすべし 8ヱホバ如此(かく)いひたまふ (ひと)ぶだうのなかに(しる)あるを()ばいはん これを(やぶ)るなかれ福祉(さいはひ)その(なか)にあればなりと (われ)わが僕等(しもべら)のために如此(かく)おこなひてことごとくは(やぶ)らじ 9ヤコブより一裔(ひとつのすゑ)をいだしユダよりわれ山々(やまやま)をうけつぐべき(もの)をいださん わが(えら)みたる(もの)はこれをうけつぎ(われ)がしもべらは彼處(かしこ)にすむべし 10シヤロンは(ひつじ)のむれの牧場(まきば)となりアコルの(たに)はうしの(むれ)のふす(ところ)となりて(われ)をたづねもとめたるわが(たみ)(もの)とならん 11(され)どなんぢらヱホバを(すて)わがきよき(やま)をわすれ (つくゑ)をガド(禍福(くわふく)(かみ))にそなへ雜合(まぜあは)せたる(さけ)をもりてメニ(運命(うんめい)(かみ))にささぐる(もの)12われ(なんぢ)らを(つるぎ)にわたすべく(さだ)めたり なんぢらは(みな)かがみて(ほふ)らるべし 汝等(なんぢら)はわが(よび)しときこたへず わが(かた)りしとききかず わが()にあしき(こと)をおこなひ わが(この)まざりし(こと)をえらみたればなり 13このゆゑに(しゆ)ヱホバかく(いひ)(たま)ふ わが僕等(しもべら)はくらへども汝等(なんぢら)はうゑ わが僕等(しもべら)はのめども汝等(なんぢら)はかわき (わが)しもべらは(よろこ)べどもなんぢらははぢ 14わが僕等(しもべら)はこころ(たのし)きによりて(うた)うたへども汝等(なんぢら)はこころ(かなし)きによりて(さけ)び また靈魂(たましひ)うれふるによりて(なき)(さけ)ぶべし 15なんぢらが遺名(のこすな)はわが(えら)みたるものの呪詛(のろひ)(りやう)とならん (しゆ)ヱホバなんぢらを(ころ)したまはん (され)どおのれの僕等(しもべら)をほかの()をもて(よび)たまふべし 16(かか)るがゆゑに()にありて(おのれ)のために福祉(さいはひ)をねがふものは眞實(しんじつ)(かみ)にむかひて福祉(さいはひ)をもとめ ()にありて(ちか)ふものは眞實(しんじつ)(かみ)をさして(ちか)ふべし さきの困難(なやみ)(わす)れられてわが()よりかくれ(うせ)たるに()17()よわれ(あたら)しき(てん)とあたらしき()とを創造(さうざう)(ひと)さきのものを記念(きねん)することなく(これ)をその(こころ)におもひ(いづ)ることなし 18(され)どなんぢらわが創造(さうざう)する(もの)によりて永遠(とこしへ)にたのしみよろこべ ()よわれはヱルサレムを(つく)りてよろこびとしその(たみ)快樂(たのしみ)とす 19われヱルサレムを(よろこ)びわが(たみ)をたのしまん (しか)して泣聲(なくこゑ)とさけぶ(こゑ)とはふたたびその(なか)にきこえざるべし 20日數(ひかず)わづかにして(しぬ)嬰兒(みどりご)といのちの()をみたさざる老人(としより)とはその(なか)にまたあることなかるべし 百歳(ひやくさい)にて(しぬ)るものも(なほ)わかしとせられ 百歳(ひやくさい)にて(しぬ)るものを(のろは)れたる罪人(つみびと)とすべし 21かれら(いへ)をたてて(これ)にすみ葡萄園(ぶだうぞの)をつくりてその()をくらふべし 22かれらが(たつ)るところにほかの(ひと)すまず かれらが(つく)るところの()はほかの(ひと)くらはず そはわが(たみ)のいのちは()(いのち)(ごと)()がえらみたる(もの)はその()(わざ)ふるびうするとも(ながら)ふべければなり 23かれらの勤勞(はたらき)はむなしからず その(うむ)ところの(もの)はわざはひにかからず 彼等(かれら)はヱホバの福祉(さいはひ)をたまひしものの(すゑ)にしてその子輩(こら)もあひ(とも)にをる(べけ)ればなり 24かれらが(よば)ざるさきにわれこたへ (かれ)らが(かた)りをへざるに(われ)きかん 25豺狼(おほかみ)とこひつじと食物(くひもの)をともにし (しし)(うし)のごとく(わら)をくらひ (へび)はちりを(かて)とすべし (かく)てわが聖山(きよきやま)のいづこにても(そこな)ふことなく(やぶ)ることなからん これヱホバの聖言(みことば)なり

第六十六章

1ヱホバ如此(かく)いひたまふ (てん)はわが(くらゐ)()はわが足臺(あしだい)なり なんぢら(わが)がために如何(いか)なる(いへ)をたてんとするか (また)いかなる(ところ)かわが休憩(やすみ)()とならん 2ヱホバ宣給(のたまは)(わが)()はあらゆる此等(これら)のものを(つく)りてこれらの(もの)ことごとく()れり (われ)はただ(くる)しみまた(こころ)をいため()がことばを(おそ)れをののくものを(かへり)みるなりと 3(うし)をほふるものは(ひと)をころす(もの)のごとく (こひつじ)犠牲(いけにへ)とするものは(いぬ)をくびりころす(もの)のごとく 祭物(そなへもの)をささぐるものは(ゐのこ)()をささぐる(もの)のごとく (かう)をたくものは偶像(ぐうざう)をほむる(もの)のごとし 彼等(かれら)はおのが(みち)をえらみその(こころ)ににくむべき(もの)をたのしみとせり 4(われ)もまた災禍(わざはひ)をえらびて彼等(かれら)にあたへ その(おそ)るるところの(こと)(かれ)らに(のぞ)ましめん そは(われ)よびしとき(こた)ふるものなく(われ)かたりしとき(きく)ことをせざりき わが()にあしき(こと)をおこなひわが(この)まざる(こと)をえらみたればなり 5なんぢらヱホバの(ことば)をおそれをののく(もの)よヱホバの(ことば)をきけ なんぢらの兄弟(きやうだい)なんぢらを(にく)みなんぢらをわが()のために逐出(おひいだ)していふ (ねがは)くはヱホバその榮光(えいくわう)をあらはして我儕(われら)になんぢらの歡喜(よろこび)()せしめよと (され)どかれらは(はぢ)をうけん 6騒亂(さわぎみだる)るこゑ(まち)よりきこえ(こゑ)ありて(みや)よりきこゆ ()はヱホバその(あた)にむくいをなしたまふ(こゑ)なり 7シオンは(うみ)のなやみを(しら)ざるさきに(うみ) その劬勞(くるしみ)きたらざるさきに男子(なんし)をうみいだせり 8()がかかる(こと)をききしや()がかかる(たぐひ)をみしや (ひとつ)(くに)はただ一日(ひとひ)のくるしみにて(なる)べけんや (ひと)つの國民(くにびと)一時(ひととき)にうまるべけんや (され)どシオンはくるしむ()もなく(ただち)にその子輩(こら)をうめり 9ヱホバ(いひ)(たまは)く われ(うみ)にのぞましめしに(いか)でうまざらしめんや なんぢの(かみ)いひたまはく (われ)はうましむる(もの)なるにいかで(たい)をとざさんや 10ヱルサレムを(あい)するものよ(みな)かれとともに(よろこ)べ かれの(ゆゑ)をもてたのしめ (かれ)のために(かなし)めるものよ(みな)かれとともに(よろこ)びたのしめ 11そはなんぢら()をすふ(ごと)くヱルサレムの安慰(なぐさめ)をうけて(あく)ことを()ん また()をしぼるごとくその(ゆたか)なる(さかえ)をうけておのづから(こころ)さわやかならん 12ヱホバ如此(かく)いひたまふ ()よわれ(かは)のごとく(かれ)平康(やすき)をあたへ (みな)ぎる(ながれ)のごとく(かれ)にもろもろの(くに)(さかえ)をあたへん (しか)して汝等(なんぢら)これをすひ()におはれ(ひざ)におかれて(たの)しむべし 13(はは)のその()をなぐさむるごとく(われ)もなんぢらを(なぐさ)めん なんぢらはヱルサレムにて安慰(なぐさめ)をうべし 14なんぢら()(こころ)よろこばん なんぢらの(ほね)若草(わかくさ)のさかゆるごとくだるべし ヱホバの()はその僕等(しもべら)にあらはれ(また)その(あた)をはげしく(いか)りたまはん 15()よヱホバは火中(ひのなか)にあらはれて(きた)りたまふその 車輦(みくるま)ははやちのごとし (はげ)しき威勢(いきほひ)をもてその(いかり)をもらし()のほのほをもてその(せめ)をほどこし(たま)はん 16ヱホバは()をもて(つるぎ)をもてよろづの(ひと)(つみな)ひたまはん ヱホバに刺殺(さしころ)さるるもの(おほ)かるべし 17ヱホバ宣給(のたまは)く みづからを(きよ)くしみづからを(わか)ちて(その)にゆき その(うち)にある()(ざう)にしたがひ (ゐのこ)(にく)けがれたる(もの)および(ねずみ)をくらふ(もの)はみな(とも)にたえうせん 18(われ)かれらの作爲(わざ)とかれらの思念(おもひ)とをしれり (とき)きたらばもろもろの國民(くにびと)ともろもろの(やから)とをあつめん 彼等(かれら)きたりてわが榮光(えいくわう)をみるべし 19(われ)かれらのなかに(ひと)つの休徴(しるし)をたてて(のが)れたる(もの)をもろもろの(くに)すなはちタルシシよく(ゆみ)をひくブル、ルデおよびトバル、ヤワン(また)わが聲名(きこえ)をきかずわが榮光(えいくわう)をみざる(はるか)かなる諸島(しまじま)につかはさん 彼等(かれら)はわが榮光(えいくわう)をもろもろの(くに)にのべつたふべし 20ヱホバいひ(たま)ふ かれらはイスラエルの子輩(こら)がきよき(うつは)にそなへものをもりてヱホバの(いへ)にたづさへきたるが(ごと)く なんぢらの兄弟(きやうだい)をもろもろの(くに)(なか)よりたづさへて(むま) (くるま) (かご) () 駱駝(らくだ)にのらしめ わが聖山(きよきやま)ヱルサレムにきたらせてヱホバの祭物(そなへもの)とすべし 21ヱホバいひ(たま)(われ)また彼等(かれら)のうちより(ひと)をえらびて祭司(さいし)としレビ(びと)とせんと 22ヱホバ宣給(のたまは)く わが(つく)らんとする(あたら)しき(てん)とあたらしき()とわが(まへ)にながくとどまる(ごと)く なんちの(すゑ)となんぢの()はながくとどまらん 23ヱホバいひ(たま)新月(しんげつ)ごとに安息日(あんそくにち)ごとによろづの(ひと)わが(まへ)にきたりて崇拜(をがみ)をなさん 24かれら(いで)てわれに(そむ)きたる(ひと)(かばね)をみん その(うじ)しなずその()きえず よろづの(ひと)にいみきらはるべし