ホセア書

第一章

1これユダの(わう)ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの()イスラエルの(わう)ヨアシの()ヤラベアムの()にベエリの()ホセアに(のぞ)めるヱホバの(ことば)なり 2ヱホバはじめホセアによりて(かた)りたまへる(とき)ヱホバ、ホセアに(のたま)はく(なんぢ)ゆきて淫行(いんかう)婦人(をんな)(めと)淫行(いんかう)子等(こら)()れ この(くに)ヱホバに(とほ)ざかりてはなはだしき淫行(いんかう)をなせばなり 3(ここ)において(かれ)ゆきてデブライムの女子(むすめ)ゴメルを(つま)(めと)りけるがその(をんな)はらみて男子(なんし)(うめ)4ヱホバまた(かれ)にいひ(たま)ひけるは(なんぢ)その()をヱズレルと(なづ)くべし 暫時(しばらく)ありて(われ)ヱズレルの()をヱヒウの(いへ)(むく)いイスラエルの(いへ)(くに)をほろぼすべければなり 5その()われヱズレルの(たに)にてイスラエルの(ゆみ)(をる)べしと 6ゴメルまた(はら)みて女子(によし)(うみ)ければヱホバ、ホセアに(いひ)たまひけるは(なんぢ)その()をロルマハ((あはれ)まれぬ(もの))と(なづ)くべしそは(われ)もはやイスラエルの(いへ)をあはれみて(ゆる)すが(ごと)きことを()ざるべければなり 7(され)どわれユダの(いへ)をあはれまん その(かみ)ヱホバによりて(これ)をすくはん (われ)(ゆみ)(つるぎ)戰爭(いくさ)(むま)騎兵(きへい)などによりてすくふことをせじ 8ロルハマ()をやめゴメルまた(はら)みて男子(なんし)(うみ)けるに 9ヱホバ(いひ)たまひけるはその()()をロアンミ((わが)(たみ)(あら)ざる(もの))と(なづ)くべし ()(なんぢ)らは(わが)(たみ)にあらず(われ)(なんぢ)らの(かみ)(あら)ざればなり 10(され)どイスラエルの子孫(しそん)(かず)(はま)沙石(いさご)のごとくに(なり)ゆきて(はか)ることも(かぞ)ふる(こと)()しがたく(まへ)になんぢらわが(たみ)にあらずと(いは)れしその(ところ)にて(なんぢ)らは(いける)(かみ)()なりと(いは)れんとす 11(かく)てユダの子孫(しそん)とイスラエルの子孫(しそん)(とも)(あつま)一人(ひとり)(をさ)をたててその()より(のぼ)(きた)らん ヱズレルの()(おほい)なるべし

第二章

1(なんぢ)らの兄弟(きやうだい)(むか)ひてはアンミ(わが(たみ))と()(なんぢ)らの姉妹(しまい)にむかひてはルハマ((あはれ)まるる(もの))と()2なんぢらの(はは)とあげつらへ論辨(あげつら)ふことをせよ(かれ)はわが(つま)にあらず(われ)はかれの(をつと)にあらざるなりなんぢら(かく)してかれにその(かほ)より淫行(いんかう)(のぞ)かせその乳房(ちぶさ)(あひだ)より姦淫(かんいん)をのぞかしめよ 3(しか)らざれば(われ)かれを(はぎ)(あか)(はだか)にしその(うま)れいでたる()のごとくにしまた荒野(あれの)のごとくならしめ(うるほ)ひなき()のごとくならしめ(かわき)によりて(しな)しめん 4(われ)その子等(こら)(あはれ)まじ淫行(いんかう)子等(こら)なればなり 5かれらの(はは)淫行(いんかう)をなせりかれらを(うめ)(もの)(はづ)べき(こと)をおこなへり(そは)かれいへる(こと)あり(われ)はわが戀人(こひびと)(たち)につきしたがはん(かれ)らはわがパンわが(みづ)わが羊毛(ひつじのけ)わが(あさ)わが(あぶら)わが飮物(のみもの)などを(われ)(あた)ふるなりと 6この(ゆゑ)にわれ荊棘(いばら)をもてなんぢの(みち)をふさぎ(かき)をたてて(かれ)にその(みち)をえざらしむべし 7(かれ)はその戀人(こひびと)たちの(あと)をしたひゆけども追及(おひしく)ことなく(これ)をたづぬれども(あふ)ことなし(ここ)において(かれ)いはん(われ)ゆきてわが(まへ)(をつと)にかへるべしかのときのわが状態(ありさま)(いま)にまさりて(よか)りきと 8(かれ)()穀物(こくもつ)(さけ)(あぶら)はわが(あた)ふるところ(かれ)がバアルのために(もち)ゐたる金銀(きんぎん)はわが(かれ)(まし)あたへたるところなるを(かれ)はしらざるなり 9これによりて(われ)わが穀物(こくもつ)をその(とき)におよびて(うば)ひわが(さけ)をその()にいたりてうばひ(また)かれの裸體(はだか)をおほふに(もち)ゆべきわが羊毛(ひつじのけ)およびわが(あさ)をとらん 10(いま)われかれの(はづ)るところをその戀人(こひびと)()()のまへに(あらは)すべし(かれ)をわが()より(すく)ふものあらじ 11(われ)かれがすべての喜樂(たのしみ)すなはち祝筵(しくえん)新月(しんげつ)のいはひ安息日(あんそくにち)および一切(すべて)節會(せちゑ)をして(やま)しめん 12また(かれ)葡萄(ぶだう)()無花果(いちじくの)()をそこなはん(かれ)さきに(これ)()をさしてわが戀人(こひびと)(われ)にあたへし賞賜(たまもの)なりと(いひ)しがわれこれを(はやし)となし()(けもの)をしてくらはしめん 13われかれが(みみ)()(くび)(だま)などを(かけ)てその戀人(こひびと)らをしたひゆき(われ)をわすれ(かう)をたきて(つか)へしもろもろのバアルの()のゆゑをもてその(つみ)(ばつ)せんヱホバかく(いひ)たまふ 14(かか)るがゆゑに(われ)かれを(いざな)ひて荒野(あれの)にみちびきいり(つひ)にかれの(こころ)をなぐさめ 15かしこを(いづ)るや(ただ)ちにわれかれにその葡萄園(ぶだうばたけ)(あた)へアコル(艱難(なやみ))の(たに)(のぞみ)(もん)となしてあたへん(かれ)はわかかりし(とき)のごとくエジプトの(くに)より(のぼ)りきたりし(とき)のごとくかしこにて(うた)うたはん 16ヱホバ(いひ)たまふその()にはなんぢ(われ)をふたたびバアリとよばずしてイシ((わが)(をつと))とよばん 17(われ)もろもろのバアルの()をかれが(くち)よりとりのぞき(かさ)ねてその()()記憶(きおく)せらるること(なか)らしめん 18その()には(われ)かれら(我民(わがたみ))のために()(けもの)そらの(とり)および()昆蟲(はふもの)誓約(ちかひ)をむすびまた弓箭(ゆみや)ををり戰爭(いくさ)(ぜん)世界(せかい)よりのぞき(かれ)らをして(やす)らかに(をら)しむべし 19われ(なんぢ)をめとりて永遠(とこしへ)にいたらん公義(ただしき)公平(おほやけ)寵愛(いつくしみ)憐憫(あはれみ)とをもてなんぢを(めと)20かはることなき眞實(まこと)をもて(なんぢ)をめとるべし(なんぢ)ヱホバをしらん 21ヱホバいひ(たま)ふその()われ(こた)へん(われ)(てん)にこたへ(てん)()にこたへ 22()穀物(こくもつ)(さけ)(あぶら)とに(こた)へまた是等(これら)のものはヱズレルに(こた)へん 23(われ)わがためにかれを()にまき(あはれ)まれざりし(もの)をあはれみわが(たみ)ならざりし(もの)にむかひて(なんぢ)はわが(たみ)なりといはんかれらは(われ)にむかひて(なんぢ)はわが(かみ)なりといはん

第三章

1ヱホバわれに(いひ)(たま)ひけるは(なんぢ)ふたたび(ゆき)てヱホバに(あい)せらるれども(かへ)りてほかのもろもろの(かみ)にむかひ葡萄(ぶだう)菓子(くわし)(あい)するイスラエルの子孫(しそん)のごとく そのつれそふものに(あい)せらるれども姦淫(かんいん)をおこなふ婦人(をんな)をあいせよ 2われ(ぎん)十五(まい)おほむぎ一ホメル(はん)をもてわが(ため)にその婦人(をんな)をえたり 3(われ)これにいひけるは(なんぢ)おほくの()わがためにとどまりて淫行(いんかう)をなすことなく(ほか)(ひと)にゆくことなかれ (われ)もまた(なんぢ)にむかひて(しか)せん 4イスラエルの子輩(こら)(おほ)くの()(わう)なく(きみ)なく犠牲(いけにへ)なく(しるしの)(はしら)なくエボデなくテラビムなくして()らん 5その(のち)イスラエルの子輩(こら)はかへりてその(かみ)ヱホバとその(わう)ダビデをたづねもとめ(すゑの)()にをののきてヱホバとその恩惠(めぐみ)とにむかひてゆかん

第四章

1イスラエルの子輩(こら)よヱホバの(ことば)()けヱホバこの()(すめ)(もの)爭辨(あらそひ)たまふ()此地(このち)には誠實(まこと)なく愛情(いつくしみ)なく(かみ)()(こと)なければなり 2ただ(のろひ)(いつはり)凶殺(ひとごろし)(ぬすみ)姦淫(かんいん)のみにして(たがひ)(あひ)(おそ)()()につづき(なが)3このゆゑにその()うれひにしづみ(これ)にすむものはみな()のけもの(そら)のとりとともにおとろへ(うみ)(うを)もまた(たえ)はてん 4されど何人(なにびと)もあらそふべからずいましむ(べか)らず(なんぢ)(たみ)祭司(さいし)(あらそ)(もの)(ごと)くなれり 5(なんぢ)(ひる)つまづき(なんぢ)(とも)なる預言者(よげんしや)(よる)つまづかん(われ)なんぢの(はは)(ほろぼ)すべし 6わが(たみ)知識(ちしき)なきによりて(ほろぼ)さるなんぢ知識(ちしき)()つるによりて(われ)もまた(なんぢ)()ててわが祭司(さいし)たらしめじ(なんぢ)おのが(かみ)律法(おきて)(わす)るるによりて(われ)もなんぢの子等(こら)(わす)れん 7(かれ)らは(おほい)なるにしたがひてますます(われ)(つみ)(をか)せば(われ)かれらの(さかえ)(はぢ)(かへ)8(かれ)らはわが(たみ)(つみ)をくらひ(こころ)をかたむけてその(つみ)ををかすを(ねが)へり 9このゆゑに(たみ)()ふところは祭司(さいし)もまた(おな)じわれその(みち)をかれらにきたらせその行爲(わざ)をもて(これ)にむくゆべし 10かれらは(くら)へども(あか)淫行(いんかう)をなせどもその(かず)まさずその(こころ)をヱホバにとむることを(やむ)ればなり 11淫行(いんかう)(さけ)(あたら)しき(さけ)はその(ひと)(こころ)をうばふ 12わが(たみ)()にむかひて(こと)をとふその(つゑ)かれらに(こと)をしめす(これ)かれら淫行(いんかう)(れい)にまよはされその(かみ)(した)(はな)れて淫行(いんかう)()すなり 13(かれ)らは山々(やまやま)(いただき)にて犠牲(いけにへ)(ささ)(をか)(うへ)にて(かう)()橡樹(かしのき) (やなぎの)() (くりの)()(もと)にてこの(こと)をおこなふ()はその()(かげ)(うるは)しきによりてなりここをもてなんぢらの女子(むすめ)淫行(いんかう)をなしなんぢらの(この)(つま)姦淫(かんいん)をおこなふ 14(われ)なんぢらのむすめ淫行(いんかう)をなせども(ばつ)せずなんぢらの(この)(つま)かんいんをおこなへども(つみ)せじ()はなんぢらもみづから(はな)れゆきて妓女(あそびめ)とともに()淫婦(たはれめ)とともに(ささげ)(もの)をそなふればなり(さと)らざる(たみ)はほろぶべし 15イスラエルよ(なんぢ)淫行(いんかう)をなすともユダに(つみ)(をか)さする(なか)れギルガルに(ゆく)なかれベテアベンに(のぼ)るなかれヱホバは()くと(いひ)(ちか)ふなかれ 16イスラエルは頑強(かたくな)なる(うし)のごとくに頑強(かたくな)なり(いま)ヱホバ恙羊(こひつじ)をひろき()にはなてるが(ごと)くして(これ)(やしな)はん 17エフライムは偶像(ぐうざう)にむすびつらなれりその(なす)にまかせよ 18かれらの(さけ)はくされかれらの淫行(いんかう)はやまずかれらの(たて)となるべき者等(ものら)(はぢ)(あい)しいたく(これ)(あい)せり 19かれは(かぜ)(つばさ)につつまれかれらはその禮物(そなへもの)によりて恥辱(はぢ)をかうむらん

第五章

1祭司(さいし)()よこれを()けイスラエルの(いへ)(みみ)をかたむけよ (わう)のいへよ(これ)にこころを(とめ)よ さばきは汝等(なんぢら)にのぞまん そは(われ)らはミズパに(まう)くる(わな)タボルに()れる(あみ)のごとくなればなり 2悖逆者(そむくもの)はふかく(つみ)にしづみたり(われ)かれらをことごとく(こら)しめん 3(われ)はエフライムを()る イスラエルはわれに(かく)るるところ()し エフライムよなんぢ(いま)すでに淫行(いんかう)をなせりイスラエルはすでに(けが)れたり 4かれらの行爲(おこなひ)かれらをしてその(かみ)(かへ)ること(あた)はざらしむ そは淫行(いんかう)(れい)その(うち)にありてヱホバを()ることなければなり 5イスラエルの驕傲(ほこり)はその(かほ)にむかひて(あかし)をなしその(つみ)によりてイスラエルとエフライムは(たふ)れユダもまた(これ)とともにたふれん 6かれらは(ひつじ)のむれ(うし)(むれ)をたづさへ(ゆき)てヱホバを(たづ)(もと)めん(され)どあふことあらじヱホバ(すで)にかれらより(はな)(たま)ひたればなり 7かれらヱホバにむかひ貞操(みさを)(まも)らずして他人(あだしびと)()(うめ)新月(しんげつ)かれらとその產業(さんげふ)とをともに(ほろぼ)さん 8なんぢらギベアにて(つの)をふきラマにてラッパを(ふき)ならしベテアベンにて(よば)はりて()へベニヤミンよなんぢの(うしろ)にありと 9(つみ)せらるるの()にエフライムは(あれ)(すた)れん(われ)イスラエルの支派(わかれ)(うち)にかならず()るべきことを(しめ)せり 10ユダの牧伯等(きみら)境界(さかひ)をうつすもののごとくなれり(われ)わが震怒(いかり)(みづ)のごとくに(かれ)らのうへに(そそ)がん 11エフライムは(あま)んじて(ひと)のさだめたるところに(したが)ひあゆむがゆゑに(さばき)をうけて(しへた)げられ(おさへ)られん 12われエフライムには(しみ)のごとくユダの(いへ)には腐朽(くされ)のごとし 13エフライムおのれに(やまひ)あるを()ユダおのれに(きず)あるをみたり(かく)てエフライムはアツスリヤに()きヤレブ(わう)(ひと)をつかはしたれど(かれ)はなんぢらを(いや)すことをえず(また)なんぢらの(きず)をのぞきさることを()ざるべし 14われエフライムには獅子(しし)のごとくユダの(いへ)にはわかき獅子(しし)のごとし(われ)しも(われ)(かき)(さき)てさり(かす)めゆけども(すく)(もの)なかるべし 15(われ)ふたたびわが(ところ)にかへりゆき(かれ)らがその(つみ)をくいてひたすらわが(かほ)をたづね(もと)むるまで其處(そこ)にをらん(かれ)らは艱難(なやみ)によりて(われ)をたづねもとむることをせん

第六章

1(きた)れわれらヱホバにかへるべし ヱホバわれらを(かき)(さき)たまひたれどもまた(いや)すことをなし我儕(われら)をうち(たま)ひたれどもまたその(きず)をつつむことを()したまふ(べけ)ればなり 2ヱホバは二日(ふつか)ののちわれらむ(いき)かへし三日(みつか)にわれらを(たた)せたまはん (われ)らその(まへ)にて(いき)3この(ゆゑ)にわれらヱホバをしるべし(せつ)にヱホバを()ることを(もと)むべしヱホバは晨光(あしたのひかり)のごとく(かなら)ずあらはれいで(あめ)のごとくわれらにのぞみ(のち)(あめ)のごとく()をうるほし(たま)4エフライムよ(われ)なんぢに(なに)をなさんやユダよ(われ)なんぢに(なに)をなさんやなんぢの愛情(いつくしみ)はあしたの(くも)のごとくまたただちにきゆる(つゆ)のごとし 5このゆゑにわれ預言者(よげんしや)()をもてかれらを()ちわが(くち)(ことば)をもてかれらえを(ころ)せりわが審判(さばき)はあらはれいづる光明(ひかり)のごとし 6われは愛情(いつくしみ)をよろこびて犠牲(いけにへ)をよろこばず(かみ)をしるを(よろこ)ぶこと燔祭(はんさい)にまされり 7(しか)るに(かれ)らはアダムのごとく(ちかひ)をやぶりかしこにて不義(ふぎ)をわれにおこなへり 8ギレアデは(あく)をおこなふものの(まち)にして()(あし)(あと)そのなかに(あまね)9祭司(さいし)のともがらは山賊(やまだち)(むれ)のごとく伏伺(したまち)して(ひと)をそこなひシケムに()大路(おほぢ)にて(ひと)をころす彼等(かれら)はかくのごとき(あし)きことをおこなへり 10われイスラエルのいへに(にく)むべきことあるを()たりかの(ところ)にてエフライムは(いん)をおこなふイスフルは(けが)れたり 11ユダよ(われ)わが(たみ)俘囚(とらはれ)をかへさんときまた(なんぢ)のためにも穫刈(かりいれ)をそなへん

第七章

1われイスラエルを(いや)さんときエフライムの(とが)とサマリヤのあしきわざと(あらは)るかれらは詐詭(いつはり)をおこなひ(うち)には偸盗(ぬすびと)いるあり(そと)には山賊(やまだち)のむれ(かす)めさるあり 2かれら(こころ)にわがその一切(すべて)(あく)をしたためたることを(おも)はず(いま)その行爲(わざ)はかれらを(かこ)みふさぎて(みな)わが目前(まのあたり)にあり 3かれらはその(あく)をもて(わう)(よろこ)ばせその詐詭(いつはり)をもてもろもろの牧伯(きみ)(よろこ)ばせり 4かれらはみな姦淫(かんいん)をおこなふ(もの)にしてパンを(つく)るものに(やか)るる()のごとし揑粉(ねりこ)をこねてその發酵(ふくるる)ときまでしばらく()をおこすことをせざるのみなり 5われらの(わう)()にもろもろの牧伯(きみ)(さけ)(ねつ)によりて(やまひ)(わう)(あざけ)るものとともに()()6かれら伏伺(したまち)するほどに(こころ)()のごとくして(そなへ)をなすそのパンを()くものは終夜(よもすがら)ねむりにつき(あした)におよべばまた(ほのほ)のごとく()7かれらはみな()のごとくに(ねつ)してその審士(さばきびと)をやくそのもろもろの(わう)はみな(たふ)るかれらの(なか)には(われ)をよぶもの一人(ひとり)だになし 8エフライムは異邦人(ことくにびと)にいりまじるエフライムはかへさざる餹餅(もちいひ)となれり 9かれは他邦人(とつくにびと)らにその(ちから)をのまるれども(これ)をしらず白髮(しらが)その()(まじ)(はゆ)れどもこれをさとらず 10イスラエルの驕傲(ほこり)はその(かほ)にむかひて(あかし)をなすかれらは(この)もろもろの(こと)あれどもその(かみ)ヱホバに(かへ)ることをせず(また)もとむることをせざるなり 11エフライムは智慧(ちゑ)なくして(おろか)なる鴿(はと)のごとし彼等(かれら)はエジプトにむかひて(よび)(もと)めまたアツスリヤに()12(われ)かれらの(ゆく)ときわが(あみ)をその(うへ)にはりて天空(そら)(とり)のごとくに(ひき)(おと)(さき)にその公會(こうくわい)(つげ)しごとくかれらを(こら)しめん 13(わざはひ)なるかなかれらは(われ)をはなれて(まよ)ひいでたり敗壞(ほろび)かれらにきたらんかれらは(われ)にむかひて(つみ)ををかしたり(われ)かれらを(あがな)はんとおもへどもかれら(われ)にさからひて謊言(いつはり)をいへり 14かれら誠心(まごころ)をもて(われ)をよばず(ただ)(とこ)にありて(かなしみ)(さけ)べりかれらは穀物(こくもつ)とあたらしき(さけ)のゆゑをもて(あひ)(あつま)りかつわれに(さか)らふ 15(われ)かれらを(をし)へその(かひな)をつよくせしかども(かれ)らはわれにもとりて(あし)きことを(はか)16かれらは(かへ)るされども至高者(いとたかきもの)にかへらず(かれ)らはたのみがたき(ゆみ)のごとし(かれ)らのもろもろの牧伯(きみ)はその(した)のあらき(ことば)によりて(つるぎ)にたふれん(かれ)らは(これ)がためにエジプトの(くに)にて嘲笑(あざけり)をうくべし

第八章

1ラッパをなんぢの(くち)にあてよ(あだ)(わし)のごとくヱホバの(いへ)にのぞめりこの(たみ)わが契約(けいやく)をやぶりわが律法(おきて)(をか)ししによる 2かれら(われ)にむかひてわが(かみ)よわれらイスラエルはなんぢを()れりと(さけ)ばん 3イスラエルは(ぜん)をいみきらへり(てき)これを(おは)4かれら(わう)をたてたり(しか)れども(われ)により(たて)しにあらずかれら牧伯(きみ)をたてたり(しか)れども()がしらざるところなり(かれ)らまたその金銀(きんぎん)をもて(おの)がために偶像(ぐうざう)をつくれりその(つく)れるは(こぼ)ちすてられんが(ため)にせしにことならず 5サマリヤよなんぢの(こうし)(いみ)きらふべきものなりわが(いかり)かれらにむかひて()ゆかれら(いづ)れの(とき)にか(つみ)なきにいたらん 6この(こうし)はイスラエルより()匠人(たくみ)のつくれる(もの)にして(かみ)にあらずサマリヤの(こうし)はくだけて()とならん 7かれらは(かぜ)をまきて狂風(はやち)をかりとらん(まく)ところは生長(おえたて)穀物(こくもつ)なくその()はみのらざるべしたとひ(みの)るとも他邦人(とつくにびと)これを(のま)8イスラエルは(すで)(のま)れたり彼等(かれら)いま列國(くにぐに)(うち)において(よろこ)ばれざる(うつは)のごとく()(なさ)るるなり 9(かれ)らは(ひとり)ゐし()驢馬(ろば)のごとくアッスリヤにゆけりエフライムは(もの)(おく)りて戀人(こひびと)()たり 10かれら列國(くにぐに)(たみ)(もの)(おく)りたりと(いへど)(いま)われ彼等(かれら)をつどへ(あつ)(かれ)らは(もろもろの)侯伯(きみ)(わう)(おは)せらるる(おも)()のために(おとろ)(はじ)めん 11エフライムは(おほ)くの祭壇(さいだん)(つく)りて(つみ)(をか)すこの祭壇(さいだん)はかれらが(つみ)(おちい)(はし)とはなれり 12(われ)かれらのために律法(おきて)をしるして數件(あまた)箇條(かじやう)(しめ)したれど(かれ)らは(かへつ)(これ)(あやしき)(もの)とおもへり 13かれらは(われ)(そな)ふべき(もの)(そな)ふれども(ただ)(にく)をそなへて(おのれ)みづから(これ)(くら)ふヱホバは(これ)(いれ)たまはず(いま)かれらの(とが)(おぼ)(かれ)らの(つみ)(ばつ)したまはん(かれ)らはエジプトに(かへ)るべし 14イスラエルは(おのれ)造主(つくりぬし)(わす)れてもろもろの社廟(やしろ)()てユダは(へい)をとりまはせる(まち)(おほ)()(くは)へたり(され)どわれ()をその邑々(まちまち)におくりて(もろもろ)(しろ)(やき)(ほろぼ)さん

第九章

1イスラエルよ異邦人(ことくにびと)のごとく(よろこ)びすさむ(なか)れなんぢ淫行(いんかう)をなして(なんぢ)(かみ)(はな)(なんぢ)すべての(むぎ)打塲(うちば)にて(たま)はる淫行(いんかう)賞賜(たまもの)(あい)せり 2(うち)()酒榨(さかぶね)とはかれらを(やしな)はじ(また)あたらしき(さけ)もむなしくならん 3かれらはヱホバの()にとどまらずエフライムはエジプトに(かへ)りアッスリヤにて汚穢(けがれ)たる(もの)(くら)はん 4彼等(かれら)はヱホバにむかひて(さけ)(そそ)ぐべき(もの)にあらずその祭物(そなへもの)はヱホバの(よろこ)びたまふ(ところ)にあらずかれらの犠牲(いけにへ)()(をる)もののパンのごとし(すべ)てこれを(くら)ふものは(けが)るべし彼等(かれら)のパンは(ただ)おのが(くら)ふためにのみ(もち)ゐべくしてヱホバの(いへ)()るべきにあらず 5なんぢら集會(つどひ)()とヱホバの節會(せちゑ)()(なに)をなさんとするや 6()よかれら滅亡(ほろび)(ゆゑ)によりて(さり)ゆきぬエジプトかれらをあつめメンピスかれらを(はうむ)らん蒺藜(あざみ)かれらが(ぎん)(たから)(もの)()いばら(かれ)らの(てん)(まく)(はびこ)らん 7刑罰(けいばつ)()きたり應報(むくい)()きたれりイスラエルこれを(しら)預言者(よげんしや)(おろか)なるもの(れい)(かん)じたるものは(くる)へるものなりこれ(なんぢ)(あく)おほく(なんぢ)怨恨(うらみ)おほいなるに()8エフライムは()(かみ)にならべて(ほか)(かみ)をも(まち)(のぞ)めり預言者(よげんしや)一切(すべて)(みち)(とり)(とら)ふる(もの)(あみ)のごとく(かつ)その(かみ)(いへ)(うち)にて怨恨(うらみ)(いだ)けり 9かれらはギベアの()のごとく(はなは)だしく(あし)(こと)(おこな)へりヱホバはその(あく)をこころに(とめ)てその(つみ)(ばつ)したまはん 10在昔(むかし)われイスラエルを()ること荒野(あれの)葡萄(ぶだう)のごとく(なんぢ)らの先祖(せんぞ)(たち)()ること無花果(いちじくの)()(はじめ)にむすべる最先(いやさき)()(ごと)くなししに彼等(かれら)はバアルペオルにゆきて()恥辱(ちじよく)にゆだねその(あい)する(もの)とともに(にく)むべき(もの)とはなれり 11エフライムの榮光(さかえ)(とり)のごとく(とび)さらん(すなは)(うむ)ことも(はら)むことも妊娠(みごもる)こともなかるべし 12假令(たとひ)かれら子等(こら)(そだ)つるとも(われ)その()(うしな)ひて(のこ)(ひと)なきにいたらしめん()(はな)るる(とき)かれらの(わざはひ)(おほい)なる(かな) 13われエフライムを(よき)()(うゑ)てツロのごとくなししかどもエフライムはその子等(こら)(たづさ)へいだして(ひと)(ころ)すに(わた)さんとす 14ヱホバよ(かれ)らに(あた)へたまへ(なんぢ)なにを(あたふ)へんとしたまふや(はら)まざる(はら)()なき乳房(ちぶさ)とを(あた)へたまへ 15かれらが(すべて)(あく)はギルガルにあり此故(このゆゑ)(われ)かしこにて(これ)(にく)めりその行爲(おこなひ)あしければ()(いへ)より(おひ)いだし(かさね)(あい)することをせじその牧伯等(つかさたち)はみな(もと)れる(もの)なり 16エフライムは(うた)れその()はかれて()(むす)ぶまじ()(うむ)ことあらば(われ)その(はら)なる(いつく)しむ()(ころ)さん 17かれら(きき)(したが)はざるによりて()(かみ)これを(すて)たまふべしかれらは(もろもろの)國民(くにたみ)のうちに流離(さすらひ)(びと)とならん

第十章

1イスラエルは()をむすびて(しげ)(さかえ)葡萄(ぶだう)()その()(おほ)くなるがままに祭壇(さいだん)をましその()(ゆた)かなるがままに偶像(ぐうざう)(うるは)しくせり 2かれらは二心(ふたごころ)をいだけり(いま)かれら(つみ)せらるべし(かみ)はその祭壇(さいだん)(うち)(こぼ)ちその偶像(ぐうざう)(くだき)()てたまはん 3かれら(いま)いふべし我儕(われら)(かみ)(おそ)れざりしに(より)(われ)らに(わう)なしこの(わう)はわれらのために(なに)をかなさんと 4かれらは(むな)しき(ことば)をいだし(いつはり)(ちかひ)をなして(やく)をたつ審判(さばき)(はたけ)(うね)にもえいづる茵蔯(いんちん)のごとし 5サマリヤの居民(きよみん)はベテアベンの(こうし)(ゆゑ)によりて戰慄(をのの)かんその(たみ)とこれを(よろこ)祭司(さいし)(たち)はその(さかえ)のうせたるが(ため)になげかん 6(こうし)はアッスリヤに(たづさ)へられ禮物(れいもつ)としてヤレブ(わう)(ささ)げらるべしエフライムは(はぢ)をかうむりイスラエルはおのが計議(はからひ)()ぢん 7サマリヤはほろびその(わう)(みづ)のうへの()(ぎれ)のごとし 8イスラエルの(つみ)なるアベンの崇邱(たかきところ)(あれ)はてて荊棘(いばら)蒺藜(あざみ)その(だん)のうへにはえ(しげ)らんその(とき)かれら(やま)にむかひて我儕(われら)をおほへ(をか)にむかひて我儕(われら)のうへに(たふ)れよといはん 9イスラエルよ(なんぢ)はギベアの()より(つみ)ををかせり彼等(かれら)はそこに(たて)邪惡(よこしま)のひとびとを(せめ)たりし戰爭(いくさ)はギベアにてかれらに(およ)ばざりき 10(われ)(おも)ふままに彼等(かれら)をいましめん彼等(かれら)その(ふたつ)(つみ)につながれん(とき)もろもろの(たみ)あつまりて(これ)をせめん 11エフライムは(なら)されたる()(うし)のごとくにして(こく)をふむことを(この)むされどわれその(うるは)しき(くび)(もの)(おは)しむべし(われ)エフライムに(くびき)をかけんユダは(たがへ)しヤコブは土塊(つちくれ)をくだかん 12なんぢら()(しやう)ずるために(たね)をまき憐憫(あはれみ)にしたがひてかりとり(また)(あら)()をひらけ(いま)はヱホバを(もと)むべき(とき)なり(つひ)にはヱホバきたりて()(あめ)のごとく汝等(なんぢら)のうへに(ふら)せたまはん 13なんぢらは(あく)をたがへし不義(ふぎ)(かり)をさめ虚偽(いつはり)()をくらへりこは(なんぢ)おのれの(みち)をたのみ(おの)勇士(ゆうし)(かず)(おほ)きをたのめるに()14この(ゆゑ)になんぢらの(たみ)のなかに擾亂(さわぎ)おこりて(なんぢ)らの(しろ)はことごとく(うち)(やぶ)られんシャルマンが戰門(たたかひ)()にベテアルベルを(うち)(やぶ)りしにことならず(はは)その()とともに(くだ)かれたり 15なんぢらの(おほい)なる(あく)のゆゑによりてべテル如此(かく)なんぢらに(おこな)へるなりイスラエルの(わう)はあしたに(ほろ)びん

第十一章

1イスラエルの(おさな)かりしとき(われ)これを(あい)しぬ(われ)わが()をエジプトより(よび)いだしたり 2かれらは(よば)るるに(したが)ひていよいよその(よぶ)(もの)(とほ)ざかり(かつ)もろもろのバアルに犠牲(いけにへ)をささげ(えり)たる偶像(ぐうざう)(かう)(たけ)3われエフライムに(あゆ)むことををしへ彼等(かれら)をわが(かひな)にのせて(いだ)けり(され)どかれらは(われ)にいやされたるを(しら)4われ(ひと)にもちゐる(つな)すなはち(あい)のつなをもて彼等(かれら)をひけり()がかれらを(あしら)ふは(くびき)をその(あご)より(あげ)のくるもののごとくにして彼等(かれら)食物(くひもの)をあたへたり 5かれらはエジプトの()にかへらじ(され)どかれらがヱホバに(かへ)らざるによりてアッスリヤ(びと)その(わう)とならん 6(つるぎ)かれらの(もろもろの)(まち)にまはりゆきてその(くわん)(もん)をこぼち(かれ)らをその謀計(はかりごと)(ゆゑ)によりて(ほろぼ)さん 7わが(たみ)はともすれば(われ)にはなれんとする(こころ)あり(ひと)これを(まね)きて(かみ)()るものに(つか)しめんとすれども()をおこすもの一人(ひとり)だになし 8エフライムよ(われ)いかで(なんぢ)をすてんやイスラエルよ(われ)いかで(なんぢ)をわたさんや(われ)いかで(なんぢ)をアデマのごとくせんや(いか)でなんぢをゼボイムのごとく()んやわが(こころ)わが(うち)にかはりて(われ)愛憐(いつくしみ)ことごとく(もえ)おこれり 9(われ)わが(はげ)しき震怒(いかり)をほどこすことをせじ(われ)かさねてエフライムを(ほろぼ)すことをせじ(われ)(ひと)にあらず(かみ)なればなり(われ)(なんぢ)のうちにいます聖者(きよきもの)なりいかりをもて(のぞ)まじ 10かれらは獅子(しし)(ほゆ)るごとくに(こゑ)(いだ)したまふヱホバに(したが)ひて(あゆ)まんヱホバ(こゑ)(いだ)したまへば子等(こら)西(にし)より(いそ)(きた)らん 11かれらエジプトより(とり)のごとくアッスリヤより鴿(はと)のごとくに(いそ)(きた)らん(われ)かれらをその家々(いへいへ)(すま)はしむべし(これ)ヱホバの聖言(みことば)なり 12エフライムは謊言(いつはり)をもてイスラエルの(いへ)詐僞(たばかり)をもて(われ)(かこ)めりユダは(かみ)(まこと)ある聖者(せいしや)とに()きみつかずみ漂蕩(たゆたへ)をれり

第十二章

1エフライムは(かぜ)をくらひ東風(こち)をおひ日々(ひび)詐僞(いつはり)暴逆(あらび)とを(まし)くはへアッスリヤと契約(けいやく)(むす)(あぶら)をエジプトに(おく)れり 2ヱホバはユダと爭辨(あらそひ)をなしたまふヤコブをその(みち)にしたがひて(ばつ)しその行爲(おこなひ)にしたがひて(むく)いたまふ 3ヤコブは(はら)にゐし(とき)その兄弟(きやうだい)(くびす)をとらへまた(おの)(ちから)をもて(かみ)角力(すまひ)あらそへり 4かれは(てん)使(つかひ)角力(すまひ)あらそひて()ちなきて(これ)(めぐみ)をもとめたり(かれ)はベテルにて(かみ)にあへり其處(そこ)にて(かみ)われらに(ものい)ひたまへり 5これは萬軍(ばんぐん)(かみ)ヱホバなりヱホバは(その)記念(きねん)()なり 6(され)ばなんぢの(かみ)にかへり矜恤(あはれみ)公義(ただしき)とをまもり(つね)になんぢの(かみ)(あふ)ぐべし 7(かれ)はカナン(びと)(商賈(あきうど))なりその()詭詐(いつはり)權衡(はかり)をもち(このん)であざむき(とる)ことをなす 8エフライムはいふ(まこと)にわれは(とめ)(もの)となれり(われ)()財寳(ざいはう)をえたり(すべ)てわが(らう)したることの(うち)(つみ)をうべき不義(ふぎ)()いだす(もの)なかるべし 9(われ)ヱホバはエジプトの(くに)をいでしより以來(このかた)なんぢらの(かみ)なり(われ)いまも(なほ)なんぢを幕屋(まくや)にすまはせて節會(せちゑ)()のごとくならしめん 10(われ)もろもろの預言者(よげんしや)にかたり(また)これに益々(ますます)おほく異象(まぼろし)をしめしたり(われ)もろもろの預言者(よげんしや)(たく)して譬喩(たとへ)をまうく 11ギレアデは不義(ふぎ)なる(もの)ならずや(かれ)らは(まつた)(むな)しかれらはギルガルにて(うし)犠牲(いけにへ)(ささ)ぐかれらの祭壇(さいだん)(はた)(うね)につみたる(いし)(ごと)12ヤコブはアラムの()ににげゆけりイスラエルは(つま)()んために(ひと)(つか)(つま)()んために(ひつじ)()へり 13ヱホバ一人(ひとり)預言者(よげんしや)をもてイスラエルをエジプトより(みちび)きいだし一人(ひとり)預言者(よげんしや)をもて(これ)(まも)りたまへり 14エフライムは(いかり)(むか)ふること(きはめ)てはなはだしその(しゆ)かれが(なが)しし()をかれが(うへ)にとどめその恥辱(はづかしめ)をかれに(かへ)らせたまはん

第十三章

1エフライム(ことば)(いだ)せば(ひと)をののけり(かれ)はイスラエルのなかに(おのれ)をたかうしバアルにより(つみ)(をか)して()たりしが 2(いま)(なほ)ますます(つみ)(をか)しその(ぎん)をもて(おのれ)のために(ざう)()その機巧(たくみ)にしたがひて偶像(ぐうざう)(つく)(これ)みな工人(こうじん)(さく)なるなり(かれ)らは(これ)につきていふ犠牲(いけにへ)(ささ)ぐる(もの)はこの(こうし)(くち)(つく)べしと 3(これ)によりて(かれ)らは(あした)(くも)のごとく(とみ)にきえうする(つゆ)のごとく(うち)()より大風(おほかぜ)(ふき)(ちら)さるる穀殻(もみがら)のごとく(まど)より(いで)ゆく(けぶり)のごとくならん 4されど(われ)はエジプトの(くに)をいでてより以來(このかた)なんぢの(かみ)ヱホバなり(なんぢ)われの(ほか)(かみ)(しる)ことなし(われ)のほかに救者(すくふもの)なし 5(われ)さきに荒野(あれの)にて(みづ)なき()にて(なんぢ)(かへり)みたり 6かれらは秣場(まき)によりて(しよく)()()くによりてその(こころ)たかぶり(これ)によりて(われ)(わす)れたり 7(かか)るがゆゑに(われ)かれらに(むか)ひて獅子(しし)(ごと)くなり(みち)(かたへ)にひそみうかがふ(へう)のごとくならん 8われ()をうしなへる(くま)のごとく(かれ)らに(むか)ひてその(しん)(まく)()獅子(しし)(ごと)くこれを(くら)はん()(けもの)これを(かき)(やぶ)るべし 9イスラエルよ(なんぢ)(ほろ)ぶるは(われ)(そむ)(なんぢ)(たす)くる(もの)(そむ)くが(ゆゑ)なり 10(なんぢ)のもろもろの(まち)(なんぢ)(たす)くべき(なんぢ)(わう)(いま)いづくにかあるなんぢらがその(わう)牧伯等(をさたち)とを(われ)(あた)へよと(いひ)たりし士師(さばきつかさ)()(いま)いづくにかある 11われ忿怒(いかり)をもて(なんぢ)(わう)(あた)憤恨(いきどほり)をもて(これ)をうばひたり 12エフライムの不義(ふぎ)(つつ)まれてありその(つみ)はをさめたくはへられたり 13(うみの)(くるしみ)にかかれる(をんな)のかなしみ(これ)(のぞ)まん(かれ)(おろか)なる()なり(とき)(のぞ)みてもなほ(さん)(もん)()らず 14(われ)かれらを陰府(よみ)()より(あがな)はん(われ)かれらを()より(あがな)はん()よなんぢの(なやみ)何處(いづく)にあるか陰府(よみ)よなんぢの(わざはひ)何處(いづく)にあるか(くい)(あらため)はかくれて()()にみえず 15(かれ)兄弟(きやうだい)のなかにて()(むす)ぶこと(おほ)けれども東風(ひがしかぜ)(ふき)きたりヱホバの(いき)荒野(あれの)より(ふき)おこらん(これ)がためにその(いづみ)()その(みなもと)()れんその積蓄(つみたくは)へたるもろもろの賓貴(たふとき)器皿(うつはもの)(かす)(うば)はるべし 16サマリヤはその(かみ)にそむきたれば(つみ)せられ(つるぎ)(たふ)れんその嬰兒(をさなご)はなげくだかれその(はらみ)たる(をんな)(さか)れん

第十四章

1イスラエルよ(なんぢ)(かみ)ヱホバに(かへ)れよ(なんぢ)不義(ふぎ)のために(たふ)れたり 2(なんぢ)言詞(ことば)をたづさへ(きた)りヱホバに(かへ)りていへ(もろもろ)不義(ふぎ)(ゆる)して(よき)ところを受納(うけい)れたまへ(かく)(われ)らは(くちびる)をもて(うし)のごとくに(なんぢ)(ささ)げん 3アッスリヤはわれらを(たす)けじ(われ)らは(むま)()らじまたふたたび我儕(われら)みづからの()にて(つく)れる(もの)にむかひわが(かみ)なりと(いは)孤兒(みなしご)(なんぢ)によりて憐憫(あはれみ)()べければなりと 4(われ)かれらの反逆(そむき)(いや)(よろこ)びて(これ)(あい)せん()(いかり)はかれを(はな)(さり)たり 5(われ)イスラエルに(たい)しては(つゆ)のごとくならん(かれ)百合花(ゆり)のごとく(はな)さきレバノンのごとく()をはらん 6その(えだ)(しげ)りひろがり(その)美麗(うるはしき)橄欖(かんらん)()のごとくその芬芳(かうばしき)はレバノンのごとくならん 7その(かげ)()(もの)かへり(きた)らんかれらは穀物(こくもつ)(ごと)(いき)かへり葡萄樹(ぶだうのき)のごとく(はな)さきその馨香(かうばしき)はレバノンの(さけ)のごとくなるべし 8エフライムはいふ(われ)また偶像(ぐうざう)(なに)のあづかる(ところ)あらんやと(われ)これに(こた)へたり(われ)かれを(かへり)みん(われ)蒼翠(みどり)(まつ)のごとし(なんぢ)われより()()9(たれ)智慧(ちゑ)ある(もの)ぞその(ひと)はこの(こと)(さと)らん(たれ)頴悟(さとり)ある(もの)ぞその(ひと)(これ)(しら)んヱホバの(みち)(すべ)(なほ)義者(ただしきもの)(これ)(あゆ)(され)罪人(つみびと)(これ)(つまづ)かん