ミカ書

第一章

1ユダの(わう)ヨタム、アハズおよびヒゼキヤの()にモレシテ(びと)ミカに(のぞ)めるヱホバの(ことば)(これ)すなはちサマリアとエルサレムの(こと)につきて(かれ)(しめ)されたる(もの)なり 2萬民(ばんみん)()()とその(うち)(もの)(みみ)(かたぶ)けよ (しゆ)ヱホバ(なんぢ)らに(むか)ひて(あかし)(たて)たまはん (すなは)(しゆ)その聖殿(きよきみや)より(これ)(たて)たまふべし 3()よヱホバその(ところ)より(いで)てくだり()高處(たかきところ)(ふみ)たまはん 4(やま)(かれ)(した)()(たに)()けたり ()(まへ)なる(らふ)のごとく(さか)(なが)るる(みづ)(ごと)5(これ)みなヤコブの(とが)(ゆゑ)イスラエルの(いへ)(つみ)のゆゑなり ヤコブの(とが)とは(いか)か サマリヤにあらずや ユダの崇邱(たかきところ)とは(なに)か エルサレムにあらずや 6(この)(ゆゑ)(われ)サマリヤを()石堆(いしづか)となし葡萄(ぶだう)(うう)(ところ)()(また)その(いし)(たに)(なげ)おとしその(もとゐ)(あらは)さん 7その石像(せきざう)はみな(くだ)かれその()たる價金(あたひ)はみな()にて(やか)れん (われ)その偶像(ぐうざう)をことごとく(こぼ)たん (かれ)妓女(あそびめ)價金(あたひ)よりこれを(つみ)たれば(これ)はまた(かへ)りて妓女(あそびめ)價金(あたひ)となるべし 8(われ)これがために(なげ)(さけ)ばん (ころも)(ぬが)裸體(はだか)にて歩行(あるか)(やま)(いぬ)のごとくに(なげ)駝鳥(だちやう)のごとくに(なか)9サマリヤの(きず)(いや)すべからざる(もの)にてすでにユダに(いた)我民(わがたみ)(もん)エルサレムにまでおよべり 10ガテに(つた)ふるなかれ (なき)さけぶ(なか)れ ベテレアフラにて(われ)(ちり)(うち)(まろ)びたり 11サピルに(すめ)(もの)(なんぢ)(はだか)になり(はぢ)(かうむ)りて(すす)みゆけ ザアナンに(すめ)(もの)(あへ)(いで)ず ベテエゼルのの哀哭(なげき)によりて(なんぢ)らは立處(たちどころ)()12マロテに(すめ)(もの)(おのれ)幸福(さいはひ)につきて(おも)ひなやむ ()災禍(わざはひ)ヱホバより(いで)てエルサレムの(もん)(のぞ)めばなり 13ラキシに(すめ)(もの)(むま)(くるま)をつなげ ラキシはシオンの(むすめ)(つみ)根本(もと)なり イスラエルの(とが)(なんぢ)(うち)()14この(ゆゑ)(なんぢ)モレセテガテに離別(りべつ)饋物(おくりもの)(あた)へよ アクジブの家々(いへいへ)はイスラエルの王等(わうたち)におけること(ひと)(あざむ)溪川(たにがは)のごとくなるべし 15マレシヤにすめる(もの)(われ)また(なんぢ)()()べき(もの)(なんぢ)(たづさ)(ゆく)べし イスラエルの榮光(さかえ)アドラムに(ゆか)16(なんぢ)その(よろこ)ぶところの子等(こども)(ゆゑ)によりて(なんぢ)(かみ)(そり)おろせ (なんぢ)(かしら)(そり)(ところ)(おほ)きくして(わし)のごとくにせよ ()彼等(かれら)(とら)へられて(なんぢ)(はな)るればなり

第二章

1その(とこ)にありて不義(ふぎ)(はか)惡事(あくじ)工夫(くはだつ)者等(ものども)には(わざはひ)あるべし (かれ)らはその()(ちから)あるが(ゆゑ)天亮(よあけ)におよべばこれを(おこな)2(かれ)らは田圃(たはた)(むさぼ)りてこれを(うば)(いへ)(むさぼ)りて(これ)()りまた(ひと)(しへた)げてその(いへ)(かす)(ひと)(しへた)げてその產業(さんげふ)をかすむ 3(この)(ゆゑ)にヱホバかく(いひ)たまふ ()(われ)(この)(やから)にむかひて災禍(わざはひ)(くだ)さんと(はか)(なんぢ)らはその(うなじ)(これ)より(だつ)すること(あた)はじ また(くび)をあげて(ある)くこと(あた)はざるべし 其時(そのとき)災禍(わざはひ)(とき)なればなり 4その()には(ひと)(なんぢ)らにつきて()(つく)悲哀(かなしみ)(うた)をもて悲哀(かなしみ)(いは)(こと)(すで)にいたれり 我等(われら)(ことごと)(ほろぼ)さる (かれ)わが(たみ)產業(さんげふ)(ひと)(あた)如何(いか)なれば(われ)よりこれを(はな)すや 我儕(われら)田圃(たはた)違逆者(そむくもの)(わか)(あた)5(され)(なんぢ)らヱホバの會衆(くわいしう)(うち)には(くじ)によりて(なは)をうつ(もの)一人(ひとり)(あら)6預言(よげん)する(なか)(かれ)らは預言(よげん)(かれ)らは是等(これら)者等(ものども)にむかひて預言(よげん)せじ 恥辱(はぢ)(かれ)らを(はな)れざるべし 7(なんぢ)ヤコブの(いへ)(とな)へらるる(もの)よ ヱホバの(こころ)(みじか)からんや ヱホバの行爲(わざ)(かく)のごとくならんや (わが)(ことば)品行(おこなひ)正直者(ただしきもの)(えき)とならざらんや 8(しか)るに我民(わがたみ)近頃(ちかごろ)(おこ)りて(てき)となれり (なんぢ)らは()戰爭(いくさ)(さけ)心配(こころおき)なく(すぐ)るところの者等(ものども)(つき)てその衣服(ころも)外衣(うはぎ)(うば)9我民(わがたみ)婦女(をんな)をその(よろこ)ぶところの(いへ)より(おひ)いだしその子等(こども)より(われ)妝飾(かざり)(なが)(うば)10(たち)()(これ)(なんぢ)らの安息(あんそく)()にあらず (これ)(すで)(けが)れたれば(かなら)(なんぢ)らを(ほろぼ)さん (その)滅亡(ほろび)(はげし)かるべし 11(ひと)もし(かぜ)(あゆ)謊言(いつはり)()(われ)葡萄(ぶだう)(しゆ)濃酒(こきさけ)(こと)につきて(なんぢ)預言(よげん)せんと(いふ)ことあらばその(ひと)はこの(たみ)預言者(よげんしや)とならん 12ヤコブよ(われ)かならず(なんぢ)をことごとく(つど)(かなら)ずイスラエルの遺餘者(のこれるもの)(あつ)めん (しか)して(われ)(これ)同一(ひとつ)(おき)てボヅラの(ひつじ)のごとく(なら)しめん (かれ)らは人數(ひとかず)(おほ)きによりて牧塲(まきば)(なか)なる(むれ)のごとくにその(こゑ)をたてん 13打破者(うちやぶるもの)かれらに(さき)だちて(のぼ)(かれ)(つひ)(もん)打敗(うちやぶ)(これ)(とほ)りて(いで)ゆかん (かれ)らの(わう)その(さき)にたちて(すす)みヱホバその(かしら)(たち)たまふべし

第三章

1(われ)()ふヤコブの首領(かしら)よイスラエルの(いへ)侯伯(をさ)(なんぢ)()公義(こうぎ)(なんぢ)らの(しる)べきことに(あら)ずや 2(なんぢ)らは(ぜん)(にく)(あく)(この)(たみ)()より(かは)()(ほね)より(にく)(けづ)3我民(わがたみ)(にく)(くら)ひその(かは)()ぎその(ほね)(くだ)きこれを(きり)きざみて(なべ)(いる)(もの)のごとくし(かなへ)(なか)にいるる(にく)のごとくす 4(され)彼時(かのとき)(かれ)らヱホバに(よば)はるともヱホバかれらに(こた)へたまはじ (かへつ)てその(とき)には(かほ)(かれ)らに(かく)したまはん (かれ)らの(おこなひ)(あし)ければなり 5我民(わがたみ)(まどは)預言者(よげんしや)()にて(かむ)べき(もの)(うく)(とき)平安(へいあん)あらんと(よば)はれども(なに)をもその(くち)(あた)へざる(もの)にむかひては戰門(たたかひ)準備(そなへ)をなす ヱホバ(かれ)らにつきて(かく)いひたまふ 6(され)(なんぢ)らは()(あふ)べし (また)異象(まぼろし)()黑暗(くらやみ)(あふ)べし (また)卜兆(うらかた)()()はその預言者(よげんしや)(うへ)をはなれて()りその(うへ)(ひる)(くら)かるべし 7見者(けんしや)(はぢ)(いだ)卜者(ぼくしや)(かほ)(あか)らめ(みな)(とも)にその(くちびる)(おほ)はん (かみ)垂應(こたへ)あらざればなり 8(しか)れども(われ)はヱホバの御靈(みたま)によりて能力(ちから)()滿()公義(こうぎ)および勇氣(ゆうき)(うち)滿(みつ)ればヤコブにその(とが)(しめ)しイスラエルにその(つみ)(しめ)すことを() 9ヤコブの(いへ)首領(かしら)(たち)およびイスラエルの(いへ)牧伯(をさ)(たち)公義(こうぎ)(にく)一切(すべて)正直事(ただしきこと)(まぐ)(もの)(なんぢ)(これ)()10(かれ)らは()をもてシオンを()不義(ふぎ)をもてエルサレムを()11その首領(かしら)(たち)賄賂(まひなひ)をとりて審判(さばき)をなしその祭司(さいし)(たち)値錢(あたひ)(とり)敎晦(をしへ)をなす (また)その預言者(よげんしや)(たち)銀子(かね)(とり)占卜(うらなひ)()しヱホバに倚賴(よりたの)みて()ふヱホバわれらと(とも)(いま)すにあらずや (され)災禍(わざはひ)われらに(くだ)らじと 12(これ)によりてシオンは(なんぢ)のゆゑに田圃(たはた)となりて(たが)へされエルサレムは石堆(いしづか)となり(みや)(やま)()(おひ)しげる高處(たかきところ)とならん

第四章

1(すゑ)()にいたりてヱホバの(いへ)(やま)(もろもろ)(やま)(いただき)()(もろもろ)(みね)にこえて(たか)(そび)萬民(ばんみん)(かは)のごとく(これ)(なが)()せん 2(すなは)衆多(おほく)(たみ)(きた)りて(いは)去來(いざ)我儕(われら)ヱホバの(やま)(のぼ)ヤコブの(かみ)(いへ)にゆかん ヱホバその(みち)(われ)らに(をし)へて(われ)らにその(みち)(あゆ)ましめたまはん 律法(おきて)はシオンより()でヱホバの(ことば)はエルサレムより(いづ)べければなり 3(かれ)衆多(おほく)(たみ)(あひだ)(さば)(つよ)(くに)規戒(いまし)(とほ)(ところ)にまでも(しか)したまふべし (かれ)らはその(つるぎ)(すき)(うち)かへその(やり)(かま)(うち)かへん (くに)(くに)とは(つるぎ)(あげ)相攻(あひせ)めず また(かさね)戰爭(いくさ)(なら)はじ 4(みな)その葡萄(ぶだう)()(した)()しその無花果(いちじくの)()(した)(をら)(これ)(おそ)れしむる(もの)なかるべし 萬軍(ばんぐん)のヱホバの(くち)(これ)()5一切(すべて)(たみ)はみな各々(おのおの)その(かみ)()によりて(あゆ)(しか)れども(われ)らはわれらの(かみ)ヱホバの()によりて永遠(とこしへ)(あゆ)まん 6ヱホバ(いひ)たまふ (その)()には(われ)かの足蹇(あしなへ)たる(もの)(つど)へかの(ちら)されし(もの)および()(くる)しめし(もの)(あつ)7その足蹇(あしなへ)たる(もの)をもて遺餘民(のこれるたみ)となし(とほ)(おひ)やられたりし(もの)をもて(つよ)(たみ)となさん (しか)してヱホバ、シオンの(やま)において(いま)より永遠(えいゑん)にこれが(わう)とならん 8羊樓(ひつじやぐら)シオンの(むすめ)(やま)最初(はじめ)(けん)(なんぢ)(かへ)らん (すなは)ちエルサレムの(むすめ)國祚(くらゐ)なんぢに(かへ)るべし 9(なんぢ)なにとて喚叫(わめきさけ)ぶや (なんぢ)(うち)(わう)なきや (なんぢ)議者(ぎしや)(たえ)(はて)しや (なんぢ)產婦(さんぷ)のごとくに痛苦(くるしみ)(いだ)くなり 10シオンの(むすめ)產婦(さんぷ)のごとく劬勞(くるしみ)()(なんぢ)(いま)(まち)(いで)()宿(やど)りバビロンに(ゆか)ざるを()彼處(かしこ)にて(なんぢ)(すく)はれん ヱホバ(なんぢ)彼處(かしこ)にて(なんぢ)(てき)()より(あがな)()(たま)ふべし 11(いま)許多(あまた)國民(こくみん)あつまりて(なんぢ)におしよせて()(ねがは)くはシオンの(けが)されんことを (われ)()にシオンを()てなぐさまんと 12(さり)ながら(かれ)らはヱホバの思念(おもひ)(しら)ずまたその御謀議(みはかり)(さと)らず ヱホバ麥束(むぎたば)打塲(うちば)にあつむるごとくに(かれ)らを(あつ)(たま)へり 13シオンの(むすめ)(たち)てこなせ (われ)なんぢの(つの)(くろがね)にし(なんぢ)(ひづめ)(あかがね)にせん (なんぢ)許多(あまた)國民(こくみん)(うち)(くだ)くべし (なんぢ)かれらの掠取物(ぶんどりもの)をヱホバに(ささ)(かれ)らの財產(もちもの)全地(ぜんち)(しゆ)奉納(をさむ)べし

第五章

1軍隊(ぐんたい)(むすめ)(いま)なんぢ(あつま)りて(たい)をつくれ (てき)われらを(せめ)(かこ)(つゑ)をもてイスラエルの士師(さばきびと)(ほほ)()2ベテレヘム、エフラタ(なんぢ)はユダの郡中(ぐんちゆう)にて(ちひさ)(もの)なり (しか)れどもイスラエルの(きみ)となる(もの)(なんぢ)(うち)より(わが)ために(いづ)べし その(いづ)(こと)古昔(いにしへ)より永遠(えいゑん)()よりなり 3是故(このゆえ)產婦(さんぷ)(うみ)おとすまで彼等(かれら)(わた)しおきたまはん (しか)(のち)その(のこ)れる兄弟(きやうだい)イスラエルの子孫(しそん)とともに(かへ)るべし 4(かれ)はヱホバの(ちから)()りその(かみ)ヱホバの()威光(ゐくわう)によりて(たち)てその(むれ)(やしな)(これ)をして安然(やすらか)(をら)しめん (いま)(かれ)(おほい)なる(もの)となりて()(はて)にまでおよばん 5(かれ)平和(へいわ)なり アッスリヤ(びと)われらの(くに)()(われ)らの宮殿(きうでん)(ふみ)あらさんとする(とき)我儕(われら)(にん)牧者(ぼくしや)(にん)人君(じんくん)(たて)てこれに(あた)らん 6(かれ)(つるぎ)をもてアッスリヤの()をほろぼしニムロデの()邑々(まちまち)をほろぼさん アッスリヤの(ひと)(われ)らの()(せめ)いり(われ)らの(さかひ)(ふみ)あらす(とき)には(かれ)その()より(われ)らを(すく)はん 7ヤコブの遺餘者(のこれるもの)衆多(おほく)(たみ)(なか)(ある)こと(ひと)(よら)()(ひと)(また)ずしてヱホバより(くだ)(つゆ)(ごと)靑草(あをくさ)(うへ)にふりしく(あめ)(ごと)くならん 8ヤコブの遺餘者(のこれるもの)國々(くにぐに)にをり衆多(おほく)(たみ)(なか)にをる(さま)(はやし)(けもの)(なか)獅子(しし)()るごとく(ひつじ)(むれ)(なか)(たけ)獅子(しし)()るごとくならん その(すぐ)るときは()みかつ(さく)ことをなす(すく)(もの)なし 9(のぞむ)らくは(なんぢ)()(なんぢ)(もろもろ)(てき)(うへ)にあげられ(なんぢ)がもろもろの(あだ)ことごとく(たた)れんことを 10ヱホバ(いひ)たまふ(その)()には(われ)なんぢの(むま)(なんぢ)(うち)より()(なんぢ)(くるま)(こぼ)11(なんぢ)(くに)邑々(まちまち)(たや)(なんぢ)一切(すべて)(しろ)をことごとく(くづ)さん 12(われ)また(なんぢ)()より魔術(まじゆつ)(たた)(なんぢ)(うち)卜筮師(うらなひし)(なき)にいたるべし 13(われ)なんぢの彫像(てうざう)および柱像(はしらざう)(なんぢ)(うち)より(たた)(なんぢ)()にて(つく)れる(もの)(なんぢ)(かさね)(をが)むこと(なか)るべし 14(われ)また(なんぢ)のアシラ(ざう)(なんぢ)(うち)より(ぬき)たふし(なんぢ)邑々(まちまち)(ほろぼ)さん 15(しか)して(われ)忿怒(いかり)憤恨(いきどほり)をもてその聽從(ききしたが)はざる國民(こくみん)(あだ)(むく)いん

第六章

1()(なんぢ)らヱホバの(のた)まふところを()(なんぢ)(たち)あがりて(やま)(まへ)辨爭(あらそ)(をか)(なんぢ)(こゑ)(きか)しめよ 2山々(やまやま)()(かは)ることなき(もとゐ)(なんぢ)らヱホバの辨爭(あらそひ)()け ヱホバその(たみ)辨爭(あらそひ)()しイスラエルと(ろん)ぜん 3我民(わがたみ)(われ)(なに)(なんぢ)になししや (なに)において(なんぢ)疲勞(つからせ)たるや (われ)にむかひて(あかし)せよ 4(われ)はエジプトの(くに)より(なんぢ)(みちび)きのぼり奴隸(どれい)(いへ)より(なんぢ)(あがな)ひいだしモーセ、アロンおよびミリアムを(つかは)して(なんぢ)(さき)だたしめたり 5我民(わがたみ)()ふモアブの(わう)バラクが(はか)りし(こと)およびベオルの()バラムがこれに(こた)へし(こと)(おも)ひシツテムよりギルガルにいたるまでの事等(ことども)(おも)(しか)らば(なんぢ)ヱホバの正義(ただしき)(しら)6(われ)ヱホバの(まへ)(なに)をもちゆきて(たか)(かみ)(はい)せん 燔祭(はんさい)(もの)および當歳(たうさい)(こうし)をもてその御前(みまへ)にいたるべきか 7ヱホバ數千(すうせん)牡羊(をひつじ)萬流(まんりう)(あぶら)(よろこ)びたまはんか (わが)(とが)のためにわが長子(ちやうし)(ささ)げんか (わが)靈魂(たましひ)(つみ)のために(わが)()(さん)(ささ)げんか 8(ひと)(かれ)さきに善事(よきこと)(なに)なるを(なんぢ)(つげ)たり ヱホバの(なんぢ)(もと)めたまふ(こと)(ただ)正義(ただしき)(おこな)憐憫(あはれみ)(あい)謙遜(へりくだ)りて(なんぢ)(かみ)とともに(あゆ)(こと)ならずや 9ヱホバの(こゑ)(まち)にむかひて(よば)はる 智慧(ちゑ)ある(もの)はなんぢの()(あふ)がん (なんぢ)笞杖(しもと)および(これ)をおくらんと(さだ)めし(もの)()10(あく)(にん)(いへ)(なほ)惡財(あくざい)ありや (のろ)ふべき縮小(ちぢめ)たる(ます)ありや 11(われ)もし(ただし)からざる權衡(はかり)(もち)(ふくろ)(いつはり)碼子(おもし)をいれおかば(いか)(きよ)からんや 12その(とめ)(ひと)強暴(あらび)にて()(その)居民(きよみん)謊言(いつはり)()ひその(した)(くち)(なか)にて(あざむ)くことを()13(ここ)をもて(われ)(なんぢ)(うち)重傷(おもきず)()はせ(なんぢ)(つみ)のために(なんぢ)(ほろぼ)14(なんぢ)(くら)ふとも(あか)(はら)はつねに(くう)ならん (なんぢ)(うつ)すともつひに(すく)ふことを()(なんぢ)(すく)ひし(もの)(われ)これを(つるぎ)(わた)すべし 15(なんぢ)種播(たねまく)とも()ることあらず 橄欖(かんらん)(ふむ)ともその(あぶら)()()ることあらず 葡萄(ぶだう)(ふむ)ともその(さけ)(のむ)ことあらじ 16(なんぢ)らはオムリの法度(のり)(まも)りアハブの(いへ)一切(すべて)行爲(わざ)(おこな)ひて彼等(かれら)謀計(はかりごと)(したが)(これ)(われ)をして(なんぢ)(あら)さしめ(かつ)その居民(きよみん)胡盧(ものわらひ)となさしめんが(ため)なり (なんぢ)らはわが(たみ)恥辱(はぢ)(おふ)べし

第七章

1(われ)(わざはひ)なるかな (われ)景况(ありさま)(なつ)菓物(くだもの)()(とき)のごとく(のこ)れる葡萄(ぶだう)(をさ)むる(とき)()たり (くら)ふべき葡萄(ぶだう)あること()()(こころ)(たし)初結(はつなり)無花果(いちじく)あること()2(ぜん)(にん)()()(ひと)(なか)(なお)(もの)なし (みな)()(なが)さんと(ふし)(うかが)各々(おのおの)(あみ)をもてその兄弟(きやうだい)()3兩手(もろて)(あく)(よく)なすに(いそ)がし 牧伯(つかさ)要求(もと)裁判人(さばきびと)賄賂(まひなひ)()(ちから)ある(ひと)はその(こころ)(あし)(のぞみ)(いひ)あらはし(かく)(とも)にその(あく)をあざなひ(あは)4(かれ)らの(もつと)()(もの)荊棘(いばら)のごとく(もつと)(なお)(もの)(とげ)ある()(かき)より(あし)(なんぢ)觀望人(ものみびと)()すなはち(なんぢ)刑罰(けいばつ)()いたる (かれ)らの(うち)(いま)混亂(こんらん)あらん 5(なんぢ)伴侶(とも)(しん)ずる(なか)朋友(ともだち)(たの)むなかれ (なんぢ)(ふところ)(いぬ)(もの)にむかひても(なんぢ)(くち)()(まも)6男子(むすこ)(ちち)藐視(いやし)女子(むすめ)(はは)(そむ)(よめ)(しうとめ)(そむ)かん (ひと)(あだ)はその(いへ)(もの)なるべし 7(われ)はヱホバを(あふ)(のぞ)(われ)(すく)(かみ)(のぞ)()(わが)(かみ)われに(きき)たまふべし 8(わが)敵人(あだびと)(われ)につきて(よろこ)ぶなかれ (われ)(たふ)るれば(おき)あがる 幽暗(くらき)()ればヱホバ(われ)(ひかり)となりたまふ 9ヱホバわが訴訟(うつたへ)(ただ)(わが)ために審判(さばき)をおこなひたまふまで(われ)(しの)びてその忿怒(いかり)をかうむらん ()(われ)これに(つみ)()たればなり ヱホバつひに(われ)光明(ひかり)(たづさ)へいだし(たま)はん (しか)して(われ)ヱホバの正義(ただしき)()10わが(てき)これを()(なんぢ)(かみ)ヱホバは何處(いづこ)にをるやと(われ)(いへ)(もの)恥辱(はぢ)をかうむらん (われ)かれを()()るべし (かれ)街衢(ちまた)(どろ)のごとくに(ふみ)つけらるべし 11(なんぢ)(かき)(きづ)()いたらん (その)()には法度(のり)(とほ)(うつ)るべし 12その()にはアッスリヤよりエジプトの邑々(まちまち)より人々(ひとびと)(なんぢ)(きた)りエジプトより(かは)まで(うみ)より(うみ)まで(やま)より(やま)までの人々(ひとびと)(なんぢ)(きた)(つか)13その()()はその居民(きよみん)(ゆゑ)によりて(あれ)はつべし (これ)その行爲(おこなひ)果報(くわはう)なり 14(なんぢ)(つゑ)をもて(なんぢ)(たみ)(すなは)(ひとり)(はな)れてカルメルの(なか)(はやし)にをる(なんぢ)產業(さんげふ)(ひつじ)牧養(やしな)(これ)をして古昔(むかし)()のごとくバシヤンおよびギレアデにおいて(くさ)(くら)はしめたまへ 15(なんぢ)がエジプトの(くに)より出來(いでき)()のごとく(われ)ふしぎなる事等(ことども)(かれ)にしめさん 16國々(くにぐに)(たみ)()てその一切(すべて)能力(ちから)()ぢその()(くち)にあてん その(みみ)(つんぼ)となるべし 17(かれ)らは(へび)のごとくに(ちり)()()()(もの)(ごと)くにその(しろ)より(ふる)ひて()戰慄(をののき)(われ)らの(かみ)ヱホバに(いた)(なんぢ)のために(おそ)れん 18(いづれ)(かみ)(なんぢ)(しか)(なんぢ)(つみ)(ゆる)しその產業(さんげふ)遺餘者(のこりのもの)(とが)見過(みすぐ)したまふなり (かみ)憐憫(あはれみ)(よろこ)ぶが(ゆゑ)にその震怒(いかり)(なが)(たも)ちたまはず 19ふたたび(かへり)みて(われ)らを(あはれ)(われ)らの(とが)(ふみ)つけ(われ)らの(もろもろ)(つみ)(うみ)(そこ)(なげ)しづめたまはん 20(なんぢ)古昔(むかし)()われらの先祖(せんぞ)(ちか)ひたりし(その)眞實(まこと)をヤコブに(たま)憐憫(あはれみ)をアブラハムに(たま)はん