ゼカリヤ書

第一章

1ダリヨスの二(ねん)(ぐわつ)のヱホバの(ことば)イドの()ベレキヤの()なる預言者(よげんしや)ゼカリヤに(のぞ)めり(いは)2ヱホバいたく(なんぢ)らの父等(ちちたち)(いか)りたまへり 3萬軍(ばんぐん)のヱホバかく()ふと(なんぢ)かれらに(つげ)萬軍(ばんぐん)のヱホバ()(なんぢ)(われ)(かへ)萬軍(ばんぐん)のヱホバいふ(われ)(なんぢ)らに(かへ)らん 4(なんぢ)らの父等(ちちたち)のごとくならざれ(さき)預言者(よげんしや)(たち)かれらに(むか)ひて(よば)はりて(いへ)萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ()(なんぢ)らその(あし)(みち)(はな)れその(あし)(おこなひ)()てて(かへ)れと(しか)るに彼等(かれら)(きか)(みみ)(われ)(かたむ)けざりきヱホバこれを()5(なんぢ)らの父等(ちちたち)何處(いづこ)にありや預言者(よげんしや)たち永遠(とこしなへ)(いき)んや 6(さり)ながら(わが)(しもべ)なる預言者(よげんしや)(たち)()(めい)じたる(わが)(ことば)とわが法度(のり)とは(なんぢ)らの父等(ちちたち)追及(おひしき)たるに(あら)ずや(さる)ゆゑに(かれ)らかへりて(いへ)萬軍(ばんぐん)のヱホバ(われ)らの(みち)(したが)(われ)らの(おこなひ)(したが)ひて(われ)らに(なさ)んと(おも)ひたまひし(こと)(われ)らに(なし)たまへりと 7ダリヨスの二(ねん)十一(ぐわつ)すなはちセバテといふ(つき)の二十四()にヱホバの(ことば)イドの()ベレキヤの()なる預言者(よげんしや)ゼカリヤに(のぞ)めり(いは)8(われ)(よる)()しに一箇(ひとり)(ひと)赤馬(あかむま)(のり)(たに)(うち)なる鳥拈樹(もちのき)(なか)()ちその(うしろ)赤馬(あかむま)駁馬(まぶちむま)白馬(しろむま)をる 9(われ)わが(しゆ)是等(これら)(なに)ぞやと(とひ)けるに(われ)(ものい)(てん)使(つかひ)われにむかひて是等(これら)(なに)なるをわれ(なんぢ)(しめ)さんと(いへ)10鳥拈樹(もちのき)(なか)(たて)(ひと)(こた)へて(いひ)けるは是等(これら)地上(ちじやう)(あまね)(ある)かしめんとてヱホバの(つかは)したまひし(もの)なりと 11(かれ)(こた)へて鳥拈樹(もちのき)(なか)(たて)るヱホバの使(つかひ)(いひ)けるは(われ)地上(ちじやう)(ゆき)めぐり()しに全地(ぜんち)(おだやか)にして(やす)12ヱホバの使(つかひ)こたへて()萬軍(ばんぐん)のヱホバよ(なんぢ)いつまでヱルサレムとユダの邑々(まちまち)(あはれ)みたまはざるか(なんぢ)はこれを(いか)りたまひてすでに七十(ねん)になりぬと 13ヱホバ(われ)(ものい)(てん)使(つかひ)嘉事(よきこと)慰事(なぐさめごと)をもて(こた)へたまへり 14かくて(われ)(ものい)(てん)使(つかひ)(われ)(いひ)けるは(なんぢ)(よば)はりて()萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ(われ)ヱルサレムのためシオンのために(はなは)だしく(こころ)(ねつ)して嫉妬(ねたく)おもひ 15安居(やすゐ)せる國々(くにぐに)(たみ)(いた)(いか)()(われ)すこしく(いか)りしに(かれ)(ちから)(いだ)して(これ)(がい)(くは)へたればなり 16ヱホバかく()是故(このゆえ)(われ)憐憫(あはれみ)をもてヱルサレムに(かへ)萬軍(ばんぐん)のヱホバのたまふ(わが)(いへ)その(なか)(たて)られ量繩(はかりなは)ヱルサレムに()られん 17(なんぢ)また(よば)はりて()萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(のたま)(わが)邑々(まちまち)には(ふたた)嘉物(よきもの)あふれんヱホバふたたびシオンを(なぐさ)(ふたた)びヱルサレムを(えら)びたまふべしと 18かくて(われ)()(あげ)()しに(よつ)(つの)ありければ 19(われ)(ものい)(てん)使(つかひ)是等(これら)(なに)なるやと(とひ)しに(かれ)われに(こた)へけるは是等(これら)はユダ、イスラエルおよびヱルサレムを(ちら)したる(つの)なりと 20(とき)にヱホバ四箇(よたり)鍛冶(かねぢ)(われ)(しめ)(たま)へり 21(われ)是等(これら)(なに)(なさ)んとて(きた)れるやと(とひ)しに(かく)こたへ(たま)へり是等(これら)(つの)はユダを(ちら)して(ひと)にその(かしら)(あげ)しめざりし(もの)なるが(いま)この四箇(よたり)(もの)(きた)りて(これ)(おど)しかのユダの()にむかひて(つの)(あげ)(これ)(ちら)せし諸國(しよこく)(つの)(なげう)たんとす

第二章

1(ここ)(われ)()(あげ)()しに一箇(ひとり)(ひと)量繩(はかりなは)()執居(とりゐ)ければ 2(なんぢ)何處(いづこ)()くやと(とひ)しにヱルサレムを(はか)りてその(ひろさ)(ながさ)幾何(いくばく)なるを()んとすと(われ)(こた)3(とき)(われ)(ものい)(てん)使(つかひ)出行(いでゆき)たりしが(また)一箇(ひとり)(てん)使(つかひ)(いで)きたりて(これ)()4(これ)(いひ)けるは(はせ)ゆきてこの(わか)(ひと)(つげ)()へヱルサレムはその(なか)(ひと)(けもの)(さは)なるによりて野原(のはら)のごとくに(ひろ)(わた)るべし 5ヱホバ(いひ)たまふ(われ)その四周(まはり)にて()(かき)となりその(なか)にて榮光(さかえ)とならん 6ヱホバいひたまふ(きた)(きた)(きた)()より(にげ)きたれ(われ)なんぢらを四方(よも)天風(あまつかぜ)のごとくに(ゆき)わたらしむればなりヱホバこれを()7(きた)れバビロンの女子(むすめ)とともに()るシオンよ(のが)(きた)8萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふヱホバ汝等(なんぢら)(とら)へゆきし國々(くにぐに)榮光(さかえ)のために我儕(われら)(つかは)したまふ(なんぢ)らを()(もの)(かれ)()(たま)(うつ)なればなり 9(すなは)(われ)()をかれらの(うへ)(ふら)(かれ)らは(おのれ)(つか)へし(もの)俘虜(とりこ)となるべし(なんぢ)らは萬軍(ばんぐん)のヱホバの(われ)(つかは)したまへるなるを(しら)10ヱホバ(いひ)たまふシオンの女子(むすめ)(よろこ)(たのし)(われ)きたりて(なんぢ)(なか)(すめ)ばなり 11その()には許多(あまた)(たみ)ヱホバに(つき)我民(わがたみ)とならん(われ)なんぢの(なか)(すむ)べし(なんぢ)萬軍(ばんぐん)のヱホバの(われ)(つかは)したまへるなるを(しら)12ヱホバ聖地(きよきち)(なか)にてユダを(とり)(おのれ)(ぶん)となし(ふたた)びヱルサレムを(えら)びたまふべし 13ヱホバ(おき)てその聖住所(きよきすみか)よりいでたまへば(およ)血肉(けつにく)ある(もの)ヱホバの(まへ)粛然(しくぜん)たれ

第三章

1(かれ)祭司(さいし)(をさ)ヨシユアがヱホバの使(つかひ)(まへ)()ちサタンのその(みぎ)()てこれに(てき)しをるを(われ)()2ヱホバ、サタンに(いひ)たまひけるはサタンよヱホバ(なんぢ)をせむべし(すなは)ちヱルサレムを(えら)びしヱホバ(なんぢ)をいましむ(これ)()(なか)より(とり)いだしたる燃柴(もえぐい)ならずやと 3ヨシユア(きた)なき衣服(ころも)()使(つかひ)(まへ)(たち)をりしが 4ヱホバ(おのれ)(まへ)(たて)者等(ものども)(つげ)(きた)なき衣服(ころも)(これ)(ぬが)せよと(のたま)ひまたヨシユアに(むか)ひて()(われ)なんぢの(つみ)(なんぢ)()より(とり)のぞけり(なんぢ)美服(びふく)()すべしと(のたま)へり 5(われ)また(きよ)冠冕(かんむり)をその(かうべ)(かむ)らせよと(いへ)(ここ)において(きよ)冠冕(かんむり)をその(かうべ)(かむ)らせ衣服(ころも)をこれに()すヱホバの使(つかひ)(たち)をる 6ヱホバの使(つかひ)(あかし)してヨシユアに()7萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ(なんぢ)もし(わが)(みち)(あゆ)みわが職守(つとめ)(まも)らば(わが)(いへ)(つかさ)どり(わが)(には)(まも)ることを()(われ)また(ここ)(たて)者等(ものども)(なか)往來(ゆきき)する(みち)(なんぢ)(あた)ふべし 8祭司(さいし)(をさ)ヨシユアよ()(なんぢ)(なんぢ)(まへ)()する(なんぢ)同僚(とも)とともに(きく)べし(かれ)らは(すなは)前表(しるし)となるべき(ひと)なり(われ)かならず(わが)(しもべ)たる(えだ)(きた)らすべし 9ヨシユアの(まへ)()(たつ)るところの(いし)()(この)一箇(ひとつ)(いし)(うへ)七箇(ななつ)()あり(われ)(みづか)らその彫刻(てうこく)をなす萬軍(ばんぐん)のヱホバこれを()ふなり(われ)この()(つみ)一日(いちにち)(うち)(のぞ)くべし 10萬軍(ばんぐん)のヱホバ(いひ)たまふ(その)()には汝等(なんぢら)おのおの(たがひ)相招(あひまね)きて葡萄(ぶだう)()(した)無花果(いちじく)()(した)にあらん

第四章

1(われ)(ものい)へる(てん)使(つかひ)また(きた)りて(われ)呼醒(よびさま)せり(われ)(ねむ)れる(ひと)呼醒(よびさま)されしごとくなりき 2(かれ)(われ)にむかひて(なんぢ)(なに)()るやと(いひ)ければ(われ)いへり(われ)(みる)惣金(そうきん)燈臺(とうだい)一箇(ひとつ)ありてその(いただき)(あぶら)(いる)(うつは)ありまた燈臺(とうだい)(うへ)七箇(ななつ)燭盞(ともしびざら)ありその燭盞(ともしびざら)燈臺(とうだい)(いただき)にありて(これ)(おのおの)七本(ななつ)づつの(くだ)あり 3また燈臺(とうだい)(そば)橄欖(かんらん)()二本(ふたもと)ありて(ひとつ)(あぶら)(いる)(うつは)(みぎ)にあり(ひとつ)はその(ひだり)にあり 4(われ)(こた)へて(われ)(ものい)(てん)使(つかひ)(とひ)(いひ)けるは(わが)(しゆ)是等(これら)(なに)ぞやと 5(われ)(ものい)(てん)使(つかひ)(われ)(こた)へて(なんぢ)是等(これら)(なに)なるを(しら)ざるかと(いひ)しにより(わが)(しゆ)(しら)ずとわれ(いへ)6(かれ)また(こた)へて(われ)(いひ)けるはゼルバベルにヱホバの(つげ)たまふ(ことば)(かく)のごとし萬軍(ばんぐん)のヱホバ(のたま)(これ)權勢(いきほひ)()らず能力(ちから)()らず(わが)(れい)()るなり 7ゼルバベルの(まへ)にあたれる(おほ)(やま)(なんぢ)(なに)(もの)(なんぢ)平地(ひらち)とならん(かれ)恩惠(めぐみ)あれ(これ)恩惠(めぐみ)あれと(よば)はる(こゑ)をたてて頭石(かしらいし)(ひき)いださん 8ヱホバの(ことば)われに(のぞ)めり(いは)9ゼルバベルの()この(いへ)石礎(いしづゑ)(すゑ)たり(かれ)()これを成終(なしをへ)(なんぢ)しらん萬軍(ばんぐん)のヱホバ(われ)汝等(なんぢら)(つかは)したまひしと 10(たれ)(ちひさ)(こと)()藐視(いやし)むる(もの)()(ななつ)(もの)(あまね)全地(ぜんち)往來(ゆきき)するヱホバの()なり準繩(さげふり)のゼルバベルの()にあるを()(よろこ)ばん 11(われ)また(かれ)(とふ)燈臺(とうだい)右左(みぎひだり)にある(この)二本(ふたもと)橄欖(かんらん)()(なに)なるやと()12(かさ)ねてまた(かれ)(とふ)(この)二本(ふたもと)(きん)(くだ)によりて(きん)(あぶら)をその(なか)より(そそ)(いだ)二枝(ふたえだ)橄欖(かんらん)(なに)ぞやと(いひ)しに 13(かれ)われに(こた)へて(なんぢ)是等(これら)(なに)なるを(しら)ざるかと(いひ)ければ(わが)(しゆ)(しら)ずと(いひ)けるに 14(かれ)(いへ)らく是等(これら)(あぶら)二箇(ふたり)()にして全地(ぜんち)(しゆ)(まへ)()(もの)なり

第五章

1(われ)また()(あげ)()しに卷物(まきもの)(とぶ)あり 2(かれ)われに(なんぢ)(なに)()るやと(いひ)ければ(われ)()(われ)卷物(まきもの)(とぶ)ぶを()(その)(ながさ)は二十キユビトその(はば)は十キユビト 3(かれ)またわれに(いひ)けるは(これ)全地(ぜんち)表面(おもて)(ゆき)めぐる呪詛(のろひ)(ことば)なり(すべ)(ぬす)(もの)卷物(まきもの)のこの(おもて)(てら)して(のぞ)かれ(すべ)(ちか)(もの)卷物(まきもの)()(おもて)(てら)して(のぞ)かるべし 4萬軍(ばんぐん)のヱホバのたまふ(われ)これを(いだ)せり(これ)竊盗者(ぬすむもの)(いへ)()りまた(わが)()(さし)(いつ)(ちか)(もの)(いへ)(いり)てその(いへ)(なか)宿(やど)りその()(いし)とを(あは)せて(ことごと)(これ)(やく)べしと 5(われ)(ものい)へる(てん)使(つかひ)(すす)(きた)りて(われ)(いひ)けるは()()(あげ)てこの(いで)きたれる(もの)(なに)なるを()6これは(なに)なるやと(われ)(いひ)ければ(かれ)()(この)出來(いできた)れる(もの)はエパ(ます)なり(また)()全地(ぜんち)において彼等(かれら)形状(かたち)(かく)のごとしと 7かくて(なまり)(まろ)(ふた)(とり)あぐれば一人(ひとり)婦人(をんな)エパ(ます)(なか)()()8(かれ)(これ)罪惡(ざいあく)なりと(いひ)てその婦人(をんな)をエパ(ます)(なか)(なげ)いれ(なまり)(おもり)をその(ます)(くち)(なげ)かぶらせたり 9(われ)また()(あげ)()しに婦人(をんな)二人(ふたり)(いで)きたれり(これ)(つる)(つばさ)のごとき(つばさ)ありてその(つばさ)(かぜ)(ふく)彼等(かれら)そのエパ(ます)天地(てんち)(あひだ)(もち)()10(われ)すなはち(われ)(ものい)(てん)使(つかひ)にむかひて彼等(かれら)エパ(ます)何處(いづこ)(たづさ)へゆくなるやと(いひ)けるに 11(かれ)(われ)()ふシナルの()にて(これ)がために(いへ)(たて)んとてなり(これ)彼處(かしこ)(すゑ)られてその(だい)(うへ)(たた)

第六章

1(われ)また()(あげ)()しに四輌(しりやう)(くるま)(ふたつ)(やま)(あひだ)より(いで)きたれりその(やま)(あかがね)(やま)なり 2(だい)一の(くるま)には赤馬(あかむま)()(だい)二の(くるま)には黑馬(くろむま)()3(だい)三の(くるま)には白馬(しろむま)()(だい)四の(くるま)には白點(まだら)なる強馬(つよむま)()4(われ)すなはち(われ)(ものい)(てん)使(つかひ)(とふ)(わが)(しゆ)是等(これら)(なに)なるやと(いひ)けるに 5(てん)使(つかひ)こたへて(われ)()(これ)(よつ)天風(あまつかぜ)にして全地(ぜんち)(しゆ)(まへ)より(まか)(いで)たる(もの)なり 6黑馬(くろむま)(きた)()をさして(すす)()白馬(しろむま)その(うしろ)(したが)(また)白點馬(まだらむま)(みなみ)()をさして(すす)みゆき 7強馬(つよむま)(すす)(いで)()(あまね)(あゆ)めぐらんとす(かれ)(なんぢ)()()(あまね)くめぐれと(いひ)たまひければ(すなは)()(ゆき)めぐれり 8(かれ)われを(よび)(われ)(つげ)()ふこの(きた)()(ゆけ)者等(ものども)(きた)()にて(わが)(れい)(やす)んず 9ヱホバの(ことば)われに(のぞ)めり(いは)10(なんぢ)かの囚虜人(とらはれびと)(なか)(もの)ヘルダイ、トビヤおよびヱダヤより(とる)ことをせよ(すなは)ちその()(なんぢ)かれらがバビロンより(かへ)りて宿(やど)りをるゼパニヤの()ヨシヤの(いへ)(いた)11金銀(きんぎん)(とり)冠冕(かんむり)(つく)りヨザダクの()なる祭司(さいし)(をさ)ヨシユアの(かうべ)にこれを(かむ)らせ 12(かれ)(かた)りて(いふ)べし萬軍(ばんぐん)のヱホバ(かく)(いひ)たまふ()(ひと)ありその()(えだ)といふ(かれ)おのれの(ところ)より(はへ)いでてヱホバの(みや)(たて)13(すなは)彼者(かのもの)ヱホバの(みや)()尊榮(そんえい)()びその(くらゐ)()して政事(まつりごと)(ほどこ)しその(くらゐ)にありて祭司(さいし)とならん(この)(ふたつ)(もの)(あひだ)平和(へいわ)計議(はからひ)あるべし 14(さて)またその冠冕(かんむり)はヘレム、トビヤ、ユダヤおよびゼパニヤの()ヘンの記念(きねん)のために(これ)をヱホバの殿(みや)(をさ)むべし 15(とほ)(ところ)者等(ものども)(きた)りてヱホバの殿(みや)(たて)(しか)して(なんぢ)らは萬軍(ばんぐん)のヱホバの(われ)(つかは)したまひしなるを(しる)にいたらん(なんぢ)らもし(なんぢ)らの(かみ)ヱホバの(こゑ)(きき)したがはば(かく)のごとくなるべし

第七章

1ダリヨス(わう)の四(ねん)の九(ぐわつ)すなはちキスリウといふ(つき)四日(よつか)にヱホバの(ことば)ゼカリヤに(のぞ)めり 2ベテルかの(とき)シヤレゼル、レゲンメレクおよびその從者(じうしや)(つかは)してヱホバを(なご)めさせ 3かつ萬軍(ばんぐん)のヱホバの(いへ)にをる祭司(さいし)(とは)しめ(かつ)預言者(よげんしや)(とは)しめて(いひ)けらく(われ)(いま)まで(とし)(ひさ)しく(なし)きたりしごとく(なほ)(ぐわつ)をもて()きかつ齋戒(ものいみ)すべきやと 4ここにおいて萬軍(ばんぐん)のヱホバの(ことば)(われ)(のぞ)めり(いは)5(くに)諸民(しよみん)および祭司(さいし)(つげ)()(なんぢ)らは七十(ねん)のあひだ五(ぐわつ)と七(ぐわつ)とに斷食(だんじき)しかつ哀哭(あいこく)せしがその斷食(だんじき)せし(とき)(はた)して(われ)にむかひて斷食(だんじき)せしや 6(なんぢ)()ひかつ(のむ)(まつた)(おのれ)のために()(おのれ)のために(のむ)ならずや 7在昔(むかし)ヱルサレムおよび周圍(まはり)邑々(まちまち)(ひと)(すま)ふありて平安(やすらか)なりし(とき)(みなみ)()および平野(ひらの)にも(ひと)(すま)ひをりし(とき)已往(さき)預言者(よげんしや)によりてヱホバの(のたま)ひたりし(ことば)(なんぢ)(しら)ざるや 8ヱホバの(ことば)ゼカリヤに(のぞ)めり(いは)9萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(のたま)へり(いは)正義(ただしき)審判(さばき)(おこな)(たがひ)相愛(あひいつく)しみ相憐(あひあはれ)10寡婦(やもめ)孤兒(みなしご)旅客(たびびと)および貧者(まづしきもの)(しへた)ぐるなかれ(ひと)(がい)せんと(こころ)(はか)(なか)れと 11(しか)るに彼等(かれら)(あへ)(みみ)(かたむ)けず(そびら)()(みみ)(にぶ)くして(きか)12(かつ)その(こころ)金剛石(こんごうせき)のごとくし萬軍(ばんぐん)のヱホバがその御霊(みたま)をもて已往(さき)預言者(よげんしや)(より)(つた)へたまひし律法(おきて)言詞(ことば)(きき)したがはざりき(ここ)をもて(おほい)なる(いかり)萬軍(ばんぐん)のヱホバより(いで)(のぞ)めり 13(かれ)かく(よば)はりたれども彼等(かれら)(きか)ざりき(その)ごとく(かれ)(よば)はるとも(われ)(きか)萬軍(ばんぐん)のヱホバこれを()14(われ)かれらをその(しら)ざる(もろもろ)(くに)(ふき)(ちら)すべし(その)(あと)にてこの()(あれ)往來(ゆきき)する(もの)なきに(いた)らん彼等(かれら)かく(うるは)しき(くに)(あれ)()となす

第八章

1萬軍(ばんぐん)のヱホバの(ことば)われに(のぞ)めり(いは)2萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ(われ)シオンのために(はなは)だしく(こころ)(ねつ)して(ねた)(おも)(おほい)なる忿怒(いかり)(おこ)して(これ)がために(ねた)(おも)3ヱホバかく(いひ)たまふ(いま)(われ)シオンに(かへ)れり(われ)ヱルサレムの(なか)(すま)んヱルサレムは誠實(まこと)ある(まち)(とな)へられ萬軍(ばんぐん)のヱホバの(やま)聖山(きよきやま)(とな)へらるべし 4萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふヱルサレムの街衢(ちまた)には(ふたた)(おい)たる(をとこ)(おい)たる(をんな)()せん(みな)(とし)(たか)くして各々(おのおの)(つゑ)()(もつ)べし 5またその(まち)街衢(ちまた)には(をとこ)()(をんな)()滿(みち)街衢(ちまた)(あそ)(たはむ)れん 6萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふこの(こと)その()には(この)(たみ)遺餘者(のこれるもの)()(くすし)といふとも(わが)()(なん)(くすし)きこと(あら)んや萬軍(ばんぐん)のヱホバこれを()7萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ()(われ)わが(たみ)()(いづ)(くに)より()()(くに)より(すく)(いだ)8かれらを(たづさ)(きた)りてヱルサレムの(なか)(すま)しめん(かれ)らは我民(わがたみ)となり(われ)(かれ)らの(かみ)となりて(とも)誠實(まこと)正義(ただしき)(をら)9萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ(なんぢ)萬軍(ばんぐん)のヱホバの(いへ)なる殿(みや)(たて)んとて(その)基礎(いしづゑ)(すゑ)たる()(おこ)りし預言者(よげんしや)(ども)(くち)言詞(ことば)今日(こんにち)()(もの)(なんぢ)らの(うで)(つよ)くせよ 10(この)()(さき)には(ひと)(わざ)(あたひ)()獸畜(けもの)(わざ)(あたひ)()出者(いづるもの)入者(いるもの)(あだ)(ゆゑ)をもて安然(やすらか)ならざりき(すなは)(われ)人々(ひとびと)をして(たがひ)相攻(あひせめ)しめたり 11(しか)れども(いま)(われ)(この)(たみ)遺餘者(のこれるもの)(たい)すること(さき)()(ごと)くならずと萬軍(ばんぐん)のヱホバ(いひ)たまふ 12(すなは)平安(やすき)種子(たね)あるべし葡萄(ぶだう)()()(むす)()產物(さんぶつ)(いだ)(てん)(つゆ)(あた)へん(われ)この(たみ)遺餘者(のこれるもの)にこれを(ことごと)()さすべし 13ユダの(いへ)およびイスラエルの(いへ)(なんぢ)らが國々(くにぐに)(うち)呪詛(のろひ)となりしごとく此度(このたび)(われ)なんぢらを(すく)ふて祝言(ほぎごと)とならしめん(おそ)るる(なか)(なんぢ)らの(うで)(つよ)くせよ 14萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ在昔(むかし)(なんぢ)らの先祖(せんぞ)(われ)(いか)らせし(とき)(われ)これに災禍(わざはひ)(くだ)さんと(おも)ひて(これ)(くい)ざりき萬軍(ばんぐん)のヱホバこれを()15(かく)のごとく(われ)また今日(こんにち)ヱルサレムとユダの(いへ)福祉(さいはひ)(くだ)さんと(おも)(なんぢ)(おそ)るる(なか)16(なんぢ)らの(なす)べき(こと)(これ)なり(なんぢ)各々(おのおの)たがひに眞實(まこと)(いふ)べし(また)汝等(なんぢら)(もん)にて審判(さばき)する(とき)眞實(まこと)(とり)平和(へいわ)審判(さばき)(なす)べし 17汝等(なんぢら)すべて(ひと)災害(わざはひ)(こころ)(はか)(なか)(いつはり)(ちかひ)(この)(なか)是等(これら)はみな()(にく)(もの)なりとヱホバ(いひ)たまふ 18萬軍(ばんぐん)のヱホバの(ことば)われに(のぞ)めり(いは)19萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ四(ぐわつ)斷食(だんじき)(ぐわつ)斷食(だんじき)(ぐわつ)斷食(だんじき)(ぐわつ)斷食(だんじき)かへつてユダの(いへ)宴樂(たのしみ)となり欣喜(よろこび)となり佳節(よきいはひ)となるべし(ただ)なんぢら眞實(まこと)平和(へいわ)(あい)すべし 20萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ國々(くにぐに)(たみ)および衆多(おほく)(まち)居民(きよみん)(きた)(つか)21(すなは)ちこの(まち)居民(きよみん)(ゆき)てかの(まち)(もの)(むか)我儕(われら)すみやかに(ゆき)てヱホバを(なご)萬軍(ばんぐん)のヱホバを(もと)めんと(いは)んに(われ)(ゆく)べしと(こた)へん 22衆多(おほく)(たみ)(つよ)國民(くにびと)ヱルサレムに(きた)りて萬軍(ばんぐん)のヱホバを(もと)めヱホバを(なご)めん 23萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ(その)()には(もろもろ)國語(くにことば)(たみ)(にん)にてユダヤ(びと)一箇(ひとり)(すそ)(とら)へん(すなは)(これ)(とら)へて(いは)(われ)(なんぢ)らと(とも)(ゆく)べし()(われ)(かみ)(なんぢ)らと(とも)にいますを(きき)たればなり

第九章

1ヱホバの言詞(ことば)重負(おもに)ハデラクの()(のぞ)むダマスコはその(とどま)(ところ)なりヱホバ()(ひと)(かへり)みイスラエルの一切(すべて)支派(わかれ)(かへり)みたまへばなり 2(これ)(さかひ)するハマテも(しか)りツロ、シドンも(また)はなはだ怜悧(かしこ)ければ(おな)じく(しか)るべし 3ツロは自己(おのれ)のために城郭(じやうくわく)(かま)(ぎん)(ちり)のごとくに()(きん)街衢(ちまた)(つち)のごとくに()めり 4()(しゆ)これを攻取(せめと)(うみ)にて(これ)(ちから)(うち)ほろぼしたまふべし(これ)()にて(やけ)うせん 5アシケロンこれを()(おそ)れガザもこれを()(いた)(ふる)ふエクロンもその(のぞ)(ところ)(もの)(はづか)しめらるるに(より)(また)(しか)りガザには(わう)()えアシケロンには住者(すむもの)なきに(いた)らん 6アシドドにはまた雑種(ざつしゆ)(たみ)すまん(われ)ペリシテ(びと)(ほこ)(ところ)(もの)(たつ)べし 7(われ)これが(くち)より()(とり)(のぞ)(これ)()(あひだ)より(にく)むべき(もの)(とり)(のぞ)かん(これ)(のこ)りて我儕(われら)(かみ)()しユダの牧伯(つかさ)のごとくに(なる)べしまたエクロンはヱブス(びと)のごとくになるべし 8(われ)わが(いへ)のために(じん)(はり)(てき)(ぐん)(あた)(これ)をして往來(ゆきき)すること(なか)らしめん虐遇者(しへたぐるもの)かさねて(せま)ること(なか)るべし(われ)いま(わが)()をもて(みづか)()ればなり 9シオンの(むすめ)(おほい)(よろこ)べヱルサレムの(むすめ)(よば)はれ()(なんぢ)(わう)(なんぢ)(きた)(かれ)正義(ただしく)して拯救(すくひ)(たまは)柔和(にうわ)にして驢馬(ろば)()(すなは)牝驢馬(めろば)()なる(こま)()るなり 10(われ)エフライムより(くるま)()ちヱルサレムより(むま)(たた)戰爭弓(いくさゆみ)(たた)るべし(かれ)國々(くにぐに)(たみ)平和(へいわ)(さと)さん(その)政治(まつりごと)(うみ)より(うみ)(およ)(かは)より()(はて)におよぶべし 11(なんぢ)についてはまた(なんぢ)契約(けいやく)()のために(われ)かの(みづ)なき(あな)より(なんぢ)被俘人(とらはれびと)(はな)(いだ)さん 12(のぞみ)(いだ)被俘人(とらはれびと)汝等(なんぢら)(しろ)(かへ)(われ)今日(こんにち)もなほ(つげ)()(われ)かならず(ばい)して汝等(なんぢら)(たま)ふべし 13(われ)ユダを(はり)(ゆみ)となしエフライムを()となして(これ)につがへんシオンよ(われ)(なんぢ)人々(ひとびと)振起(ふりおこ)してギリシヤの人々(ひとびと)(せめ)しめ(なんぢ)をして大丈夫(ますらを)(つるぎ)のごとくならしむべし 14ヱホバこれが(うへ)(あらは)れてその()電光(いなづま)のごとくに()いだしたまはん(しゆ)ヱホバ喇叭(らつぱ)(ふき)ならし(みなみ)暴風(おほかぜ)(のり)出來(いでき)まさん 15萬軍(ばんぐん)のヱホバ(かれ)らを(まも)りたまはん彼等(かれら)(くら)ふことを()投石器(いしなげ)(いし)(ふみ)つけん彼等(かれら)(のむ)ことを()(さけ)(ゑへ)るごとくに(こゑ)(あげ)(その)これに(みた)さるることは()()(はち)のごとく祭壇(さいだん)(すみ)のごとくなるべし 16(かれ)らの(かみ)ヱホバ當日(そのひ)(かれ)らを(すく)ひその(たみ)(ひつじ)のごとくに(すく)ひたまはん彼等(かれら)冠冕(かんむり)(たま)のごとくになりて(その)()(かがや)くべし 17その福祉(さいはひ)如何計(いかばかり)ぞや(その)美麗(うるはしき)如何計(いかばかり)ぞや穀物(こくもつ)童男(わらはべ)(ちやう)ぜしめ(しん)(しゆ)童女(わらはめ)(ちやう)ぜしむ

第十章

1(なんぢ)(はる)(あめ)(とき)(あめ)をヱホバに()へヱホバは電光(いなづま)(つく)(おほ)(あめ)人々(ひとびと)(たま)田野(でんや)において草蔬(くさ)各々(おのおの)(たま)ふべし 2(それ)テラピムは空虚(むなし)(こと)()卜筮師(うらなひし)はその()(ところ)眞實(まこと)ならずして虚僞(いつはり)(ゆめ)(かた)(その)(なぐさ)むる(ところ)徒然(いたづら)なり(ここ)をもて(たみ)(ひつじ)のごとくに(まよ)牧者(ぼくしゃ)なきに(より)(なや)3(われ)牧者(ぼくしゃ)にむかひて(いかり)(はつ)(われ)牡山羊(をやぎ)(ばつ)せん萬軍(ばんぐん)のヱホバその(むれ)なるユダの(いへ)(かへり)(これ)をしてその(うるは)しき軍馬(いくさむま)のごとくならしめたまふ 4隅石(すみいし)(かれ)より()(くぎ)かれより()軍弓(いくさゆみ)かれより()(つかさ)たる(もの)みな(ひとし)(かれ)より(いで)5彼等(かれら)(たたか)(とき)勇士(ゆうし)のごとくにして街衢(ちまた)(どろ)(なか)(てき)蹂躙(ふみにじ)らんヱホバかれらとともに(いま)せば(かれ)(たたか)はん(むま)()れる者等(ものども)すなはち媿(はぢ)(いだ)くべし 6(われ)ユダの(いへ)(つよ)くしヨセフの(いへ)(すく)はん(われ)かれらを(あはれ)むが(ゆゑ)(かれ)らをして(かへ)(すま)しめん(かれ)らは(われ)(すて)られし(こと)なきが(ごと)くなるべし(われ)(かれ)らの(かみ)ヱホバなり(われ)かれらに(きく)べし 7エフライム(びと)勇士(ゆうし)(ひと)しくして(さけ)(のみ)たるごとく(こころ)(よろこ)ばん(その)子等(こども)()(よろこ)びヱホバに(より)(こころ)(たの)しまん 8(われ)かれらに(むか)ひて(うそぶ)きて(これ)(あつ)めん()(われ)これを(あがな)ひたればなり彼等(かれら)(むかし)殖増(ふえまし)たる(ごと)くに殖増(ふえまさ)9(われ)かれらを國々(くにぐに)(たみ)(なか)(まか)彼等(かれら)(とほ)(くに)において(われ)をおぼへん(かれ)らは(その)子等(こども)とともに(いき)ながらへて(かへ)(きた)るべし 10(われ)かれらをエジプトの(くに)より(たづさ)へかへりアッスリヤより彼等(かれら)(あつ)めギレアデの()およびレバノンに(かれ)らを(たづさ)へゆかんその居處(ゐどころ)()きほどなるべし 11(かれ)艱難(なやみ)(うみ)(とほ)(うみ)(なみ)撃破(うちやぶ)りたまふナイルの(ふち)(ことごと)()るアッスリヤの傲慢(たかぶり)(ひく)くせられエジプトの(つゑ)(うつ)(さら)12(われ)(かれ)らをしてヱホバに(より)(つよ)くならしめん彼等(かれら)はヱホバの()をもて(あゆ)まんヱホバこれを(いひ)たまふ

第十一章

1レバノンよ(なんぢ)(かど)(ひら)()をして(なんぢ)香柏(かうはく)(やか)しめよ 2(まつ)(さけ)香柏(かうはく)(たふ)威嚴(いかめしき)()はそこなはれたりバシヤンの(かし)(さけ)(たか)らかなる(はやし)(たふ)れたり 3牧者(ぼくしや)(さけ)(こゑ)あり(その)(さかえ)そこなはれたればなり(たけ)獅子(しし)(ほゆ)(こゑ)ありヨルダンの(くさむら)そこなはれたればなり 4(わが)(かみ)ヱホバかく(いひ)たまふ(ほふ)らるべき(ひつじ)()5(これ)()(もの)(これ)(ほふ)るとも(つみ)なし(これ)()(もの)()(われ)(とみ)()ればヱホバを(しく)すべしと(その)牧者(ぼくしや)もこれを(をし)まざるなり 6ヱホバ(いひ)たまふ(われ)かさねて()居民(きよみん)(をし)まじ()(われ)(ひと)各々(おのおの)その隣人(となりびと)()(わた)しその(わう)()(わた)さん(かれ)()(あら)すべし(われ)これを(かれ)らの()より(すく)(いだ)さじ 7(われ)すなはち(その)(ほふ)らるべき(ひつじ)(かへ)(これ)(もつと)憫然(あはれ)なる(ひつじ)なり(われ)みづから二本(ふたすぢ)(つゑ)()(ひとつ)(めぐみ)(なづ)(ひとつ)(むすび)(なづ)けてその(ひつじ)(かへ)8(われ)一月(ひとつき)牧者(ぼくしや)(にん)(たて)(われ)(こころ)(かれ)らを(いと)ひしが彼等(かれら)(こころ)(われ)(にく)めり 9(われ)いへり(われ)(なんぢ)らを(やしな)はじ(しぬ)(もの)()(たた)るる(もの)(たた)(のこ)(もの)(たがひ)にその(にく)(くら)ひあふべし 10(われ)(めぐみ)といふ(つゑ)(とり)(これ)()れり(これ)(もろもろ)(たみ)(たて)(わが)契約(けいやく)(はい)せんとてなりき 11(これ)(その)()(はい)せられたり(ここ)(おい)てかの(われ)(きき)したがひし憫然(あはれ)なる(ひつじ)(これ)をヱホバの(ことば)なりしと()れり 12(われ)(かれ)らに(むか)ひて汝等(なんぢら)もし(よし)()なば(わが)(あたひ)(われ)(さづ)けよ(もし)しからずば()めよと(いひ)ければ彼等(かれら)すなはち(ぎん)三十を(はか)りて(わが)(あたひ)とせり 13ヱホバ(われ)(いひ)たまひけるは彼等(かれら)()估價(ねづもり)せられしその善價(よきあたひ)陶人(すゑものし)(なげ)あたへよと(われ)すなはち(ぎん)三十を(とり)てヱホバの(へや)(なげ)いれて陶人(すゑものし)()せしむ 14(われ)また(むすび)といふ(つゑ)()れり(これ)ユダとイスラエルの(あひだ)和好(よしみ)(たた)んとてなりき 15ヱホバ(われ)(いひ)たまはく(なんぢ)また(おろか)なる牧者(ぼくしや)(うつは)()16()(われ)()一人(ひとり)牧者(ぼくしや)(おこ)さん(かれ)(ほろ)ぶる(もの)(かへり)みず(まよ)へる(もの)(たづ)ねず(きず)つける(もの)(いや)さず健剛(すこやか)なる(もの)(やしな)はず(こえ)たる(もの)(にく)(くら)(かつ)その(ひづめ)(さか)17(その)(ひつじ)(むれ)(すつ)(あし)牧者(ぼくしや)(わざはひ)なるかな(つるぎ)その(うで)(のぞ)みその(みぎ)()(のぞ)まん(その)(うで)(まつた)()えその(みぎ)()(まつた)(つぶ)れん

第十二章

1イスラエルにかかはるヱホバの言詞(ことば)重負(おもに) ヱホバ(すなは)(てん)()()(もとゐ)()(ひと)のうちの靈魂(たましひ)(つく)(もの)(いひ)たまふ 2()(われ)ヱルサレムをしてその周圍(まはり)國民(くにびと)蹌踉(よろば)はする(さかづき)とならしむべしヱルサレムの攻圍(せめかこ)まるる(とき)(これ)はユダにも(およ)ばん 3(その)()には(われ)ヱルサレムをして(もろもろ)國民(くにびと)(むか)ひて(おも)(いし)とならしむべし(これ)(もち)(あぐ)(もの)(おほ)(きず)(うけ)地上(ちじやう)諸國(しよこく)みな(あつま)りて(これ)攻寄(せめよす)べし 4ヱホバ(いひ)たまふ當日(そのひ)には(われ)一切(すべて)(むま)(うち)(おどろ)かせその騎手(のりて)(うち)(くる)はせん(しか)して(われ)ユダの(いへ)(うへ)(わが)()(ひら)(もろもろ)國民(くにびと)(むま)(うち)(めくら)になすべし 5ユダの牧伯(つかさ)(たち)その(こころ)(うち)(いは)んヱルサレムの居民(きよみん)はその(かみ)萬軍(ばんぐん)のヱホバに(より)(わが)(ちから)となるべしと 6當日(そのひ)には(われ)ユダの牧伯(つかさ)(たち)をして(たきぎ)(した)にある火盤(ひざら)のごとく麥束(むぎたば)(した)にある炬火(たいまつ)のごとくならしむべし彼等(かれら)右左(みぎひだり)にむかひその周圍(まはり)國民(くにびと)(ことごと)(やか)んヱルサレム(ひと)はなほヱルサレムにてその(もと)(ところ)(をる)ことを()べし 7ヱホバまづユダの幕屋(まくや)(すく)ひたまはん(これ)ダビデの(いへ)(さかえ)およびヱルサレムの居民(きよみん)(さかえ)のユダに(まさ)ること(なか)らんためたり 8當日(そのひ)ヱホバ、ヱルサレムの居民(きよみん)(まも)りたまはん(かれ)らの(なか)(よわ)(もの)もその()にはダビデのごとくなるべしまたダビデの(いへ)(かみ)のごとく(かれ)らに(さき)だつヱホバの使(つかひ)のごとくなるべし 9その()には(われ)ヱルサレムに(せめ)きたる國民(くにびと)をことごとく(ほろぼ)すことを(つと)むべし 10(われ)ダビデの(いへ)およびヱルサレムの居民(きよみん)恩惠(めぐみ)祈禱(いのり)(れい)をそそがん彼等(かれら)はその(さし)たりし(われ)(あふ)()獨子(ひとりご)のため(なげ)くがごとく(これ)がために(なげ)長子(うひご)のために(かな)しむがごとく(これ)がために(いた)(かな)しまん 11その()にはヱルサレムに(おほい)なる哀哭(なげき)あらん(これ)はメギドンの(たに)なるハダデリンモンに(あり)哀哭(なげき)のごとくなるべし 12(こく)(ちう)(やから)おのおの(わか)()哀哭(なげく)べし(すなは)ちダビデの(やから)(わか)()哀哭(なげ)きその(つま)()(わか)()哀哭(なげ)きナタンの(いへ)(やから)(わか)()哀哭(なげ)きその(つま)()(わか)()哀哭(なげ)かん 13レビの(いへ)(やから)(わか)()哀哭(なげ)きその(つま)()(わか)()哀哭(なげ)きシメイの(やから)(わか)()哀哭(なげ)きその(つま)()わかれ()哀哭(なげ)かん 14その(ほか)(やから)(すべ)(しか)りすなはち(やから)おのおの(わか)()哀哭(なげ)きその(つま)()(わか)()哀哭(なげ)くべし

第十三章

1その()(つみ)汚穢(けがれ)(きよ)むる(ひとつ)(いづみ)ダビデの(いへ)とヱルサレムの居民(きよみん)のために(ひら)くべし 2萬軍(ばんぐん)のヱホバ(いひ)たまふ(その)()には(われ)()より偶像(ぐうざう)()(たち)のぞき(かさね)(ひと)記憶(おぼえ)らるること(なか)らしむべし(われ)また預言者(よげんしや)および汚穢(けがれ)(れい)()より(さら)しむべし 3(ひと)もしなほ預言(よげん)することあらば(その)(うみ)父母(ちちはは)これに(いは)(なんぢ)(いく)べからず(なんぢ)はヱホバの()をもて虚僞(いつはり)(かた)るなりと(しか)してその(うみ)父母(ちちはは)これが預言(よげん)しをるを(ささ)4その()には預言者(よげんしや)(ども)預言(よげん)するに(あた)りてその異象(いしやう)(はぢ)(かさね)(ひと)(あざむ)かんために毛衣(けごろも)(まと)はじ 5(かれ)(いは)(われ)預言者(よげんしや)にあらず()(たが)へす(もの)なり(すなは)(われ)(わか)(とき)より(ひと)(かは)れたりと 6(もし)これに(むか)ひて(しか)らば(なんぢ)兩手(もろて)(あひだ)(きず)(なに)ぞやと(いふ)あらば(これ)()(あい)する(もの)(いへ)にて(うけ)たる(きず)なりと(こた)へん 7萬軍(ばんぐん)のヱホバ(いひ)たまふ(つるぎ)(おき)(わが)牧者(ぼくしや)わが伴侶(とも)なる(ひと)(せめ)牧者(ぼくしや)(うち)(しか)らばその(ひつじ)()らん(われ)また(わが)()(ちひさ)者等(ものども)(うへ)(のぶ)べし 8ヱホバ(いひ)たまふ全地(ぜんち)(ひと)(ぶん)(たた)れて()に三(ぶん)の一はその(うち)(のこ)らん 9(われ)その三(ぶん)の一を(たづさ)へて()にいれ(ぎん)熬分(ふきわく)るごとくに(これ)熬分(ふきわ)(きん)(こころ)むるごとくに(これ)(こころ)むべし(かれ)らわが()(よば)(われ)これにこたへん(われ)これは我民(わがたみ)なりと(いは)彼等(かれら)またヱホバは(わが)(かみ)なりと(いは)

第十四章

1()よヱホバの()(きた)(なんぢ)貨財(くわざい)(うば)はれて(なんぢ)(なか)にて(わか)たるべし 2(われ)萬國(ばんこく)(たみ)(あつ)めてヱルサレムを攻撃(せめうた)しめん(まち)()られ(いへ)(かす)められ婦女(をんな)(をか)され(まち)(ひと)(なかば)(とら)へられてゆかん(され)どその(ほか)(たみ)(まち)より(たた)れじ 3その(とき)ヱホバ(いで)きたりて(その)()國人(くにびと)攻撃(せめうち)たまはん在昔(むかし)その軍陣(いくさ)()(たたか)ひたまひしごとくなるべし 4(その)()にはヱルサレムの(まへ)(あた)りて(ひがし)にあるところの橄欖山(かんらんざん)(うへ)(かれ)(あし)()たん(しか)して橄欖山(かんらんざん)その眞中(ただなか)より西東(にしひがし)(さけ)(はなは)(おほい)なる(たに)()しその(やま)(なかば)(きた)(なかば)(みなみ)(うつ)るべし 5(なんぢ)らは(わが)(やま)(たに)(にげ)いらん(その)(やま)(たに)はアザルにまで(およ)ぶべし(なんぢ)らはユダの(わう)ウジヤの()地震(ぢしん)(さけ)(にげ)しごとくに(にげ)(わが)(かみ)ヱホバ(きた)りたまはん(もろもろ)聖者(せいしや)なんぢとともなるべし 6その()には光明(ひかり)なかるべく(かがや)(もの)(きえ)うすべし 7(ここ)(ただ)(ひとつ)()あるべしヱホバこれを(しり)たまふ(これ)(ひる)にもあらず(よる)にもあらず(ゆふ)(ぐれ)(ころ)(あかる)くなるべし 8その()(いけ)(みづ)ヱルサレムより()でその(なかば)(ひがし)(うみ)にその(なかば)西(にし)(うみ)(なが)れん(なつ)(ふゆ)(しか)あるべし 9ヱホバ全地(ぜんち)(わう)となりたまはん(その)()には(ただ)ヱホバのみ(ただ)その御名(みな)のみにならん 10全地(ぜんち)はアラバのごとくなりてゲバよりヱルサレムの(みなみ)のリンモンまでの(あひだ)のごとくなるべし(しか)してヱルサレムは(たか)くなりてその(もと)(ところ)()ちベニヤミンの(もん)より(だい)一の(もん)(ところ)(およ)(すみ)(もん)にいたりハナニエルの戍樓(やぐら)より(わう)酒榨倉(さかぶねぐら)までに(わた)るべし 11その(なか)には(ひと)(すま)(かさね)呪詛(のろひ)あらじヱルサレムは安然(やすらか)(たつ)べし 12ヱルサレムを攻撃(せめうち)(もろもろ)(たみ)にヱホバ災禍(わざはひ)(くだ)してこれを(うち)なやましたまふこと(かく)のごとくなるべし(すなは)(かれ)らその(あし)にて(たち)をる(うち)(にく)(くさ)()その(あな)(なか)にて(くさ)(した)その(くち)(なか)にて(くさ)れん 13その()にはヱホバかれらをして(おほい)狼狽(あはて)しめたまはん(かれ)らは各々(おのおの)(ひと)()(とら)へん(この)()彼手(かのて)(うち)あふべし 14ユダもまたヱルサレムに(おい)(たたか)ふべしその四周(まはり)一切(すべて)國人(くにびと)財寳(ざいはう)金銀(きんぎん)衣服(いふく)など(はなは)(おほ)(あつ)められん 15また(むま)()駱駝(らくだ)驢馬(ろば)およびその諸營(しょえい)一切(すべて)家畜(けもの)(かうむ)災禍(わざはひ)もこの災禍(わざはひ)のごとくなるべし 16ヱルサレムに(せめ)きたりし(もろもろ)國人(くにびと)(のこ)れる(もの)はみな歳々(としどし)(のぼ)りきてその(わう)なる萬軍(ばんぐん)のヱホバを(をが)結茅(かりほずまひ)(いはひ)(まも)るにいたるべし 17地上(ちじやう)(しよ)(ぞく)(うち)その(わう)なる萬軍(ばんぐん)のヱホバを(をが)みにヱルサレムに(のぼ)らざる(もの)(うへ)には(すべ)(あめ)ふらざるべし 18(たとへ)ばエジプトの(やから)もし(のぼ)(きた)らざる(とき)はその(うへ)(あめ)ふらじヱホバその結茅(かりほずまひ)(いはひ)(まも)りに(のぼ)らざる一切(すべて)國人(くにびと)(うち)なやます災禍(わざはひ)(これ)(くだ)したまふべし 19エジプトの(つみ)(すべ)結茅(かりほずまひ)(いはひ)(まも)りに(のぼ)(きた)らざる國人(くにびと)(つみ)(かく)のごとくなるべし 20その()には(むま)(すず)にまでヱホバに(きよし)としるさん(また)ヱホバの(いへ)(なべ)(だん)(まへ)(はち)(ひと)しかるべし 21ヱルサレムおよびユダの(なべ)(すべ)萬軍(ばんぐん)のヱホバの聖物(きよきもの)となるべし(およ)犠牲(いけにへ)(ささ)ぐる(もの)(きた)りてこれを()(その)(なか)にて(さい)(にく)()(その)()には萬軍(ばんぐん)のヱホバの(いへ)最早(もはや)カナン(びと)あらざるべし