歴代志下

第一章

1ダビデの()ソロモンはその(くに)自分(じぶん)地位(ちい)確立(かくりつ)した。その(かみ)(しゅ)(とも)にいまして(かれ)非常(ひじょう)(おお)いなる(もの)にされた。
2ソロモンはすべてのイスラエルびと、すなわち千(にん)(ちょう)、百(にん)(ちょう)、さばきびとおよびイスラエルの(ぜん)()のすべてのつかさ、氏族(しぞく)のかしらたちに()げた。 3そしてソロモンとイスラエルの(ぜん)会衆(かいしゅう)はともにギベオンにある(たか)(ところ)()った。(しゅ)のしもべモーセが荒野(あらの)(つく)った(かみ)会見(かいけん)幕屋(まくや)がそこにあったからである。 4(しかし(かみ)(はこ)はダビデがすでにキリアテ・ヤリムから、これのために(そな)えた(ところ)(はこ)(のぼ)らせてあった。ダビデはさきに、エルサレムでこれのために天幕(てんまく)()って()いたからである。) 5またホルの()であるウリの()ベザレルが(つく)った青銅(せいどう)祭壇(さいだん)がその(ところ)(しゅ)幕屋(まくや)(まえ)にあり、ソロモンおよび会衆(かいしゅう)(しゅ)(もと)めた。 6ソロモンはそこに(のぼ)って()って、会見(かいけん)幕屋(まくや)のうちにある(しゅ)(まえ)青銅(せいどう)祭壇(さいだん)燔祭(はんさい)一千をささげた。
7その(よる)(かみ)はソロモンに(あらわ)れて()われた、「あなたに(なに)(あた)えようか、(もと)めなさい」。 8ソロモンは(かみ)()った、「あなたはわたしの(ちち)ダビデに(おお)いなるいつくしみを(しめ)し、またわたしを(かれ)(かわ)って(おう)とされました。 9(しゅ)なる(かみ)よ、どうぞわが(ちち)ダビデに約束(やくそく)された(こと)(はた)してください。あなたは()のちりのような(おお)くの(たみ)(うえ)にわたしを()てて(おう)とされたからです。 10この(たみ)(まえ)出入(でい)りすることのできるように(いま)わたしに知恵(ちえ)知識(ちしき)とを(あた)えてください。だれがこのような(おお)いなるあなたの(たみ)をさばくことができましょうか」。 11(かみ)はソロモンに()われた、「この(こと)があなたの(こころ)にあって、(とみ)をも、(たから)をも、(ほまれ)をも、またあなたを(にく)(もの)(いのち)をも(もと)めず、また長命(ちょうめい)をも(もと)めず、ただわたしがあなたを()てて(おう)としたわたしの(たみ)をさばくために知恵(ちえ)知識(ちしき)とを自分(じぶん)のために(もと)めたので、 12知恵(ちえ)知識(ちしき)とはあなたに(あた)えられている。わたしはまたあなたの(まえ)(おう)たちの、まだ()たことのないほどの(とみ)(たから)(ほまれ)とをあなたに(あた)えよう。あなたの(のち)(もの)も、このようなものを()ないでしょう」。 13それからソロモンはギベオンの(たか)(ところ)()り、会見(かいけん)幕屋(まくや)(まえ)()って、エルサレムに(かえ)り、イスラエルを(おさ)めた。
14ソロモンは戦車(せんしゃ)騎兵(きへい)とを(あつ)めたが、戦車(せんしゃ)一千四百(りょう)騎兵(きへい)一万二千(にん)あった。ソロモンはこれを戦車(せんしゃ)町々(まちまち)と、エルサレムの(おう)のもととに()いた。 15(おう)(ぎん)(きん)(いし)のようにエルサレムに(おお)くし、香柏(こうはく)平野(へいや)のいちじく(くわ)のように(おお)くした。 16ソロモンが(うま)輸入(ゆにゅう)したのはエジプトとクエからであった。すなわち(おう)貿易(ぼうえき)商人(しょうにん)がクエから代価(だいか)(はら)って()()って()た。 17(かれ)らはエジプトから戦車(せんしゃ)(りょう)(ぎん)六百シケルで輸入(ゆにゅう)し、(うま)(とう)(ぎん)百五十で輸入(ゆにゅう)した。(おな)じようにこれらのものが(かれ)らによってヘテびとのすべての(おう)たち、およびスリヤの(おう)たちにも輸出(ゆしゅつ)された。

第二章

1さてソロモンは(しゅ)()のために一つの(みや)()て、また自分(じぶん)のために一つの王宮(おうきゅう)()てようと(おも)った。 2そしてソロモンは()()(もの)七万(にん)(やま)(いし)()()(もの)八万(にん)、これらを監督(かんとく)する(もの)三千六百(にん)(かぞ)()した。 3ソロモンはまずツロのヒラムに(ひと)をつかわして()わせた、「あなたはわたしの(ちち)ダビデに、その()むべき(いえ)()てるために香柏(こうはく)(おく)られました。どうぞ(かれ)にされたように、わたしにもして(くだ)さい。 4()よ、わたしはわが(かみ)(しゅ)()のために一つの(いえ)()て、これを聖別(せいべつ)して(かれ)にささげ、(かれ)(まえ)にこうばしい(こう)をたき、常供(じょうく)のパンを(そな)え、また燔祭(はんさい)安息日(あんそくにち)新月(しんげつ)、およびわれらの(かみ)(しゅ)(さだ)めの(まつり)朝夕(あさゆう)ささげ、これをイスラエルのながく(まも)るべき(さだ)めにしようとしています。 5またわたしの()てる(いえ)(おお)きな(いえ)です。われらの(かみ)はすべての(かみ)よりも(おお)いなる(かみ)だからです。 6しかし、(てん)も、(しょ)(てん)(てん)(かれ)()れることができないのに、だれが(かれ)のために(いえ)()てることができましょうか。わたしは何者(なにもの)ですか、(かれ)のために(いえ)()てるというのも、ただ(かれ)(まえ)(こう)をたく(ところ)に、ほかならないのです。 7それで、どうぞ(きん)(ぎん)青銅(せいどう)(てつ)細工(さいく)および(むらさき)(いと)()(いと)(あお)(いと)織物(おりもの)にくわしく、また彫刻(ちょうこく)(じゅつ)(たく)みな工人(こうじん)ひとりをわたしに(おく)って、(ちち)ダビデが(そな)えておいたユダとエルサレムのわたしの工人(こうじん)たちと一緒(いっしょ)(はたら)かせてください。 8またどうぞレバノンから香柏(こうはく)、いとすぎ、びゃくだんを(おく)ってください。わたしはあなたのしもべたちがレバノンで()()ることをよくわきまえているのを()っています。わたしのしもべたちも、あなたのしもべたちと一緒(いっしょ)(はたら)かせ、 9わたしのためにたくさんの材木(ざいもく)(そな)えさせてください。わたしの()てる(いえ)非常(ひじょう)広大(こうだい)なものですから。 10わたしは()()るあなたのしもべたちに(くだ)いた小麦(こむぎ)二万コル、大麦(おおむぎ)二万コル、ぶどう(しゅ)二万バテ、(あぶら)二万バテを(あた)えます」。
11そこでツロの(おう)ヒラムは手紙(てがみ)をソロモンに(おく)って(こた)えた、「(しゅ)はその(たみ)(あい)するゆえに、あなたを(かれ)らの(おう)とされました」。 12ヒラムはまた()った、「天地(てんち)(つく)られたイスラエルの(かみ)(しゅ)はほむべきかな。(かれ)はダビデ(おう)(かしこ)()(あた)え、これに分別(ふんべつ)知恵(ちえ)(さづ)けて、(しゅ)のために(みや)()て、また自分(じぶん)のために、王宮(おうきゅう)()てることをさせられた。
13いまわたしは達人(たつじん)ヒラムという知恵(ちえ)のある工人(こうじん)をつかわします。 14(かれ)はダンの子孫(しそん)である(おんな)(はは)とし、ツロの(ひと)(ちち)とし、金銀(きんぎん)青銅(せいどう)(てつ)(いし)()細工(さいく)および(むらさき)(いと)(あお)(いと)亜麻(あま)(いと)()(いと)織物(おりもの)にくわしく、またよくもろもろの彫刻(ちょうこく)をし、意匠(いしょう)()らしてもろもろの工作(こうさく)をします。(かれ)(もち)いてあなたの工人(こうじん)およびあなたの(ちち)、わが(しゅ)ダビデの工人(こうじん)一緒(いっしょ)(はたら)かせなさい。 15それでいまわが(しゅ)()われた小麦(こむぎ)大麦(おおむぎ)(あぶら)およびぶどう(しゅ)をそのしもべどもに(おく)ってください。 16あなたの(もと)められる材木(ざいもく)はレバノンから()りだし、いかだに()んで、(うみ)からヨッパに(おく)ります。あなたはそれをエルサレムに(はこ)()げなさい」。
17そこでソロモンはその(ちち)ダビデが(かぞ)えたようにイスラエルの(くに)にいるすべての他国(たこく)(じん)(かぞ)えたが、()わせて十五万三千六百(にん)あった。 18(かれ)はその七万(にん)()()(もの)とし、八万(にん)(やま)()(いし)()(もの)とし、三千六百(にん)(たみ)(はたら)かせる監督(かんとく)(しゃ)とした。

第三章

1ソロモンはエルサレムのモリアの(やま)(しゅ)(みや)()てることを(はじ)めた。そこは(ちち)ダビデに(しゅ)(あらわ)れられた(ところ)、すなわちエブスびとオルナンの()()にダビデが(そな)えた(ところ)である。 2ソロモンが(みや)()(はじ)めたのは、その治世(ちせい)の四(ねん)の二(がつ)であった。 3ソロモンの()てた(かみ)(みや)(もとい)寸法(すんぽう)(つぎ)のとおりである。すなわち(むかし)尺度(しゃくど)によれば(なが)さ六十キュビト、(はば)二十キュビト、 4(みや)(まえ)(ろう)(みや)(はば)(したが)って(なが)さ二十キュビト(たか)さ百二十キュビトで、その内部(ないぶ)純金(じゅんきん)でおおった。 5またその拝殿(はいでん)はいとすぎの(いた)()り、(せい)(きん)をもってこれをおおい、その(うえ)にしゅろと(くさり)(かたち)(ほどこ)した。 6また宝石(ほうせき)をはめ()んで(みや)(かざ)った。その(きん)はパルワイムの(きん)であった。 7(かれ)はまた(きん)をもってその(みや)、すなわち、(はり)敷居(しきい)(かべ)および()をおおい、(かべ)(うえ)にケルビムを()りつけた。 8(かれ)はまた至聖所(しせいじょ)(つく)った。その(なが)さは(みや)(なが)さにしたがって二十キュビト、(はば)も二十キュビトである。(かれ)(せい)(きん)六百タラントをもってこれをおおった。 9その(くぎ)(きん)(おも)さは五十シケルであった。(かれ)はまた階上(かいじょう)(しつ)(きん)でおおった。
10(かれ)至聖所(しせいじょ)()(きざ)んだケルビムの(ぞう)を二つ(つく)り、これを(きん)でおおった。 11ケルビムの(つばさ)(なが)さは()わせて二十キュビトあった。すなわち一つのケルブの一つの(つばさ)は五キュビトで、(みや)(かべ)(とど)き、ほかの(つばさ)も五キュビトで、()のケルブの(つばさ)(とど)き、 12()のケルブの一つの(つばさ)も五キュビトで、(みや)(かべ)(とど)き、ほかの(つばさ)も五キュビトで、(さき)のケルブの(つばさ)(せっ)していた。 13これらのケルビムの(つばさ)(ひろ)げると二十キュビトあった。かれらは(とも)(あし)()ち、その(かお)拝殿(はいでん)()かっていた。 14ソロモンはまた(あお)(いと)(むらさき)(いと)()(いと)および亜麻(あま)(いと)垂幕(たれまく)(つく)り、その(うえ)にケルビムの()()りを(ほどこ)した。
15(かれ)(みや)(まえ)(はしら)を二(ほん)(つく)った。その(たか)さは三十五キュビト、おのおのの(はしら)(いただき)に五キュビトの柱頭(ちゅうとう)(つく)った。 16(かれ)(くび)(かざり)のような(くさり)(つく)って、(はしら)(いただき)につけ、ざくろ百を(つく)ってその(くさり)(うえ)につけた。 17(かれ)はこの(はしら)神殿(しんでん)(まえ)に、一(ぽん)(みなみ)(ほう)に、一(ぽん)(きた)(ほう)()て、(みなみ)(ほう)のをヤキンと()づけ、(きた)(ほう)のをボアズと()づけた。

第四章

1ソロモンはまた青銅(せいどう)祭壇(さいだん)(つく)った。その(なが)さ二十キュビト、(はば)二十キュビト、(たか)さ十キュビトである。 2(かれ)はまた(うみ)()(つく)った。(ふち)から(ふち)まで十キュビトであって、周囲(しゅうい)円形(えんけい)をなし、(たか)さ五キュビトで、その周囲(しゅうい)(つな)をもって(はか)ると三十キュビトあった。 3(うみ)(した)には三十キュビトの周囲(しゅうい)をめぐるひさごの(かたち)があって、(うみ)周囲(しゅうい)(かこ)んでいた。そのひさごは二(なら)びで、(うみ)()(とき)()たものである。 4その(うみ)は十二の(うし)(うえ)()かれ、その三つは(きた)()かい、三つは西(にし)()かい、三つは(みなみ)()かい、三つは(ひがし)()かっていた。(うみ)はその(うえ)()かれ、(うし)のうしろはみな(うち)()かっていた。 5(うみ)(あつ)さは()(はば)で、その(ふち)(はい)(ふち)のように、ゆりの(はな)()せて(つく)られた。(うみ)には(みず)を三千バテ()れることができた。 6(かれ)はまた(もの)(あら)うために洗盤(せんばん)()(つく)って、五()南側(みなみがわ)に、五()北側(きたがわ)()いた。その(なか)燔祭(はんさい)(もち)いるものを(あら)った。しかし(うみ)祭司(さいし)がその(なか)()(あら)うためであった。
7(かれ)はまた(きん)燭台(しょくだい)()をその(さだ)めに(したが)って(つく)り、拝殿(はいでん)(なか)南側(みなみがわ)に五()北側(きたがわ)に五()()き、 8また(つくえ)()(つく)り、神殿(しんでん)(なか)南側(みなみがわ)に五()北側(きたがわ)に五()()き、また(きん)(はち)百を(つく)った。 9(かれ)はまた祭司(さいし)(にわ)大庭(おおにわ)および(にわ)()(つく)り、その()青銅(せいどう)でおおった。 10(かれ)(うみ)(みや)東南(とうなん)のすみにすえた。
11ヒラムはまたつぼと十能(じゅうのう)(はち)とを(つく)った。こうしてヒラムはソロモン(おう)のため、(かみ)(みや)工事(こうじ)()えた。 12すなわち二(ほん)(はしら)(たま)と、(はしら)(いただき)にある二つの柱頭(ちゅうとう)と、(はしら)(いただき)にある柱頭(ちゅうとう)の二つの(たま)をおおう二つの(あみ)細工(ざいく)と、 13その二つの(あみ)細工(ざいく)のためのざくろ四百、このざくろはおのおの(あみ)細工(ざいく)に二(なら)びにつけて、(はしら)(いただき)にある柱頭(ちゅうとう)の二つの(たま)()いていた。 14(かれ)はまた(だい)(だい)(うえ)洗盤(せんばん)と、 15一つの(うみ)とその(した)の十二の(うし)(つく)った。 16つぼ、十能(じゅうのう)(にく)さしなどすべてこれらの器物(うつわもの)を、達人(たつじん)ヒラムはソロモン(おう)のため、(しゅ)(みや)のために、(ひかり)のある青銅(せいどう)(つく)った。 17(おう)はヨルダンの低地(ていち)で、スコテとゼレダの(あいだ)粘土(ねんど)()でこれを()た。 18このようにソロモンはこれらのすべての器物(うつわもの)非常(ひじょう)(おお)(つく)ったので、その青銅(せいどう)重量(じゅうりょう)は、(はか)ることができなかった。
19こうしてソロモンは(かみ)(みや)のすべての器物(うつわもの)(つく)った。すなわち(きん)祭壇(さいだん)と、(そな)えのパンを()せる(つくえ)20また(さだ)めのように本殿(ほんでん)(まえ)()をともす純金(じゅんきん)燭台(しょくだい)と、そのともしび(さら)(つく)った。 21その(はな)、ともしび(さら)(こころ)かきは(せい)(きん)であった。 22また心切(しんき)りばさみ、(はち)(こう)(はい)心取(しんと)(ざら)純金(じゅんきん)であった。また(みや)()、すなわち至聖所(しせいじょ)内部(ないぶ)()および拝殿(はいでん)()のひじつぼは(きん)であった。

第五章

1こうしてソロモンは(しゅ)(みや)のためにしたすべての工事(こうじ)(おわ)った。そしてソロモンは(ちち)ダビデがささげた(もの)、すなわち金銀(きんぎん)およびもろもろの器物(うつわもの)(たずさ)えて()って(かみ)(みや)宝蔵(ほうぞう)(おさ)めた。
2ソロモンは(しゅ)契約(けいやく)(はこ)をダビデの(まち)シオンからかつぎ(のぼ)ろうとして、イスラエルの長老(ちょうろう)たちと、すべての部族(ぶぞく)のかしらたちと、イスラエルの人々(ひとびと)氏族(しぞく)(ちょう)たちをエルサレムに()(あつ)めた。 3イスラエルの人々(ひとびと)(みな)(がつ)(まつり)(おう)のもとに(あつ)まった。 4イスラエルの長老(ちょうろう)たちが(みな)きたので、レビびとたちは(はこ)()()げた。 5(かれ)らは(はこ)と、会見(かいけん)幕屋(まくや)と、幕屋(まくや)にあるすべて(せい)なる(うつわ)をかつぎ(のぼ)った。すなわち祭司(さいし)とレビびとがこれらの(もの)をかつぎ(のぼ)った。 6ソロモン(おう)および(かれ)のもとに(あつ)まったイスラエルの会衆(かいしゅう)(みな)(はこ)(まえ)(ひつじ)(うし)をささげたが、その(かず)(おお)くて、調(しら)べることも(かぞ)えることもできなかった。 7こうして祭司(さいし)たちは(しゅ)契約(けいやく)(はこ)をその場所(ばしょ)にかつぎ()れ、(みや)本殿(ほんでん)である至聖所(しせいじょ)のうちのケルビムの(つばさ)(した)()いた。 8ケルビムは(つばさ)(はこ)(ところ)(うえ)()べていたので、ケルビムは(うえ)から(はこ)とそのさおをおおった。 9さおは(なが)かったので、さおの(はし)本殿(ほんでん)(まえ)聖所(せいじょ)から()えた。しかし外部(がいぶ)には()えなかった。さおは今日(こんにち)までそこにある。 10(はこ)(うち)には二(まい)(いた)のほか(なに)もなかった。これはイスラエルの人々(ひとびと)がエジプトから()()たとき、(しゅ)(かれ)らと契約(けいやく)(むす)ばれ、モーセがホレブでそれを(おさ)めたものである。 11そして祭司(さいし)たちが聖所(せいじょ)から()たとき(ここにいた祭司(さいし)たちは(みな)、その(くみ)(じゅん)にかかわらず()(きよ)めた。 12またレビびとの(うた)うたう(もの)、すなわちアサフ、ヘマン、エドトンおよび(かれ)らの()たちと兄弟(きょうだい)たちはみな亜麻(あま)(ぬの)()、シンバルと、立琴(たてごと)と、(こと)をとって祭壇(さいだん)(ひがし)()ち、百二十(にん)祭司(さいし)(かれ)らと一緒(いっしょ)()ってラッパを()いた。 13ラッパ()(もの)(うた)うたう(もの)とは、ひとりのように(こえ)()わせて(しゅ)をほめ、感謝(かんしゃ)した)、そして(かれ)らがラッパと、シンバルとその()楽器(がっき)をもって(こえ)をふりあげ、(しゅ)をほめて
(しゅ)(めぐ)みあり、
そのあわれみはとこしえに()えることがない」
()ったとき、(くも)はその(みや)すなわち(しゅ)(みや)()ちた。 14祭司(さいし)たちは(くも)のゆえに()って(つと)めをすることができなかった。(しゅ)栄光(えいこう)(かみ)(みや)()ちたからである。

第六章

1そこでソロモンは()った、
(しゅ)はみずから()(くも)(なか)()まおうと()われた。
2しかしわたしはあなたのために(たか)(いえ)
とこしえのみすまいを()てた」。
3そして(おう)(かお)をふり()けてイスラエルの(ぜん)会衆(かいしゅう)祝福(しゅくふく)した。その(とき)イスラエルの(ぜん)会衆(かいしゅう)()っていた。 4(かれ)()った、「イスラエルの(かみ)(しゅ)はほむべきかな。(しゅ)(くち)をもってわが(ちち)ダビデに約束(やくそく)されたことを、その()をもってなし()げられた。すなわち(しゅ)()われた、 5『わが(たみ)をエジプトの()から(みちび)()した()から、わたしはわが()()くべき(いえ)()てるために、イスラエルのもろもろの部族(ぶぞく)のうちから、どの(まち)をも(えら)んだことがなく、また()のだれをもわが(たみ)イスラエルの(きみ)として(えら)んだことがない。 6わが()()くために、ただエルサレムだけを(えら)び、またわが(たみ)イスラエルを(おさ)めさせるために、ただダビデだけを(えら)んだ』。 7イスラエルの(かみ)(しゅ)()のために(いえ)()てることは、(ちち)ダビデの(こころ)にあった。 8しかし(しゅ)(ちち)ダビデに()われた、『わたしの()のために(いえ)()てることはあなたの(こころ)にあった。あなたの(こころ)にこの(こと)のあったのは結構(けっこう)である。 9しかしあなたはその(いえ)()ててはならない。あなたの(こし)から()るあなたの()がわたしの()のために(いえ)()てるであろう』。 10そして(しゅ)はそう()われた言葉(ことば)(おこな)われた。すなわちわたしは(ちち)ダビデに(かわ)って()ち、(しゅ)()われたように、イスラエルの(くらい)()し、イスラエルの(かみ)(しゅ)()のために(いえ)()てた。 11わたしはまた、(しゅ)がイスラエルの人々(ひとびと)(むす)ばれた(しゅ)契約(けいやく)()れた(はこ)をそこに(おさ)めた」。
12ソロモンはイスラエルの(ぜん)会衆(かいしゅう)(まえ)(しゅ)祭壇(さいだん)(まえ)()って、()()べた。 13ソロモンはさきに(なが)さ五キュビト、(はば)五キュビト、(たか)さ三キュビトの青銅(せいどう)(だい)(つく)って、(にわ)のまん(なか)にすえて()いたので、(かれ)はその(うえ)()ち、イスラエルの(ぜん)会衆(かいしゅう)(まえ)でひざをかがめ、その()(てん)()べて、 14()った、「イスラエルの(かみ)(しゅ)よ、(てん)にも()にも、あなたのような(かみ)はありません。あなたは契約(けいやく)(まも)られ、(こころ)をつくしてあなたの(まえ)(あゆ)むあなたのしもべらに、いつくしみを(ほどこ)し、 15あなたのしもべ、わたしの(ちち)ダビデに約束(やくそく)されたことを(まも)られました。あなたが(くち)をもって約束(やくそく)されたことを、()をもってなし()げられたことは、今日(こんにち)()るとおりであります。 16それゆえ、イスラエルの(かみ)(しゅ)よ、あなたのしもべ、わたしの(ちち)ダビデに、あなたが約束(やくそく)して、『おまえがわたしの(まえ)(あゆ)んだように、おまえの子孫(しそん)がその(みち)(つつし)んで、わたしのおきてに(あゆ)むならば、おまえにはイスラエルの(くらい)()する(ひと)がわたしの(まえ)()けることはない』と()われたことを、ダビデのためにお(まも)りください。 17それゆえ、イスラエルの(かみ)(しゅ)よ、どうぞ、あなたのしもべダビデに()われた言葉(ことば)確認(かくにん)してください。
18しかし(かみ)は、はたして(ひと)(とも)地上(ちじょう)()まわれるでしょうか。()よ、(てん)も、いと(たか)(てん)もあなたをいれることはできません。わたしの()てたこの(いえ)などなおさらです。 19しかしわが(かみ)(しゅ)よ、しもべの(いのり)(ねが)いを(かえり)みて、しもべがあなたの(まえ)にささげる(さけ)びと(いのり)をお()きください。 20どうぞ、あなたの()(ひる)(よる)もこの(いえ)に、すなわち、あなたの()をそこに()くと()われた(ところ)()かってお(ひら)きください。どうぞ、しもべがこの(ところ)()かってささげる(いのり)をお()きください。 21どうぞ、しもべと、あなたの(たみ)イスラエルがこの(ところ)()かって(いの)(とき)に、その(ねが)いをお()きください。あなたのすみかである(てん)から()き、()いておゆるしください。
22もし(ひと)がその(とな)(びと)(たい)して(つみ)(おか)し、(ちか)いをすることを(もと)められるとき、()てこの(みや)で、あなたの祭壇(さいだん)(まえ)(ちか)うならば、 23あなたは(てん)から()いて、(おこな)い、あなたのしもべらをさばき、悪人(あくにん)(むく)いをなして、その(おこな)いの(むく)いをそのこうべに()し、義人(ぎじん)()として、その()にしたがってその(ひと)(むく)いてください。
24もしあなたの(たみ)イスラエルが、あなたに(たい)して(つみ)(おか)したために、(てき)(まえ)(やぶ)れた(とき)、あなたに()(かえ)って、あなたの()をあがめ、この(みや)であなたの(まえ)(いの)(ねが)うならば、 25あなたは(てん)から()き、あなたの(たみ)イスラエルの(つみ)をゆるして、あなたが(かれ)らとその先祖(せんぞ)(あた)えられた()(かれ)らを(かえ)らせてください。
26もし(かれ)らがあなたに(つみ)(おか)したために、(てん)()ざされて、(あめ)がなく、あなたが(かれ)らを(くる)しめられるとき、(かれ)らがこの(ところ)()かって(いの)り、あなたの()をあがめ、その(つみ)(はな)れるならば、 27あなたは(てん)にあって()き、あなたのしもべ、あなたの(たみ)イスラエルの(つみ)をゆるして、(かれ)らに(あゆ)むべき()(みち)(おし)え、あなたの(たみ)()(ぎょう)として(たま)わった()(あめ)()らせてください。
28もし(くに)にききんがあるか、もしくは疫病(えきびょう)()()れ、(くさ)()、いなご、青虫(あおむし)があるか、または(てき)のために(まち)(もん)(なか)()(かこ)まれることがあるか、どんな災害(さいがい)、どんな病気(びょうき)があっても、 29もし、ひとりか、あるいはあなたの(たみ)イスラエルが(みな)おのおのその(こころ)(なや)みを()って、この(みや)()かい、()()べるならば、どんな(いのり)、どんな(ねが)いでも、 30あなたはそのすみかである(てん)から()いてゆるし、おのおのの(ひと)に、その(こころ)()っておられるゆえ、そのすべての(みち)にしたがって(むく)いてください。ただあなただけがすべての(ひと)(こころ)()っておられるからです。 31あなたがわれわれの先祖(せんぞ)たちに(たま)わった()に、(かれ)らの()きながらえる()(あいだ)(つね)にあなたを(おそ)れさせ、あなたの(みち)(あゆ)ませてください。
32またあなたの(たみ)イスラエルの(もの)でなく、他国(たこく)(じん)で、あなたの(おお)いなる()と、(つよ)()と、()べた(うで)のために(とお)(くに)から()て、この(みや)()かって(いの)るならば、 33あなたは、あなたのすみかである(てん)から()き、すべて他国(たこく)(じん)があなたに()(もと)めるようにしてください。そうすれば()のすべての(たみ)はあなたの(たみ)イスラエルのように、あなたの()()り、あなたを(おそ)れ、またわたしが()てたこの(みや)が、あなたの()によって()ばれることを()るにいたるでしょう。
34あなたの(たみ)(てき)(たたか)うために、あなたがつかわされる(みち)によって()るとき、もし(かれ)らがあなたの(えら)ばれたこの(まち)と、わたしがあなたの()のために()てたこの(みや)()かってあなたに(いの)るならば、 35あなたは(てん)から(かれ)らの(いのり)(ねが)いとを()いて(かれ)らをお(たす)けください。 36(かれ)らがあなたに(たい)して(つみ)(おか)すことがあって、——(つみ)(おか)さない(ひと)はないゆえ、——あなたが(かれ)らを(いか)って、(てき)にわたし、(てき)(かれ)らを捕虜(ほりょ)として(とお)()あるいは(ちか)()()いて()くとき、 37もし、(かれ)らが(とら)われて()った()で、みずから(かえり)みて()い、その(とら)われの()であなたに(ねが)い、『われわれは(つみ)(おか)し、よこしまな(こと)をし、(あく)(おこな)いました』と()い、 38その(とら)われの()(こころ)をつくし、精神(せいしん)をつくしてあなたに()(かえ)り、あなたが(かれ)らの先祖(せんぞ)(あた)えられた()、あなたが(えら)ばれた(まち)、わたしがあなたの()のために()てたこの(みや)()かって(いの)るならば、 39あなたのすみかである(てん)から、(かれ)らの(いのり)(ねが)いとを()いて(かれ)らを(たす)け、あなたに()かって(つみ)(おか)したあなたの(たみ)をおゆるしください。 40わが(かみ)よ、どうぞ、この(ところ)でささげる(いのり)にあなたの()(ひら)き、あなたの(みみ)(かたむ)けてください。
41(しゅ)なる(かみ)よ、(いま)あなたと、あなたの(ちから)(はこ)
()って、あなたの安息所(あんそくじょ)におはいりください。
(しゅ)なる(かみ)よ、どうぞあなたの祭司(さいし)たちに
(すくい)(ころも)()せ、
あなたの聖徒(せいと)たちに(めぐ)みを(よろこ)ばせてください。
42(しゅ)なる(かみ)よ、どうぞあなたの(あぶら)そそがれた(もの)(かお)
退(しりぞ)けないでください。
あなたのしもべダビデに(しめ)されたいつくしみを
(おぼ)えて(くだ)さい」。

第七章

1ソロモンが(いの)(おわ)ったとき、(てん)から()(くだ)って燔祭(はんさい)犠牲(ぎせい)()き、(しゅ)栄光(えいこう)(みや)()ちた。 2(しゅ)栄光(えいこう)(しゅ)(みや)()ちたので、祭司(さいし)たちは(しゅ)(みや)に、はいることができなかった。 3イスラエルの人々(ひとびと)はみな()(くだ)ったのを()、また(しゅ)栄光(えいこう)(みや)(のぞ)んだのを()て、敷石(しきいし)(うえ)()にひれ()して(はい)し、(しゅ)感謝(かんしゃ)して()った、
(しゅ)(めぐ)みふかく、
そのいつくしみはとこしえに()えることがない」。
4そして(おう)(たみ)(みな)(しゅ)(まえ)犠牲(ぎせい)をささげた。 5ソロモン(おう)のささげた犠牲(ぎせい)は、(うし)二万二千(とう)(ひつじ)十二万(とう)であった。こうして(おう)(たみ)(みな)(かみ)(みや)をささげた。 6祭司(さいし)はその()()()ち、レビびとも(しゅ)楽器(がっき)をとって()った。その楽器(がっき)はダビデ(おう)(しゅ)感謝(かんしゃ)するために(つく)ったもので、ダビデが(かれ)らの()によってさんびをささげるとき、「そのいつくしみは、とこしえに()えることがない」ととなえさせたものである。祭司(さいし)(かれ)らの(まえ)でラッパを()き、すべてのイスラエルびとは()っていた。
7ソロモンはまた(しゅ)(みや)(まえ)にある(にわ)(なか)聖別(せいべつ)し、その(ところ)で、燔祭(はんさい)酬恩祭(しゅうおんさい)のあぶらをささげた。これはソロモンが(つく)った青銅(せいどう)祭壇(さいだん)が、その燔祭(はんさい)素祭(そさい)とあぶらとを()せるに()りなかったからである。
8その(とき)ソロモンは七日(なぬか)(あいだ)(まつり)(おこな)った。ハマテの入口(いりぐち)からエジプトの(かわ)(いた)るまでのすべてのイスラエルびとが(かれ)(とも)にあり、非常(ひじょう)(おお)きな会衆(かいしゅう)であった。 9そして八()()(せい)(かい)(ひら)いた。(かれ)らは七日(なぬか)(あいだ)祭壇(さいだん)奉献(ほうけん)(れい)(おこな)い、七日(なぬか)(あいだ)(まつり)(おこな)ったが、 10(がつ)二十三(にち)(いた)ってソロモンは(たみ)をその天幕(てんまく)(かえ)らせた。(みな)(しゅ)がダビデ、ソロモンおよびその(たみ)イスラエルに(ほどこ)された(めぐ)みのために(よろこ)び、かつ(こころ)(たの)しんで()った。
11こうしてソロモンは(しゅ)(いえ)(おう)(いえ)とを(つく)()えた。すなわち(かれ)(しゅ)(いえ)自分(じぶん)(いえ)について、しようと計画(けいかく)したすべての(こと)首尾(しゅび)よくなし()げた。 12(とき)(しゅ)(よる)ソロモンに(あらわ)れて()われた、「わたしはあなたの(いのり)()き、この(ところ)をわたしのために(えら)んで、犠牲(ぎせい)をささげる(いえ)とした。 13わたしが(てん)()じて(あめ)をなくし、またはわたしがいなごに(めい)じて()(もの)()わせ、または疫病(えきびょう)(たみ)(なか)(おく)るとき、 14わたしの()をもってとなえられるわたしの(たみ)が、もしへりくだり、(いの)って、わたしの(かお)(もと)め、その(わる)(みち)(はな)れるならば、わたしは(てん)から()いて、その(つみ)をゆるし、その()をいやす。 15(いま)この(ところ)にささげられる(いのり)にわたしの()(ひら)き、(みみ)(かたむ)ける。 16(いま)わたしはわたしの()をながくここにとどめるために、この(みや)(えら)び、かつ聖別(せいべつ)した。わたしの()とわたしの(こころ)(つね)にここにある。 17あなたがもし(ちち)ダビデの(あゆ)んだようにわたしの(まえ)(あゆ)み、わたしが(めい)じたとおりにすべて()って、わたしの(さだ)めとおきてとを(まも)るならば、 18わたしはあなたの(ちち)ダビデに契約(けいやく)して『イスラエルを(おさ)める(ひと)はあなたに()けることがない』と()ったとおりに、あなたの(おう)(くらい)(かた)くする。
19しかし、あなたがたがもし(ひるがえ)って、わたしがあなたがたの(まえ)()いた(さだ)めと(いまし)めとを()て、()って()神々(かみがみ)(つか)え、それを(おが)むならば、 20わたしはあなたがたをわたしの(あた)えた()から()()り、またわたしの()のために聖別(せいべつ)したこの(みや)をわたしの(まえ)から()()てて、もろもろの(たみ)のうちにことわざとし、(わら)(ぐさ)とする。 21またこの(みや)(たか)いけれども、ついには、そのかたわらを()ぎる(もの)(みな)(おどろ)いて、『(なに)ゆえ(しゅ)はこの()と、この(みや)とにこのようにされたのか』と()うであろう。 22その(とき)人々(ひとびと)(こた)えて『(かれ)らはその先祖(せんぞ)たちをエジプトの()から(みちび)()した(かれ)らの(かみ)(しゅ)()てて、()神々(かみがみ)につき(したが)い、それを(おが)み、それに(つか)えたために、(しゅ)はこのすべての(わざわい)(かれ)らの(うえ)(くだ)したのである』と()うであろう」。

第八章

1ソロモンは二十(ねん)()て、(しゅ)(いえ)自分(じぶん)(いえ)とを()(おわ)った。 2またソロモンはヒラムから(おく)られた町々(まちまち)()(なお)して、そこにイスラエルの人々(ひとびと)()ませた。
3ソロモンはまたハマテ・ゾバを()めて、これを()った。 4(かれ)はまた荒野(あらの)にタデモルを()て、もろもろの(くら)(まち)をハマテに()てた。 5また城壁(じょうへき)(もん)(かん)()のある堅固(けんご)(まち)(うえ)ベテホロンと(した)ベテホロンを()てた。 6ソロモンはまたバアラテと自分(じぶん)のもっていたすべての(くら)(まち)と、すべての戦車(せんしゃ)(まち)と、騎兵(きへい)(まち)、ならびにエルサレム、レバノンおよび自分(じぶん)(おさ)める(ぜん)地方(ちほう)()てようと(のぞ)んだものを、ことごとく()てた。 7すべてイスラエルの子孫(しそん)でないヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの(のこ)った(たみ)8その()にあって(かれ)らのあとに(のこ)ったその子孫(しそん)、すなわちイスラエルの子孫(しそん)(ほろ)ぼし(つく)さなかった(たみ)に、ソロモンは強制(きょうせい)徴募(ちょうぼ)をおこなって今日(こんにち)(およ)んでいる。 9しかし、イスラエルの人々(ひとびと)をソロモンはその工事(こうじ)のためには、ひとりも奴隷(どれい)としなかった。(かれ)らは兵士(へいし)となり、将校(しょうこう)となり、戦車(せんしゃ)と、騎兵(きへい)(ちょう)となった。 10これらはソロモン(おう)のおもな官吏(かんり)で、二百五十(にん)あり、(たみ)(おさ)めた。
11ソロモンはパロの(むすめ)をダビデの(まち)から()(のぼ)って、彼女(かのじょ)のために()てた(いえ)()れて()った、「(しゅ)(はこ)(むか)えた(ところ)神聖(しんせい)であるから、わたしの(つま)はイスラエルの(おう)ダビデの(いえ)()んではならない」。
12ソロモンは(ろう)(まえ)(きず)いておいた(しゅ)祭壇(さいだん)(うえ)(しゅ)燔祭(はんさい)をささげた。 13すなわちモーセの命令(めいれい)(したが)って、毎日(まいにち)(さだ)めのようにささげ、安息日(あんそくにち)新月(しんげつ)および(ねん)に三()(まつり)、すなわち(たね)()れぬパンの(まつり)、七(しゅう)(まつり)仮庵(かりいお)(まつり)にこれをささげた。 14ソロモンは、その(ちち)ダビデのおきてに(したが)って、祭司(さいし)(くみ)(さだ)めてその(しょく)(にん)じ、またレビびとをその(つと)めに(にん)じて、毎日(まいにち)(さだ)めのように祭司(さいし)(まえ)でさんびと奉仕(ほうし)をさせ、また(もん)(まも)(もの)に、その(くみ)にしたがって、もろもろの(もん)(まも)らせた。これは(かみ)(ひと)ダビデがこのように(めい)じたからである。 15祭司(さいし)とレビびとはすべての(こと)につき、また(くら)(こと)について、(おう)命令(めいれい)にそむかなかった。
16このようにソロモンは、(しゅ)(みや)(もとい)をすえた()からこれをなし()えたときまで、その工事(こうじ)準備(じゅんび)をことごとくなしたので、(しゅ)(みや)完成(かんせい)した。
17それからソロモンはエドムの()(うみ)べにあるエジオン・ゲベルおよびエロテへ()った。 18(とき)にヒラムはそのしもべどもの()によって船団(せんだん)(かれ)(おく)り、また(うみ)(こと)になれたしもべどもをつかわしたので、(かれ)らはソロモンのしもべらと(とも)にオフルへ()き、そこから(きん)四百五十タラントを()って、これをソロモン(おう)のもとに(たずさ)えてきた。

第九章

1シバの女王(じょおう)はソロモンの名声(めいせい)()いたので、難問(なんもん)をもってソロモンを(こころ)みようと、非常(ひじょう)(おお)くの従者(じゅうしゃ)()れ、香料(こうりょう)非常(ひじょう)にたくさんの(きん)宝石(ほうせき)とをらくだに()わせて、エルサレムのソロモンのもとに()て、その(こころ)にあることをことごとく(かれ)()げた。 2ソロモンは彼女(かのじょ)のすべての(とい)(こた)えた。ソロモンが()らないで彼女(かのじょ)説明(せつめい)のできないことは一つもなかった。 3シバの女王(じょおう)はソロモンの知恵(ちえ)と、(かれ)()てた(いえ)()4またその食卓(しょくたく)食物(しょくもつ)と、列座(れつざ)家来(けらい)たちと、その侍臣(じしん)たちの伺候(しこう)()りと(かれ)らの服装(ふくそう)、および(かれ)給仕(きゅうじ)たちとその服装(ふくそう)、ならびに(かれ)(しゅ)(みや)でささげる燔祭(はんさい)()て、(まった)()(うば)われてしまった。
5彼女(かのじょ)(おう)()った、「わたしが(くに)であなたの(こと)と、あなたの知恵(ちえ)について()いたうわさは真実(しんじつ)でした。 6しかしわたしは()()()るまでは、そのうわさを(しん)じませんでしたが、今見(いまみ)ると、あなたの知恵(ちえ)(おお)いなることはその半分(はんぶん)もわたしに()らされませんでした。あなたはわたしの()いたうわさにまさっています。 7あなたの奥方(おくがた)たちはさいわいです。(つね)にあなたの(まえ)()って、あなたの知恵(ちえ)()くこのあなたの家来(けらい)たちはさいわいです。 8あなたの(かみ)(しゅ)はほむべきかな。(しゅ)はあなたを(よろこ)び、あなたをその(くらい)につかせ、あなたの(かみ)(しゅ)のために(おう)とされました。あなたの(かみ)はイスラエルを(あい)して、とこしえにこれを(かた)くするために、あなたをその(おう)とされ、公道(こうどう)正義(せいぎ)(おこな)われるのです」。 9そして彼女(かのじょ)(きん)百二十タラント、および非常(ひじょう)(おお)くの香料(こうりょう)宝石(ほうせき)とを(おう)(おく)った。シバの女王(じょおう)がソロモンに(おく)ったような香料(こうりょう)は、いまだかつてなかった。
10オフルから(きん)(たずさ)えて()たヒラムのしもべたちとソロモンのしもべたちはまた、びゃくだんの()宝石(ほうせき)をも(たずさ)えて()た。 11(おう)はそのびゃくだんの()で、(しゅ)(みや)(おう)(いえ)とに階段(かいだん)(つく)り、また(うた)うたう(もの)のために(こと)立琴(たてごと)(つく)った。このようなものはかつてユダの()()たことがなかった。
12ソロモン(おう)は、シバの女王(じょおう)(おく)った(もの)(むく)いたほかに、彼女(かのじょ)(のぞ)みにまかせて、すべてその(もと)めるものを(おく)った。そして彼女(かのじょ)はその家来(けらい)たちと(とも)自分(じぶん)(くに)(かえ)って()った。
13さて一(ねん)(あいだ)にソロモンの(ところ)にはいって()(きん)目方(めかた)は六百六十六タラントであった。 14このほかに貿易(ぼうえき)(しょう)および商人(しょうにん)(たずさ)えて()たものがあった。またアラビヤのすべての(おう)たちおよび(くに)代官(だいかん)たちも金銀(きんぎん)をソロモンに(たずさ)えてきた。 15ソロモン(おう)延金(のべきん)大盾(おおだて)二百を(つく)った。その大盾(おおだて)にはおのおの六百シケルの延金(のべきん)(もち)いた。 16また延金(のべきん)小盾(こだて)三百を(つく)った。小盾(こだて)にはおのおの三百シケルの(きん)(もち)いた。(おう)はこれらをレバノンの(もり)(いえ)()いた。 17(おう)はまた(おお)きな象牙(ぞうげ)玉座(ぎょくざ)(つく)り、純金(じゅんきん)でこれをおおった。 18その玉座(ぎょくざ)には六つの(だん)があり、また(きん)(あし)(だい)があって(とも)玉座(ぎょくざ)につらなり、その()する(ところ)両方(りょうほう)に、ひじかけがあって、ひじかけのわきに二つのししが()っていた。 19また十二のししが六つの(だん)のおのおのの両側(りょうがわ)()っていた。このような(もの)はどこの(くに)でも(つく)られたことがなかった。 20ソロモン(おう)()むときに(もち)いた(うつわ)はみな(きん)であった。またレバノンの(もり)(いえ)(うつわ)もみな純金(じゅんきん)であって、(ぎん)はソロモンの()には(たっと)ばれなかった。 21これは(おう)(ふね)がヒラムのしもべたちを()せてタルシシへ()き、三(ねん)ごとに一()、そのタルシシの(ふね)(きん)(ぎん)象牙(ぞうげ)、さる、くじゃくを()せて()たからである。
22このようにソロモン(おう)(とみ)知恵(ちえ)において、()のすべての(おう)にまさっていたので、 23()のすべての(おう)(かみ)がソロモンの(こころ)(さづ)けられた知恵(ちえ)()こうとしてソロモンに謁見(えっけん)(もと)めた。 24人々(ひとびと)はおのおの(おく)(もの)(たずさ)えてきた。すなわち(ぎん)(うつわ)(きん)(うつわ)衣服(いふく)没薬(もつやく)香料(こうりょう)(うま)騾馬(らば)など年々(ねんねん)(さだ)まっていた。 25ソロモンは(うま)戦車(せんしゃ)のために馬屋(うまや)四千と騎兵(きへい)一万二千を()ち、これを戦車(せんしゃ)(まち)()き、またエルサレムの(おう)のもとに()いた。 26(かれ)はユフラテ(かわ)からペリシテびとの()と、エジプトの(さかい)(いた)るまでのすべての(おう)(おさ)めた。 27(おう)はまた(ぎん)(いし)のようにエルサレムに(おお)くし、香柏(こうはく)平野(へいや)のいちじく(くわ)のように(おお)くした。 28また人々(ひとびと)はエジプトおよび諸国(しょこく)から(うま)をソロモンのために輸入(ゆにゅう)した。
29ソロモンのそのほかの始終(しじゅう)行為(こうい)は、預言者(よげんしゃ)ナタンの(しょ)と、シロびとアヒヤの預言(よげん)と、先見者(せんけんしゃ)イドがネバテの()ヤラベアムについて()べた黙示(もくし)のなかに、しるされているではないか。 30ソロモンはエルサレムで四十(ねん)(あいだ)イスラエルの(ぜん)()(おさ)めた。 31ソロモンはその先祖(せんぞ)たちと(とも)(ねむ)って、(ちち)ダビデの(まち)(ほうむ)られ、その()レハベアムが(かわ)って(おう)となった。

第十章

1レハベアムはシケムへ()った。すべてのイスラエルびとが(かれ)(おう)にしようとシケムへ()ったからである。 2ネバテの()ヤラベアムは、ソロモンを()けてエジプトにのがれていたが、これを()いてエジプトから(かえ)ったので、 3人々(ひとびと)(ひと)をつかわして(かれ)(まね)いた。そこでヤラベアムとすべてのイスラエルは()て、レハベアムに()った、 4「あなたの(ちち)は、われわれのくびきを(おも)くしましたが、(いま)あなたの(ちち)のきびしい使役(しえき)と、あなたの(ちち)が、われわれに()わせた(おも)いくびきを(かる)くしてください。そうすればわたしたちはあなたに(つか)えましょう」。 5レハベアムは(かれ)らに(こた)えた、「三()(のち)、またわたしの(ところ)()なさい」。それで(たみ)()った。
6レハベアム(おう)(ちち)ソロモンの存命(ぞんめい)(ちゅう)ソロモンに(つか)えた長老(ちょうろう)たちに相談(そうだん)して()った、「あなたがたはこの(たみ)にどう返答(へんとう)すればよいと(おも)いますか」。 7(かれ)らはレハベアムに()った、「あなたがもしこの(たみ)親切(しんせつ)にあつかい、(かれ)らを(よろこ)ばせ、ねんごろに(かた)られるならば(かれ)らは(なが)くあなたのしもべとなるでしょう」。 8しかし(かれ)長老(ちょうろう)たちが(あた)えた(すす)めをすてて、自分(じぶん)一緒(いっしょ)(おお)きくなって自分(じぶん)(つか)えている若者(わかもの)たちに相談(そうだん)して、 9(かれ)らに()った、「あなたがたは、この(たみ)がわたしに()かって、『あなたの父上(ちちうえ)が、われわれに()わせたくびきを(かる)くしてください』と()うのに、われわれはなんと返答(へんとう)すればよいと(おも)いますか」。 10(かれ)一緒(いっしょ)(おお)きくなった若者(わかもの)たちは(かれ)()った、「あなたに()かって、『あなたの(ちち)は、われわれのくびきを(おも)くしたが、あなたは、それをわれわれのために(かる)くしてください』と()ったこの(たみ)に、こう()いなさい、『わたしの小指(こゆび)(ちち)(こし)よりも(ふと)い、 11(ちち)はあなたがたに(おも)いくびきを()わせたが、わたしはさらに、あなたがたのくびきを(おも)くしよう。(ちち)はむちであなたがたを()らしたが、わたしはさそりであなたがたを()らそう』」。
12さてヤラベアムと(たみ)(みな)(おう)が「三()()にわたしのところに()なさい」と()ったとおりに、三()()にレハベアムのところへ()った。 13(おう)荒々(あらあら)しく(かれ)らに(こた)えた。すなわちレハベアム(おう)長老(ちょうろう)たちの(すす)めをすて、 14若者(わかもの)たちの(すす)めに(したが)い、(かれ)らに()げて()った、「(ちち)はあなたがたのくびきを(おも)くしたが、わたしは(さら)にこれを(おも)くしよう。(ちち)はむちであなたがたを()らしたが、わたしはさそりであなたがたを()らそう」。 15このように(おう)(たみ)()うことを()きいれなかった。これは(しゅ)が、かつてシロびとアヒヤによって、ネバテの()ヤラベアムに()われた言葉(ことば)成就(じょうじゅ)するために、(かみ)がなされたのであった。
16イスラエルの人々(ひとびと)(みな)(おう)自分(じぶん)たちの()うことを()きいれないのを()たので、(たみ)(おう)(こた)えて()った、
「われわれはダビデのうちに(なに)(ぶん)があろうか。
われわれはエッサイの()のうちに()(ぎょう)がない。
イスラエルよ、めいめいの天幕(てんまく)(かえ)れ。
ダビデよ、(いま)あなたの(いえ)()よ」。
そしてイスラエルは(みな)(かれ)らの天幕(てんまく)()って()った。 17しかしレハベアムはユダの町々(まちまち)()んでいるイスラエルの人々(ひとびと)(おさ)めた。 18レハベアム(おう)徴募(ちょうぼ)(にん)監督(かんとく)であったアドラムをつかわしたが、イスラエルの人々(ひとびと)(いし)(かれ)()(ころ)したので、レハベアム(おう)(いそ)いで(くるま)()り、エルサレムに()げた。 19こうしてイスラエルはダビデの(いえ)にそむいて今日(こんにち)(いた)った。

第十一章

1レハベアムはエルサレムに()て、ユダとベニヤミンの(いえ)(もの)、すなわち、えり()きの軍人(ぐんじん)十八万(にん)(あつ)め、(くに)()りもどすためにイスラエルと(たたか)おうとしたが、 2(しゅ)言葉(ことば)(かみ)(ひと)シマヤに(のぞ)んで()った、 3「ソロモンの()、ユダの(おう)レハベアムおよびユダとベニヤミンにいるすべてのイスラエルの人々(ひとびと)()いなさい、 4(しゅ)はこう(おお)せられる、あなたがたは(のぼ)ってはならない。あなたがたの兄弟(きょうだい)(たたか)ってはならない。おのおの自分(じぶん)(いえ)(かえ)りなさい。この(こと)はわたしから()たのである』」。それで人々(ひとびと)(しゅ)言葉(ことば)()き、ヤラベアムを()めに()くのをやめて(かえ)った。
5レハベアムはエルサレムに()んで、ユダに防衛(ぼうえい)町々(まちまち)()てた。 6すなわちベツレヘム、エタム、テコア、 7ベテズル、ソコ、アドラム、 8ガテ、マレシャ、ジフ、 9アドライム、ラキシ、アゼカ、 10ゾラ、アヤロン、およびヘブロン。これらはユダとベニヤミンにあって要害(ようがい)町々(まちまち)である。 11(かれ)はその要害(ようがい)堅固(けんご)にし、これに(ぐん)(ちょう)()き、糧食(りょうしょく)(あぶら)とぶどう(しゅ)をたくわえ、 12またそのすべての(まち)(たて)とやりを(そな)えて、これを非常(ひじょう)強化(きょうか)し、そしてユダとベニヤミンを確保(かくほ)した。
13イスラエルの(ぜん)()祭司(さいし)とレビびとは四方(しほう)(さかい)から()てレハベアムに()()せた。 14すなわちレビびとは自分(じぶん)放牧(ほうぼく)()領地(りょうち)(はな)れてユダとエルサレムに()た。これはヤラベアムとその()らが(かれ)らを排斥(はいせき)して、(しゅ)(まえ)祭司(さいし)(つとめ)をさせなかったためである。 15ヤラベアムは(たか)(ところ)と、みだらな(かみ)と、自分(じぶん)(つく)った()(うし)のために自分(じぶん)祭司(さいし)()てた。 16またイスラエルのすべての部族(ぶぞく)のうちで、すべてその(こころ)(かたむ)けて、イスラエルの(かみ)(しゅ)(もと)める(もの)先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)犠牲(ぎせい)をささげるために、レビびとに(したが)ってエルサレムに()た。 17このように(かれ)らはユダの(くに)(かた)くし、ソロモンの()レハベアムを三(ねん)(あいだ)(つよ)くした。(かれ)らは三(ねん)(あいだ)ダビデとソロモンの(みち)(あゆ)んだからである。
18レハベアムはダビデの()エレモテの(むすめ)マハラテを(つま)にめとった。マハラテはエッサイの()エリアブの(むすめ)アビハイルが()んだ(もの)である。 19彼女(かのじょ)はエウシ、シマリヤおよびザハムの三()()んだ。 20(かれ)はまた彼女(かのじょ)(のち)にアブサロムの(むすめ)マアカをめとった。マアカはアビヤ、アッタイ、ジザおよびシロミテを()んだ。 21レハベアムはアブサロムの(むすめ)マアカをすべての(つま)とそばめにまさって(あい)した。(かれ)(つま)十八(にん)、そばめ六十(にん)をめとって、(おとこ)()二十八(にん)(おんな)()六十(にん)をもうけた。 22レハベアムはマアカの()アビヤを()ててかしらとし、その兄弟(きょうだい)(ちょう)とした。(かれ)はアビヤを(おう)にしようと(おも)ったからである。 23それで(おう)(かしこ)くとり(おこな)い、そのむすこたちをことごとく、ユダとベニヤミンの(ぜん)地方(ちほう)にあるすべての要害(ようがい)(まち)散在(さんざい)させ、(かれ)らに糧食(りょうしょく)(おお)(あた)え、また(おお)くの(つま)()させた。

第十二章

1レハベアムはその(くに)(かた)()ち、(つよ)くなるに(およ)んで、(しゅ)のおきてを()てた。イスラエルも(みな)(かれ)にならった。 2(かれ)らがこのように(しゅ)()かって(つみ)(おか)したので、レハベアム(おう)の五(ねん)にエジプトの(おう)シシャクがエルサレムに()(のぼ)ってきた。 3その戦車(せんしゃ)は一千二百、騎兵(きへい)は六万、また(かれ)(したが)ってエジプトから()(たみ)、すなわちリビアびと、スキびと、エチオピヤびとは無数(むすう)であった。 4シシャクはユダの要害(ようがい)町々(まちまち)()り、エルサレムに(せま)って()た。 5そこで預言者(よげんしゃ)シマヤは、レハベアムおよびシシャクのゆえに、エルサレムに(あつ)まったユダのつかさたちのもとにきて()った、「(しゅ)はこう(おお)せられる、『あなたがたはわたしを()てたので、わたしもあなたがたを()ててシシャクにわたした』と」。 6そこでイスラエルのつかさたち、および(おう)はへりくだって、「(しゅ)(ただ)しい」と()った。 7(しゅ)(かれ)らのへりくだるのを()られたので、(しゅ)言葉(ことば)がシマヤにのぞんで()った、「(かれ)らがへりくだったから、わたしは(かれ)らを(ほろ)ぼさないで、()もなく(すくい)(ほどこ)す。わたしはシシャクの()によって、(いか)りをエルサレムに(そそ)ぐことをしない。 8しかし(かれ)らはシシャクのしもべになる。これは(かれ)らがわたしに(つか)えることと、国々(くにぐに)(おう)たちに(つか)えることとの相違(そうい)()るためである」。
9エジプトの(おう)シシャクはエルサレムに()めのぼって、(しゅ)(みや)宝物(ほうもつ)と、(おう)(いえ)宝物(ほうもつ)とを(うば)()った。すなわちそれらをことごとく(うば)()り、またソロモンの(つく)った(きん)(たて)をも(うば)()った。 10それでレハベアム(おう)は、その(かわ)りに青銅(せいどう)(たて)(つく)って、(おう)(いえ)(もん)(まも)侍衛(じえい)(ちょう)たちの()(わた)した。 11(おう)(しゅ)(みや)にはいるごとに侍衛(じえい)()て、これを()い、またこれを侍衛(じえい)のへやへ()って(かえ)った。 12レハベアムがへりくだったので(しゅ)(いか)りは(かれ)(はな)れ、(かれ)をことごとく(ほろ)ぼそうとはされなかった。またユダの事情(じじょう)もよくなった。
13レハベアム(おう)はエルサレムで自分(じぶん)地位(ちい)確立(かくりつ)し、()(おさ)めた。すなわちレハベアムは四十一(さい)のとき(くらい)につき、十七(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めた。エルサレムは(しゅ)がその()()くためにイスラエルのすべての部族(ぶぞく)のうちから(えら)ばれた(まち)である。(かれ)(はは)はアンモンの(おんな)で、()をナアマといった。 14レハベアムは(しゅ)(もと)めることに(こころ)(かたむ)けないで、(わる)(こと)(おこな)った。
15レハベアムの始終(しじゅう)行為(こうい)は、預言者(よげんしゃ)シマヤおよび先見者(せんけんしゃ)イドの(しょ)にしるされているではないか。レハベアムとヤラベアムとの(あいだ)には()えず戦争(せんそう)があった。 16レハベアムはその先祖(せんぞ)たちと(とも)(ねむ)って、ダビデの(まち)(ほうむ)られ、その()アビヤが(かれ)(かわ)って(おう)となった。

第十三章

1ヤラベアム(おう)(だい)十八(ねん)にアビヤがユダの(おう)となった。 2(かれ)は三(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めた。(かれ)(はは)はギベアのウリエルの(むすめ)で、()をミカヤといった。
3ここにアビヤとヤラベアムとの(あいだ)戦争(せんそう)(おこ)り、アビヤは四十万の精兵(せいへい)から()勇敢(ゆうかん)軍勢(ぐんぜい)をもって(たたか)いにいで、ヤラベアムも(だい)勇士(ゆうし)から()る八十万の精兵(せいへい)をもって、これに()かって(たたか)いの(そな)えをした。 4(とき)にアビヤはエフライムの山地(さんち)にあるゼマライム(やま)(うえ)()って()った、「ヤラベアムおよびイスラエルの人々(ひとびと)(みな)()け。 5あなたがたはイスラエルの(かみ)(しゅ)(しお)契約(けいやく)をもってイスラエルの(くに)をながくダビデとその子孫(しそん)(たま)わったことを()らないのか。 6ところがダビデの()ソロモンの家来(けらい)であるネバテの()ヤラベアムが()って、その主君(しゅくん)にそむき、 7また(いや)しい無頼(ぶらい)のともがらが(あつ)まって(かれ)にくみし、ソロモンの()レハベアムに(てき)したが、レハベアムは(わか)く、かつ意志(いし)(よわ)くてこれに(あた)ることができなかった。
8(いま)また、あなたがたは大軍(たいぐん)をたのみ、またヤラベアムが(つく)って、あなたがたの(かみ)とした(きん)()(うし)をたのんで、ダビデの子孫(しそん)()にある(しゅ)(くに)敵対(てきたい)しようとしている。 9またあなたがたはアロンの子孫(しそん)である(しゅ)祭司(さいし)とレビびととを()いだして、()国々(くにぐに)(たみ)がするように祭司(さいし)()てたではないか。すなわちだれでも(わか)雄牛(おうし)(とう)雄羊(おひつじ)(とう)(たずさ)えてきて、自分(じぶん)聖別(せいべつ)する(もの)(みな)あの(かみ)でない(もの)祭司(さいし)とすることができた。 10しかしわれわれにおいては、(しゅ)がわれわれの(かみ)であって、われわれは(かれ)()てない。また(しゅ)(つか)える祭司(さいし)はアロンの子孫(しそん)であり、(はたら)きをなす(もの)はレビびとである。 11(かれ)らは(あさ)ごと(ゆう)ごとに(しゅ)燔祭(はんさい)と、こうばしい(こう)をささげ、(そな)えのパンを純金(じゅんきん)(つくえ)(うえ)(そな)え、また(きん)燭台(しょくだい)とそのともしび(さら)(ととの)えて、(ゆう)ごとにともすのである。このようにわれわれはわれわれの(かみ)(しゅ)(つとめ)(まも)っているが、あなたがたは(かれ)()てた。 12()よ、(かみ)はみずからわれわれと(とも)におられて、われわれのかしらとなられ、また、その祭司(さいし)たちはラッパを()きならして、あなたがたを()める。イスラエルの人々(ひとびと)よ、あなたがたの先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)(てき)して(たたか)ってはならない。あなたがたは成功(せいこう)しない」。
13ヤラベアムは伏兵(ふくへい)(かれ)らのうしろに(まわ)らせたので、(かれ)軍隊(ぐんたい)はユダの(まえ)にあり、伏兵(ふくへい)(かれ)らのうしろにあった。 14ユダはうしろを()ると、(てき)(まえ)とうしろとにあったので、(しゅ)()かって()ばわり、祭司(さいし)たちはラッパを()いた。 15そこでユダの人々(ひとびと)はときの(こえ)をあげた。ユダの人々(ひとびと)がときの(こえ)をあげると、(かみ)はヤラベアムとイスラエルの人々(ひとびと)をアビヤとユダの(まえ)()(やぶ)られたので、 16イスラエルの人々(ひとびと)はユダの(まえ)から()げた。(かみ)(かれ)らをユダの()(わた)されたので、 17アビヤとその(たみ)は、(かれ)らをおびただしく()(ころ)した。イスラエルの(ころ)されて(たお)れた(もの)は五十万(にん)(みな)精兵(せいへい)であった。 18このように、この(とき)イスラエルの人々(ひとびと)()()かされ、ユダの人々(ひとびと)(かち)()た。(かれ)らがその先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)(たの)んだからである。 19アビヤはヤラベアムを追撃(ついげき)して数個(すうこ)(まち)(かれ)から()った。すなわちベテルとその村里(むらざと)、エシャナとその村里(むらざと)、エフロンとその村里(むらざと)である。 20ヤラベアムは、アビヤの()には(ふたた)(ちから)()ることができず、(しゅ)()たれて()んだ。 21しかしアビヤは(つよ)くなり、(つま)十四(にん)をめとり、むすこ二十二(にん)、むすめ十六(にん)をもうけた。 22アビヤのその()行為(こうい)すなわちその行動(こうどう)言葉(ことば)は、預言者(よげんしゃ)イドの注釈(ちゅうしゃく)にしるされている。

第十四章

1アビヤはその先祖(せんぞ)たちと(とも)(ねむ)って、ダビデの(まち)(ほうむ)られ、その()アサが(かわ)って(おう)となった。アサの治世(ちせい)(くに)は十(ねん)(あいだ)(おだ)やかであった。 2アサはその(かみ)(しゅ)()()しと()え、また(ただ)しと()えることを(おこな)った。 3(かれ)(こと)なる祭壇(さいだん)と、もろもろの(たか)(ところ)()(のぞ)き、石柱(せきちゅう)をこわし、アシラ(ぞう)()(たお)し、 4ユダに(めい)じてその先祖(せんぞ)たちの(かみ)(しゅ)(もと)めさせ、おきてと(いまし)めとを(おこな)わせ、 5ユダのすべての町々(まちまち)から、(たか)(ところ)(こう)祭壇(さいだん)とを()(のぞ)いた。そして(くに)(かれ)のもとに(おだ)やかであった。 6(かれ)(くに)(おだ)やかであったので、要害(ようがい)(まち)数個(すうこ)をユダに()てた。また(しゅ)(かれ)平安(へいあん)(たま)わったので、この(とし)ごろ戦争(せんそう)がなかった。 7(かれ)はユダに()った、「われわれはこれらの(まち)()て、その周囲(しゅうい)(いし)がきを(きず)き、やぐらを()て、(もん)(かん)()(もう)けよう。われわれがわれわれの(かみ)(しゅ)(もと)めたので、この(くに)はなおわれわれのものであり、われわれが(かれ)(もと)めたので、四方(しほう)において、われわれに平安(へいあん)(たま)わった」。こうして(かれ)らは(とどこお)りなく()(おわ)った。 8アサの軍隊(ぐんたい)はユダから()(もの)三十万(にん)あって、(たて)とやりをとり、ベニヤミンから()(もの)二十八万(にん)あって、小盾(こだて)をとり、(ゆみ)()いた。これはみな(だい)勇士(ゆうし)であった。
9エチオピヤびとゼラが、百万の軍隊(ぐんたい)と三百の戦車(せんしゃ)(ひき)いて、マレシャまで()めてきた。 10アサは()て、これを(むか)え、マレシャのゼパタの(たに)(たたか)いの(そな)えをした。 11(とき)にアサはその(かみ)(しゅ)()かって()ばわって()った、「(しゅ)よ、(ちから)のある(もの)(たす)けることも、(ちから)のない(もの)(たす)けることも、あなたにおいては(こと)なることはありません。われわれの(かみ)(しゅ)よ、われわれをお(たす)けください。われわれはあなたに()(たの)み、あなたの()によってこの大軍(たいぐん)(あた)ります。(しゅ)よ、あなたはわれわれの(かみ)です。どうぞ(ひと)をあなたに()たせないでください」。 12そこで(しゅ)はアサの(まえ)とユダの(まえ)でエチオピヤびとを()(やぶ)られたので、エチオピヤびとは()()った。 13アサと(かれ)(したが)(たみ)(かれ)らをゲラルまで追撃(ついげき)したので、エチオピヤびとは(たお)れて、()(のこ)った(もの)はひとりもなかった。(しゅ)(しゅ)軍勢(ぐんぜい)(まえ)()(やぶ)られたからである。ユダの人々(ひとびと)()たぶんどり(もの)非常(ひじょう)(おお)かった。 14(かれ)らはまた、ゲラルの周囲(しゅうい)町々(まちまち)をことごとく()(やぶ)った。(しゅ)(おそ)れが(かれ)らの(うえ)(のぞ)んだからである。そして(かれ)らはそのすべての(まち)をかすめ(うば)った。その(うち)(おお)くの(もの)があったからである。 15また家畜(かちく)をもっている(もの)天幕(てんまく)(おそ)い、(おお)くの(ひつじ)とらくだを(うば)()って、エルサレムに(かえ)った。

第十五章

1(とき)(かみ)(れい)がオデデの()アザリヤに(のぞ)んだので、 2(かれ)()ていってアサを(むか)え、これに()った、「アサおよびユダとベニヤミンの人々(ひとびと)よ、わたしに()きなさい。あなたがたが(しゅ)(とも)におる(あいだ)は、(しゅ)もあなたがたと(とも)におられます。あなたがたが、もし(かれ)(もと)めるならば、(かれ)()うでしょう。しかし、(かれ)()てるならば、(かれ)もあなたがたを()てられるでしょう。 3そもそも、イスラエルには(なが)(あいだ)、まことの(かみ)がなく、(おしえ)をなす祭司(さいし)もなく、律法(りっぽう)もなかった。 4しかし、(なや)みの(とき)(かれ)らがイスラエルの(かみ)(しゅ)()(かえ)り、(かれ)(もと)めたので(かれ)()った。 5そのころは、()(もの)にも()(もの)にも、平安(へいあん)がなく、(おお)いなる騒乱(そうらん)国々(くにぐに)のすべての住民(じゅうみん)(なや)ました。 6(くに)(くに)に、(まち)(まち)()(くだ)かれた。(かみ)がもろもろの(なや)みをもって(かれ)らを(くる)しめられたからです。 7しかしあなたがたは勇気(ゆうき)()しなさい。()(よわ)くしてはならない。あなたがたのわざには(むく)いがあるからです」。
8アサはこれらの言葉(ことば)すなわちオデデの()アザリヤの預言(よげん)()いて勇気(ゆうき)()(にく)むべき偶像(ぐうぞう)をユダとベニヤミンの(ぜん)()から(のぞ)き、また(かれ)がエフライムの山地(さんち)()町々(まちまち)から(のぞ)き、(しゅ)(みや)(ろう)(まえ)にあった(しゅ)祭壇(さいだん)再興(さいこう)した。 9(かれ)はまたユダとベニヤミンの人々(ひとびと)およびエフライム、マナセ、シメオンから()て、(かれ)らの(あいだ)寄留(きりゅう)していた(もの)(あつ)めた。その(かみ)(しゅ)がアサと(とも)におられるのを()て、イスラエルからアサのもとに(くだ)った(もの)(おお)くあったからである。 10(かれ)らはアサの治世(ちせい)の十五(ねん)の三(がつ)にエルサレムに(あつ)まり、 11(たずさ)えてきたぶんどり(もの)のうちから(うし)七百(とう)(ひつじ)七千(とう)をその()(しゅ)にささげた。 12そして(かれ)らは契約(けいやく)(むす)び、(こころ)をつくし、精神(せいしん)をつくして先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)(もと)めることと、 13すべてイスラエルの(かみ)(しゅ)(もと)めない(もの)老幼(ろうよう)男女(だんじょ)(べつ)なく(ころ)さるべきことを(やく)した。 14そして(かれ)らは大声(おおごえ)をあげて(さけ)び、ラッパを()き、角笛(つのぶえ)()らして、(しゅ)(ちか)いを()てた。 15ユダは(みな)その(ちか)いを(よろこ)んだ。(かれ)らは(こころ)をつくして(ちか)いを()て、精神(せいしん)をつくして(しゅ)(もと)めたので、(しゅ)(かれ)らに()い、四方(しほう)(かれ)らに安息(あんそく)(たま)わった。
16アサ(おう)(はは)マアカがアシラのために(にく)むべき(ぞう)(つく)ったので、アサは彼女(かのじょ)をおとして太后(たいこう)とせず、その(にく)むべき(ぞう)()(たお)して粉々(こなごな)(くだ)き、キデロン(かわ)でそれを()いた。 17ただし(たか)(ところ)はイスラエルから(のぞ)かなかったが、アサの(こころ)一生(いっしょう)(あいだ)(ただ)しかった。 18(かれ)はまた、その(ちち)のささげた(もの)および自分(じぶん)のささげた(もの)、すなわち(ぎん)(きん)(なら)びに器物(うつわもの)などを(しゅ)(みや)(たずさ)()れた。 19そしてアサの治世(ちせい)の三十五(ねん)までは(ふたた)戦争(せんそう)がなかった。

第十六章

1アサの治世(ちせい)の三十六(ねん)にイスラエルの(おう)バアシャはユダに()(のぼ)り、ユダの(おう)アサの(ところ)にだれをも出入(でい)りさせないためにラマを(きず)いた。 2そこでアサは(しゅ)(みや)(おう)(いえ)宝蔵(ほうぞう)から金銀(きんぎん)()()し、ダマスコに()んでいるスリヤの(おう)ベネハダデに(おく)って()った、 3「わたしの(ちち)とあなたの(ちち)(あいだ)のように、わたしとあなたの(あいだ)同盟(どうめい)(むす)びましょう。わたしはあなたに金銀(きんぎん)(おく)ります。()って、あなたとイスラエルの(おう)バアシャとの同盟(どうめい)(やぶ)り、(かれ)をわたしから撤退(てったい)させてください」。 4ベネハダデはアサ(おう)()うことを()き、自分(じぶん)軍勢(ぐんぜい)(ちょう)たちをつかわしてイスラエルの町々(まちまち)()め、イヨンとダンとアベル・マイムおよびナフタリのすべての(くら)(まち)()った。 5バアシャはこれを()いて、ラマを(きず)くことをやめ、その工事(こうじ)(はい)した。 6そこでアサ(おう)はユダの全国(ぜんこく)人々(ひとびと)()()れ、バアシャがラマを()てるために(もち)いた(いし)木材(もくざい)(はこ)んでこさせ、それをもってゲバとミヅパを()てた。
7そのころ先見者(せんけんしゃ)ハナニがユダの(おう)アサのもとに()()った、「あなたがスリヤの(おう)()(たの)んで、あなたの(かみ)(しゅ)()(たの)まなかったので、スリヤ(おう)軍勢(ぐんぜい)はあなたの()からのがれてしまった。 8かのエチオピヤびとと、リビアびとは大軍(たいぐん)で、その戦車(せんしゃ)騎兵(きへい)は、はなはだ(おお)かったではないか。しかしあなたが(しゅ)()(たの)んだので、(しゅ)(かれ)らをあなたの()(わた)された。 9(しゅ)()はあまねく(ぜん)()()きめぐり、自分(じぶん)()かって(こころ)(まっと)うする(もの)のために(ちから)をあらわされる。今度(こんど)(こと)では、あなたは(おろ)かな(こと)をした。ゆえにこの(のち)、あなたに戦争(せんそう)(のぞ)むであろう」。 10するとアサはその先見者(せんけんしゃ)(いか)って、獄屋(ごくや)()れた。この(こと)のために(はげ)しく(かれ)(いか)ったからである。アサはまたそのころ(たみ)のある(もの)をしえたげた。
11()よ、アサの始終(しじゅう)行為(こうい)は、ユダとイスラエルの(れつ)(おう)(しょ)にしるされている。 12アサはその治世(ちせい)の三十九(ねん)(あし)()み、その(やまい)(はげ)しくなったが、その(やまい)(とき)にも、(しゅ)(もと)めないで医者(いしゃ)(もと)めた。 13アサは先祖(せんぞ)たちと(とも)(ねむ)り、その治世(ちせい)の四十一(ねん)()んだ。 14人々(ひとびと)(かれ)自分(じぶん)のためにダビデの(まち)()っておいた(はか)(ほうむ)り、(せい)(こう)(じゅつ)をもって(つく)った様々(さまざま)香料(こうりょう)()たした(とこ)(よこ)たえ、(かれ)のためにおびただしく(こう)をたいた。

第十七章

1アサの()ヨシャパテがアサに(かわ)って(おう)となり、イスラエルに()かって自分(じぶん)(つよ)くし、 2ユダのすべての堅固(けんご)町々(まちまち)軍隊(ぐんたい)()き、またユダの()およびその(ちち)アサが()ったエフライムの町々(まちまち)守備(しゅび)(たい)()いた。 3(しゅ)はヨシャパテと(とも)におられた。(かれ)がその(ちち)ダビデの最初(さいしょ)(みち)(あゆ)んで、バアルに(もと)めず、 4その(ちち)(かみ)(もと)めて、その(いまし)めに(あゆ)み、イスラエルの(おこな)いにならわなかったからである。 5それゆえ、(しゅ)(くに)(かれ)()(かた)()てられ、またユダの人々(ひとびと)(みな)ヨシャパテに(おく)(もの)()ってきた。(かれ)(おお)いなる(とみ)(ほまれ)とを()た。 6そこで(かれ)(しゅ)(みち)(こころ)(はげ)まし、さらに(たか)(ところ)とアシラ(ぞう)とをユダから(のぞ)いた。
7(かれ)はまたその治世(ちせい)の三(ねん)に、つかさたちベネハイル、オバデヤ、ゼカリヤ、ネタンエルおよびミカヤをつかわしてユダの町々(まちまち)(おし)えさせ、 8また(かれ)らと(とも)にレビびとのうちからシマヤ、ネタニヤ、ゼバデヤ、アサヘル、セミラモテ、ヨナタン、アドニヤ、トビヤ、トバドニヤをつかわし、またこれらのレビびとと(とも)祭司(さいし)エリシャマとヨラムをもつかわした。 9(かれ)らは(しゅ)律法(りっぽう)(しょ)(たずさ)えて、ユダで(おしえ)をなし、またユダの町々(まちまち)をことごとく巡回(じゅんかい)して、(たみ)(あいだ)(おしえ)をなした。
10そこでユダの周囲(しゅうい)国々(くにぐに)(みな)(しゅ)(おそ)れ、ヨシャパテと(たたか)うことをしなかった。 11また、ペリシテびとのうちで(おく)(もの)や、みつぎの(ぎん)をヨシャパテの(ところ)()ってくる(もの)があり、またアラビヤびとは雄羊(おひつじ)七千七百(とう)()やぎ七千七百(とう)(かれ)()ってきた。 12こうしてヨシャパテはますます(おお)いになり、ユダに要害(ようがい)および(くら)(まち)()て、 13ユダの町々(まちまち)(おお)くの軍需(ぐんじゅ)(ひん)()ち、またエルサレムに(だい)勇士(ゆうし)である軍人(ぐんじん)たちを()っていた。 14(かれ)らをその氏族(しぞく)によって(かぞ)えれば(つぎ)のとおりである。すなわちユダから()た千(にん)(ちょう)のうちでは、アデナという(ぐん)(ちょう)(かれ)(したが)(だい)勇士(ゆうし)三十万(にん)15その(つぎ)(ぐん)(ちょう)ヨハナンと(かれ)(したが)(もの)二十八(まん)(にん)16その(つぎ)(よろこ)んでその()(しゅ)にささげた(もの)ジクリの()アマジヤと(かれ)(したが)(だい)勇士(ゆうし)二十万(にん)17ベニヤミンから()(もの)のうちでは、エリアダという(だい)勇士(ゆうし)(かれ)(したが)(ゆみ)および(たて)()(もの)二十万(にん)18その(つぎ)はヨザバデと(かれ)(したが)(たたか)いの(そな)えある(もの)十八(まん)(にん)である。 19これらは(みな)(おう)(つか)える(もの)たちで、このほかにまたユダ全国(ぜんこく)堅固(けんご)町々(まちまち)に、(おう)駐在(ちゅうざい)させた(もの)があった。

第十八章

1ヨシャパテは(おお)いなる(とみ)(ほまれ)とをもち、アハブと(ふち)(むす)んだ。 2(かれ)数年(すうねん)(のち)、サマリヤに(くだ)って、アハブをおとずれた。アハブは(かれ)(かれ)(したが)ってきた(たみ)のために(ひつじ)(うし)(おお)くほふり、ラモテ・ギレアデに一緒(いっしょ)()(のぼ)ることを(かれ)にすすめた。 3イスラエルの(おう)アハブはユダの(おう)ヨシャパテに()った、「あなたはわたしと一緒(いっしょ)にラモテ・ギレアデに()めて()きますか」。ヨシャパテは(こた)えた、「わたしはあなたと一つです、わたしの(たみ)はあなたの(たみ)と一つです。わたしはあなたと一緒(いっしょ)(たたか)いに(のぞ)みましょう」。
4ヨシャパテはまたイスラエルの(おう)()った、「まず(しゅ)言葉(ことば)(もと)めなさい」。 5そこでイスラエルの(おう)預言者(よげんしゃ)四百(にん)(あつ)めて(かれ)らに()った、「われわれはラモテ・ギレアデに、(たたか)いに()くべきか、あるいは(ひか)えるべきか」。(かれ)らは()った、「(のぼ)って()きなさい。(かみ)はそれを(おう)()にわたされるでしょう」。 6ヨシャパテは()った、「ほかにわれわれが()うべき(しゅ)預言者(よげんしゃ)はここにいませんか」。 7イスラエルの(おう)はヨシャパテに()った、「ほかになおひとりいます。われわれはこの(ひと)によって(しゅ)()うことができますが、(かれ)はわたしについて()(こと)預言(よげん)したことがなく、(つね)(わる)いことだけを預言(よげん)するので、わたしは(かれ)(にく)みます。その(もの)はイムラの()ミカヤです」。ヨシャパテは()った、「(おう)よ、そうは()わないでください」。 8そこでイスラエルの(おう)はひとりの役人(やくにん)()んで、「イムラの()ミカヤを(いそ)いで()れてきなさい」と()った。 9さてイスラエルの(おう)およびユダの(おう)ヨシャパテは(おう)(ころも)()て、サマリヤの(もん)入口(いりぐち)広場(ひろば)におのおのその玉座(ぎょくざ)()し、預言者(よげんしゃ)たちは(みな)その(まえ)預言(よげん)していた。 10ケナアナの()ゼデキヤは(てつ)(つの)(つく)って()った、「(しゅ)はこう(おお)せられます、『あなたはこれらの(つの)をもってスリヤびとを()いて(ほろ)ぼし(つく)しなさい』」。 11預言者(よげんしゃ)たちは(みな)そのように預言(よげん)して()った、「ラモテ・ギレアデに(のぼ)っていって勝利(しょうり)()なさい。(しゅ)はそれを(おう)()にわたされるでしょう」。
12さてミカヤを()びに()った使者(ししゃ)(かれ)()った、「預言者(よげんしゃ)たちは一致(いっち)して(おう)()(こと)()いました。どうぞ、あなたの言葉(ことば)も、(かれ)らのひとりの言葉(ことば)のようにし、()(こと)()ってください」。 13ミカヤは()った、「(しゅ)()きておられる。わが(かみ)()われることをわたしは(もう)します」。 14(かれ)(おう)(ところ)()くと、(おう)(かれ)()った、「ミカヤよ、われわれはラモテ・ギレアデに(たたか)いに()くべきか、あるいは(ひか)えるべきか」。(かれ)()った、「(のぼ)って()って勝利(しょうり)()なさい。(かれ)らはあなたの()にわたされるでしょう」。 15しかし(おう)(かれ)()った、「(いく)たびあなたを(ちか)わせたら、あなたは(しゅ)()をもって、ただ真実(しんじつ)のみをわたしに()げるだろうか」。 16(かれ)()った、「わたしはイスラエルが(みな)牧者(ぼくしゃ)のない(ひつじ)のように(やま)()っているのを()ました。すると(しゅ)は『これらの(もの)主人(しゅじん)をもっていない。(かれ)らをそれぞれ(やす)らかに、その(いえ)(かえ)らせよ』と()われました」。 17イスラエルの(おう)はヨシャパテに()った、「わたしはあなたに、(かれ)はわたしについて()(こと)預言(よげん)せず、ただ(わる)(こと)だけを預言(よげん)すると()げたではありませんか」。 18ミカヤは()った、「それだから(しゅ)言葉(ことば)()きなさい。わたしは(しゅ)がその玉座(ぎょくざ)()し、(てん)万軍(ばんぐん)がその右左(みぎひだり)()っているのを()たが、 19(しゅ)は、『だれがイスラエルの(おう)アハブをいざなって、ラモテ・ギレアデに(のぼ)らせ、(かれ)(たお)れさせるであろうか』と()われた。するとひとりは、こうしようと()い、ひとりは、ああしようと()った。 20その(とき)一つの(れい)(すす)()て、(しゅ)(まえ)()ち、『わたしが(かれ)をいざないましょう』と()ったので、(しゅ)(かれ)に『(なに)をもってするか』と()われた。 21(かれ)は『わたしが()()って、(いつわ)りを()(れい)となって、すべての預言者(よげんしゃ)(くち)宿(やど)りましょう』と()った。そこで(しゅ)は『おまえは(かれ)をいざなって、それをなし()げるであろう。()()って、そうしなさい』と()われた。 22それゆえ、(しゅ)(いつわ)りを()(れい)をこの預言者(よげんしゃ)たちの(くち)()れ、また(しゅ)はあなたについて(わざわい)()げられたのです」。
23するとケナアナの()ゼデキヤが近寄(ちかよ)ってミカヤのほおを()って()った、「(しゅ)(れい)がどの(みち)からわたしを(はな)れて()って、あなたに(かた)りましたか」。 24ミカヤは()った、「あなたが(おく)(あいだ)にはいって()(かく)()()るでしょう」。 25イスラエルの(おう)()った、「ミカヤを(とら)え、(まち)のつかさアモンと(おう)()ヨアシの(ところ)()いて()って、 26()いなさい、『(おう)はこう()う、この(もの)獄屋(ごくや)()れ、(すこ)しばかりのパンと(みず)をもって(かれ)(やしな)い、わたしが勝利(しょうり)()(かえ)ってくるのを()て』と」。 27ミカヤは()った、「あなたがもし勝利(しょうり)()(かえ)るならば、(しゅ)はわたしによって(かた)られなかったのです」。また(かれ)()った、「あなたがたすべての(たみ)よ、()きなさい」。
28こうしてイスラエルの(おう)とユダの(おう)ヨシャパテは、ラモテ・ギレアデに(のぼ)った。 29イスラエルの(おう)はヨシャパテに()った、「わたしは姿(すがた)()えて(たたか)いに()きましょう。しかしあなたは(おう)(ころも)()けなさい」。イスラエルの(おう)姿(すがた)()えて(たたか)いに()った。 30さて、スリヤの(おう)は、その戦車(せんしゃ)隊長(たいちょう)たちに(めい)じて()った、「あなたがたは(ちい)さい(もの)とも、(おお)きい(もの)とも(たたか)ってはならない。ただイスラエルの(おう)とのみ(たたか)いなさい」。 31戦車(せんしゃ)隊長(たいちょう)らはヨシャパテを()たとき、これはきっとイスラエルの(おう)だと(おも)ったので、()(めぐ)らしてこれと(たたか)おうとした。しかしヨシャパテが()ばわったので、(しゅ)はこれを(たす)けられた。すなわち(かみ)(てき)(かれ)から(はな)れさせられた。 32戦車(せんしゃ)隊長(たいちょう)らは(かれ)がイスラエルの(おう)でないのを()たので、(かれ)()うことをやめて()(かえ)した。 33しかし、ひとりの(ひと)が、なにごころなく(ゆみ)()いて、イスラエルの(おう)胸当(むねあて)と、くさずりの(あいだ)()たので、(かれ)はその(くるま)御者(ぎょしゃ)()った、「わたしは(きず)()けたから、(くるま)をめぐらして、わたしを軍中(ぐんちゅう)から(はこ)()せ」。 34その()(たたか)いは(はげ)しくなった。イスラエルの(おう)(くるま)(なか)自分(じぶん)をささえて()ち、夕暮(ゆうぐれ)までスリヤびとに()かっていたが、()()るころになって()んだ。

第十九章

1ユダの(おう)ヨシャパテは、つつがなくエルサレムの自分(じぶん)(いえ)(かえ)った。 2そのとき、先見者(せんけんしゃ)ハナニの()エヒウが()てヨシャパテを(むか)えて()った、「あなたは悪人(あくにん)(たす)け、(しゅ)(にく)(もの)(あい)してよいのですか。それゆえ(いか)りが(しゅ)(まえ)から()て、あなたの(うえ)(のぞ)みます。 3しかしあなたには、なお()(こと)もあります。あなたはアシラ(ぞう)(くに)(なか)から(のぞ)き、(こころ)(かたむ)けて(かみ)(もと)められました」。
4ヨシャパテはエルサレムに()んでいたが、また()て、ベエルシバからエフライムの山地(さんち)まで(たみ)(なか)(めぐ)り、先祖(せんぞ)たちの(かみ)(しゅ)(かれ)らを(みちび)(かえ)した。 5(かれ)はまたユダの国中(くにぢゅう)、すべての堅固(けんご)(まち)ごとに裁判人(さいばんにん)()いた。 6そして裁判人(さいばんにん)たちに()った、「あなたがたは自分(じぶん)のする(こと)()をつけなさい。あなたがたは(ひと)のために裁判(さいばん)するのではなく、(しゅ)のためにするのです。あなたがたが裁判(さいばん)する(とき)には、(しゅ)はあなたがたと(とも)におられます。 7だからあなたがたは(しゅ)(おそ)れ、(つつし)んで(おこな)いなさい。われわれの(かみ)(しゅ)には不義(ふぎ)がなく、(ひと)をかたより()ることなく、まいないを()ることもないからです」。
8ヨシャパテはまたレビびと、祭司(さいし)、およびイスラエルの氏族(しぞく)(ちょう)たちを(えら)んでエルサレムに()き、(しゅ)のために裁判(さいばん)(おこな)い、争議(そうぎ)解決(かいけつ)(あた)らせた。(かれ)らはエルサレムに居住(きょじゅう)した。 9ヨシャパテは(かれ)らに(めい)じて()った、「あなたがたは(しゅ)(おそ)れ、真実(しんじつ)真心(まごころ)とをもって(おこな)わなければならない。 10すべてその町々(まちまち)()んでいるあなたがたの兄弟(きょうだい)たちから、()(なが)した(こと)または律法(りっぽう)(いまし)め、(さだ)めとおきてなどの(こと)について(うった)えてきたならば、(かれ)らをさとして、(しゅ)(まえ)(つみ)(おか)させず、(いか)りがあなたがたと、あなたがたの兄弟(きょうだい)たちに(のぞ)まないようにしなさい。そのようにすれば、あなたがたは(つみ)(おか)すことがないでしょう。 11()よ、祭司(さいし)(ちょう)アマリヤは、あなたがたの(うえ)にいて、(しゅ)(こと)をすべてつかさどり、イシマエルの()、ユダの(いえ)のつかさゼバデヤは(おう)(こと)をすべてつかさどり、またレビびとはあなたがたの(まえ)にあって役人(やくにん)となります。雄々(おお)しく行動(こうどう)しなさい。(しゅ)正直(しょうじき)(ひと)(とも)におられます」。

第二十章

1この(のち)モアブびと、アンモンびとおよびメウニびとらがヨシャパテと(たたか)おうと()めてきた。 2その(とき)ある(ひと)がきて、ヨシャパテに()げて()った、「(うみ)のかなたのエドムから大軍(たいぐん)があなたに()めて()ます。()よ、(かれ)らはハザゾン・タマル(すなわちエンゲデ)にいます」。 3そこでヨシャパテは(おそ)れ、(しゅ)(かお)()けて(たす)けを(もと)め、ユダ全国(ぜんこく)断食(だんじき)をふれさせた。 4それでユダはこぞって(あつ)まり、(しゅ)(たす)けを(もと)めた。すなわちユダのすべての(まち)から人々(ひとびと)()(しゅ)(もと)めた。
5そこでヨシャパテは(しゅ)(みや)(あたら)しい(にわ)(まえ)で、ユダとエルサレムの会衆(かいしゅう)(なか)()って、 6()った、「われわれの先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)よ、あなたは(てん)にいます(かみ)ではありませんか。異邦人(いほうじん)のすべての(くに)(おさ)められるではありませんか。あなたの()には(ちから)があり、(いきお)いがあって、あなたに(さか)らいうる(もの)はありません。 7われわれの(かみ)よ、あなたはこの(くに)(たみ)をあなたの(たみ)イスラエルの(まえ)から()(はら)って、あなたの(とも)アブラハムの子孫(しそん)に、これを永遠(えいえん)(あた)えられたではありませんか。 8(かれ)らはここに()み、あなたの()のためにここに聖所(せいじょ)()てて()いました、 9『つるぎ、審判(しんぱん)疫病(えきびょう)、ききんなどの(わざわい)がわれわれに(のぞ)(とき)、われわれはこの(みや)(まえ)()って、あなたの(まえ)におり、その(なや)みの(なか)であなたに()ばわります。すると、あなたは()いて(たす)けられます。あなたの()はこの(みや)にあるからです』と。 10(いま)アンモン、モアブ、およびセイル(やま)人々(ひとびと)をごらんなさい。(むかし)イスラエルがエジプトの(くに)から()てきた(とき)、あなたはイスラエルに(かれ)らを(おか)すことをゆるされなかったので、イスラエルは(かれ)らを(はな)れて、(ほろ)ぼしませんでした。 11(かれ)らがわれわれに(むく)いるところをごらんください。(かれ)らは()て、あなたがわれわれに(たま)わったあなたの領地(りょうち)からわれわれを()(はら)おうとしています。 12われわれの(かみ)よ、あなたは(かれ)らをさばかれないのですか。われわれはこのように()めて()大軍(たいぐん)(あた)(ちから)がなく、またいかになすべきかを()りません。ただ、あなたを(あお)(のぞ)むのみです」。
13ユダの人々(ひとびと)はその(おさ)()、その(つま)、および子供(こども)たちと(とも)(みな)(しゅ)(まえ)()っていた。 14その(とき)(しゅ)(れい)会衆(かいしゅう)(なか)でアサフの子孫(しそん)であるレビびとヤハジエルに(のぞ)んだ。ヤハジエルはゼカリヤの()、ゼカリヤはベナヤの()、ベナヤはエイエルの()、エイエルはマッタニヤの()である。 15ヤハジエルは()った、「ユダの人々(ひとびと)、エルサレムの住民(じゅうみん)、およびヨシャパテ(おう)よ、()きなさい。(しゅ)はあなたがたにこう(おお)せられる、『この大軍(たいぐん)のために(おそ)れてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの(たたか)いではなく、(しゅ)(たたか)いだからである。 16あす、(かれ)らの(ところ)()(くだ)りなさい。()よ、(かれ)らはヂヅの(さか)から(のぼ)って()る。あなたがたはエルエルの()(ひがし)(たに)(たん)でこれに()うであろう。 17この(たたか)いには、あなたがたは(たたか)うに(およ)ばない。ユダおよびエルサレムよ、あなたがたは(すす)()()ち、あなたがたと(とも)におられる(しゅ)勝利(しょうり)()なさい。(おそ)れてはならない。おののいてはならない。あす、(かれ)らの(ところ)()めて()きなさい。(しゅ)はあなたがたと(とも)におられるからである』」。
18ヨシャパテは()にひれ()した。ユダの人々(ひとびと)およびエルサレムの(たみ)(しゅ)(まえ)()して、(しゅ)(はい)した。 19その(とき)コハテびとの子孫(しそん)、およびコラびとの子孫(しそん)であるレビびとが()()がり、大声(おおごえ)をあげてイスラエルの(かみ)(しゅ)をさんびした。
20(かれ)らは(あさ)(はや)()きてテコアの()()()った。その()()くとき、ヨシャパテは()って()った、「ユダの人々(ひとびと)およびエルサレムの(たみ)よ、わたしに()きなさい。あなたがたの(かみ)(しゅ)(しん)じなさい。そうすればあなたがたは(かた)()つことができる。(しゅ)預言者(よげんしゃ)(しん)じなさい。そうすればあなたがたは成功(せいこう)するでしょう」。 21(かれ)はまた(たみ)相談(そうだん)して人々(ひとびと)任命(にんめい)し、(せい)なる(かざ)りを()けて軍勢(ぐんぜい)(まえ)(すす)ませ、(しゅ)()かって(うた)をうたい、かつさんびさせ、
(しゅ)感謝(かんしゃ)せよ、
そのいつくしみはとこしえに()えることがない」
()わせた。 22そして(かれ)らが(うた)をうたい、さんびし(はじ)めた(とき)(しゅ)伏兵(ふくへい)(もう)け、かのユダに()めてきたアンモン、モアブ、セイル(やま)人々(ひとびと)()かわせられたので、(かれ)らは()(やぶ)られた。 23すなわちアンモンとモアブの人々(ひとびと)()()がって、セイル(やま)(たみ)(てき)し、(かれ)らを(ころ)して(まった)(ほろ)ぼしたが、セイルの(たみ)(ころ)(つく)すに(およ)んで、(かれ)らもおのおの(たがい)(たす)けて(ほろ)ぼしあった。
24ユダの人々(ひとびと)()物見(ものみ)やぐらへ()って、かの群衆(ぐんしゅう)()たが、()(たお)れた死体(したい)だけであって、ひとりものがれた(もの)はなかった。 25それでヨシャパテとその(たみ)(かれ)らの(もの)(うば)うために()()ると、多数(たすう)家畜(かちく)財宝(ざいほう)衣服(いふく)および宝石(ほうせき)などおびただしくあったので、おのおのそれをはぎ()ったが、(はこ)びきれないほどたくさんで、かすめ()るに三()もかかった。それほど(もの)(おお)かったのである。 26()()(かれ)らはベラカの(たに)(あつ)まり、その(ところ)(しゅ)祝福(しゅくふく)した。それでその(ところ)()今日(こんにち)までベラカの(たに)()んでいる。 27そしてユダとエルサレムの人々(ひとびと)(みな)ヨシャパテを(さき)()て、(よろこ)んでエルサレムに(かえ)ってきた。(しゅ)(かれ)らにその(てき)のことによって(よろこ)びを(あた)えられたからである。 28すなわち(かれ)らは立琴(たてごと)(こと)およびラッパをもってエルサレムの(しゅ)(みや)()た。 29そしてもろもろの(くに)(たみ)(しゅ)がイスラエルの(てき)(たたか)われたことを()いて(かみ)(おそ)れた。 30こうして(かみ)四方(しほう)安息(あんそく)(たま)わったので、ヨシャパテの(くに)(おだ)やかであった。
31このようにヨシャパテはユダを(おさ)めた。(かれ)は三十五(さい)(とき)(おう)となり、二十五(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めた。(かれ)(はは)()はアズバといってシルヒの(むすめ)である。 32ヨシャパテは(ちち)アサの(みち)(あゆ)んでそれを(はな)れず、(しゅ)()(ただ)しいと()られることを(おこな)った。 33しかし(たか)(ところ)(のぞ)かず、また(たみ)はその先祖(せんぞ)(かみ)(こころ)(かたむ)けなかった。
34ヨシャパテのその()始終(しじゅう)行為(こうい)は、ハナニの()エヒウの(しょ)にしるされ、イスラエルの(れつ)(おう)(しょ)()せられてある。
35この(のち)ユダの(おう)ヨシャパテはイスラエルの(おう)アハジヤと(あい)(むす)んだ。アハジヤは(あく)(おこな)った。 36ヨシャパテはタルシシへ()(ふね)(つく)るためにアハジヤと(あい)(むす)び、エジオン・ゲベルで一緒(いっしょ)(ふね)数隻(すうせき)(つく)った。 37その(とき)マレシャのドダワの()エリエゼルはヨシャパテに()かって預言(よげん)し、「あなたはアハジヤと(あい)(むす)んだので、(しゅ)はあなたの(つく)った(もの)をこわされます」と()ったが、その(ふね)難破(なんぱ)して、タルシシへ()くことができなかった。

第二十一章

1ヨシャパテは先祖(せんぞ)たちと(とも)(ねむ)り、先祖(せんぞ)たちと(とも)にダビデの(まち)(ほうむ)られ、その()ヨラムが(かわ)って(おう)となった。 2ヨシャパテの()であるその兄弟(きょうだい)たちはアザリヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザリヤ、ミカエルおよびシパテヤで、(みな)ユダの(おう)ヨシャパテの()たちであった。 3その(ちち)(かれ)らに(きん)(ぎん)宝物(ほうもつ)賜物(たまもの)(おお)(あた)え、またユダの要害(ようがい)町々(まちまち)(あた)えたが、ヨラムは長子(ちょうし)なので、(くに)はヨラムに(あた)えた。 4ヨラムはその(ちち)(くらい)(のぼ)って(つよ)くなった(とき)、その兄弟(きょうだい)たちをことごとくつるぎにかけて(ころ)し、またユダのつかさたち数人(すうにん)(ころ)した。 5ヨラムは(くらい)についた(とき)三十二(さい)で、エルサレムで八(ねん)(あいだ)()(おさ)めた。 6(かれ)はアハブの(いえ)がしたようにイスラエルの(おう)たちの(みち)(あゆ)んだ。アハブの(むすめ)(つま)としたからである。このように(かれ)(しゅ)()(まえ)(あく)をおこなったが、 7(しゅ)はさきにダビデと(むす)ばれた契約(けいやく)のゆえに、また(かれ)とその子孫(しそん)とにながく、ともしびを(あた)えると約束(やくそく)されたことによって、ダビデの(いえ)(ほろ)ぼすことを(この)まれなかった。
8ヨラムの()にエドムがそむいて、ユダの支配(しはい)(だっ)し、みずから(おう)()てたので、 9ヨラムはその将校(しょうこう)たち、およびすべての戦車(せんしゃ)(したが)えて(わた)って()き、(よる)のうちに()()がって、自分(じぶん)包囲(ほうい)しているエドムびととその戦車(せんしゃ)隊長(たいちょう)たちを()った。 10エドムはこのようにそむいてユダの支配(しはい)(だっ)し、今日(こんにち)(いた)っている。そのころリブナもまたそむいてユダの支配(しはい)(だっ)した。ヨラムが先祖(せんぞ)たちの(かみ)(しゅ)()てたからである。
11(かれ)はまたユダの山地(さんち)(たか)(ところ)(つく)って、エルサレムの(たみ)姦淫(かんいん)(おこな)わせ、ユダを(まど)わした。 12その(とき)預言者(よげんしゃ)エリヤから(つぎ)のような一(つう)手紙(てがみ)がヨラムのもとに()た、「あなたの先祖(せんぞ)ダビデの(かみ)(しゅ)はこう(おお)せられる、『あなたは(ちち)ヨシャパテの(みち)(あゆ)まず、またユダの(おう)アサの(みち)(あゆ)まないで、 13イスラエルの(おう)たちの(みち)(あゆ)み、ユダとエルサレムの(たみ)に、かのアハブの(いえ)がイスラエルに姦淫(かんいん)(おこな)わせたように、姦淫(かんいん)(おこな)わせ、またあなたの(ちち)(いえ)(もの)で、あなたにまさっているあなたの兄弟(きょうだい)たちを(ころ)したゆえ、 14(しゅ)(おお)いなる(わざわい)をもってあなたの(たみ)子供(こども)(つま)たちと、すべての所有(しょゆう)()たれる。 15あなたはまた内臓(ないぞう)病気(びょうき)にかかって大病(たいびょう)になり、それが()()(おも)くなって、ついに内臓(ないぞう)()るようになる』」。
16その(とき)(しゅ)はヨラムに(たい)してエチオピヤびとの(ちか)くに()んでいるペリシテびととアラビヤびとの(れい)()(おこ)されたので、 17(かれ)らはユダに()(のぼ)って、これを(おか)し、(おう)(いえ)にある()(ざい)をことごとく(うば)()り、またヨラムの子供(こども)(つま)たちをも(うば)()ったので、(すえ)()エホアハズのほかには、ひとりも(のこ)った(もの)がなかった。
18このもろもろの(こと)(のち)(しゅ)(かれ)()って内臓(ないぞう)にいえがたい病気(びょうき)(おこ)させられた。 19(とき)がたって、二(ねん)(おわ)りになり、その内臓(ないぞう)病気(びょうき)のために()て、(おも)病苦(びょうく)によって()んだ。(たみ)(かれ)先祖(せんぞ)のために(こう)をたいたように、(かれ)のために(こう)をたかなかった。 20ヨラムはその(くらい)についた(とき)三十二(さい)で、八(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)め、ついに()んだ。ひとりも(かれ)()しむ(もの)がなかった。人々(ひとびと)(かれ)をダビデの(まち)(ほうむ)ったが、(おう)たちの(はか)にではなかった。

第二十二章

1エルサレムの(たみ)はヨラムの(すえ)()アハジヤを(かれ)(かわ)りに(おう)とした。かつてアラビヤびとと一緒(いっしょ)陣営(じんえい)()めてきた一(たい)(もの)(うえ)()たちをことごとく(ころ)したので、ユダの(おう)ヨラムの()アハジヤが(おう)となったのである。 2アハジヤは(おう)となった(とき)四十二(さい)で、エルサレムで一(ねん)(あいだ)()(おさ)めた。その(はは)はオムリの(むすめ)()をアタリヤといった。 3アハジヤもまたアハブの(いえ)(みち)(あゆ)んだ。その(はは)(かれ)相談(そうだん)相手(あいて)となって(あく)(おこな)わせたからである。 4(かれ)はまたアハブの(いえ)がしたように(しゅ)()(まえ)(あく)(おこな)った。すなわちその(ちち)()んだ(のち)、アハブの(いえ)(もの)がその相談役(そうだんやく)となったので、(かれ)はついに自分(じぶん)(ほろ)ぼすに(いた)った。 5アハジヤはまた(かれ)らの(すす)めに(したが)って、イスラエルの(おう)アハブの()ヨラムと(とも)にラモテ・ギレアデへ()き、スリヤの(おう)ハザエルと(たたか)ったが、スリヤびとはヨラムに(きず)()わせた。 6そこでヨラムはスリヤの(おう)ハザエルと(たたか)った(とき)、ラマで()ったその(きず)をいやすためにエズレルに(かえ)った。ユダの(おう)ヨラムの()アハジヤはアハブの()ヨラムが病気(びょうき)なのでエズレルに(くだ)ってこれを見舞(みま)った。
7アハジヤがヨラムを見舞(みまい)()ったことによって(ほろ)びに(いた)ったのは(かみ)によって(さだ)められたことである。すなわち(かれ)がそこに()いた(とき)、ヨラムと一緒(いっしょ)()て、ニムシの()エヒウを(むか)えた。エヒウは(しゅ)がアハブの(いえ)()(ほろ)ぼすために(あぶら)(そそ)がれた(もの)である。 8エヒウはアハブの(いえ)(ばっ)するにあたって、ユダのつかさたち、およびアハジヤの兄弟(きょうだい)たちの()らがアハジヤに(つか)えているのを()たので、(かれ)らをも(ころ)した。 9アハジヤはサマリヤに(かく)れていたが、エヒウが(かれ)(さが)(もと)めたので、人々(ひとびと)(かれ)(とら)え、エヒウのもとに()いてきて、(かれ)(ころ)した。ただし「(かれ)(こころ)をつくして(しゅ)(もと)めたヨシャパテの()である」と人々(ひとびと)()ったのでこれを(ほうむ)った。こうしてアハジヤの(いえ)には(くに)()(おさ)めうる(もの)がなくなった。
10アハジヤの(はは)アタリヤは自分(じぶん)()()んだのを()て、()ってユダの(いえ)王子(おうじ)をことごとく(ほろ)ぼしたが、 11(おう)(むすめ)エホシバはアハジヤの()ヨアシを(おう)()たちの(ころ)される(もの)のうちから(ぬす)()り、(かれ)とそのうばを寝室(しんしつ)においた。こうしてエホシバがヨアシをアタリヤから(かく)したので、アタリヤはヨアシを(ころ)さなかった。エホシバはヨラム(おう)(むすめ)、またアハジヤの(いもうと)で、祭司(さいし)エホヤダの(つま)である。 12こうしてヨアシは(かみ)(みや)(かく)れて(かれ)らと(とも)におること六(ねん)、その(かん)アタリヤが(くに)(おさ)めた。

第二十三章

1(だい)(ねん)になって、エホヤダは勇気(ゆうき)をだしてエロハムの()アザリヤ、ヨハナンの()イシマエル、オベデの()アザリヤ、アダヤの()マアセヤ、ジクリの()エリシャパテなどの百(にん)(ちょう)たちを(まね)いて契約(けいやく)(むす)ばせた。 2そこで(かれ)らはユダを()きめぐって、ユダのすべての(まち)からレビびとを(あつ)め、またイスラエルの氏族(しぞく)(ちょう)たちを(あつ)めて、エルサレムに()た。 3そしてその会衆(かいしゅう)(みな)(かみ)(みや)(おう)契約(けいやく)(むす)んだ。その(とき)エホヤダは(かれ)らに()った、「(しゅ)がダビデの子孫(しそん)のことについて()われたように、(おう)()(くらい)につくべきです。 4あなたがたのなすべき(こと)はこれです。すなわちあなたがた祭司(さいし)およびレビびとの安息日(あんそくにち)にはいって()(もの)の、三(ぶん)の一は(もん)(まも)(もの)となり、 5(ぶん)の一は(おう)(いえ)におり、三(ぶん)の一は(いしずえ)(もん)におり、(たみ)(みな)(しゅ)(みや)(にわ)にいなさい。 6祭司(さいし)と、(つと)めをするレビびとのほかは、だれも(しゅ)(みや)に、はいってはならない。(かれ)らは(せい)なる(もの)であるから、はいることができる。(たみ)(みな)(しゅ)命令(めいれい)(まも)らなければならない。 7レビびとはめいめい()武器(ぶき)をとって(おう)のまわりに()たなければならない。(みや)にはいる(もの)をすべて(ころ)しなさい。あなたがたは(おう)がはいる(とき)にも()(とき)にも、(おう)(とも)にいなさい」。
8そこでレビびとおよびユダの人々(ひとびと)は、祭司(さいし)エホヤダがすべて(めい)じたように(おこな)い、めいめいその(くみ)(もの)で、安息日(あんそくにち)にはいって()るべき(もの)と、安息日(あんそくにち)()()くべき(もの)(ひき)いていた。祭司(さいし)エホヤダが(くみ)(もの)()らせなかったからである。 9また祭司(さいし)エホヤダは、(かみ)(みや)にあるダビデ(おう)のやりおよび大盾(おおだて)小盾(こだて)を百(にん)(ちょう)たちに(わた)し、 10また(おう)(まも)るために、すべての(たみ)にめいめい()武器(ぶき)をとらせ、(みや)南側(みなみがわ)から北側(きたがわ)にわたって、祭壇(さいだん)(みや)沿()って()たせた。 11こうして(おう)()()()して、これに(かんむり)をいただかせ、あかしの(しょ)(わた)して(おう)となし、エホヤダおよびその()たちが(かれ)(あぶら)(そそ)いだ。そして「(おう)万歳(ばんざい)」と()った。
12アタリヤは(たみ)(はし)りながら(おう)をほめる(こえ)()いたので、(しゅ)(みや)()り、(たみ)(ところ)()って、 13()ると、(おう)入口(いりぐち)(はしら)のかたわらに()ち、(おう)のかたわらには将軍(しょうぐん)たちとラッパ()()っており、また(くに)(たみ)(みな)(よろこ)んでラッパを()き、(うた)をうたう(もの)楽器(がっき)をもってさんびしていたので、アタリヤは(ころも)()いて「反逆(はんぎゃく)だ、反逆(はんぎゃく)だ」と(さけ)んだ。 14その(とき)エホヤダは軍勢(ぐんぜい)統率(とうそつ)する百(にん)(ちょう)たちを()()し、「(れつ)(あいだ)から彼女(かのじょ)()()せ、彼女(かのじょ)(したが)(もの)をつるぎで(ころ)せ」と()った。祭司(さいし)彼女(かのじょ)(しゅ)(みや)(ころ)してはならないと()ったからである。 15そこで人々(ひとびと)彼女(かのじょ)()をかけ、(おう)(いえ)(うま)(もん)入口(いりぐち)まで()れて()き、その(ところ)彼女(かのじょ)(ころ)した。
16エホヤダは自分(じぶん)とすべての(たみ)(おう)との(あいだ)に、(かれ)らは(みな)(しゅ)(たみ)となるとの契約(けいやく)(むす)んだ。 17そこですべての(たみ)はバアルの(いえ)()って、それをこわし、その祭壇(さいだん)とその(ぞう)とを()(くだ)き、バアルの祭司(さいし)マッタンを祭壇(さいだん)(まえ)(ころ)した。 18エホヤダはまた(しゅ)(みや)守衛(しゅえい)を、祭司(さいし)とレビびとの指揮(しき)のもとに()いた。このレビびとは(むかし)ダビデがモーセの律法(りっぽう)にしるされているように、(よろこ)びと(うた)とをもって(しゅ)燔祭(はんさい)をささげるために、(しゅ)(みや)配置(はいち)したものであって、(いま)そのダビデの(れい)にならったものである。 19(かれ)はまた(しゅ)(みや)のもろもろの(もん)門衛(もんえい)()き、(けが)れた(もの)(なに)によって(けが)れた(もの)でも、はいらせないようにした。 20こうしてエホヤダは百(にん)(ちょう)たち、貴族(きぞく)たち、(たみ)のつかさたちおよび(くに)のすべての(たみ)(ひき)いて、(しゅ)(みや)から(おう)()(くだ)り、(うえ)(もん)から(おう)(いえ)(すす)み、(おう)(くに)(くらい)につかせた。 21(くに)(たみ)(みな)(よろこ)んだ。(まち)はアタリヤがつるぎで(ころ)された(のち)(おだ)やかであった。

第二十四章

1ヨアシは(くらい)についた(とき)(さい)で、エルサレムで四十(ねん)(あいだ)()(おさ)めた。(かれ)(はは)はベエルシバから()(もの)()をヂビアといった。 2ヨアシは祭司(さいし)エホヤダの()にある()(あいだ)(つね)(しゅ)()しと()られることを(おこな)った。 3エホヤダは(かれ)のためにふたりの(つま)をめとり、(かれ)男子(だんし)女子(じょし)(うま)れた。
4この(のち)ヨアシは(しゅ)(みや)修繕(しゅうぜん)しようと(こころざ)して、 5祭司(さいし)とレビびとを(あつ)めて()った、「ユダの町々(まちまち)()って、あなたがたの(かみ)(みや)年々(ねんねん)修繕(しゅうぜん)する資金(しきん)をすべてのイスラエルびとから(あつ)めなさい。その(こと)(いそ)いでしなさい」。ところがレビびとはこれを(いそ)いでしなかった。 6それで(おう)はかしらであるエホヤダを()して()った、「あなたはなぜレビびとに(もと)めて、(しゅ)のしもべモーセがあかしの幕屋(まくや)のためにイスラエルの会衆(かいしゅう)()した税金(ぜいきん)をユダとエルサレムから()()てさせないのか」。 7かの(わる)(おんな)アタリヤの()らが(かみ)(みや)侵入(しんにゅう)して(しゅ)(みや)のもろもろの奉納物(ほうのうぶつ)をとり、バアルのために(もち)いたからである。
8そこで(おう)(めい)じて一()(はこ)(つく)らせ、これを(しゅ)(みや)(もん)(そと)()き、 9ユダとエルサレムにふれて、(かみ)のしもべモーセが荒野(あらの)でイスラエルに()した税金(ぜいきん)(しゅ)のために()ってこさせた。 10すべてのつかさたちおよびすべての(たみ)(みな)(よろこ)んでその税金(ぜいきん)()って()て、その(はこ)()()れたので、ついに(はこ)はいっぱいになった。 11レビびとはその(はこ)(きん)(おお)くあるのを()て、(おう)役人(やくにん)(ところ)()って()くと、(おう)書記(しょき)祭司(さいし)(ちょう)下役(したやく)とが()て、その(はこ)(かたむ)け、これを()ってもとの(ところ)(かえ)した。(かれ)らは日々(ひび)このようにして(きん)をおびただしく(あつ)めた。 12(おう)とエホヤダはこれを(しゅ)(みや)工事(こうじ)をなす(もの)(わた)し、石工(いしく)および木工(もっこう)(やと)って、(しゅ)(みや)修繕(しゅうぜん)させ、また鉄工(てっこう)および青銅(せいどう)(こう)(やと)って、(しゅ)(みや)修復(しゅうふく)させた。 13工人(こうじん)たちは(はたら)いたので、修復(しゅうふく)工事(こうじ)(かれ)らの()によってはかどり、(かみ)(みや)を、もとの状態(じょうたい)(ふく)し、これを堅固(けんご)にした。 14それをなし(おわ)ったとき、(あま)った(きん)(おう)とエホヤダの(まえ)()って()たので、それをもって(しゅ)(みや)のために器物(うつわもの)(つく)った。すなわち(つと)めの(うつわ)燔祭(はんさい)(うつわ)(こう)(さら)、および金銀(きんぎん)(うつわ)(つく)った。エホヤダの()にある()(あいだ)は、()えず(しゅ)(みや)燔祭(はんさい)をささげた。
15しかしエホヤダは年老(としお)い、()()ちて()んだ。その()んだ(とき)は百三十(さい)であった。 16人々(ひとびと)(かれ)をダビデの(まち)(おう)たちの(なか)(ほうむ)った。(かれ)はイスラエルにおいて(かみ)とその(みや)とに()(こと)(おこな)ったからである。
17エホヤダの()んだ(のち)、ユダのつかさたちが()て、うやうやしく(おう)敬意(けいい)(あらわ)した。(おう)(かれ)らに()(したが)った。 18(かれ)らはその先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)(みや)()てて、アシラ(ぞう)および偶像(ぐうぞう)(つか)えたので、そのとがのために、(いか)りがユダとエルサレムに(のぞ)んだ。 19(しゅ)(かれ)らをご自分(じぶん)()(かえ)そうとして、預言者(よげんしゃ)たちをつかわし、(かれ)らにむかってあかしをさせられたが、(みみ)(かたむ)けなかった。
20そこで(かみ)(れい)祭司(さいし)エホヤダの()ゼカリヤに(のぞ)んだので、(かれ)(たみ)(まえ)()()がって()った、「(かみ)はこう(おお)せられる、『あなたがたが(しゅ)(いまし)めを(おか)して、(わざわい)(まね)くのはどういうわけであるか。あなたがたが(しゅ)()てたために、(しゅ)もあなたがたを()てられたのである』」。 21しかし人々(ひとびと)(かれ)(がい)しようと(はか)り、(おう)(いのち)によって、(いし)をもって(かれ)(しゅ)(みや)(にわ)()(ころ)した。 22このようにヨアシ(おう)はゼカリヤの(ちち)エホヤダが自分(じぶん)(ほどこ)した(めぐ)みを(おも)わず、その()(ころ)した。ゼカリヤは()(とき)、「どうぞ(しゅ)がこれをみそなわして(ばっ)せられるように」と()った。
23(ねん)(おわ)りになって、スリヤの軍勢(ぐんぜい)はヨアシにむかって()(のぼ)り、ユダとエルサレムに()て、(たみ)のつかさたちをことごとく(たみ)のうちから(ほろ)ぼし、そのぶんどり(もの)(みな)ダマスコの(おう)(おく)った。 24この(とき)スリヤの軍勢(ぐんぜい)少数(しょうすう)()たのであるが、(しゅ)大軍(たいぐん)(かれ)らの()(わた)された。これは(かれ)らがその先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)()てたためである。このように(かれ)らはヨアシを(ばっ)した。
25スリヤ(ぐん)はヨアシに(だい)(きず)()わせて()()ったが、ヨアシの家来(けらい)たちは祭司(さいし)エホヤダの()()のために、(とう)(むす)んで(かれ)にそむき、(かれ)(とこ)(うえ)(ころ)して、()なせた。人々(ひとびと)(かれ)をダビデの(まち)(ほうむ)ったが、(おう)(はか)には(ほうむ)らなかった。 26(とう)(むす)んで(かれ)にそむいた(もの)は、アンモンの(おんな)シメアテの()ザバデおよびモアブの(おんな)シムリテの()ヨザバデであった。 27ヨアシの()らのこと、ヨアシに(たい)する(おお)くの預言(よげん)および(かみ)(みや)修理(しゅうり)(こと)などは、(れつ)(おう)(しょ)注釈(ちゅうしゃく)にしるされている。ヨアシの()アマジヤが(かれ)(かわ)って(おう)となった。

第二十五章

1アマジヤは(おう)となった(とき)二十五(さい)で、二十九(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めた。その(はは)はエルサレムの(もの)で、()をエホアダンといった。 2アマジヤは(しゅ)()しと()られることを(おこな)ったが、(まった)(こころ)をもってではなかった。 3(かれ)は、(くに)(かれ)()のうちに(つよ)くなったとき、(ちち)ヨアシ(おう)殺害(さつがい)した家来(けらい)たちを(ころ)した。 4しかしその()(とも)たちは(ころ)さなかった。これはモーセの律法(りっぽう)(しょ)にしるされている(ところ)(したが)ったのであって、そこに(しゅ)(めい)じて、「(ちち)()のゆえに(ころ)されるべきではない。()(ちち)のゆえに(ころ)されるべきではない。おのおの自分(じぶん)(つみ)のゆえに(ころ)されるべきである」と()われている。
5アマジヤはユダの人々(ひとびと)(あつ)め、その氏族(しぞく)(したが)って、千(にん)(ちょう)付属(ふぞく)させ、または百(にん)(ちょう)付属(ふぞく)させた。ユダとベニヤミンのすべてに()った。そして二十(さい)以上(いじょう)(もの)(かぞ)えたところ、やりと(たて)をとって(たたか)いに(のぞ)みうる精兵(せいへい)三十万(にん)()た。 6(かれ)はまた(ぎん)百タラントをもってイスラエルから(だい)勇士(ゆうし)十万(にん)(やと)った。 7その(とき)(かみ)(ひと)(かれ)(ところ)()()った、「(おう)よ、イスラエルの軍勢(ぐんぜい)をあなたと(とも)()かせてはいけません。(しゅ)はイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々(ひとびと)とは(とも)におられないからです。 8もしあなたがこのような方法(ほうほう)(たたか)いに(つよ)くなろうと(おも)うならば、(かみ)はあなたを(てき)(まえ)(たお)されるでしょう。(かみ)には(たす)ける(ちから)があり、また(たお)(ちから)があるからです」。 9アマジヤは(かみ)(ひと)()った、「それではわたしがイスラエルの軍隊(ぐんたい)(あた)えた百タラントをどうしましょうか」。(かみ)(ひと)(こた)えた、「(しゅ)はそれよりも(おお)いものをあなたにお(あた)えになることができます」。 10そこでアマジヤはエフライムから()自分(じぶん)(くわ)わった軍隊(ぐんたい)分離(ぶんり)して(かえ)らせたので、(かれ)らはユダに(たい)して(はげ)しい(いか)りを(はっ)し、()のように(いか)って自分(じぶん)(ところ)(かえ)った。 11しかしアマジヤは勇気(ゆうき)()し、その(たみ)(ひき)いて(しお)(たに)()き、セイルびと一万(にん)()(ころ)した。 12またユダの人々(ひとびと)はこのほかに一万(にん)をいけどり、(いわ)(いただき)()いて()って(いわ)(いただき)から(かれ)らを()(おと)したので、(みな)こなごなに(くだ)けた。 13ところがアマジヤが自分(じぶん)(とも)(たたか)いに()かせないで()してやった兵卒(へいそつ)らが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々(まちまち)(おそ)って三千(にん)(ころ)し、(おお)くの(もの)(うば)()った。
14アマジヤはエドムびとを(ころ)して(かえ)った(とき)、セイルびとの神々(かみがみ)(たずさ)えてきて、これを安置(あんち)して自分(じぶん)(かみ)とし、これを礼拝(れいはい)し、これにささげ(もの)をなした。 15それゆえ、(しゅ)はアマジヤに()かって(いか)りを(はっ)し、預言者(よげんしゃ)(かれ)につかわして()わせられた、「かの(たみ)神々(かみがみ)自分(じぶん)(たみ)をあなたの()から(すく)うことができなかったのに、あなたはどうしてそれを(もと)めたのか」。 16(かれ)がこう(おう)(かた)ると、(おう)(かれ)に、「われわれはあなたを(おう)顧問(こもん)にしたのですか。やめなさい。あなたはどうして(ころ)されようとするのですか」と()ったので、預言者(よげんしゃ)はやめて()った、「あなたはこの(こと)()って、わたしのいさめを()きいれないゆえ、(かみ)はあなたを(ほろ)ぼそうと(さだ)められたことをわたしは()っています」。
17そこでユダの(おう)アマジヤは協議(きょうぎ)結果(けっか)(ひと)をエヒウの()エホアハズの()であるイスラエルの(おう)ヨアシにつかわし、「さあ、われわれは(たがい)(かお)をあわせよう」と()わせたところ、 18イスラエルの(おう)ヨアシはユダの(おう)アマジヤに()(おく)った、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏(こうはく)に、『あなたの(むすめ)をわたしのむすこの(つま)(あた)えよ』と()(おく)ったところが、レバノンの野獣(やじゅう)(とお)りかかって、そのいばらを()(たお)した。 19あなたは『()よ、わたしはエドムを()(やぶ)った』と()って(こころ)(ほこ)(たか)ぶっている。しかしあなたは自分(じぶん)(いえ)にとどまっていなさい。どうしてあなたは(わざわい)()(おこ)して、自分(じぶん)もユダも(とも)(ほろ)びようとするのか」。
20しかしアマジヤは()きいれなかった。これは(かみ)から()たのであって、(かれ)らがエドムの神々(かみがみ)(もと)めたので(かみ)(かれ)らを(てき)()(わた)されるためである。 21そこでイスラエルの(おう)ヨアシは(のぼ)って()て、ユダのベテシメシでユダの(おう)アマジヤと(かお)()わせたが、 22ユダはイスラエルに()(やぶ)られ、おのおのその天幕(てんまく)()(かえ)った。 23その(とき)イスラエルの(おう)ヨアシはエホアハズの()ヨアシの()であるユダの(おう)アマジヤをベテシメシで(とら)えて、エルサレムに()いて()き、エルサレムの城壁(じょうへき)をエフライム(もん)から、(すみ)(もん)まで四百キュビトほどをこわし、 24また(かみ)(みや)のうちで、オベデエドムが(まも)っていたすべての金銀(きんぎん)およびもろもろの器物(うつわもの)ならびに(おう)(いえ)財宝(ざいほう)(うば)い、また人質(ひとじち)をとって、サマリヤに(かえ)った。
25ユダの(おう)ヨアシの()アマジヤはイスラエルの(おう)エホアハズの()ヨアシが()んで(のち)なお十五(ねん)()きながらえた。 26アマジヤのその()始終(しじゅう)行為(こうい)は、ユダとイスラエルの(れつ)(おう)(しょ)にしるされているではないか。 27アマジヤがそむいて、(しゅ)(したが)わなくなった(とき)から、人々(ひとびと)はエルサレムにおいて(とう)(むす)び、(かれ)(てき)したので、(かれ)はラキシに()げて()ったが、その人々(ひとびと)はラキシに(ひと)をやって、(かれ)をその(ところ)(ころ)させた。 28人々(ひとびと)はこれを(うま)()わせて()ってきて、ユダの(まち)でその先祖(せんぞ)たちと(とも)にこれを(ほうむ)った。

第二十六章

1そこでユダの(たみ)(みな)ウジヤをとって(おう)となし、その(ちち)アマジヤに(かわ)らせた。(とき)に十六(さい)であった。 2(かれ)はエラテを()てて、これをふたたびユダのものにした。これはかの(おう)がその先祖(せんぞ)たちと(とも)(ねむ)った(のち)であった。 3ウジヤは(おう)となった(とき)十六(さい)で、エルサレムで五十二(ねん)(あいだ)()(おさ)めた。その(はは)はエルサレムの(もの)()をエコリヤといった。 4ウジヤは(ちち)アマジヤがしたように、すべて(しゅ)()しと()られることを(おこな)った。 5(かれ)(かみ)(おそ)れることを自分(じぶん)(おし)えたゼカリヤの()にある()(あいだ)(かみ)(もと)めることに(つと)めた。(かれ)(しゅ)(もと)めた(あいだ)(かみ)(かれ)(さか)えさせられた。
6(かれ)()てペリシテびとと(たたか)い、ガテの城壁(じょうへき)、ヤブネの城壁(じょうへき)およびアシドドの城壁(じょうへき)をくずし、アシドドの()とペリシテびとのなかに(まち)()てた。 7(かみ)(かれ)(たす)けてペリシテびとと、グルバアルに()むアラビヤびとおよびメウニびとを()()たせられた。 8アンモンびとはウジヤにみつぎを(おさ)めた。ウジヤは非常(ひじょう)(つよ)くなったので、その()はエジプトの入口(いりぐち)までも(ひろ)まった。 9ウジヤはまたエルサレムの(すみ)(もん)(たに)(もん)および城壁(じょうへき)(まが)りかどにやぐらを()てて、これを堅固(けんご)にした。 10(かれ)はまた荒野(あらの)にやぐらを()て、また(おお)くの(みず)ためを()った。(かれ)平野(へいや)にも平地(へいち)にもたくさんの家畜(かちく)をもっていたからである。(かれ)はまた農事(のうじ)(この)んだので、山々(やまやま)および()えた(はたけ)には農夫(のうふ)とぶどうをつくる(もの)をもっていた。 11ウジヤはまたよく(たたか)う一軍団(ぐんだん)()っていた。(かれ)らは書記(しょき)エイエルと、つかさマアセヤによって調(しら)べた(かず)(したが)って組々(くみぐみ)(わか)れ、(みな)(おう)(ぐん)(ちょう)のひとりハナニヤの指揮(しき)(した)にあった。 12その氏族(しぞく)(ちょう)である(だい)勇士(ゆうし)(かず)()わせて二千六百(にん)であった。 13その指揮(しき)(した)にある軍勢(ぐんぜい)は三十万七千五百(にん)で、(みな)(おお)いなる(ちから)をもって(たたか)い、(おう)(たす)けて(てき)(あた)った。 14ウジヤはその(ぜん)(ぐん)のために(たて)、やり、かぶと、よろい、(ゆみ)および(いし)()げの(いし)(そな)えた。 15(かれ)はまたエルサレムで技術(ぎじゅつ)(もの)考案(こうあん)した機械(きかい)(つく)って、これをやぐらおよび城壁(じょうへき)のすみずみにすえ、これをもって()および大石(おおいし)射出(しゃしゅつ)した。こうして(かれ)名声(めいせい)(とお)くまで(ひろ)まった。(かれ)(おどろ)くほど(かみ)(たす)けを()(つよ)くなったからである。
16ところが(かれ)(つよ)くなるに(およ)んで、その(こころ)(たか)ぶり、ついに自分(じぶん)(ほろ)ぼすに(いた)った。すなわち(かれ)はその(かみ)(しゅ)にむかって(つみ)(おか)し、(しゅ)(みや)にはいって(こう)祭壇(さいだん)(うえ)(こう)をたこうとした。 17その(とき)祭司(さいし)アザリヤは(しゅ)祭司(さいし)である勇士(ゆうし)八十(にん)(ひき)いて、(かれ)のあとに(したが)ってはいり、 18ウジヤ(おう)()()めて()った、「ウジヤよ、(しゅ)(こう)をたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫(しそん)で、(こう)をたくために(きよ)められた祭司(さいし)たちのすることです。すぐ聖所(せいじょ)から()なさい。あなたは(つみ)(おか)しました。あなたは(しゅ)なる(かみ)から(さか)えを()ることはできません」。 19するとウジヤは(いか)りを(はっ)し、香炉(こうろ)()にとって(こう)をたこうとしたが、(かれ)祭司(さいし)()かって(いか)りを(はっ)している(あいだ)に、らい(びょう)がその(ひたい)()った。(とき)(かれ)(しゅ)(みや)祭司(さいし)たちの(まえ)(こう)祭壇(さいだん)のかたわらにいた。 20祭司(さいし)(ちょう)アザリヤおよびすべての祭司(さいし)たちが(かれ)()ると、(かれ)(ひたい)にらい(びょう)(しょう)じていたので、(いそ)いで(かれ)をそこから()()した。(かれ)自身(じしん)もまた(しゅ)()たれたことを()って、(いそ)いで()()った。 21ウジヤ(おう)は、()()までらい病人(びょうにん)であった。(かれ)はらい病人(びょうにん)であったので、(はな)殿(どの)()んだ。(しゅ)(みや)から()たれたからである。その()ヨタムが(おう)(いえ)をつかさどり、(くに)(たみ)(おさ)めた。 22ウジヤのその()始終(しじゅう)行為(こうい)は、アモツの()預言者(よげんしゃ)イザヤがこれを()きしるした。 23ウジヤは先祖(せんぞ)たちと(とも)(ねむ)ったので、人々(ひとびと)は「(かれ)はらい病人(びょうにん)である」と()って、(おう)たちの(はか)(つら)なる墓地(ぼち)に、その先祖(せんぞ)たちと(とも)(ほうむ)った。その()ヨタムが(かれ)(かわ)って(おう)となった。

第二十七章

1ヨタムは(おう)となった(とき)二十五(さい)で、十六(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めた。その(はは)はザドクの(むすめ)()をエルシャといった。 2ヨタムはその(ちち)ウジヤがしたように(しゅ)()しと()られることをした。しかし(しゅ)(みや)には、はいらなかった。(たみ)はなお(あく)(おこな)った。 3(かれ)(しゅ)(みや)(うえ)(もん)()て、オペルの(いし)がきを(おお)(きず)()し、 4またユダの山地(さんち)数個(すうこ)(まち)()て、(はやし)(あいだ)(しろ)とやぐらを(きず)いた。 5(かれ)はアンモンびとの(おう)(たたか)ってこれに()った。その(ねん)アンモンの人々(ひとびと)(ぎん)百タラント、小麦(こむぎ)一万コル、大麦(おおむぎ)一万コルを(かれ)(おく)った。アンモンの人々(ひとびと)(だい)(ねん)にも(だい)(ねん)にも(おな)じように(かれ)(おさ)めた。 6ヨタムはその(かみ)(しゅ)(まえ)にその(おこな)いを(かた)くしたので(ちから)ある(もの)となった。 7ヨタムのその()行為(こうい)、そのすべての(たたか)いおよびその(おこな)いなどは、イスラエルとユダの(れつ)(おう)(しょ)にしるされている。 8(かれ)(おう)となった(とき)、二十五(さい)で、十六(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めた。 9ヨタムはその先祖(せんぞ)(とも)(ねむ)ったので、ダビデの(まち)(ほうむ)られ、その()アハズが(かれ)(かわ)って(おう)となった。

第二十八章

1アハズは(おう)となった(とき)二十(さい)で、十六(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めたが、その(ちち)ダビデとは(ちが)って、(しゅ)()しと()られることを(おこな)わず、 2イスラエルの(おう)たちの(みち)(あゆ)み、またもろもろのバアルのために()(ぞう)(つく)り、 3ベンヒンノムの(たに)(こう)をたき、その()らを()()いて(そな)(もの)とするなど、(しゅ)がイスラエルの人々(ひとびと)(まえ)から()(はら)われた異邦人(いほうじん)(にく)むべき(おこな)いにならい、 4また(たか)(ところ)(うえ)(おか)(うえ)、すべての(あお)()(した)犠牲(ぎせい)をささげ、(こう)をたいた。
5それゆえ、その(かみ)(しゅ)(かれ)をスリヤの(おう)()(わた)されたので、スリヤびとは(かれ)()(やぶ)り、その(たみ)(おお)捕虜(ほりょ)として、ダマスコに()いて()った。(かれ)はまたイスラエルの(おう)()にも(わた)されたので、イスラエルの(おう)(かれ)()(やぶ)って(おお)いに(ころ)した。 6すなわちレマリヤの()ペカはユダで一(にち)のうちに十二万(にん)(ころ)した。(みな)勇士(ゆうし)であった。これは(かれ)らがその先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)()てたためである。 7その(とき)、エフライムの勇士(ゆうし)ジクリという(もの)(おう)()マアセヤ、宮内(くない)大臣(だいじん)アズリカムおよび(おう)()(ひと)エルカナを(ころ)した。
8イスラエルの人々(ひとびと)はついにその兄弟(きょうだい)のうちから婦人(ふじん)ならびに男子(だんし)女子(じょし)など二十万(にん)捕虜(ほりょ)にし、また(おお)くのぶんどり(もの)をとり、そのぶんどり(もの)をサマリヤに()って()った。 9その(とき)そこに()をオデデという(しゅ)預言者(よげんしゃ)があって、サマリヤに(かえ)って()軍勢(ぐんぜい)(まえ)(すす)()()った、「()よ、あなたがたの先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)はユダを(いか)って、これをあなたがたの()(わた)されたが、あなたがたは(てん)(たっ)するほどの(いか)りをもってこれを(ころ)した。 10そればかりでなく、あなたがたは(いま)、ユダとエルサレムの人々(ひとびと)(したが)わせて、自分(じぶん)男女(だんじょ)奴隷(どれい)にしようと(おも)っている。しかしあなたがた自身(じしん)もまた、あなたがたの(かみ)(しゅ)(つみ)(おか)しているではないか。 11いまわたしに()き、あなたがたがその兄弟(きょうだい)のうちから(とら)えて()捕虜(ほりょ)(はな)(かえ)らせなさい。(しゅ)(はげ)しい(いか)りがあなたがたの(うえ)(のぞ)んでいるからです」。 12そこでエフライムびとのおもなる人々(ひとびと)、すなわちヨハナンの()アザリヤ、メシレモテの()ベレキヤ、シャルムの()ヒゼキヤ、ハデライの()アマサらもまた、戦争(せんそう)から(かえ)った(もの)どもに()かって()ちあがり、 13(かれ)らに()った、「捕虜(ほりょ)をここに()()れてはならない。あなたがたはわたしどもに(しゅ)(たい)するとがを()させて、さらにわれわれの(つみ)とがを()(くわ)えようとしている。われわれのとがは(おお)きく、(はげ)しい(いか)りがイスラエルの(うえ)(のぞ)んでいるからです」。 14そこで兵卒(へいそつ)どもがその捕虜(ほりょ)とぶんどり(もの)をつかさたちと(ぜん)会衆(かいしゅう)(まえ)()てておいたので、 15(まえ)()をあげた人々(ひとびと)()って捕虜(ほりょ)()()り、ぶんどり(もの)のうちから衣服(いふく)をとって、(はだか)(もの)()せ、また、くつをはかせ、()()みさせ、(あぶら)(そそ)ぎなどし、その(よわ)(もの)(みな)ろばに()せ、こうして(かれ)らをしゅろの(まち)エリコに()れて()って、その兄弟(きょうだい)たちに(わた)し、そしてサマリヤに(かえ)って()た。
16その(とき)アハズ(おう)(ひと)をアッスリヤの(おう)につかわして(たす)けを(もと)めさせた。 17エドムびとが(ふたた)侵入(しんにゅう)してユダを()ち、(たみ)(とら)()ったからである。 18ペリシテびともまた平野(へいや)町々(まちまち)およびユダのネゲブの町々(まちまち)(おか)して、ベテシメシ、アヤロン、ゲデロテおよびソコとその村里(むらざと)、テムナとその村里(むらざと)、ギムゾとその村里(むらざと)()って、そこに()んだ。 19これはイスラエルの(おう)アハズのゆえに、(しゅ)がユダを(ひく)くされたのであって、(かれ)がユダのうちにみだらなことを(おこな)い、(しゅ)()かって(おお)いに(つみ)(おか)したからである。 20アッスリヤの(おう)テルガデ・ピルネセルは(かれ)(ところ)()たが、(かれ)(ちから)()えないで、かえって(かれ)(なや)ました。 21アハズは(しゅ)(みや)(おう)(いえ)、およびつかさたちの(いえ)(もの)()ってアッスリヤの(おう)(あた)えたが、それはアハズの(たす)けにはならなかった。
22このアハズ(おう)はその(なや)みの(とき)にあたって、ますます(しゅ)(つみ)(おか)した。 23すなわち、(かれ)自分(じぶん)()ったダマスコの神々(かみがみ)に、犠牲(ぎせい)をささげて()った、「スリヤの(おう)たちの神々(かみがみ)はその(おう)たちを(たす)けるから、わたしもそれに犠牲(ぎせい)をささげよう。そうすれば(かれ)らはわたしを(たす)けるであろう」と。しかし、(かれ)らはかえってアハズとイスラエル全国(ぜんこく)とを(たお)(もの)となった。 24アハズは(かみ)(みや)器物(うつわもの)(あつ)めて、(かみ)(みや)器物(うつわもの)()(やぶ)り、(しゅ)(みや)()()じ、エルサレムのすべてのすみずみに祭壇(さいだん)(つく)り、 25ユダのすべての町々(まちまち)(たか)(ところ)(つく)って、()神々(かみがみ)(こう)をたきなどして、先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)(いか)りを()(おこ)した。 26アハズのその()始終(しじゅう)行為(こうい)およびそのすべての行動(こうどう)は、ユダとイスラエルの(れつ)(おう)(しょ)にしるされている。 27アハズはその先祖(せんぞ)たちと(とも)(ねむ)ったので、エルサレムの(まち)にこれを(ほうむ)った。しかし、イスラエルの(おう)たちの(はか)には()って()かなかった。その()ヒゼキヤが(かれ)(かわ)って(おう)となった。

第二十九章

1ヒゼキヤは(おう)となった(とき)二十五(さい)で、二十九(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めた。その(はは)はアビヤと()って、ゼカリヤの(むすめ)である。 2ヒゼキヤは(ちち)ダビデがすべてなしたように(しゅ)()しと()られることをした。
3(かれ)はその治世(ちせい)(だい)(ねん)の一(がつ)(しゅ)(みや)()(ひら)き、かつこれを(つくろ)った。 4(かれ)祭司(さいし)とレビびとを()れていって、(ひがし)広場(ひろば)(あつ)め、 5(かれ)らに()った、「レビびとよ、()きなさい。あなたがたは(いま)()(きよ)めて、あなたがたの先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)(みや)(きよ)め、聖所(せいじょ)から(けが)れを(のぞ)()りなさい。 6われわれの先祖(せんぞ)(つみ)(おか)し、われわれの(かみ)(しゅ)(あく)()られることを()って、(しゅ)()て、(しゅ)のすまいに(かお)をそむけ、うしろを()けた。 7また(ろう)()()じ、ともしびを()し、聖所(せいじょ)でイスラエルの(かみ)(こう)をたかず、燔祭(はんさい)をささげなかった。 8それゆえ、(しゅ)(いか)りはユダとエルサレムに(のぞ)み、あなたがたが()()るように、(しゅ)(かれ)らを(おそ)れと(おどろ)きと物笑(ものわら)いにされた。 9()よ、われわれの(ちち)たちはつるぎにたおれ、われわれのむすこたち、むすめたち、(つま)たちはこれがために捕虜(ほりょ)となった。 10(いま)わたしは、イスラエルの(かみ)(しゅ)契約(けいやく)(むす)(こころざし)をもっている。そうすればその(はげ)しい(いか)りは、われわれを(はな)れるであろう。 11わが()らよ、(いま)(おこた)ってはならない。(しゅ)はあなたがたを(えら)んで、(しゅ)(まえ)()って(つか)えさせ、ご自分(じぶん)(つか)える(もの)となし、また(こう)をたく(もの)とされたからである」。 12そこでレビびとは()()がった。すなわちコハテびとの子孫(しそん)のうちでは、アマサイの()マハテおよびアザリヤの()ヨエル。メラリの子孫(しそん)では、アブデの()キシおよびエハレレルの()アザリヤ。ゲルションびとのうちでは、ジンマの()ヨアおよびヨアの()エデン。 13エリザパンの子孫(しそん)のうちでは、シムリとエイエル。アサフの子孫(しそん)のうちでは、ゼカリヤとマッタニヤ。 14ヘマンの子孫(しそん)のうちでは、エヒエルとシメイ。エドトンの子孫(しそん)のうちでは、シマヤとウジエルである。 15(かれ)らはその兄弟(きょうだい)たちを(あつ)めて()(きよ)め、(しゅ)言葉(ことば)による(おう)命令(めいれい)(したが)って、(しゅ)(みや)(きよ)めるためにはいって()た。 16祭司(さいし)たちが(しゅ)(みや)(おく)にはいってこれを(きよ)め、(しゅ)(みや)にあった(けが)れた(もの)をことごとく(しゅ)(みや)(にわ)(はこ)()すと、レビびとはそれを()けて(そと)()し、キデロン(かわ)()って()った。 17(かれ)らは正月(しょうがつ)元日(がんじつ)(きよ)めることを(はじ)めて、その(つき)の八()(しゅ)(みや)(ろう)(たっ)した。それから(しゅ)(みや)(きよ)めるのに八()(ついや)し、正月(しょうがつ)の十六(にち)にこれを(おわ)った。 18そこで(かれ)らはヒゼキヤ(おう)(ところ)()って()った、「われわれは(しゅ)(みや)をことごとく(きよ)め、また燔祭(はんさい)(だん)とそのすべての器物(うつわもの)、および(そな)えのパンの(つくえ)とそのすべての器物(うつわもの)とを(きよ)めました。 19またアハズ(おう)がその治世(ちせい)(つみ)(おか)して()てたすべての器物(うつわもの)をも(ととの)えて(きよ)めました。それらは(しゅ)祭壇(さいだん)(まえ)にあります」。
20そこでヒゼキヤ(おう)(あさ)(はや)()きいで、(まち)のつかさたちを(あつ)めて、(しゅ)(みや)(のぼ)って()き、 21雄牛(おうし)(とう)雄羊(おひつじ)(とう)小羊(こひつじ)(とう)()やぎ七(とう)()いてこさせ、(くに)聖所(せいじょ)とユダのためにこれを罪祭(ざいさい)とし、アロンの子孫(しそん)である祭司(さいし)たちに(めい)じてこれを(しゅ)祭壇(さいだん)(うえ)にささげさせた。 22すなわち、雄牛(おうし)をほふると、祭司(さいし)たちはその()()けて祭壇(さいだん)にふりかけ、また雄羊(おひつじ)をほふると、その()祭壇(さいだん)にふりかけ、また小羊(こひつじ)をほふると、その()祭壇(さいだん)にふりかけた。 23そして罪祭(ざいさい)()やぎを(おう)会衆(かいしゅう)(まえ)()いて()たので、(かれ)らはその(うえ)()()いた。 24そして祭司(さいし)たちはこれをほふり、その()罪祭(ざいさい)として祭壇(さいだん)(うえ)にささげてイスラエル全国(ぜんこく)のためにあがないをした。これは(おう)がイスラエル全国(ぜんこく)のために燔祭(はんさい)および罪祭(ざいさい)をささげることを(めい)じたためである。
25(おう)はまたレビびとを(しゅ)(みや)()き、ダビデおよび(おう)先見者(せんけんしゃ)ガドと預言者(よげんしゃ)ナタンの命令(めいれい)(したが)って、これにシンバル、立琴(たてごと)および(こと)をとらせた。これは(しゅ)がその預言者(よげんしゃ)によって(めい)じられたところである。 26こうしてレビびとはダビデの楽器(がっき)をとり、祭司(さいし)はラッパをとって()った。 27そこでヒゼキヤは燔祭(はんさい)祭壇(さいだん)(うえ)にささげることを(めい)じた。燔祭(はんさい)をささげ(はじ)めた(とき)(しゅ)(うた)をうたい、ラッパを()き、イスラエルの(おう)ダビデの楽器(がっき)をならし(はじ)めた。 28そして会衆(かいしゅう)(みな)礼拝(れいはい)し、(うた)うたう(もの)(うた)をうたい、ラッパ()はラッパを()()らし、燔祭(はんさい)(おわ)るまですべてこのようであったが、 29ささげる(こと)(おわ)ると、(おう)および(かれ)(とも)にいた(もの)はみな()をかがめて礼拝(れいはい)した。 30またヒゼキヤ(おう)およびつかさたちはレビびとに(めい)じて、ダビデと先見者(せんけんしゃ)アサフの言葉(ことば)をもって(しゅ)をさんびさせた。(かれ)らは(よろこ)んでさんびし、(とう)をさげて礼拝(れいはい)した。
31その(とき)、ヒゼキヤは()った、「あなたがたはすでに(しゅ)(つか)えるために()(きよ)めたのであるから、(すす)みよって、(しゅ)(みや)犠牲(ぎせい)感謝(かんしゃ)(そな)(もの)(たずさ)えて()なさい」と。そこで会衆(かいしゅう)犠牲(ぎせい)感謝(かんしゃ)(そな)(もの)(たずさ)えて()た。また(こころざし)ある(もの)(みな)燔祭(はんさい)(たずさ)えて()た。 32会衆(かいしゅう)(たずさ)えて()燔祭(はんさい)(かず)雄牛(おうし)七十(とう)雄羊(おひつじ)(とう)小羊(こひつじ)二百(とう)、これらは(みな)(しゅ)燔祭(はんさい)としてささげるものであった。 33また奉納物(ほうのうぶつ)(うし)六百(とう)小羊(こひつじ)三千(とう)であった。 34ところが祭司(さいし)(すく)なくてその燔祭(はんさい)(もの)(かわ)を、はぎつくすことができなかったので、その兄弟(きょうだい)であるレビびとがこれを(たす)けて、そのわざをなし()え、その(かん)()祭司(さいし)たちは()(きよ)めた。これはレビびとが祭司(さいし)たちよりも、()(きよ)めることに、きちょうめんであったからである。 35このほかおびただしい燔祭(はんさい)があり、また、酬恩祭(しゅうおんさい)脂肪(しぼう)および燔祭(はんさい)灌祭(かんさい)もあった。こうして、(しゅ)(みや)(つと)めは回復(かいふく)された。 36この(こと)は、にわかになされたけれども、(かみ)がこのように(たみ)のために(そな)えをされたので、ヒゼキヤおよびすべての(たみ)(よろこ)んだ。

第三十章

1ヒゼキヤはイスラエルとユダにあまねく(ひと)をつかわし、また手紙(てがみ)をエフライムとマナセに()(おく)り、エルサレムにある(しゅ)(みや)()て、イスラエルの(かみ)(しゅ)過越(すぎこし)(まつり)(おこな)うように(すす)めた。 2(おう)はすでにつかさたちおよびエルサレムにおる(ぜん)会衆(かいしゅう)(はか)って、二(がつ)過越(すぎこし)(まつり)(おこな)うことを(さだ)めた。 3——これは()(きよ)めた祭司(さいし)(かず)()らず、(たみ)もまた、エルサレムに(あつ)まらなかったので、正月(しょうがつ)にこれを(おこな)うことができなかったからである—— 4この(こと)が、(おう)にも(ぜん)会衆(かいしゅう)にも()かったので、 5この(こと)(さだ)めて、ベエルシバからダンまでイスラエルにあまねくふれ(しめ)し、エルサレムに()て、イスラエルの(かみ)(しゅ)過越(すぎこし)(まつり)(おこな)うことを(すす)めた。これはしるされているように、これを(おこな)(もの)(おお)くなかったゆえである。 6そこで飛脚(ひきゃく)たちは、(おう)とそのつかさたちから()けた手紙(てがみ)をもって、イスラエルとユダをあまねく()(めぐ)り、(おう)(いのち)(つた)えて()った、「イスラエルの人々(ひとびと)よ、あなたがたはアブラハム、イサク、イスラエルの(かみ)(しゅ)()(かえ)りなさい。そうすれば(しゅ)は、アッスリヤの(おう)たちの()からのがれた(のこ)りのあなたがたに、(かえ)られるでしょう。 7あなたがたの(ちち)たちおよび兄弟(きょうだい)たちのようになってはならない。(かれ)らはその先祖(せんぞ)たちの(かみ)(しゅ)にむかって(つみ)(おか)したので、あなたがたの()るように(しゅ)(かれ)らを(ほろ)びに(わた)されたのです。 8あなたがたの(ちち)たちのように強情(ごうじょう)にならないで、(しゅ)帰服(きふく)し、(しゅ)がとこしえに聖別(せいべつ)された聖所(せいじょ)()り、あなたがたの(かみ)(しゅ)(つか)えなさい。そうすれば、その(はげ)しい(いか)りがあなたがたを(はな)れるでしょう。 9もしあなたがたが(しゅ)()(かえ)るならば、あなたがたの兄弟(きょうだい)および子供(こども)は、これを(とら)えていった(もの)(まえ)にあわれみを()て、この(くに)(かえ)ることができるでしょう。あなたがたの(かみ)(しゅ)(めぐ)みあり、あわれみある(かた)であられるゆえ、あなたがたが(かれ)()(かえ)るならば、(かお)をあなたがたにそむけられることはありません」。
10このように飛脚(ひきゃく)たちは、エフライムとマナセの(くに)にはいって、(まち)から(まち)()(めぐ)り、ついに、ゼブルンまで()ったが、人々(ひとびと)はこれをあざけり(わら)った。 11ただしアセル、マナセ、ゼブルンのうちには()(ひく)くして、エルサレムにきた人々(ひとびと)もあった。 12またユダにおいては(かみ)()人々(ひとびと)に一つ(こころ)(あた)えて、(おう)とつかさたちが(しゅ)言葉(ことば)によって(めい)じたことを(おこな)わせた。
13こうして二(がつ)になって、(おお)くの(たみ)は、(たね)()れぬパンの(まつり)(おこな)うためエルサレムに(あつ)まったが、非常(ひじょう)(おお)きな会衆(かいしゅう)であった。 14(かれ)らは()ってエルサレムにあるもろもろの祭壇(さいだん)()(のぞ)き、またすべての(こう)をたく祭壇(さいだん)()(のぞ)いてキデロン(かわ)()げすて、 15(がつ)の十四()過越(すぎこし)小羊(こひつじ)をほふった。そこで祭司(さいし)たちおよびレビびとはみずから()じ、()(きよ)めて(しゅ)(みや)燔祭(はんさい)(たずさ)えて()た。 16(かれ)らは(かみ)(ひと)モーセの律法(りっぽう)(したが)い、いつものようにその(ところ)()ち、祭司(さいし)たちは、レビびとの()から()()けて(そそ)いだ。 17(とき)に、会衆(かいしゅう)のうちにまだ()(きよ)めていない(もの)(おお)かったので、レビびとはその(きよ)くないすべての人々(ひとびと)(かわ)って過越(すぎこし)小羊(こひつじ)をほふり、(しゅ)(きよ)めてささげた。 18(おお)くの(たみ)すなわちエフライム、マナセ、イッサカル、ゼブルンからきた(おお)くの(もの)はまだ()(きよ)めていないのに、()きしるされたとおりにしないで過越(すぎこし)(もの)()べた。それでヒゼキヤは、(かれ)らのために(いの)って()った、「(めぐ)みふかき(しゅ)よ、(かれ)らをゆるしてください。 19(かれ)らは聖所(せいじょ)(きよ)めの規定(きてい)どおりにしなかったけれども、その(こころ)(かたむ)けて(かみ)(もと)め、その先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)(もと)めたのです」。 20(しゅ)はヒゼキヤに()いて、(たみ)をいやされた。 21そこでエルサレムに()ていたイスラエルの人々(ひとびと)(おお)いなる(よろこ)びをいだいて、七日(なぬか)のあいだ(たね)()れぬパンの(まつり)(おこな)った。またレビびとと祭司(さいし)たちは日々(ひび)(しゅ)をさんびし、(ちから)をつくして(しゅ)をたたえた。 22そしてヒゼキヤは(しゅ)(つと)めによく(つう)じているすべてのレビびとを(ふか)くねぎらった。こうして人々(ひとびと)酬恩祭(しゅうおんさい)犠牲(ぎせい)をささげ、その先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)感謝(かんしゃ)して、七日(なぬか)のあいだ(まつり)(そな)(もの)()べた。
23なお(ぜん)会衆(かいしゅう)(あい)はかって、さらに七日(なぬか)のあいだ(まつり)(まも)ることを(さだ)め、(よろこ)びをもってまた七日(なぬか)のあいだ(まも)った。 24(とき)にユダの(おう)ヒゼキヤは雄牛(おうし)一千(とう)(ひつじ)七千(とう)会衆(かいしゅう)(おく)り、また、つかさたちは雄牛(おうし)一千(とう)(ひつじ)(いち)(まん)(とう)会衆(かいしゅう)(おく)った。祭司(さいし)もまた(おお)()(きよ)めた。 25ユダの(ぜん)会衆(かいしゅう)および祭司(さいし)、レビびと、ならびにイスラエルからきた(ぜん)会衆(かいしゅう)、およびイスラエルの()からきた他国(たこく)(じん)と、ユダに()他国(たこく)(じん)(みな)(よろこ)んだ。 26このようにエルサレムに(おお)いなる(よろこ)びがあった。イスラエルの(おう)ダビデの()ソロモンの(とき)からこのかた、このような(こと)はエルサレムになかった。 27このとき祭司(さいし)たちとレビびとは()って、(たみ)祝福(しゅくふく)したが、その(こえ)()かれ、その(いのり)(しゅ)(せい)なるすみかである(てん)(たっ)した。

第三十一章

1この(こと)がすべて(おわ)った(とき)、そこにいたイスラエルびとは(みな)、ユダの町々(まちまち)()()って、石柱(せきちゅう)(くだ)き、アシラ(ぞう)()(たお)し、ユダとベニヤミンの(ぜん)()、およびエフライムとマナセにある(たか)(ところ)祭壇(さいだん)とを()りこわし、ついにこれをことごとく破壊(はかい)した。そしてイスラエルの人々(ひとびと)はおのおのその町々(まちまち)、その所領(しょりょう)(かえ)った。
2ヒゼキヤは祭司(さいし)およびレビびとの(はん)(さだ)め、(はん)ごとにおのおのその(つと)めに(したが)って、祭司(さいし)とレビびとに燔祭(はんさい)酬恩祭(しゅうおんさい)をささげさせ、(しゅ)の営の(もん)(つと)めをし、感謝(かんしゃ)をし、さんびをさせた。 3また燔祭(はんさい)のために自分(じぶん)財産(ざいさん)のうちから(おう)(ぶん)()した。すなわち朝夕(あさゆう)燔祭(はんさい)および安息日(あんそくにち)新月(しんげつ)(さだ)めの(まつり)などの燔祭(はんさい)のために()して、(しゅ)律法(りっぽう)にしるされているとおりにした。 4またエルサレムに()(たみ)に、祭司(さいし)とレビびとにその(ぶん)(あた)えることを(めい)じた。これは(かれ)らをして(しゅ)律法(りっぽう)()をゆだねさせるためである。 5その命令(めいれい)(つた)わるやいなや、イスラエルの人々(ひとびと)穀物(こくもつ)(さけ)(あぶら)(みつ)ならびに(はたけ)のもろもろの産物(さんぶつ)初物(はつもの)(おお)くささげ、またすべての(もの)の十(ぶん)の一をおびただしく(たずさ)えて()た。 6ユダの町々(まちまち)()んでいたイスラエルとユダの人々(ひとびと)もまた(うし)(ひつじ)の十(ぶん)の一ならびにその(かみ)(しゅ)にささげられた奉納物(ほうのうぶつ)(たずさ)えて()て、これを()(かさ)ねた。 7(がつ)にこれを()(かさ)ねることを(はじ)め、七(がつ)にこれを(おわ)った。 8ヒゼキヤおよびつかさたちは()て、その()(かさ)ねた(もの)()(しゅ)とその(たみ)イスラエルを祝福(しゅくふく)した。 9そしてヒゼキヤがその()(かさ)ねた(もの)について祭司(さいし)およびレビびとに()(たず)ねた(とき)10ザドクの(いえ)から()祭司(さいし)(ちょう)アザリヤは(かれ)(こた)えて()った、「(たみ)(しゅ)(みや)(そな)(もの)(たずさ)えて()ることを(はじ)めてからこのかた、われわれは()きるほど()べたが、たくさん(のこ)りました。(しゅ)がその(たみ)(めぐ)まれたからです。それでわれわれは、このように(おお)くの(のこ)った(もの)をもっているのです」。
11そこでヒゼキヤは(しゅ)(みや)のうちに(しつ)(もう)けることを(めい)じたので、(かれ)らはこれを(もう)け、 12その(そな)(もの)の十(ぶん)の一および奉納物(ほうのうぶつ)忠実(ちゅうじつ)(たずさ)()れた。これをつかさどる(もの)のかしらはレビびとコナニヤで、その兄弟(きょうだい)シメイは(かれ)()(もの)となり、 13エヒエル、アザジヤ、ナハテ、アサヘル、エレモテ、ヨザバデ、エリエル、イスマキヤ、マハテ、ベナヤらは、ヒゼキヤ(おう)および(かみ)(みや)のつかさアザリヤの任命(にんめい)によって、コナニヤおよびその兄弟(きょうだい)シメイを(たす)けて、その監督(かんとく)(しゃ)となった。 14(ひがし)(もん)(まも)(もの)レビびとイムナの()コレは、(かみ)にささげる自発(じはつ)のささげ(もの)をつかさどり、(しゅ)(そな)(もの)および(もっと)(せい)なる(もの)分配(ぶんぱい)した。 15(かれ)(たす)ける(もの)はエデン、ミニヤミン、エシュア、シマヤ、アマリヤおよびシカニヤで、(みな)祭司(さいし)町々(まちまち)でその兄弟(きょうだい)たちに、(はん)によって、老若(ろうにゃく)ひとしく忠実(ちゅうじつ)分配(ぶんぱい)した。 16ただしすべて登録(とうろく)された三(さい)以上(いじょう)男子(だんし)(しゅ)(みや)()り、その(はん)(したが)って日々(ひび)職分(しょくぶん)をつくし、その受持(うけもち)(つと)めをなす(もの)(のぞ)かれた。 17祭司(さいし)登録(とうろく)はその氏族(しぞく)によってなされ、二十(さい)以上(いじょう)のレビびとの登録(とうろく)はその(はん)により、その受持(うけもち)にしたがってなされた。 18また祭司(さいし)はその(おさ)()、その(つま)、そのむすこ、その(むすめ)(ぜん)会衆(かいしゅう)(とも)登録(とうろく)した。(かれ)らは忠実(ちゅうじつ)()(せい)なる(こと)にささげたからである。 19また町々(まちまち)放牧(ほうぼく)()におるアロンの子孫(しそん)である祭司(さいし)たちのためには、(まち)ごとに(ひと)()ざし(えら)んで、祭司(さいし)のうちのすべての(おとこ)およびレビびとのうちの登録(とうろく)されたすべての(もの)に、その(ぶん)(あた)えさせた。
20ヒゼキヤはユダ全国(ぜんこく)にこのようにし、()(こと)(ただ)しい(こと)忠実(ちゅうじつ)(こと)をその(かみ)(しゅ)(まえ)()った。 21(かれ)がその(かみ)(もと)めるために(かみ)(みや)(つとめ)につき、律法(りっぽう)につき、(いまし)めについて(はじ)めたわざは、ことごとく(こころ)をつくして(おこな)い、これをなし()げた。

第三十二章

1ヒゼキヤがこれらの(こと)忠実(ちゅうじつ)()った(のち)、アッスリヤの(おう)セナケリブが()てユダに侵入(しんにゅう)し、堅固(けんご)町々(まちまち)()かって(じん)()り、これを()()ろうとした。 2ヒゼキヤはセナケリブが()て、エルサレムを()めようとするのを()たので、 3そのつかさたちおよび勇士(ゆうし)たちと相談(そうだん)して、(まち)(そと)にある(いずみ)(みず)を、ふさごうとした。(かれ)らはこれを(たす)けた。 4(おお)くの(たみ)(あつ)まって、すべての(いずみ)および(くに)(なか)(なが)れる谷川(たにがわ)をふさいで()った、「アッスリヤの(おう)たちがきて、(おお)くの(みず)()られるようなことをしておいていいだろうか」。 5ヒゼキヤはまた勇気(ゆうき)()して、(やぶ)れた城壁(じょうへき)をことごとく(きず)(なお)して、その(うえ)にやぐらを()て、その(そと)にまた城壁(じょうへき)(めぐ)らし、ダビデの(まち)のミロを堅固(けんご)にし、武器(ぶき)および(たて)(おお)(つく)り、 6(ぐん)(ちょう)(たみ)(うえ)()き、(まち)(もん)広場(ひろば)(たみ)(あつ)めて、これを(はげ)まして()った、 7(こころ)(つよ)くし、(いさ)みたちなさい。アッスリヤの(おう)をも、(かれ)(とも)にいるすべての群衆(ぐんしゅう)をも(おそ)れてはならない。おののいてはならない。われわれと(とも)におる(もの)(かれ)らと(とも)におる(もの)よりも(おお)いなる(もの)だからである。 8(かれ)(とも)におる(もの)(にく)(うで)である。しかしわれわれと(とも)におる(もの)はわれわれの(かみ)(しゅ)であって、われわれを(たす)け、われわれに(かわ)って(たたか)われる」。(たみ)はユダの(おう)ヒゼキヤの言葉(ことば)安心(あんしん)した。
9この(のち)アッスリヤの(おう)セナケリブはその(ぜん)(ぐん)をもってラキシを(かこ)んでいたが、その家来(けらい)をエルサレムにつかわして、ユダの(おう)ヒゼキヤおよびエルサレムにいるすべてのユダの(ひと)()げさせて()った、 10「アッスリヤの(おう)セナケリブはこう()います、『あなたがたは(なに)(たの)んでエルサレムにこもっているのか。 11ヒゼキヤは「われわれの(かみ)(しゅ)がアッスリヤの(おう)()から、われわれを(すく)ってくださる」と()って、あなたがたをそそのかし、()えと、かわきをもって、あなたがたを()なせようとしているのではないか。 12このヒゼキヤは(しゅ)のもろもろの(たか)(ところ)祭壇(さいだん)()(のぞ)き、ユダとエルサレムに(めい)じて、「あなたがたはただ一つの祭壇(さいだん)(まえ)礼拝(れいはい)し、その(うえ)犠牲(ぎせい)をささげなければならない」と()った(もの)ではないか。 13あなたがたは、わたしおよびわたしの先祖(せんぞ)たちが、()国々(くにぐに)のすべての(たみ)にしたことを()らないのか。それらの国々(くにぐに)(たみ)神々(かみがみ)は、(すこ)しでもその(くに)を、わたしの()から(すく)()すことができたか。 14わたしの先祖(せんぞ)たちが(ほろ)ぼし(つく)したそれらの国民(こくみん)のもろもろの(かみ)のうち、だれか自分(じぶん)(たみ)をわたしの()から(すく)()すことのできたものがあるか。それで、どうしてあなたがたの(かみ)が、あなたがたをわたしの()から(すく)()すことができよう。 15それゆえ、あなたがたはヒゼキヤに(あざむ)かれてはならない。そそのかされてはならない。また(かれ)(しん)じてはならない。いずれの(たみ)、いずれの(くに)(かみ)もその(たみ)をわたしの()、または、わたしの先祖(せんぞ)()から(すく)いだすことができなかったのだから、ましてあなたがたの(かみ)が、どうしてわたしの()からあなたがたを(すく)いだすことができようか』」。
16セナケリブの家来(けらい)は、このほかにも(おお)(しゅ)なる(かみ)、およびそのしもべヒゼキヤをそしった。 17セナケリブはまた手紙(てがみ)()(おく)って、イスラエルの(かみ)(しゅ)をあざけり、かつそしって()った、「諸国(しょこく)(たみ)神々(かみがみ)が、その(たみ)をわたしの()から(すく)()さなかったように、ヒゼキヤの(かみ)も、その(たみ)をわたしの()から(すく)()さないであろう」と。 18そして(かれ)らは大声(おおごえ)をあげ、ユダヤの言葉(ことば)をもって、城壁(じょうへき)(うえ)にいるエルサレムの(たみ)()かって(さけ)び、これをおどし、かつおびやかした。(かれ)らは(まち)()るためである。 19このように(かれ)らがエルサレムの(かみ)について(かた)ること、(ひと)()のわざである地上(ちじょう)(たみ)神々(かみがみ)について(かた)るようであった。
20そこでヒゼキヤ(おう)およびアモツの()預言者(よげんしゃ)イザヤは(とも)(いの)って、(てん)()ばわったので、 21(しゅ)はひとりのみ使(つかい)をつかわして、アッスリヤ(おう)陣営(じんえい)にいるすべての(だい)勇士(ゆうし)将官(しょうかん)(ぐん)(ちょう)らを(ほろ)ぼされた。それで(おう)赤面(せきめん)して自分(じぶん)(くに)(かえ)ったが、その(かみ)(いえ)にはいった(とき)、その()のひとりが、つるぎをもって(かれ)をその(ところ)(ころ)した。 22このように(しゅ)は、ヒゼキヤとエルサレムの住民(じゅうみん)をアッスリヤの(おう)セナケリブの()およびすべての(てき)()から(すく)()し、いたる(ところ)(かれ)らを(まも)られた。 23そこで(おお)くの人々(ひとびと)はささげ(もの)をエルサレムに(たずさ)えてきて(しゅ)にささげ、また宝物(ほうもつ)をユダの(おう)ヒゼキヤに(おく)った。この(のち)ヒゼキヤは万国(ばんこく)(たみ)(たっと)ばれた。
24そのころ、ヒゼキヤは()んで()ぬばかりであったが、(しゅ)(いの)ったので、(しゅ)はこれに(こた)えて、しるしを(たま)わった。 25しかしヒゼキヤはその()けた(めぐ)みに(むく)いることをせず、その(こころ)(たか)ぶったので、(いか)りが(かれ)とユダおよびエルサレムに(のぞ)もうとしたが、 26ヒゼキヤはその(こころ)(たか)ぶりを()いてへりくだり、またエルサレムの住民(じゅうみん)同様(どうよう)にしたので、(しゅ)(いか)りは、ヒゼキヤの()には(かれ)らに(のぞ)まなかった。
27ヒゼキヤは(とみ)栄誉(えいよ)をきわめ、宝蔵(ほうぞう)(つく)って、(きん)(ぎん)宝石(ほうせき)香料(こうりょう)(たて)および各種(かくしゅ)(たっと)器物(うつわもの)をおさめ、 28また倉庫(そうこ)(つく)って穀物(こくもつ)(さけ)(あぶら)などの産物(さんぶつ)をおさめ、小屋(こや)(つく)って種々(しゅじゅ)家畜(かちく)()き、おりを(つく)って(ひつじ)()れを()き、 29また多数(たすう)(まち)(もう)け、かつ(ひつじ)(うし)をおびただしく所有(しょゆう)した。(かみ)非常(ひじょう)(おお)くの()(ざい)(かれ)(たま)わったからである。 30このヒゼキヤはまたギホンの(みず)(うえ)(みなもと)をふさいで、これをダビデの(まち)西(にし)(ほう)にまっすぐに()(くだ)した。このようにヒゼキヤはそのすべてのわざをなし()げた。 31しかしバビロンの(きみ)たちが使者(ししゃ)をつかわして、この(くに)にあった、しるしについて(たず)ねさせた(とき)には、(かみ)(かれ)(こころ)みて、(かれ)(こころ)にあることを、ことごとく()るために(かれ)()()かれた。
32ヒゼキヤのその()行為(こうい)およびその徳行(とっこう)は、アモツの()預言者(よげんしゃ)イザヤの黙示(もくし)とユダとイスラエルの(れつ)(おう)(しょ)にしるされている。 33ヒゼキヤはその先祖(せんぞ)たちと(とも)(ねむ)ったので、ダビデの子孫(しそん)(はか)のうちの(たか)(ところ)(ほうむ)られた。ユダの人々(ひとびと)およびエルサレムの住民(じゅうみん)(みな)その()(あた)って(かれ)敬意(けいい)(あらわ)した。その()マナセが(かれ)(かわ)って(おう)となった。

第三十三章

1マナセは十二(さい)(おう)となり、五十五(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めた。 2(かれ)(しゅ)がイスラエルの人々(ひとびと)(まえ)から()(はら)われた国々(くにぐに)(たみ)(にく)むべき(おこな)いに()ならって、(しゅ)()(まえ)(あく)(おこな)った。 3すなわち、その(ちち)ヒゼキヤがこわした(たか)(ところ)(ふたた)(きず)き、またもろもろのバアルのために祭壇(さいだん)(もう)け、アシラ(ぞう)(つく)り、(てん)万象(ばんしょう)(おが)んで、これに(つか)え、 4また(しゅ)が「わが()永遠(えいえん)にエルサレムにある」と()われた(しゅ)(みや)のうちに数個(すうこ)祭壇(さいだん)(きず)き、 5(しゅ)(みや)の二つの(にわ)(てん)万象(ばんしょう)のために祭壇(さいだん)(きず)いた。 6(かれ)はまたベンヒンノムの(たに)でその()(とも)()()いて(そな)(もの)とし、(うらな)いをし、魔法(まほう)をつかい、まじないを(おこな)い、口寄(くちよ)せと、(うらな)()任用(にんよう)するなど、(しゅ)(まえ)(おお)くの(あく)()って、その(いか)りをひき(おこ)した。 7(かれ)はまた(きざ)んだ偶像(ぐうぞう)(つく)って(かみ)(みや)安置(あんち)した。(かみ)はこの(みや)についてダビデとその()ソロモンに()われたことがある、「わたしはこの(みや)と、わたしがイスラエルのすべての部族(ぶぞく)のうちから(えら)んだエルサレムとに、わたしの()永遠(えいえん)()く。 8(かれ)らがもし、わたしがすべて(めい)じた(こと)、すなわち、モーセが(つた)えたすべての律法(りっぽう)(さだ)めとおきてとを(つつし)んで(おこな)うならば、わたしがあなたがたの先祖(せんぞ)のために(さだ)めた()から、(かさ)ねてイスラエルの(あし)(うつ)すことをしない」と。 9マナセはこのようにユダとエルサレムの住民(じゅうみん)(まよ)わせ、(しゅ)がイスラエルの人々(ひとびと)(まえ)(ほろ)ぼされた国々(くにぐに)(たみ)にもまさって(あく)(おこな)わせた。
10(しゅ)はマナセおよびその(たみ)()げられたが、(かれ)らは(こころ)()めなかった。 11それゆえ、(しゅ)はアッスリヤの(おう)軍勢(ぐんぜい)(しょ)(しょう)をこれに()めこさせられたので、(かれ)らはマナセをかぎで(とら)え、青銅(せいどう)のかせにつないで、バビロンに()いて()った。 12(かれ)(なや)みにあうに(およ)んで、その(かみ)(しゅ)(ねが)(もと)め、その先祖(せんぞ)(かみ)(まえ)(おお)いに()(ひく)くして、 13(かみ)(いの)ったので、(かみ)はその(いのり)()けいれ、その(ねが)いを()き、(かれ)をエルサレムに()(かえ)って、(ふたた)(くに)(のぞ)ませられた。これによってマナセは(しゅ)こそ、まことに(かみ)にいますことを()った。
14この(のち)(かれ)はダビデの(まち)(そと)(いし)がきをギホンの西(にし)(ほう)(たに)のうちに(きず)き、(うお)(もん)入口(いりぐち)にまで(およ)ぼし、またオペルに(いし)がきをめぐらして、非常(ひじょう)(たか)くこれを(きず)()げ、ユダのすべての堅固(けんご)(まち)(ぐん)(ちょう)()き、 15また(しゅ)(みや)から、異邦(いほう)神々(かみがみ)および偶像(ぐうぞう)()(のぞ)き、(しゅ)(みや)(やま)とエルサレムに自分(じぶん)(きず)いたすべての祭壇(さいだん)()(のぞ)いて、(まち)(そと)()()て、 16(しゅ)祭壇(さいだん)(きず)(なお)して、酬恩祭(しゅうおんさい)および感謝(かんしゃ)犠牲(ぎせい)を、その(うえ)にささげ、ユダに(めい)じてイスラエルの(かみ)(しゅ)(つか)えさせた。 17しかし(たみ)は、なお(たか)(ところ)犠牲(ぎせい)をささげた。ただしその(かみ)(しゅ)にのみささげた。
18マナセのそのほかの行為(こうい)、その(かみ)にささげた(いのり)、およびイスラエルの(かみ)(しゅ)()をもって(かれ)()げた先見者(せんけんしゃ)たちの言葉(ことば)は、イスラエルの(れつ)(おう)記録(きろく)のうちにしるされている。 19またその(いのり)と、(いのり)()かれた(こと)、そのもろもろの(つみ)と、とが、その()(ひく)くする(まえ)(たか)(ところ)(きず)いて、アシラ(ぞう)および(きざ)んだ(ぞう)()てた場所(ばしょ)などは、先見者(せんけんしゃ)記録(きろく)のうちにしるされている。 20マナセはその先祖(せんぞ)たちと(とも)(ねむ)ったので、その(いえ)(ほうむ)られた。その()アモンが(かれ)(かわ)って(おう)となった。
21アモンは(おう)となった(とき)二十二(さい)で、二(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めた。 22(かれ)はその(ちち)マナセのしたように(しゅ)(まえ)(あく)(おこな)った。すなわちアモンはその(ちち)マナセが(つく)ったもろもろの(きざ)んだ(ぞう)犠牲(ぎせい)をささげて、これに(つか)え、 23その(ちち)マナセが()(ひく)くしたように(しゅ)(まえ)()(ひく)くしなかった。かえってこのアモンは、いよいよそのとがを()した。 24その家来(けらい)たちは(とう)(むす)んで(かれ)にそむき、(かれ)をその(いえ)(ころ)した。 25しかし(くに)(たみ)は、(とう)(むす)んでアモン(おう)にそむいた(もの)どもをことごとく()(ころ)した。そして(くに)(たみ)はその()ヨシヤを(おう)となして、そのあとを()がせた。

第三十四章

1ヨシヤは八(さい)のとき(おう)となり、エルサレムで三十一(ねん)(あいだ)()(おさ)めた。 2(かれ)(しゅ)()しと()られることをなし、その(ちち)ダビデの(みち)(あゆ)んで、(みぎ)にも(ひだり)にも(まが)らなかった。 3(かれ)はまだ(わか)かったが、その治世(ちせい)(だい)(ねん)(ちち)ダビデの(かみ)(もと)めることを(はじ)め、その十二(ねん)には(たか)(ところ)、アシラ(ぞう)(きざ)んだ(ぞう)()(ぞう)などを(のぞ)いて、ユダとエルサレムを(きよ)めることを(はじ)め、 4もろもろのバアルの祭壇(さいだん)を、自分(じぶん)(まえ)()ちこわさせ、その(うえ)()っていた(こう)祭壇(さいだん)()(たお)し、アシラ(ぞう)(きざ)んだ(ぞう)()(ぞう)()(くだ)いて粉々(こなごな)にし、これらの(ぞう)犠牲(ぎせい)をささげた(もの)どもの(はか)(うえ)にそれをまき()らし、 5祭司(さいし)らの(ほね)をそのもろもろの祭壇(さいだん)(うえ)()き、こうしてユダとエルサレムを(きよ)めた。 6またマナセ、エフライム、シメオンおよびナフタリの()れた町々(まちまち)にもこのようにし、 7もろもろの祭壇(さいだん)をこわし、アシラ(ぞう)およびもろもろの(きざ)んだ(ぞう)粉々(こなごな)()(くだ)き、イスラエル全国(ぜんこく)(こう)祭壇(さいだん)をことごとく()(たお)して、エルサレムに(かえ)った。
8ヨシヤはその治世(ちせい)の十八(ねん)に、(くに)(みや)とを(きよ)めた(とき)、その(かみ)(しゅ)(みや)(つくろ)わせようと、アザリヤの()シャパン、(まち)のつかさマアセヤおよびヨアハズの()史官(しかん)ヨアをつかわした。 9(かれ)らは(だい)祭司(さいし)ヒルキヤのもとへ()って、(かみ)(みや)にはいった(かね)(わた)した。これは(もん)(まも)るレビびとがマナセ、エフライムおよびその()のすべてのイスラエル、ならびにユダとベニヤミンのすべての(ひと)、およびエルサレムの住民(じゅうみん)()から(あつ)めたものである。 10(かれ)らはこれを(しゅ)(みや)監督(かんとく)する職工(しょっこう)らの()(わた)したので、(しゅ)(みや)(はたら)職工(しょっこう)らは、これを(みや)(つくろ)(なお)すために支払(しはら)った。 11すなわち、大工(だいく)および建築者(けんちくしゃ)にこれを(わた)して、ユダの(おう)たちが(やぶ)った建物(たてもの)のために、()(いし)および骨組(ほねぐみ)材木(ざいもく)()わせ、(はり)(ざい)(ととの)えさせた。 12その人々(ひとびと)忠実(ちゅうじつ)仕事(しごと)をした。その監督(かんとく)(しゃ)はメラリの子孫(しそん)であるレビびとヤハテとオバデヤ、およびコハテびとの子孫(しそん)であるゼカリヤとメシュラムであって、工事(こうじ)をつかさどった。また楽器(がっき)(たく)みなレビびとがこれに(ともな)った。 13(かれ)らはまた()()(もの)監督(かんとく)し、様々(さまざま)仕事(しごと)(はたら)くすべての(もの)をつかさどった。また()のレビびとは書記(しょき)となり、役人(やくにん)となり、また門衛(もんえい)となった。
14さて(かれ)らが(しゅ)(みや)にはいった(かね)()りだした(とき)祭司(さいし)ヒルキヤはモーセの(つた)えた(しゅ)律法(りっぽう)(しょ)発見(はっけん)した。 15そこでヒルキヤは書記官(しょきかん)シャパンに()った、「わたしは(しゅ)(みや)律法(りっぽう)(しょ)発見(はっけん)しました」と。そしてヒルキヤはその(しょ)をシャパンに(わた)した。 16シャパンはその(しょ)(おう)のもとに()って()き、さらに(おう)復命(ふくめい)して()った、「しもべらはゆだねられた(こと)をことごとくなし、 17(しゅ)(みや)にあった(かね)をあけて、監督(かんとく)(しゃ)()および職工(しょっこう)()(わた)しました」。 18書記官(しょきかん)シャパンはまた(おう)()げて、「祭司(さいし)ヒルキヤはわたしに一つの書物(しょもつ)(わた)しました」と()い、シャパンはそれを(おう)(まえ)()んだ。 19(おう)はその律法(りっぽう)言葉(ことば)()いて(ころも)()いた。 20そして(おう)はヒルキヤおよびシャパンの()アヒカムとミカの()アブドンと書記官(しょきかん)シャパンと(おう)家来(けらい)アサヤとに(めい)じて()った、 21「あなたがたは()って、この発見(はっけん)された書物(しょもつ)言葉(ことば)についてわたしのために、またイスラエルとユダの(のこ)りの(もの)のために(しゅ)()いなさい。われわれの先祖(せんぞ)たちが(しゅ)言葉(ことば)(まも)らず、すべてこの書物(しょもつ)にしるされていることを(おこな)わなかったので、(しゅ)はわれわれに(おお)いなる(いか)りを(そそ)がれるからです」。
22そこでヒルキヤおよび(おう)のつかわした人々(ひとびと)は、シャルムの(つま)である(おんな)預言者(よげんしゃ)ホルダのもとへ()った。シャルムはハスラの()であるトクハテの()で、衣装(いしょう)(まも)(もの)である。(とき)にホルダは、エルサレムの(だい)()()んでいた。(かれ)らはホルダにその趣意(しゅい)(かた)ったので、 23ホルダは(かれ)らに()った、「イスラエルの(かみ)(しゅ)はこう(おお)せられます、『あなたがたをわたしにつかわした(ひと)()げなさい。 24(しゅ)はこう(おお)せられます。()よ、わたしはユダの(おう)(まえ)()んだ書物(しょもつ)にしるされているもろもろののろい、すなわち(わざわい)をこの(ところ)と、ここに()(もの)(くだ)す。 25(かれ)らはわたしを()てて、()神々(かみがみ)(こう)をたき、自分(じぶん)()(つく)ったもろもろの(もの)をもって、わたしの(いか)りを()(おこ)そうとしたからである。それゆえ、わたしの(いか)りは、この(ところ)(そそ)がれて()えない。 26しかしあなたがたをつかわして、(しゅ)()わせるユダの(おう)にはこう()いなさい。イスラエルの(かみ)(しゅ)はこう(おお)せられる。あなたが()いた言葉(ことば)については、 27この(ところ)と、ここに()(もの)()める(かみ)言葉(ことば)を、あなたが()いた(とき)(こころ)()い、(かみ)(まえ)()をひくくし、わたしの(まえ)にへりくだり、(ころも)()いて、わたしの(まえ)()いたので、わたしもまた、あなたに()いた、と(しゅ)()われる。 28()よ、わたしはあなたを先祖(せんぞ)たちのもとに(あつ)める。あなたは(やす)らかにあなたの(はか)(あつ)められる。あなたはわたしがこの(ところ)と、ここに()(もの)(くだ)すもろもろの(わざわい)()()ることがない』と」。(かれ)らは(おう)復命(ふくめい)した。
29そこで(おう)(ひと)をつかわしてユダとエルサレムの長老(ちょうろう)をことごとく(あつ)め、 30そして(おう)(しゅ)(みや)(のぼ)って()った。ユダのすべての人々(ひとびと)、エルサレムの住民(じゅうみん)祭司(さいし)、レビびと、およびすべての(たみ)は、()いた(もの)(わか)(もの)もことごとく(かれ)(したが)った。そこで(おう)(しゅ)(みや)発見(はっけん)した契約(けいやく)(しょ)言葉(ことば)を、ことごとく(かれ)らの(みみ)()()かせ、 31そして(おう)自分(じぶん)(ところ)()って、(しゅ)(まえ)契約(けいやく)()て、(しゅ)(したが)って(あゆ)み、(こころ)をつくし、精神(せいしん)をつくして、その(いまし)めと、あかしと(さだ)めとをまもり、この(しょ)にしるされた契約(けいやく)言葉(ことば)(おこな)おうと()い、 32エルサレムおよびベニヤミンの人々(ひとびと)(みな)これに(くわ)わらせた。エルサレムの住民(じゅうみん)先祖(せんぞ)(かみ)であるその(かみ)契約(けいやく)にしたがって()った。 33ヨシヤはイスラエルの人々(ひとびと)(ぞく)するすべての()から、(にく)むべきものをことごとく()(のぞ)き、イスラエルにいるすべての(ひと)をその(かみ)(しゅ)(つか)えさせた。ヨシヤが()にある()(あいだ)は、(かれ)らは先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)(したが)って(はな)れなかった。

第三十五章

1ヨシヤはエルサレムで(しゅ)過越(すぎこし)(まつり)(おこな)った。すなわち正月(しょうがつ)の十四()過越(すぎこし)小羊(こひつじ)をほふらせ、 2祭司(さいし)にその職務(しょくむ)をとり(おこな)わせ、(かれ)らを(はげ)まして(しゅ)(みや)(つとめ)をさせ、 3また(しゅ)(せい)なる(もの)となってすべてのイスラエルびとを(おし)えるレビびとに()った、「あなたがたはイスラエルの(おう)ダビデの()ソロモンの()てた(みや)に、(せい)なる(はこ)()きなさい。(ふたた)びこれを(かた)にになうに(およ)ばない。あなたがたの(かみ)(しゅ)およびその(たみ)イスラエルに(つか)えなさい。 4あなたがたはイスラエルの(おう)ダビデの(しょ)、およびその()ソロモンの(しょ)(もとづ)いて氏族(しぞく)にしたがい、その(はん)によって、みずから(そな)えをなし、 5あなたがたの兄弟(きょうだい)である(たみ)人々(ひとびと)氏族(しぞく)区分(くぶん)にしたがって聖所(せいじょ)()ち、このためにレビびとの氏族(しぞく)(ぶん)()けることのないようにしなさい。 6あなたがたは過越(すぎこし)小羊(こひつじ)をほふり、()(きよ)め、あなたがたの兄弟(きょうだい)のために(そな)えをし、モーセが(つた)えた(しゅ)言葉(ことば)にしたがって(おこな)いなさい」。
7ヨシヤは、小羊(こひつじ)および()やぎを(たみ)人々(ひとびと)(おく)った。これは(みな)その(ところ)にいるすべての(ひと)のための過越(すぎこし)(そな)(もの)であって、その(かず)三万、また雄牛(おうし)三千を(おく)った。それらは(おう)所有(しょゆう)から()したのである。 8そのつかさたちも(たみ)祭司(さいし)とレビびとに真(こころ)から(おく)った。また(かみ)(みや)のつかさたちヒルキヤ、ゼカリヤ、エヒエルも小羊(こひつじ)()やぎ二千六百(とう)(うし)三百(とう)祭司(さいし)(あた)えて過越(すぎこし)(そな)(もの)とした。 9またレビびとの(ちょう)である人々(ひとびと)すなわちコナニヤおよびその兄弟(きょうだい)シマヤ、ネタンエルならびにハシャビヤ、エイエル、ヨザバデなども小羊(こひつじ)()やぎ五千(とう)(うし)五百(とう)をレビびとに(おく)って過越(すぎこし)(そな)(もの)とした。
10このように(つと)めのことが(そな)わったので、(おう)(いのち)(したが)って祭司(さいし)たちはその()()()ち、レビびとはその(はん)(したが)って(つか)え、 11やがて過越(すぎこし)小羊(こひつじ)がほふられたので、祭司(さいし)はその()()()って(そそ)いだ。レビびとはその(かわ)をはいだ。 12それから燔祭(はんさい)(もの)をとり()け、それを(たみ)人々(ひとびと)氏族(しぞく)区分(くぶん)(したが)って(わた)し、(しゅ)にささげさせた。これはモーセの(しょ)にしるされたとおりである。また(うし)をもこのようにした。 13そして(さだ)めに(したが)って過越(すぎこし)小羊(こひつじ)()であぶり、その()(せい)なる(そな)(もの)(ふか)なべ、かま、(あさ)なべなどに()て、(いそ)いですべての(たみ)人々(ひとびと)にくばった。 14その(のち)(かれ)らは自分(じぶん)のためと、祭司(さいし)たちのために(そな)えをした。アロンの子孫(しそん)である祭司(さいし)たちは、燔祭(はんさい)脂肪(しぼう)をささげるのに(いそが)しくて、(よる)になったからである。それでレビびとは自分(じぶん)たちのためと、アロンの子孫(しそん)である祭司(さいし)たちのために(そな)えたのである。 15アサフの子孫(しそん)である(うた)うたう(もの)たちは、ダビデ、アサフ、ヘマンおよび(おう)先見者(せんけんしゃ)エドトンの(いのち)(したが)ってその()()におり、門衛(もんえい)たちはおのおの(もん)にいて、その職務(しょくむ)(はな)れるに(およ)ばなかった。兄弟(きょうだい)であるレビびとが(かれ)らのために(そな)えたからである。
16このようにその()(しゅ)(つと)めの(こと)がことごとく(そな)わったので、ヨシヤ(おう)(いのち)(したが)って過越(すぎこし)(まつり)(おこな)い、(しゅ)祭壇(さいだん)燔祭(はんさい)をささげた。 17ここに()ていたイスラエルの人々(ひとびと)は、そのとき過越(すぎこし)(まつり)(おこな)い、また七日(なぬか)(あいだ)(たね)()れぬパンの(まつり)(おこな)った。 18預言者(よげんしゃ)サムエルの()からこのかた、イスラエルでこのような過越(すぎこし)(まつり)(おこな)ったことはなかった。またイスラエルの諸王(しょおう)のうちには、ヨシヤが、祭司(さいし)、レビびと、ならびにそこに()たユダとイスラエルのすべての人々(ひとびと)、およびエルサレムの住民(じゅうみん)(とも)()ったような過越(すぎこし)(まつり)(おこな)った(もの)はひとりもなかった。 19この過越(すぎこし)(まつり)はヨシヤの治世(ちせい)(だい)十八(ねん)(おこな)われた。
20このようにヨシヤが(みや)(ととの)えた(のち)、エジプトの(おう)ネコはユフラテ(かわ)のほとりにあるカルケミシで(たたか)うために(のぼ)ってきたので、ヨシヤはこれを(ふせ)ごうと()()った。 21しかしネコは(かれ)使者(ししゃ)をつかわして()った、「ユダの(おう)よ、われわれはお(たがい)(なに)のあずかるところがありますか。わたしはきょう、あなたを()めようとして()たのではありません。わたしの(てき)(いえ)()めようとして()たのです。(かみ)がわたしに(めい)じて(いそ)がせています。わたしと(とも)におられる(かみ)(さか)らうことをやめなさい。そうしないと、(かみ)はあなたを(ほろ)ぼされるでしょう」。 22しかしヨシヤは()(かえ)すことを(この)まず、かえって(かれ)(たたか)うために、姿(すがた)()え、(かみ)(くち)から()たネコの言葉(ことば)()きいれず、()ってメギドの(たに)(たたか)ったが、 23射手(しゃしゅ)(もの)どもがヨシヤを()あてたので、(おう)はその家来(けらい)たちに、「わたしを(たす)()せ。わたしはひどく(きず)ついた」と()った。 24そこで家来(けらい)たちは(かれ)(くるま)から(たす)()し、(おう)のもっていた(だい)二の(くるま)()せてエルサレムにつれて()ったが、ついに()んだので、その先祖(せんぞ)(はか)にこれを(ほうむ)った。そしてユダとエルサレムは(みな)ヨシヤのために(かな)しんだ。 25(とき)にエレミヤはヨシヤのために哀歌(あいか)(つく)った。(うた)うたう(おとこ)(うた)うたう(おんな)今日(こんにち)(いた)るまで、その哀歌(あいか)のうちにヨシヤのことを()べ、イスラエルのうちにこれを(れい)とした。これは哀歌(あいか)のうちにしるされている。 26ヨシヤのその()行為(こうい)(しゅ)律法(りっぽう)にしるされた(ところ)(したが)って()った徳行(とっこう)27およびその始終(しじゅう)(おこな)いなどは、イスラエルとユダの(れつ)(おう)(しょ)にしるされている。

第三十六章

1(くに)(たみ)はヨシヤの()エホアハズを()て、エルサレムでその(ちち)(かわ)って(おう)とならせた。 2エホアハズは(おう)となった(とき)二十三(さい)で、エルサレムで三(つき)(あいだ)()(おさ)めたが、 3エジプトの(おう)はエルサレムで(かれ)(はい)し、かつ(ぎん)百タラント、(きん)一タラントの罰金(ばっきん)(くに)()した。 4そしてエジプト(おう)(かれ)兄弟(きょうだい)エリアキムをユダとエルサレムの(おう)とし、その()をエホヤキムと(あらた)め、その兄弟(きょうだい)エホアハズを(とら)えてエジプトへ()いて()った。
5エホヤキムは(おう)となった(とき)二十五(さい)で、十一(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めた。(かれ)はその(かみ)(しゅ)(まえ)(あく)(おこな)った。 6(とき)に、バビロンの(おう)ネブカデネザルが(かれ)(ところ)()(のぼ)り、(かれ)をバビロンに()いて()こうとして、かせにつないだ。 7ネブカデネザルはまた(しゅ)(みや)器物(うつわもの)をバビロンに(はこ)んで()って、バビロンにあるその宮殿(きゅうでん)にそれをおさめた。 8エホヤキムのその()行為(こうい)、その()った(にく)むべき(こと)および(かれ)がひそかに()った(こと)などは、イスラエルとユダの(れつ)(おう)(しょ)にしるされている。その()エホヤキンが(かれ)(かわ)って(おう)となった。
9エホヤキンは(おう)となった(とき)(さい)で、エルサレムで三(つき)と十()(あいだ)()(おさ)め、(しゅ)(まえ)(あく)(おこな)った。 10(とし)(あらた)まり(はる)になって、ネブカデネザル(おう)(ひと)をつかわして、(かれ)(しゅ)(みや)(たっと)器物(うつわもの)(とも)にバビロンに()れて()かせ、その兄弟(きょうだい)ゼデキヤをユダとエルサレムの(おう)とした。
11ゼデキヤは(おう)となった(とき)二十一(さい)で、十一(ねん)(あいだ)エルサレムで()(おさ)めた。 12(かれ)はその(かみ)(しゅ)(まえ)(あく)(おこな)い、(しゅ)言葉(ことば)(つた)える預言者(よげんしゃ)エレミヤの(まえ)に、()をひくくしなかった。 13(かれ)はまた、(かれ)(かみ)をさして(ちか)わせたネブカデネザル(おう)にもそむいた。(かれ)強情(ごうじょう)で、その(こころ)をかたくなにして、イスラエルの(かみ)(しゅ)()(かえ)らなかった。 14祭司(さいし)のかしらたちおよび(たみ)らもまた、すべて異邦人(いほうじん)のもろもろの(にく)むべき行為(こうい)にならって、はなはだしく(つみ)(おか)し、(しゅ)がエルサレムに聖別(せいべつ)しておかれた(しゅ)(みや)(けが)した。
15その先祖(せんぞ)(かみ)(しゅ)はその(たみ)と、すみかをあわれむがゆえに、しきりに、その使者(ししゃ)(かれ)らにつかわされたが、 16(かれ)らが(かみ)使者(ししゃ)たちをあざけり、その言葉(ことば)(かろ)んじ、その預言者(よげんしゃ)たちをののしったので、(しゅ)(いか)りがその(たみ)()かって(おこ)り、ついに(すく)うことができないようになった。
17そこで(しゅ)はカルデヤびとの(おう)(かれ)らに()めこさせられたので、(かれ)はその聖所(せいじょ)(いえ)でつるぎをもって若者(わかもの)たちを(ころ)し、若者(わかもの)をも、処女(しょじょ)をも、老人(ろうじん)をも、しらがの(もの)をもあわれまなかった。(しゅ)(かれ)らをことごとく(かれ)()(わた)された。 18(かれ)(かみ)(みや)のもろもろの大小(だいしょう)器物(うつわもの)(しゅ)(みや)()(ざい)(おう)とそのつかさたちの()(ざい)など、すべてこれをバビロンに(たずさ)えて()き、 19(かみ)(みや)()き、エルサレムの城壁(じょうへき)をくずし、そのうちの宮殿(きゅうでん)をことごとく()()き、そのうちの(たっと)器物(うつわもの)をことごとくこわした。 20(かれ)はまたつるぎをのがれた(もの)どもを、バビロンに(とら)えて()って、(かれ)とその()らの家来(けらい)となし、ペルシャの(くに)(おこ)るまで、そうして()いた。 21これはエレミヤの(くち)によって(つた)えられた(しゅ)言葉(ことば)成就(じょうじゅ)するためであった。こうして(くに)はついにその安息(あんそく)をうけた。すなわちこれはその()れている(あいだ)安息(あんそく)して、ついに七十(ねん)()ちた。
22ペルシャ(おう)クロスの元年(がんねん)(あた)り、(しゅ)はエレミヤの(くち)によって(つた)えた(しゅ)言葉(ことば)成就(じょうじゅ)するため、ペルシャ(おう)クロスの(れい)感動(かんどう)されたので、(おう)はあまねく国中(くにぢゅう)にふれ(しめ)し、またそれを()(しめ)して()った、 23「ペルシャの(おう)クロスはこう()う、『(てん)(かみ)(しゅ)地上(ちじょう)国々(くにぐに)をことごとくわたしに(たま)わって、(しゅ)(みや)をユダにあるエルサレムに()てることをわたしに(めい)じられた。あなたがたのうち、その(たみ)である(もの)(みな)、その(かみ)(しゅ)(たす)けを()(のぼ)って()きなさい』」。