ゼカリヤ書

第一章

1ダリヨスの(だい)(ねん)の八(がつ)に、(しゅ)言葉(ことば)がイドの()ベレキヤの()である預言者(よげんしゃ)ゼカリヤに(のぞ)んだ、 2(しゅ)はあなたがたの先祖(せんぞ)たちに(たい)して、いたくお(いか)りになった。 3それゆえ、万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう(おお)せられると、(かれ)らに()げよ。万軍(ばんぐん)(しゅ)(おお)せられる、わたしに(かえ)れ、そうすれば、わたしもあなたがたに(かえ)ろうと、万軍(ばんぐん)(しゅ)(おお)せられる。 4あなたがたの先祖(せんぞ)たちのようであってはならない。(さき)預言者(よげんしゃ)たちは、(かれ)らにむかって(さけ)んで()った、『万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう(おお)せられる、(わる)(みち)(はな)れ、(わる)いおこないを()てて(かえ)れ』と。しかし(かれ)らは()きいれず、(みみ)をわたしに(かたむ)けなかったと(しゅ)()われる。 5あなたがたの先祖(せんぞ)たち、(かれ)らはどこにいるか。預言者(よげんしゃ)たち、(かれ)らは永遠(えいえん)()きているのか。 6しかしわたしのしもべである預言者(よげんしゃ)たちに(めい)じたわが言葉(ことば)と、わが(さだ)めとは、あなたがたの先祖(せんぞ)たちに(およ)んだではないか。それで(かれ)らは()(かえ)って()った、『万軍(ばんぐん)(しゅ)がわれわれの(みち)にしたがい、おこないに(したが)って、われわれに、なそうと(おも)(さだ)められたように、そのとおりされたのだ』と」。
7ダリヨスの(だい)(ねん)の十一(がつ)、すなわちセバテという(つき)の二十四()に、(しゅ)言葉(ことば)がイドの()ベレキヤの()である預言者(よげんしゃ)ゼカリヤに(のぞ)んだ。そしてゼカリヤは()った、 8「わたしは(よる)()ていると、ひとりの(ひと)(あか)(うま)()って、谷間(たにま)にあるミルトスの()(なか)()ち、その(うしろ)(あか)(うま)栗毛(くりげ)(うま)白馬(しろうま)がいた。 9その(とき)わたしが『わが(しゅ)よ、これらはなんですか』と(たず)ねると、わたしと(かた)(てん)使(つかい)()った、『これがなんであるか、あなたに(しめ)しましょう』。 10すると、ミルトスの()(なか)()っている(ひと)(こた)えて、『これらは()見回(みまわ)らせるために、(しゅ)がつかわされた(もの)です』と()うと、 11(かれ)らは(こた)えて、ミルトスの(なか)()っている(しゅ)使(つかい)()った、『われわれは()見回(みまわ)ったが、(ぜん)()はすべて平穏(へいおん)です』。 12すると(しゅ)使(つかい)()った、『万軍(ばんぐん)(しゅ)よ、あなたは、いつまでエルサレムとユダの町々(まちまち)とを、あわれんで(くだ)さらないのですか。あなたはお(いか)りになって、すでに七十(ねん)になりました』。 13(しゅ)はわたしと(かた)(てん)使(つかい)に、ねんごろな(なぐさ)めの言葉(ことば)をもって(こた)えられた。 14そこで、わたしと(かた)(てん)使(つかい)()った、『あなたは()ばわって()いなさい。万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう(おお)せられます、わたしはエルサレムのため、シオンのために、(おお)いなるねたみを(おこ)し、 15(やす)らかにいる国々(くにぐに)(たみ)(たい)して、(おお)いに(いか)る。なぜなら、わたしが(すこ)しばかり(いか)ったのに、(かれ)らは、(おお)いにこれを(なや)ましたからであると。 16それゆえ、(しゅ)はこう(おお)せられます、わたしはあわれみをもってエルサレムに(かえ)る。わたしの(いえ)はその(なか)()てられ、(はか)りなわはエルサレムに()られると、万軍(ばんぐん)(しゅ)(おお)せられます。 17あなたはまた()ばわって()いなさい。万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう(おお)せられます、わが町々(まちまち)(ふたた)()(もの)()ちあふれ、(しゅ)(ふたた)びシオンを(なぐさ)め、(ふたた)びエルサレムを(えら)ぶ』と」。
18わたしが()をあげて()ていると、()よ、四つの(つの)があった。 19わたしと(かた)(てん)使(つかい)に「これらはなんですか」と()うと、(かれ)(こた)えて()った、「これらはユダ、イスラエルおよびエルサレムを()らした(つの)です」。 20その(とき)(しゅ)は四(にん)鍛冶(かじ)をわたしに(しめ)された。 21わたしが「これらは(なに)をするために()たのですか」と()うと、(かれ)(こた)えた、「これらの(つの)はユダを()らして、(ひと)にその(あたま)をあげさせなかったものですが、この四(にん)(もの)()たのは(かれ)らをおどし、かのユダの()にむかって(つの)をあげ、これを()らした国々(くにぐに)(たみ)(つの)()げうつためです」。

第二章

1またわたしが()をあげて()ていると、()よ、ひとりの(ひと)が、(はか)りなわを()()っているので、 2「あなたはどこへ()くのですか」と(たず)ねると、その(ひと)はわたしに()った、「エルサレムを(はか)って、その(ひろ)さと、(なが)さを()ようとするのです」。 3すると()よ、わたしと(かた)(てん)使(つかい)()()くと、またひとりの(てん)使(つかい)()てきて、これに出会(であ)って、 4()った、「(はし)って()って、あの(わか)(ひと)()いなさい、『エルサレムはその(なか)に、(ひと)家畜(かちく)(おお)くなるので、城壁(じょうへき)のない村里(むらざと)のように、(ひと)()(ところ)となるでしょう。 5(しゅ)(おお)せられます、わたしはその周囲(しゅうい)()城壁(じょうへき)となり、その(なか)栄光(えいこう)となる』と」。
6(しゅ)(おお)せられる、さあ、(きた)()から()げて()なさい。わたしはあなたがたを、(てん)四方(しほう)(かぜ)のように()らしたからである。 7さあ、バビロンの(むすめ)(とも)にいる(もの)よ、シオンにのがれなさい。 8あなたがたにさわる(もの)は、(かれ)()(たま)にさわるのであるから、あなたがたを(とら)えていった国々(くにぐに)(たみ)に、その栄光(えいこう)にしたがって、わたしをつかわされた万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、 9()よ、わたしは(かれ)らの(うえ)()()る。(かれ)らは自分(じぶん)(つか)えた(もの)のとりことなる。その(とき)あなたがたは万軍(ばんぐん)(しゅ)が、わたしをつかわされたことを()る。 10(しゅ)()われる、シオンの(むすめ)よ、(よろこ)(うた)え。わたしが()て、あなたの(なか)()むからである。 11その()には、(おお)くの国民(こくみん)(しゅ)(つら)なって、わたしの(たみ)となる。わたしはあなたの(なか)()む。 12あなたは万軍(ばんぐん)(しゅ)が、わたしをあなたにつかわされたことを()る。(しゅ)聖地(せいち)で、ユダを自分(じぶん)(ぶん)として()り、エルサレムを(ふたた)(えら)ばれるであろう」。 13すべて(にく)なる(もの)よ、(しゅ)(まえ)(しず)まれ。(しゅ)はその(せい)なるすみかから()ちあがられたからである。

第三章

1(とき)(しゅ)(だい)祭司(さいし)ヨシュアが、(しゅ)使(つかい)(まえ)()ち、サタンがその(みぎ)()って、これを(うった)えているのをわたしに(しめ)された。 2(しゅ)はサタンに()われた、「サタンよ、(しゅ)はあなたを()めるのだ。すなわちエルサレムを(えら)んだ(しゅ)はあなたを()めるのだ。これは()(なか)から()()した()えさしではないか」。 3ヨシュアは(けが)れた(ころも)()て、み使(つかい)(まえ)()っていたが、 4使(つかい)自分(じぶん)(まえ)()っている(もの)どもに()った、「(かれ)(けが)れた(ころも)()がせなさい」。またヨシュアに()かって()った、「()よ、わたしはあなたの(つみ)()(のぞ)いた。あなたに祭服(さいふく)()せよう」。 5わたしは()った、「(きよ)帽子(ぼうし)(あたま)にかぶらせなさい」。そこで(きよ)帽子(ぼうし)(あたま)にかぶらせ、(ころも)(かれ)()せた。(しゅ)使(つかい)はかたわらに()っていた。
6(しゅ)使(つかい)は、ヨシュアを(いまし)めて()った、 7万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、あなたがもし、わたしの(みち)(あゆ)み、わたしの(つとめ)(まも)るならば、わたしの(いえ)をつかさどり、わたしの(にわ)(まも)ることができる。わたしはまた、ここに()っている(もの)どもの(なか)()()することを()させる。 8(だい)祭司(さいし)ヨシュアよ、あなたも、あなたの(まえ)にすわっている同僚(どうりょう)たちも()きなさい。(かれ)らはよいしるしとなるべき人々(ひとびと)だからである。()よ、わたしはわたしのしもべなる(えだ)(しょう)じさせよう。 9万軍(ばんぐん)(しゅ)()われる、()よ、ヨシュアの(まえ)にわたしが()いた(いし)(うえ)に、すなわち七つの()をもっているこの一つの(いし)(うえ)に、わたしはみずから文字(もじ)彫刻(ちょうこく)する。そしてわたしはこの()(つみ)を、一(にち)(うち)()(のぞ)く。 10万軍(ばんぐん)(しゅ)()われる、その()には、あなたがたはめいめいその(とな)(びと)(まね)いて、ぶどうの()(した)、いちじくの()(した)()すのである」。

第四章

1わたしと(かた)った(てん)使(つかい)がまた()て、わたしを()びさました。わたしは(ねむ)りから()びさまされた(ひと)のようであった。 2(かれ)がわたしに()かって「(なに)()るか」と()ったので、わたしは()った、「わたしが()ていると、すべて(きん)(つく)られた燭台(しょくだい)が一つあって、その(うえ)(あぶら)()れる(うつわ)があり、また燭台(しょくだい)(うえ)に七つのともしび(さら)があり、そのともしび(さら)燭台(しょくだい)(うえ)にあって、これにおのおの七(ほん)ずつの(かん)があります。 3また燭台(しょくだい)のかたわらに、オリブの()が二(ほん)あって、一(ぽん)(あぶら)をいれる(うつわ)(みぎ)にあり、一(ぽん)はその(ひだり)にあります」。 4わたしはまたわたしと(かた)(てん)使(つかい)()った、「わが(しゅ)よ、これらはなんですか」。 5わたしと(かた)(てん)使(つかい)(こた)えて、「あなたはそれがなんであるか()らないのですか」と()ったので、わたしは「わが(しゅ)よ、()りません」と()った。 6すると(かれ)はわたしに()った、「ゼルバベルに、(しゅ)がお()げになる言葉(ことば)はこれです。万軍(ばんぐん)(しゅ)(おお)せられる、これは権勢(けんせい)によらず、能力(のうりょく)によらず、わたしの(れい)によるのである。 7(おお)いなる(やま)よ、おまえは何者(なにもの)か。おまえはゼルバベルの(まえ)平地(へいち)となる。(かれ)は『(めぐ)みあれ、これに(めぐ)みあれ』と()ばわりながら、かしら(いし)()()すであろう」。 8(しゅ)言葉(ことば)がわたしに(のぞ)んで()うには、 9「ゼルバベルの()はこの(みや)(いしずえ)をすえた。(かれ)()はこれを完成(かんせい)する。その(とき)あなたがたは万軍(ばんぐん)(しゅ)が、わたしをあなたがたにつかわされたことを()る。 10だれでも(ちい)さい(こと)()をいやしめた(もの)は、ゼルバベルの()に、()()りのあるのを()て、(よろこ)ぶ。
これらの七つのものは、あまねく(ぜん)()()()する(しゅ)()である」。 11わたしはまた(かれ)(たず)ねて、「燭台(しょくだい)左右(さゆう)にある、この二(ほん)のオリブの()はなんですか」と()い、 12(かさ)ねてまた「この二(ほん)(きん)(くだ)によって、(あぶら)をそれから(そそ)()すオリブの二(えだ)はなんですか」と()うと、 13(かれ)はわたしに(こた)えて、「あなたはそれがなんであるか()らないのですか」と()ったので、「わが(しゅ)よ、()りません」と()った。 14すると(かれ)()った、「これらはふたりの(あぶら)そそがれた(もの)で、(ぜん)()(しゅ)のかたわらに()(もの)です」。

第五章

1わたしがまた()をあげて()ていると、()んでいる巻物(まきもの)()た。 2(かれ)がわたしに「(なに)()るか」と()ったので、「()んでいる巻物(まきもの)()ます。その(なが)さは二十キュビト、その(はば)は十キュビトです」と(こた)えた。 3すると(かれ)はまた、わたしに()った、「これは(ぜん)()のおもてに()()く、のろいの言葉(ことば)です。すべて(ぬす)(もの)はこれに(てら)して(のぞ)()られ、すべて(いつわ)(ちか)(もの)は、これに(てら)して(のぞ)()られるのです。 4万軍(ばんぐん)(しゅ)(おお)せられます、わたしはこれを()()かせる。これは(ぬす)(もの)(いえ)(はい)り、またわたしの()をさして(いつわ)(ちか)(もの)(いえ)(はい)り、その(いえ)(なか)宿(やど)って、これをその()(いし)(とも)(ほろ)ぼすと」。
5わたしと(かた)(てん)使(つかい)(すす)んで()て、わたしに「()をあげて、この()てきた(もの)が、なんであるかを()なさい」と()った。 6わたしが「これはなんですか」と()うと、(かれ)は「この()てきた(もの)は、エパ(ます)です」と()い、また「これは(ぜん)()(つみ)です」と()った。 7そして()よ、(なまり)のふたを()りあげると、そのエパ(ます)(なか)にひとりの(おんな)がすわっていた。 8すると(かれ)は「これは罪悪(ざいあく)である」と()って、その(おんな)をエパ(ます)(なか)()()れ、(なまり)(おも)しを、その(ます)(くち)()げかぶせた。 9それからわたしが()をあげて()ていると、ふたりの(おんな)()てきた。これに、こうのとりの(つばさ)のような(つばさ)があり、その(つばさ)(かぜ)をはらんで、エパ(ます)(てん)()との(あいだ)()ちあげた。 10わたしは、わたしと(かた)(てん)使(つかい)()った、「(かれ)らはエパ(ます)を、どこへ()って()くのですか」。 11(かれ)はわたしに()った、「シナルの()で、(おんな)たちのために(いえ)()てるのです。それが()てられると、(かれ)らはエパ(ます)をそこにすえ、それの土台(どだい)(うえ)()くのです」。

第六章

1わたしがまた()をあげて()ていると、四(りょう)戦車(せんしゃ)が二つの(やま)(あいだ)から()てきた。その(やま)青銅(せいどう)(やま)であった。 2(だい)一の戦車(せんしゃ)には(あか)(うま)()け、(だい)二の戦車(せんしゃ)には(くろ)(うま)()け、 3(だい)三の戦車(せんしゃ)には白馬(しろうま)()け、(だい)四の戦車(せんしゃ)には、まだらのねずみ(いろ)(うま)()けていた。 4わたしは、わたしと(かた)るみ使(つかい)(たず)ねた、「わが(しゅ)よ、これらはなんですか」。 5(てん)使(つかい)(こた)えて、わたしに()った、「これらは(ぜん)()(しゅ)(まえ)(あらわ)れて(のち)(てん)四方(しほう)()()くものです。 6(くろ)(うま)()けた戦車(せんしゃ)は、(きた)(くに)をさして()()き、白馬(しろうま)西(にし)(くに)をさして()()き、まだらの(うま)(みなみ)(くに)をさして()()くのです」。 7(うま)()てくると、(かれ)らは、()をあまねくめぐるために、しきりに()たがるのであった。それで(かれ)が「()って、()をあまねくめぐれ」と()うと、(かれ)らは()()きめぐった。 8すると(かれ)はわたしを()んで、「(きた)(くに)をさして()(もの)どもは、(きた)(くに)でわたしの(こころ)(しず)まらせてくれた」と()った。
9(しゅ)言葉(ことば)がまたわたしに(のぞ)んだ、 10「バビロンから(かえ)ってきたかの捕囚(ほしゅう)(なか)から、ヘルダイ、トビヤおよびエダヤを()れて、その()にゼパニヤの()ヨシヤの(いえ)()き、 11(かれ)らから金銀(きんぎん)()()って、一つの(かんむり)(つく)り、それをヨザダクの()である(だい)祭司(さいし)ヨシュアの(あたま)にかぶらせて、 12(かれ)()いなさい、『万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、()よ、その()(えだ)という(ひと)がある。(かれ)自分(じぶん)場所(ばしょ)成長(せいちょう)して、(しゅ)(みや)()てる。 13すなわち(かれ)(しゅ)(みや)()て、(おう)としての光栄(こうえい)()び、その(くらい)()して(おさ)める。その(くらい)のかたわらに、ひとりの祭司(さいし)がいて、このふたりの(あいだ)平和(へいわ)一致(いっち)がある』。 14またその(かんむり)はヘルダイ、トビヤ、エダヤおよびゼパニヤの()ヨシヤの記念(きねん)として、(しゅ)(みや)(おさ)められる。
15また(とお)(ところ)(もの)どもが()て、(しゅ)(みや)()てることを(たす)ける。そしてあなたがたは万軍(ばんぐん)(しゅ)が、わたしをつかわされたことを()るようになる。あなたがたがもし(はげ)んで、あなたがたの(かみ)(しゅ)(こえ)()(したが)うならば、このようになる」。

第七章

1ダリヨス(おう)(だい)(ねん)の九(がつ)、すなわちキスリウという(つき)の四()に、(しゅ)言葉(ことば)がゼカリヤに(のぞ)んだ。 2その(とき)ベテルの人々(ひとびと)は、シャレゼル、レゲン・メレクおよびその従者(じゅうしゃ)をつかわして、(しゅ)(めぐ)みを()い、 3かつ万軍(ばんぐん)(しゅ)(みや)にいる祭司(さいし)()わせ、かつ預言者(よげんしゃ)()わせて()った、「わたしは(いま)まで、多年(たねん)おこなってきたように、五(がつ)()(かな)しみ、かつ断食(だんじき)すべきでしょうか」。 4この(とき)万軍(ばんぐん)(しゅ)言葉(ことば)がわたしに(のぞ)んだ、 5()のすべての(たみ)、および祭司(さいし)()げて()いなさい、あなたがたが七十(ねん)(あいだ)、五(がつ)と七(がつ)とに断食(だんじき)し、かつ()(かな)しんだ(とき)、はたして、わたしのために断食(だんじき)したか。 6あなたがたが()()みする(とき)、それは(まった)自分(じぶん)のために()い、自分(じぶん)のために()むのではないか。 7(むかし)エルサレムがその周囲(しゅうい)町々(まちまち)(とも)に、(ひと)()み、(さか)えていた(とき)、また(みなみ)()および平野(へいや)にも、(ひと)()んでいた(とき)に、さきの預言者(よげんしゃ)たちによって、(しゅ)がお()げになった言葉(ことば)は、これらの(こと)ではなかったか」。
8(しゅ)言葉(ことば)が、またゼカリヤに(のぞ)んだ、 9万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう(おお)せられる、真実(しんじつ)のさばきを(おこな)い、(たがい)(あい)いつくしみ、(あい)あわれみ、 10やもめ、みなしご、寄留(きりゅう)他国(たこく)(じん)および(まず)しい(ひと)を、しえたげてはならない。(たがい)(ひと)(がい)することを、(こころ)(はか)ってはならない」。 11ところが、(かれ)らは()くことを(こば)み、(かた)をそびやかし、(みみ)(にぶ)くして()きいれず、 12その(こころ)金剛石(こんごうせき)のようにして、万軍(ばんぐん)(しゅ)がそのみたまにより、さきの預言者(よげんしゃ)によって(つた)えられた、律法(りっぽう)言葉(ことば)とに()(したが)わなかった。それゆえ、(おお)いなる(いか)りが、万軍(ばんぐん)(しゅ)から()て、(かれ)らに(のぞ)んだのである。 13「わたしが()ばわったけれども、(かれ)らは()こうとしなかった。そのとおりに、(かれ)らが()ばわっても、わたしは()かない」と万軍(ばんぐん)(しゅ)(おお)せられる。 14「わたしは、つむじ(かぜ)をもって、(かれ)らを未知(みち)のもろもろの国民(こくみん)(なか)()らした。こうして(かれ)らが()った(のち)、この()()れて()()する(もの)もなく、この(うるわ)しい()()()となったのである」。

第八章

1万軍(ばんぐん)(しゅ)言葉(ことば)がわたしに(のぞ)んだ、 2万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、『わたしはシオンのために、(おお)いなるねたみを(おこ)し、またこれがために、(おお)いなる(いきどお)りをもってねたむ』。 3(しゅ)はこう(おお)せられる、『わたしはシオンに(かえ)って、エルサレムの(なか)()む。エルサレムは忠信(ちゅうしん)(まち)ととなえられ、万軍(ばんぐん)(しゅ)(やま)(せい)なる(やま)と、となえられる』。 4万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、『エルサレムの街路(がいろ)には(ふたた)()いた(おとこ)()いた(おんな)()するようになる。みな年寄(としより)人々(ひとびと)で、おのおのつえを()()つ。 5またその(まち)街路(がいろ)には、(おとこ)()(おんな)()()ちて、街路(がいろ)(あそ)(たわむ)れる』。 6万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、『その()には、たとい、この(たみ)(のこ)れる(もの)()に、不思議(ふしぎ)(こと)であっても、それはわたしの()にも、不思議(ふしぎ)(こと)であろうか』と万軍(ばんぐん)(しゅ)()われる。 7万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、『()よ、わが(たみ)(ひがし)(くに)から、また西(にし)(くに)から(すく)()し、 8(かれ)らを()れてきて、エルサレムに()まわせ、(かれ)らはわが(たみ)となり、わたしは(かれ)らの(かみ)となって、(とも)真実(しんじつ)正義(せいぎ)とをもって()つ』」。
9万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、「万軍(ばんぐん)(しゅ)(いえ)である(みや)()てるために、その(いしずえ)をすえた()からこのかた、預言者(よげんしゃ)たちの(くち)から()たこれらの言葉(ことば)を、きょう()(もの)よ、あなたがたの()(つよ)くせよ。 10この()以前(いぜん)には、(ひと)(はたら)きの(あたい)()ず、(けもの)(はたら)きの(あたい)()ず、また()(もの)もはいる(もの)も、あだのために安全(あんぜん)ではなかった。わたしはまた人々(ひとびと)(あい)たがいにそむかせた。 11しかし(いま)は、わたしのこの(たみ)(のこ)れる(もの)(たい)することは、さきの()のようではないと、万軍(ばんぐん)(しゅ)()われる。 12そこには、平和(へいわ)繁栄(はんえい)との(たね)がまかれるからである。すなわちぶどうの()()(むす)び、()産物(さんぶつ)()し、(てん)(つゆ)(あた)える。わたしはこの(たみ)(のこ)れる(もの)に、これをことごとく(あた)える。 13ユダの(いえ)およびイスラエルの(いえ)よ、あなたがたが、国々(くにぐに)(たみ)(なか)に、のろいとなっていたように、わたしはあなたがたを(すく)って祝福(しゅくふく)とする。(おそ)れてはならない。あなたがたの()(つよ)くせよ」。
14万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、「あなたがたの先祖(せんぞ)が、わたしを(いか)らせた(とき)に、(わざわい)(くだ)そうと(おも)って、これをやめなかったように、——万軍(ばんぐん)(しゅ)()われる—— 15そのように、わたしはまた今日(こんにち)、エルサレムとユダの(いえ)(めぐ)みを(あた)えよう。(おそ)れてはならない。 16あなたがたのなすべき(こと)はこれである。あなたがたは(たがい)真実(しんじつ)(かた)り、またあなたがたの(もん)で、真実(しんじつ)平和(へいわ)のさばきとを、(おこな)わなければならない。 17あなたがたは、(たがい)(ひと)(がい)することを、(こころ)(はか)ってはならない。(いつわ)りの(ちか)いを(この)んではならない。わたしはこれらの(こと)(にく)むからであると、(しゅ)()われる」。
18万軍(ばんぐん)(しゅ)言葉(ことば)がわたしに(のぞ)んだ、 19万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、四(がつ)断食(だんじき)と、五(がつ)断食(だんじき)と、七(がつ)断食(だんじき)と、十(がつ)断食(だんじき)とは、ユダの(いえ)(よろこ)(たの)しみの(とき)となり、よき(いわい)(とき)となる。ゆえにあなたがたは、真実(しんじつ)平和(へいわ)とを(あい)せよ。
20万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、もろもろの(たみ)および(おお)くの(まち)住民(じゅうみん)、すなわち、一つの(まち)住民(じゅうみん)は、()(まち)人々(ひとびと)のところに()き、 21『われわれは、ただちに()って、(しゅ)(めぐ)みを()い、万軍(ばんぐん)(しゅ)()(もと)めよう』と()うと、『わたしも()こう』と()う。 22(おお)くの(たみ)および(つよ)国民(こくみん)はエルサレムに()て、万軍(ばんぐん)(しゅ)(もと)め、(しゅ)(めぐ)みを()う。 23万軍(ばんぐん)(しゅ)は、こう(おお)せられる、その()には、もろもろの(くに)ことばの(たみ)(なか)から十(にん)(もの)が、ひとりのユダヤ(ひと)(ころも)のすそをつかまえて、『あなたがたと一緒(いっしょ)()こう。(かみ)があなたがたと(とも)にいますことを()いたから』と()う」。

第九章

1託宣(たくせん)
(しゅ)言葉(ことば)はハデラクの()(のぞ)み、
ダマスコの(うえ)にとどまる。
アラムの町々(まちまち)はイスラエルのすべての部族(ぶぞく)のように(しゅ)(ぞく)するからである。
2これに(さかい)するハマテもまたそのとおりだ。
非常(ひじょう)(かしこ)いが、ツロとシドンもまた同様(どうよう)である。
3ツロは自分(じぶん)のために、とりでを(きず)き、
(ぎん)をちりのように()み、
(きん)(みち)ばたの(どろ)のように()んだ。
4しかし()よ、(しゅ)はこれを()()り、
その(とみ)(うみ)(なか)()()れられる。
これは()()(ほろ)ぼされる。
5アシケロンはこれを()(おそ)れ、
ガザもまた()てもだえ(くる)しみ、
エクロンもまたその(のぞ)(ところ)のものが
はずかしめられて(くる)しむ。
ガザには(おう)()え、
アシケロンには()(もの)がなくなり、
6アシドドには混血(こんけつ)(たみ)()む。
わたしはペリシテびとの(ほこり)()つ。
7またその(くち)から()()(のぞ)き、
その()(あいだ)から(にく)むべき(もの)()(のぞ)く。
これもまた(のこ)ってわれわれの(かみ)()し、
ユダの(いち)民族(みんぞく)のようになる。
またエクロンはエブスびとのようになる。
8その(とき)わたしは、わが(いえ)のために(えい)()って、
見張(みは)りをし、()()する(もの)のないようにする。
しえたげる(もの)は、かさねて(とお)ることがない。
わたしが(いま)自分(じぶん)()()ているからである。
9シオンの(むすめ)よ、(おお)いに(よろこ)べ、
エルサレムの(むすめ)よ、()ばわれ。
()よ、あなたの(おう)はあなたの(ところ)()る。
(かれ)()なる(もの)であって勝利(しょうり)()
柔和(にゅうわ)であって、ろばに()る。
すなわち、ろばの()である()(うま)()る。
10わたしはエフライムから戦車(せんしゃ)()ち、
エルサレムから軍馬(ぐんば)()つ。
また、いくさ(ゆみ)()たれる。
(かれ)国々(くにぐに)(たみ)平和(へいわ)()げ、
その政治(せいじ)(うみ)から(うみ)(およ)び、
大川(おおかわ)から()(はて)にまで(およ)ぶ。
11あなたについてはまた、
あなたとの契約(けいやく)()のゆえに、
わたしはかの(みず)のない(あな)から、
あなたの(とら)われ(びと)()(はな)す。
12(のぞ)みをいだく(とら)われ(びと)よ、あなたの(しろ)(かえ)れ。
わたしはきょうもなお()げて()う、
(かなら)(ばい)して、あなたをもとに(かえ)すことを。
13わたしはユダを()って、わが(ゆみ)となし、
エフライムをその()とした。
シオンよ、わたしはあなたの()らを()(おこ)して、
ギリシヤの人々(ひとびと)()めさせ、
あなたを勇士(ゆうし)のつるぎのようにさせる。
14その(とき)(しゅ)(かれ)らの(うえ)(あらわ)れて、
その()をいなずまのように()られる。
(しゅ)なる(かみ)はラッパを()きならし、
(みなみ)のつむじ(かぜ)()って()てこられる。
15万軍(ばんぐん)(しゅ)(かれ)らを(まも)られるので、
(かれ)らは(いし)()げどもを()(つく)し、()みつける。
(かれ)らはまたぶどう(しゅ)のように(かれ)らの()()み、
(はち)のようにそれで()たされ、
祭壇(さいだん)のすみのように(ひた)される。
16その()(かれ)らの(かみ)(しゅ)は、(かれ)らを(すく)い、
その(たみ)(ひつじ)のように(やしな)われる。
(かれ)らは(かんむり)(たま)のように、その()(かがや)く。
17そのさいわい、その(うるわ)しさは、いかばかりであろう。
穀物(こくもつ)若者(わかもの)(さか)えさせ、
(あたら)しいぶどう(しゅ)は、おとめを(さか)えさせる。

第十章

1あなたがたは(はる)(あめ)(とき)に、
(あめ)(しゅ)()(もと)めよ。
(しゅ)はいなずまを(つく)り、大雨(おおあめ)人々(ひとびと)(たま)い、
()青草(あおくさ)をおのおのに(たま)わる。
2テラピムは、たわごとを()い、
(うらな)()(いつわ)りを()
夢見(ゆめみ)(もの)(いつわ)りの(ゆめ)(かた)り、
むなしい(なぐさ)めを(あた)える。
このゆえに、(たみ)(ひつじ)のようにさまよい、
牧者(ぼくしゃ)がないために(なや)む。
3「わが(いか)りは牧者(ぼくしゃ)にむかって()え、
わたしは()やぎを(ばっ)する。
万軍(ばんぐん)(しゅ)が、その()れの(ひつじ)であるユダの(いえ)(かえり)み、
これをみごとな軍馬(ぐんば)のようにされるからである。
4(すみ)(いし)(かれ)らから()
天幕(てんまく)(くい)(かれ)らから()
いくさ(ゆみ)(かれ)らから()
支配者(しはいしゃ)(みな)(かれ)らの(なか)から()る。
5(かれ)らが(たたか)(とき)勇士(ゆうし)のようになって、
(みち)ばたの(どろ)(なか)(てき)()みにじる。
(しゅ)(かれ)らと(とも)におられるゆえに(かれ)らは(たたか)い、
(うま)()(もの)どもを(こま)らせる。
6わたしはユダの(いえ)(つよ)くし、ヨセフの(いえ)(すく)う。
わたしは(かれ)らをあわれんで、(かれ)らを()(かえ)る。
(かれ)らはわたしに()てられたことのないようになる。
わたしは(かれ)らの(かみ)(しゅ)であって、
(かれ)らに(こた)えるからである。
7エフライムびとは勇士(ゆうし)のようになり、
その(こころ)(さけ)()んだように(よろこ)ぶ。
その()(とも)らはこれを()(よろこ)び、
その(こころ)(しゅ)によって(たの)しむ。
8わたしは(かれ)らに()かい、口笛(くちぶえ)()いて(かれ)らを(あつ)める、
わたしが(かれ)らをあがなったからである。
(かれ)らは(むかし)のように数多(かずおお)くなる。
9わたしは(かれ)らを国々(くにぐに)(たみ)(なか)()らした。
しかし(かれ)らは(とお)国々(くにぐに)でわたしを(おぼ)え、
その子供(こども)らと(とも)()きながらえて(かえ)ってくる。
10わたしは(かれ)らをエジプトの(くに)から()(かえ)り、
アッスリヤから(かれ)らを(あつ)める。
わたしはギレアデの()およびレバノンに
(かれ)らを()れて()く。
(かれ)らはいる(ところ)もないほどに(おお)くなる。
11(かれ)らはエジプトの(うみ)(とお)る。
(うみ)(なみ)()たれ、
ナイルの(ふち)はことごとくかれた。
アッスリヤの(たか)ぶりは(ひく)くされ、
エジプトのつえは(うつ)()る。
12わたしは(かれ)らを(しゅ)によって(つよ)くする。
(かれ)らは(しゅ)()(ほこ)る」と
(しゅ)()われる。

第十一章

1レバノンよ、おまえの(もん)(ひら)き、
おまえの香柏(こうはく)()()(ほろ)ぼさせよ。
2いとすぎよ、()(さけ)べ。
香柏(こうはく)(たお)れ、
みごとな()は、そこなわれたからである。
バシャンのかしよ、()(さけ)べ。
(しげ)った(はやし)(たお)れたからである。
3()け、牧者(ぼくしゃ)()(さけ)(こえ)を。
(かれ)らの(さか)えが()()ったからである。
()け、ししのほえる(こえ)を。
ヨルダンの(くさ)むらが()()てたからである。
4わが(かみ)(しゅ)はこう(おお)せられた、「ほふらるべき(ひつじ)()れの牧者(ぼくしゃ)となれ。 5これを()(もの)は、これをほふっても(ばっ)せられない。これを()(もの)()う、『(しゅ)はほむべきかな、わたしは()んだ』と。そしてその牧者(ぼくしゃ)は、これをあわれまない。 6わたしは、もはやこの()住民(じゅうみん)をあわれまないと、(しゅ)()われる。()よ、わたしは(ひと)をおのおのその牧者(ぼくしゃ)()(わた)し、おのおのその(おう)()(わた)す。(かれ)らは()(あら)す。わたしは(かれ)らの()からこれを(すく)()さない」。
7わたしは(ひつじ)商人(しょうにん)のために、ほふらるべき(ひつじ)()れの牧者(ぼくしゃ)となった。わたしは二(ほん)のつえを()り、その一(ぽん)(めぐ)みと()づけ、一(ぽん)(むす)びと()づけて、その(ひつじ)(ぼく)した。 8わたしは一か(げつ)牧者(ぼくしゃ)(にん)(ほろ)ぼした。わたしは(かれ)らに、がまんしきれなくなったが、(かれ)らもまた、わたしを()みきらった。 9それでわたしは()った、「わたしはあなたがたの牧者(ぼくしゃ)とならない。()(もの)()に、(ほろ)びる(もの)(ほろ)び、(のこ)った(もの)はたがいにその(にく)()いあうがよい」。 10わたしは(めぐ)みというつえを()って、これを()った。これはわたしがもろもろの(たみ)(むす)んだ契約(けいやく)を、(はい)するためであった。 11そしてこれは、その()(はい)された。そこで、わたしに()(そそ)いでいた(ひつじ)商人(しょうにん)らは、これが(しゅ)言葉(ことば)であったことを()った。 12わたしは(かれ)らに()かって、「あなたがたがもし、よいと(おも)うならば、わたしに賃銀(ちんぎん)(はら)いなさい。もし、いけなければやめなさい」と()ったので、(かれ)らはわたしの賃銀(ちんぎん)として、(ぎん)三十シケルを(はか)った。 13(しゅ)はわたしに()われた、「(かれ)らによって、わたしが()()られたその(たっと)(あたい)を、(みや)のさいせん(はこ)()()れよ」。わたしは(ぎん)三十シケルを()って、これを(しゅ)(みや)のさいせん(はこ)()()れた。 14そしてわたしは(むす)びという(だい)二のつえを()った。これはユダとイスラエルの(あいだ)の、兄弟(きょうだい)関係(かんけい)(はい)するためであった。
15(しゅ)はわたしに()われた、「おまえはまた(おろ)かな牧者(ぼくしゃ)(うつわ)()れ。 16()よ、わたしは()にひとりの牧者(ぼくしゃ)(おこ)す。(かれ)(ほろ)ぼされる(もの)(かえり)みず、(まよ)える(もの)(たず)ねず、(きず)ついた(もの)をいやさず、(すこ)やかな(もの)(やしな)わず、()えた(もの)(にく)()らい、そのひずめをさえ()(もの)である。
17その(ひつじ)()れを()てる(おろ)かな牧者(ぼくしゃ)はわざわいだ。
どうか、つるぎがその(うで)()ち、
その(みぎ)()()つように。
その(うで)(まった)(おとろ)え、
その(みぎ)()(まった)()えなくなるように」。

第十二章

1託宣(たくせん)
イスラエルについての(しゅ)言葉(ことば)。すなわち(てん)をのべ、()(もとい)をすえ、(ひと)(れい)をその(なか)(つく)られた(しゅ)は、こう(おお)せられる、 2()よ、わたしはエルサレムを、その周囲(しゅうい)にあるすべての(たみ)をよろめかす(さかずき)にしようとしている。これはエルサレムの()(かこ)まれる(とき)、ユダにも(およ)ぶ。 3その()には、わたしはエルサレムをすべての(たみ)(たい)して(おも)(いし)とする。これを()ちあげる(もの)はみな(だい)(きず)()ける。()国々(くにぐに)(たみ)(みな)(あつ)まって、これを()める。 4(しゅ)()われる、その()には、わたしはすべての(うま)()って(おどろ)かせ、その()()()って(くる)わせる。しかし、もろもろの(たみ)(うま)を、ことごとく()って、めくらとするとき、ユダの(いえ)(たい)しては、わたしの()(ひら)く。 5その(とき)ユダの(しょ)(ぞく)は、その(こころ)(なか)に『エルサレムの住民(じゅうみん)は、その(かみ)万軍(ばんぐん)(しゅ)によって力強(ちからづよ)くなった』と()う。 6その()には、わたしはユダの(しょ)(ぞく)を、たきぎの(なか)火皿(ひざら)のようにし、(むぎ)(たば)(なか)のたいまつのようにする。(かれ)らは(みぎ)(ひだり)に、その周囲(しゅうい)にあるすべての(たみ)を、()(ほろ)ぼす。しかしエルサレムはなお、そのもとの(ところ)、すなわちエルサレムで、(ひと)()(ところ)となる。
7(しゅ)はまずユダの幕屋(まくや)(すく)われる。これはダビデの(いえ)光栄(こうえい)と、エルサレムの住民(じゅうみん)光栄(こうえい)とが、ユダの光栄(こうえい)にまさることのないようにするためである。 8その()(しゅ)はエルサレムの住民(じゅうみん)(まも)られる。(かれ)らの(なか)(よわ)(もの)も、その()には、ダビデのようになる。またダビデの(いえ)(かみ)のように、(かれ)らに(さき)だつ(しゅ)使(つかい)のようになる。 9その()には、わたしはエルサレムに()めて()国民(こくみん)を、ことごとく(ほろ)ぼそうと(つと)める。
10わたしはダビデの(いえ)およびエルサレムの住民(じゅうみん)に、(めぐ)みと(いのり)(れい)とを(そそ)ぐ。(かれ)らはその()した(もの)()(とき)、ひとり()のために(なげ)くように(かれ)のために(なげ)き、ういごのために(かな)しむように、(かれ)のためにいたく(かな)しむ。 11その()には、エルサレムの(なげ)きは、メギドの平野(へいや)にあったハダデ・リンモンのための(なげ)きのように(おお)きい。 12(くに)じゅう、氏族(しぞく)おのおの(わか)れて(なげ)く。すなわちダビデの(いえ)氏族(しぞく)(わか)れて(なげ)き、その(つま)たちも(わか)れて(なげ)く。ナタンの(いえ)氏族(しぞく)(わか)れて(なげ)き、その(つま)たちも(わか)れて(なげ)く。 13レビの(いえ)氏族(しぞく)(わか)れて(なげ)き、その(つま)たちも(わか)れて(なげ)く。シメイの氏族(しぞく)(わか)れて(なげ)き、その(つま)たちも(わか)れて(なげ)く。 14その()氏族(しぞく)(みな)(わか)れて(なげ)き、その(つま)たちも(わか)れて(なげ)くのである。

第十三章

1その()には、(つみ)(けが)れとを(きよ)める(ひと)つの(いずみ)が、ダビデの(いえ)とエルサレムの住民(じゅうみん)とのために(ひら)かれる。
2万軍(ばんぐん)(しゅ)()われる、その()には、わたしは()から偶像(ぐうぞう)()()(のぞ)き、(かさ)ねて(ひと)(おぼ)えられることのないようにする。わたしはまた預言者(よげんしゃ)および(けが)れの(れい)を、()から()らせる。 3もし、(ひと)今後(こんご)預言(よげん)するならば、その()みの父母(ふぼ)はこれにむかって、『あなたは(しゅ)()をもって(いつわ)りを(かた)るゆえ、()きていることができない』と()い、その()みの父母(ふぼ)(かれ)預言(よげん)している(とき)(かれ)()すであろう。 4その()には、預言者(よげんしゃ)たちは(みな)預言(よげん)する(とき)、その(まぼろし)()じる。また(ひと)(あざむ)くための()上着(うわぎ)()ない。 5そして『わたしは預言者(よげんしゃ)ではない、わたしは土地(とち)(たがや)(もの)だ。(わか)(とき)から土地(とち)()っている』と()う。 6もし、(ひと)(かれ)に『あなたの背中(せなか)(きず)(なに)か』と(たず)ねるならば、『これはわたしの(とも)だちの(いえ)()けた(きず)だ』と、(かれ)()うであろう」。
7万軍(ばんぐん)(しゅ)()われる、
「つるぎよ、()()がってわが牧者(ぼくしゃ)()めよ。
わたしの(つぎ)()(ひと)()めよ。
牧者(ぼくしゃ)()て、その(ひつじ)()る。
わたしは()をかえして、(ちい)さい(もの)どもを()める。
8(しゅ)()われる、(ぜん)()(ひと)の三(ぶん)の二は()たれて()に、
(ぶん)の一は()(のこ)る。
9わたしはこの三(ぶん)の一を()(なか)()れ、
(ぎん)をふき()けるように、これをふき()け、
(きん)精錬(せいれん)するように、これを精錬(せいれん)する。
(かれ)らはわたしの()()び、わたしは(かれ)らに(こた)える。
わたしは『(かれ)らはわが(たみ)である』と()い、(かれ)らは『(しゅ)はわが(かみ)である』と()う」。

第十四章

1()よ、(しゅ)()()る。その(とき)あなたの(うば)われた(もの)は、あなたの(なか)()かたれる。 2わたしは万国(ばんこく)(たみ)(あつ)めて、エルサレムを()()たせる。(まち)()られ、(いえ)はかすめられ、(おんな)(おか)され、(まち)(なか)ばは(とら)えられて()く。しかし(のこ)りの(たみ)(まち)から()たれることはない。 3その(とき)(しゅ)()てきて、いくさの()にみずから(たたか)われる(とき)のように、それらの(くに)びとと(たたか)われる。 4その()には(かれ)(あし)が、(ひがし)(ほう)エルサレムの(まえ)にあるオリブ(やま)(うえ)()つ。そしてオリブ(やま)は、非常(ひじょう)(ひろ)い一つの(たに)によって、(ひがし)から西(にし)に二つに()け、その(やま)(なか)ばは(きた)に、(なか)ばは(みなみ)(うつ)り、 5わが(やま)(たに)はふさがれる。()けた(やま)(たに)が、そのかたわらに接触(せっしょく)するからである。そして、あなたがたはユダの(おう)ウジヤの()に、地震(じしん)()けて()げたように()げる。こうして、あなたがたの(かみ)(しゅ)はこられる、もろもろの聖者(せいじゃ)(とも)にこられる。
6その()には、(さむ)さも(しも)もない。 7そこには(なが)連続(れんぞく)した()がある((しゅ)はこれを()られる)。これには(ひる)もなく、(よる)もない。夕暮(ゆうぐれ)になっても、(ひかり)があるからである。
8その()には、()ける(みず)がエルサレムから(なが)()て、その(なか)ばは(ひがし)(うみ)に、その(なか)ばは西(にし)(うみ)(なが)れ、(なつ)(ふゆ)もやむことがない。
9(しゅ)(ぜん)()(おう)となられる。その()には、(しゅ)ひとり、その()一つのみとなる。
10(ぜん)()はゲバからエルサレムの(みなみ)リンモンまで、平地(へいち)のように(かわ)る。しかしエルサレムは(たか)くなって、そのもとの(ところ)にとどまり、ベニヤミンの(もん)から、(さき)にあった(もん)(ところ)(およ)び、(すみ)(もん)(いた)り、ハナネルのやぐらから、(おう)(さか)ぶねにまで(およ)ぶ。 11その(なか)には(ひと)()み、もはやのろいはなく、エルサレムは(やす)らかに()つ。
12エルサレムを攻撃(こうげき)したもろもろの(たみ)を、(しゅ)(わざわい)をもって()たれる。すなわち(かれ)らはなお(あし)()っているうちに、その(にく)(くさ)れ、()はその(あな)(なか)(くさ)れ、(した)はその(くち)(なか)(くさ)れる。 13その()には、(しゅ)(かれ)らを(おお)いにあわてさせられるので、(かれ)らはおのおのその(とな)(びと)(とら)え、()をあげてその(とな)(びと)()める。 14ユダもまた、エルサレムに(てき)して(たたか)う。その周囲(しゅうい)のすべての(くに)びとの財宝(ざいほう)、すなわち金銀(きんぎん)衣服(いふく)などが、はなはだ(おお)(あつ)められる。 15また(うま)()、らくだ、ろば、およびその陣営(じんえい)にあるすべての家畜(かちく)にも、この(わざわい)のような(わざわい)(のぞ)む。
16エルサレムに()めて()たもろもろの(くに)びとの(のこ)った(もの)は、(みな)年々(ねんねん)(のぼ)って()て、(おう)なる万軍(ばんぐん)(しゅ)(おが)み、仮庵(かりほ)(まつり)(まも)るようになる。 17()(しょ)(ぞく)のうち、(おう)なる万軍(ばんぐん)(しゅ)(おが)むために、エルサレムに(のぼ)らない(もの)(うえ)には、(あめ)()らない。 18エジプトの人々(ひとびと)が、もし(のぼ)ってこない(とき)には、(しゅ)仮庵(かりほ)(まつり)(まも)るために、(のぼ)ってこないすべての(くに)びとを()たれるその(わざわい)が、(かれ)らの(うえ)(のぞ)む。 19これが、エジプトびとの()ける(ばつ)、およびすべて仮庵(かりほ)(まつり)(まも)るために(のぼ)ってこない(くに)びとの()ける(ばつ)である。
20その()には、(うま)(すず)(うえ)に「(しゅ)(せい)なる(もの)」と、しるすのである。また(しゅ)(みや)のなべは、祭壇(さいだん)(まえ)(はち)のように、(せい)なる(もの)となる。 21エルサレムおよびユダのすべてのなべは、万軍(ばんぐん)(しゅ)(たい)して(せい)なる(もの)となり、すべて犠牲(ぎせい)をささげる(もの)()てこれを()り、その(なか)犠牲(ぎせい)(にく)()ることができる。その()には、万軍(ばんぐん)(しゅ)(みや)に、もはや商人(しょうにん)はいない。