Pilgrim Holiness Advocate 誌 十三巻―― 一九三三年六月二十二日 ――二十五号
(注記: 以下の記事は特別記念号には全然間に合わなかったが、今出版することにする。われわれの亡くなった指導者の人となりに対するこのような麗しい正当な賛辞を読者はきっと楽しむにちがいない。長年、彼と親しく交際してきた人がこれを記したのである――編者。)
キリストの勇敢な兵士たちの中でも、故人は最も勇敢で英雄的な兵士の一人であり、麗しい領域――そこで疲れた兵士たちは休息し、十字架の勝利は永遠に語り継がれる――に住むよう召された。彼は絶え間ない六十年の奉仕――それは最後まで類い希なる成功で彩られていた――の後、戦いに倒れた。肉体的に全く弱り果てて倒れた後、数ヶ月生きながらえたが、その後、輝かしいカリフォルニアの夜明けが夜の闇を押し戻して、麗しいシエラを越えて微笑み始めるように、彼の霊は土くれの住まいを何の苦闘の痕跡も残さずに抜け出して、帰郷の招きに、彼が大いに愛して最後まで従った隊長の点呼に応じたのだった。
この瀕死の聖徒のベッドのそばに、愛されている者たちに囲まれて立ち、その激しい苦痛の表情を見た時、その苦痛は肉体を酷く苦しめるものだったのだが、その表情は安らかな安息に満ちたきわめて穏やかな平安の表情に変わっていった。その時われわれは、「これは死ではない。戴冠式であり、帰郷なのだ」と感じて述懐せざるをえなかった。われわれの心の中に、昔の愛唱歌の言葉が鳴り響き続けた、
「この輝かしい戦いの中にあるあなたの聖徒らは、 たとえ死んでも勝利する。 彼らは遠くから勝利を仰ぎ見る、 信仰により勝利を引き寄せる。」
筆者がセス・クック・リース師に初めて会ったのは三十年以上前のことだが、それから今に至るまで、われわれはこの偉大な人物をあらゆる種類の状況下で見てきた。また、彼が卓越した高い水準に達するのを見た。彼は人の子らの中でもきわめて非凡な者として際立っている。彼は確かに偉大な説教者だった。炎のような雄弁さで、溶けた黄金の大河のようにその心と口から注ぎ出される力強い真理の流れの力と影響の下に、ただの若者として座していたあの最初の日々をわれわれは決して忘れないだろう。数年前に始まった老年期も、彼のペースを落とすことはないように思われた。それどころか、全く彼独自の麗しい仕草で、白くなった髪に指を通し、その力と雄弁さでわれわれを驚かせたものだった。
彼は実に、この土地や他の土地にもほとんど並び立つ者がいないほどの説教者だった。彼は偉大なクリスチャン戦士だった。戦いの煙を好んでいた。塹壕戦、辛く厳しい行軍、接近戦、深々と守りを固めた敵、これらのものがみな一丸となってこの人の内にあった最上のものを引き出した。彼の狙いに間違いはなかった。彼の弾丸のような言葉は人々の心を打った。悪に対する善のこれらすべての戦いで、彼のダマスカスの剣が閃き渡った。何度も何度も、勝利の絶頂に達しようとする途方もない苦闘の中で。すすり泣くおべっかつかい(後退者、日和見主義者)や、この鋭い刃がなぎ払う先に入り込んだ図々しい十字架の敵は痛い目にあった。この剣は祈りによって絶えず磨かれ、抑えきれない個人的確信によって研ぎ澄まされていたのである。
彼は偉大な人だった。偏狭さや卑しさは決してなかった。彼は高潔で、品位に欠けるものに屈することができなかった。彼にとって聖潔とは、罪の世を否むことを意味した。いかなる妥協も、十字架なき宗教の安易な妥協も、この世に倣うことも、彼にとって重大な罪だった。明らかに間違っているものや疑わしいものを彼は全く容赦しなかった。彼はまがいものを忌み嫌った。彼は悪と悪党とを適切に分類しようとした。しかし、それ以外の人々を非難することを拒んだ。
彼の誠実さは素晴らしかったので、銀行家たちにとって彼の言葉は頼りになるものだった。彼の言葉はまるで英国銀行の保証のように価値があった。彼には決してそうする必要はなかったが、かりに借金を返せなくなるくらいなら、その前に半分の食料で生活して激安の衣服を着ようとしただろう。われわれがこのような人を何年も見上げてきたこと、この人のゆえに神に無数の感謝をささげてきたことは、だから驚くべき事ではないだろうか?
この六十年間聖潔運動の屋台骨を支えてきた人々が、早くも引退しつつある。今、妥協するくらいなら死を選ぶもう一人の偉人が逝った。このような人々の跡を継ぐのは誰か?この穴を埋めて全き救いの旗を高く掲げる屈強の若者の軍隊が必要な時である。学位やいわゆる頭脳に対する安易な信頼が目に余る状況である。今、一人また一人と去って行く、このような昔の戦士たちは、今のやわな時代が生み出す多くの人が一生かかって得るよりも多くの人を、一時間で得ていただろう。神がわれわれに人々を与えてくださいますように!逞しくて聖い人々を!――この道を歩んで、危機の時にしくじらない人々を。
残っているわれわれの上に、強力な務めの外套が下りますように。そうすればわれわれも最後まで勝利のうちに自分の行路を終えられるし、太陽が沈まない常朝の国からの点呼に応えるべき時が来る時、静かに息を引き取れるのである。