「私たちの古い人はキリストと共に十字架につけられました。それはこの罪の体が滅ぼされるためです」（ローマ6:6）。
「見なしなさい」と使徒は言いました。「あなたたちは罪に対して死んでいると見なしなさい」。罪（複数形）に対して死んでいるだけでなく、罪（単数形）に対して、「罪の体」に対して――「古い人」に対して――死んでいると見なしなさい。しかし、何のためでしょう？これ以降、私たちが罪に仕えないためです。「これ以降、私たちに罪がなくなるため」ではなく、私たちが罪に仕えないためです。支配者としての罪――これは終わったのです！霊を支配する罪、魂を支配する罪、体を支配する罪は終わりました。「ああ！どうすれば罪の束縛から解かれることができるのだろう？」と魂は尋ねます。「見なしなさい」と使徒は答えます。
もし罪の刑罰からの解放を願うのなら、私たちは信じなければなりません。「御子を信じる者は永遠の命を持ちます」――永遠の死ではなく、永遠の命を持ちます。キリストの死を通して刑罰は終わり、私たちは彼を信じ続けます。もし罪の意識があるなら、私たちは告白しなければなりません。「もし私たちが自分の罪を告白するなら、彼は信実で正しい方ですから、私たちの罪を赦し、私たちをすべての不義から清めて下さいます」。しかし、もし罪の力の下にあって、解放を望むのなら、私たちは罪に対して死んだと「見な」さなければなりません。
「しかし、私はそう見なしました」と魂は言います。過去にそう見なしただけでは不十分であり、私たちは今この瞬間そう見なさなければなりません。罪に対して死にました。死につつあるのではなく、死んだのです。私たちのこの一つの行為により、私たちは罪との関係を絶ち、拒否します。そして、私たちがこう見なす時、主は働いて私たちを罪の支配から解放して下さいます。罪は思いもよらない所にあるかもしれません。疑いの罪、恐れの罪、貪欲――金銭欲だけでなく様々な所有欲も――の罪、高慢、霊的高慢の罪、神と霊的な人以外誰も見たことのない罪、があるかもしれないのです。
罪！この世界と教会は罪に満ちています。右を見ると、罪が目に飛び込んできます。左を見ても、罪があります。講壇に目を向けると、そこにも罪が見つかります。集会所の中に罪があります。新聞に目を向けると、罪を見ます。本の中に罪があり、祈りの中に罪があり、説教の中に罪があります。罪！罪！罪！罪が支配しており、こんなにも巨大な仕事場があるのをサタンは喜んでいます。世界の中の罪、教会の中の罪、リバイバルの中の罪。私の兄弟よ、こんなにも多くの罪のせいで、私たちの視界から天が失われかけています。ああ！「何と恐ろしい光景か！」とある人は言います。ああ！私の友よ、私に罪の真相と立場を描写する力があれば！そうすれば、人は二度とあえて罪に触れようとは思わなくなるでしょう。ああ、恐ろしい罪！ああ、破壊的な罪！罪を滅ぼす十字架のゆえに、神を賛美します。
友よ、あなたは「罪に対して死んだ」という栄光の、力強い、不変の土台の上に立っておられるでしょうか？もし立っているなら、敵によってそこから引き離されないよう気をつけなさい。もし立っていないなら、直ちにあなたの場所に来て、「私は私たちの主イエス・キリストを通して罪に対して死んだと見なします」と言いなさい。その時、神があなたの屈しようとしない霊の罪からあなたを解放して下さるのを、あなたは経験するでしょう。「肉と霊の汚れ」と使徒は言いました。ああ、祈るための純粋な霊が必要です。人々に純粋なものだけを与える純粋な霊が必要です。敵のあらゆる激怒に対抗して立つことのできる霊が必要です。肉や血に対抗して立つだけでなく、主権者たちに対抗して、権威者たちに対抗して、この暗闇の世の支配者たちに対抗して、天上にいる悪の霊の軍勢に対抗して立つのです。私たちの内におられる方は、これらに対抗して立ち、抵抗するためではないでしょうか？重要なのは私たちの体、私たちの思いや私たちの魂でしょうか？いいえ！そうではなく、私たちの霊です。霊と格闘する霊なのです。
「罪に対して死んだ」というこの岩に来なさい。それは、立つための良い土台をあなたが得るためです。立ちなさい、兄弟よ。この岩の上に立ちなさい。この岩の上に立って援護し、反対しなさい。あらゆる悪に反対し、あらゆる善を援護しなさい。神のために立ち、サタンに反対して立ちなさい。私たちの二つの大敵は罪とサタンです。キリストの十字架を通して、あなたは自分自身と人々のために、これらに対する勝利を得ることができます。もしあなたが悪しき者の力の中にあるなら、「罪に対して死んだ」というこの真理の上に立ちなさい。あなたをこの土台から引き離そうとするすべてのものに対抗して立ちなさい。立ちなさい。もしあなたがこの真理の上に立つなら、私はあなたに保証することができます。神はあなたを罪の力から解放して下さるでしょう。私たちは罪の支配から解放されました。罪が私たちを支配することはありません。罪に支配させてはなりません！
エバン・ロバーツ