分解
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一 一人の強い天使の姿 1~2
二 七つの雷の声 3~4
三 天使の誓言 5~7
四 小さい巻物と天使の命令 8~11
略解
〔1〕「一人の強き天使」キリスト。「雲を着て」み座のそばに雲がある。(詩九七2)、雲に乗ってくることは神の栄光、威厳を現わす。「天より降る」これは主の再臨ではない。ヨハネの黙示したところのものである。「日」栄光。「火の柱」堅固。この足の行くところを焼きつくす恐ろしい光景を示している。
〔2〕「小さき巻物」五章にあった巻物であろうとの説がある。「その右の足を海の上にふみ、左の足を地にふみ」キリストが陸と海とを全く占領されることの意。すなわち、一時は敵の手に渡されたが、今や全く敵を一掃し、ご自身のものとされるのである。「ふみ」占領する意(申一一24)。キリストご自身のものとして要求される。
〔3〕「大声」キリストはユダの獅子として現われた。天地も震動せんばかりの大声で叫ばれた(エレミヤ三六29~31)。今はキリストは、聖霊によって細き声でささやかれるが、やがて大声を叫び給う時が来るのである(アモス三8)。
〔4〕「七つの雷」審判。キリストの命令に応じて審判を実行する声を発せられる。ヨハネはこの声の意を記そうとしたが、神が深い聖いみ旨をもって記すことを許されず、封じられたのである。
〔5、6〕海と陸とにその名を誇られるキリストが、天の内や地の上のすべての権能を持っておられ、かつその大能の右の手を挙げて永遠から永遠に活きて働かれる父なる神、すなわち、万有を造り、これを支配しておられる神に対して、こののち時を延ばすことをしないと誓われる。神は、のろわれるべき地を長く忍んでおられたが、やがてこの後時を延ばすべきでないという時が来るのである(ペテロ後三3~9参照)。
〔7〕第七のラッパの鳴るときに、ことごとく予言が成就し、地は全く一掃されて、神のものとなるのである。「奥義」第一は、神の審判、第二は神の国の建設である。
〔8〕天から声があってヨハネにこのように命令した。これはまた新約の私たちに対する命令でもある。これは第一の命令である。
〔9〕「小さき巻物」神の黙示。ことに世の終りに関する黙示である。「与えよ」キリストに行き、この巻物を私に与えよと祈るのである。「食い尽せ」第二の命令である。ただ取るのみではなく、悟るだけでもなく、黙示録を自分のものとして聞き、自分の霊の糧として食してしまうようにとの意。「腹苦しくなるべし」黙示録が全く腹の中に入って霊眼が開け、その状態を見せられる時に、霊魂の前途の状態を思って、悲しみ嘆いて苦しむに至るのである。黙示録は、霊のために悲しみ嘆かせる書物である。「蜜の如く甘からん」黙示録を真に解し得るようになれば、自己の栄と祝福を知って喜ぶに至るのである。
〔11〕「予言すべし」その甘きと苦きを知った者は、真の予言者となり、神の口となって語ることができる。昔の予言者が貴賤上での区別なく預言したように、私たちも預言すべきである。儀文の預言ではなく、精神的な預言は救いについては蜜のように甘く、審判の恐しさについては、腹が苦しくなったときのようになることを悟ったところの者が、なすべきである。