緒言

笹尾鉄三郎

一、記者 使徒ヨハネ

二、時 紀元九六年あるいは九七年

三、場所 パトモス島であろう。

四、時機

ヨハネは、長い間エルサレムに住んでいたが、後にエペソに移り、そこを中心に小アジアの諸教会を監督したものと思われる。当時彼は、迫害のためにパトモスの島へ流されていたが(一9)、主イエスはそこでこの驚くべき黙示を彼にさずけ、彼を通して私たちに光を与えられたのである。ヨハネは、その後放免されてエペソに帰り、そこで紀元百年頃まで長寿を保つことができた。

五、特色

本書は元来その理解に困難な預言であるが、そうかといって人々の思うほど不可解な秘義ではない。これは黙示であって、すなわち神のみ旨、また現在および未来の事どもの開示である。主はこの書を読みその聖言を守る人々のためにとくに祝福を宣言しておられる(一3)。それゆえ私たちは聖霊に依り頼み、希望と勤勉とをもって、本書を学ぼうではないか。

六、鍵節 一19

七、分解

(一)「見し所のこと」(主の顕現)一

(二)「今ある所のこと」(七の教会に対する告諭)二~三

(三)「後ある所のこと」(主の再臨より新天地に至るまでの預言)四~二二

本書に現われたキリストの聖名

一 神 一8

二 人 同13

三 十字架に釘づけられた者 同5

四 復活して生きている者 同518

五 大預言者(忠信なる証人) 同5

六 祭司の長 同13

七 審判者 同13

八 摂理の主 五5

九 聖徒の王、教会の首 一1316

十 再臨の主 同7

十一 天国の光と栄 二一23

十二 万国の王 一5

十三 イスラエルの王 五5

十四 その民を愛して潔める者 一5

十五 罪人を愛する者 二二17