付録

T. オースチン-スパークス

「天然の人」と「古い人」

ある著者は、「天然の人」と「古い人」とを区別します。それによると、「古い人」は完全に堕落しており、「神に属する特徴が一つも」ありませんが、「天然の人」は、「天然の愛情、優しさ、また時として示される、仲間たちを扱う際の大いなる真実さや正直さ」のように、神に属する特徴の痕跡を帯びています。人のこの区別が、人本主義者と「全体的堕落」主義者との間の論争の基礎です。本書で述べてきたことの要点は、「人間存在の一部である魂は必ずしも邪悪なものではないけれども、二つの理由から、自己救済や神の御前における功績という人本主義的な領域の完全に外にある」というものです:

(1)魂は「虚無」(ローマ人への手紙八章二〇節)と、コリント人への第一の手紙二章十四節の大いなる「できない(cannot)」の支配下にあります。

(2)魂は人の内なる部分であり、悪の勢力との共謀を通して、それらと同盟しています。人の霊が生かされて新しくされる時だけ、人はこの同盟の恐ろしさを真に知ることができます。