「なお、私が見ていると、見よ、小羊がシオンの山の上に立っており、また、彼と共に十四万四千人がいて、彼の名と彼の父の名がその額に書かれていた。また私は、多くの水の音のような、激しい雷鳴のような、天からの声を聞いた。私が聞いたその声は、琴をひく人が竪琴をひく音のようであった。彼らは、御座の前で、四つの生き物と長老たちの前で、新しい歌を歌う。その歌は、地から外へ買い取られた十四万四千人のほか、だれも学ぶことができなかった。これらの者は、女によって汚されなかった者である。彼らは純潔な者たちである。これらの者は、彼の行く所へはどこへでも従って行く。これらの者は、神と小羊への初穂として、人々の間から買い取られたのである。彼らの口には、偽りが見いだされなかった。彼らには傷がない。」（黙十四・一～五）
この節は神の御旨全体のまさに核心を突いています。これは、人に関する神の御旨と道の歴史における一切の事に対する鍵である、と感じます。もしこの節を理解するなら、私たちの問題の多くは解決され、私たちが抱えている深い疑問にも答えが与えられるでしょう。ここに集約されているこの問題はとても重大なので、それに関してただならぬ戦いが生じます――霊的戦いだけでなく、非霊的な論争も生じます。自分の立場を明確にしない限り、私たちはあまり遠くまで進めないでしょう。そのためには、真の誠実さ、忠信さ、勇気が必要です。
戦いと論争のこの領域で、とても多くのことを伝える一つの句があります。それは福音的クリスチャンの間ですら深刻な疑義が持たれている句であり、もしそれが神の御言葉の中になければ、私自身もこれが理由でそれを避けていたでしょう。しかし、使徒ヨハネが用いた一つの句によって生じた疑義を、私たちは彼に着せることはできません。そのような句を用いた時に彼が何を言わんとしていたのかを、私たちは誠実に理解しようと努めなければなりません。私が述べているのは「初穂」という句についてです。「これらの者は（中略）小羊への初穂として（中略）買い取られた」。
おそらく、この句を理解する最も助けになる有益な方法は、それが言及している十四万四千人が誰かを特定しようと努めることでしょう。しかしそうする前に、すなわち、この群れが誰かを特定しようとする前に、その反対の姿勢を取る方がいいでしょう。なぜなら、そのような姿勢には理由があるかもしれないからです。真理の或る特定の面があまりにも強調されすぎて、それが全体的真理と見なされるようになる時――この問題に関しては、ある集団の中で、確かにこれが起きました――反対の姿勢には常に理由があるものなのです。また、そのような誇大な強調により、主の民が分裂して、排他的な優越感を抱く結果になることが許される時、それを疑って反対の態度を取ること、少なくとも反対の立場を取ることには一理あるのです。さらに、誤った点に強調点が置かれて、必然的にバランスの崩れた状況が生じる時、その問題に対する疑問を公にするのは正しいことかもしれません。そして、この特定の問題では、まさにそれが起きたのです。諸々の用語が造られましたが、それらは誤った点を強調するものであることが直ちに明らかになりました。例えば「携挙」という用語と、それと共に「選択的」というあのもう一つの言葉です。この用語は確かに誤った点を強調しています。このような句が使われる時、私たちは的を外します。この用語を造ってそれを用いている人々によって導かれた結論は、からだの分裂を意味します。主がご自身の勝利の喜びと恵みにより、だれかを臨在の中にもたらされる時――主はこれを私たちの生活でほぼ毎瞬行ってくださっています――私たちは決して「あなたはからだの中に分裂を生じさせています」と主を責めたりしません。もし私たちがこれを知ってさえいれば、今この時、世界中の無数の場所から、神の子供たちはその臨在の中に見事に召されようとしているところだったでしょう――言わば、一団全体が直ちに上らんとしているところだったでしょう。主は残りの者たちを少し長く残すことでからだの中に分裂を生じさせられる、とは私たちは決して思いません。強調点が誤っていました。この間違いを直ちに取り除きましょう。なぜなら、その前提は全くの誤りだからです。
この御言葉に特別な解釈を与えようとしたり、このような結果のいずれかを招く特別な教えを広めようとする意図は、私には全くありません。私が真に望んでいるのは、この問題の核心に至ることです。なぜなら、これには今この時、神にとって又その民にとって途方もない重要性がある、と私は考えているからです――今は終わりの時です。時には、諸々の疑いについて疑うことも必要です。主の権益で最も重要なものの幾つかが、しばしば最も疑問視されてきました。そして、その嫌疑自体が疑わしいものなのです。それは、何か別のものであることが明らかになります。そこには何かがあるか、敵が特に大反対している何かがあるのかもしれません。そこには、おそらく人に恐怖、反抗、憤りを抱かせて、その心を深く掻き立てるような結果をもたらす何かがあるのかもしれません。そのような類の事柄は、たやすくレッテルを貼られてしまうおそれがあります。あるいはそれは、その事柄の中に含まれているもののゆえに神にとって大いに重要な何かを、排除しようとする試みを意味するのかもしれません。ですから、「時には、自分の諸々の疑いについて疑うこと、自分の諸々の疑問に疑問を投げかけること、自分の諸々の反応をふるいにかけることが必要である」と私は述べているのです。人気のあるものが必ずしも正しいとは限らないことを思い出そうではありませんか。歴史はそのようなもので満ちています。リスター卿はとても不人気で、防腐剤に関する自分の「理論」のために恐ろしい孤独な戦いをしなければなりませんでした。彼の正しさは一般的に証明されています。それには時間がかかりました。フローレンス・ナイチンゲールは、高位にあるすべての人たちと、必死の戦いを戦いました。彼女は実際には孤独でしたが、徹底的に支持されてきました。人気があるものは、必ずしも、真実、正しいものとは限りません。このような問題に直面する時、私たちはこれらのことを思い出さなければなりません。この問題は、すでに述べたように、疑いや反対によって曇らされてきました。
しかし、この問題に迫ることにしましょう。確かに私たちはみな、次のことを信じる用意があります。第一に、「小羊の行く所へはどこへでも従って行く」ことは、重大かつ厳粛な重要性を帯びた事柄です。第二に、皆がそうしているわけではありません。これで一件落着ではないでしょうか？「これらの者は、小羊の行く所へはどこへでも従って行く」――これは神にとっても私たちにとっても最も大事なことです。そして、これは疑いや拒否の対象にすべきものではありません。
天のシオン
しかし、「これは或る特定の群れのことである」と述べられていることがわかります。彼らは、まさにこの特徴によって、他の者たちから区別されています。彼らを見て、彼らが誰かを特定してください。彼らは地から外へ買い取られた一団であり、ただたんに地から買い取られたのでも、地で買い取られたのでもありません。地から外へ買い取られたのです。小羊への初穂となるために買い取られ、小羊と共にシオンの山の上に立ちます。その場所は裁きの開始前であることに注意してください。この群れは天にいます。これに間違いはありません。それゆえ、これは地ではなく天のシオンであることを、それは意味します。このシオンは天にあります。これはヘブル書十二章のシオンです――「あなたたちはシオンの山に（中略）天のエルサレムに来ているのです」。これがここのシオンです。これを述べておく必要があります。なぜなら、黙示録の中には、イスラエルの諸部族からの別の群れを伴う別のシオンもあるからです。それは七章の中にあり、それはこの群れではありません。これは天の一団であり、彼らは御座の前の天で歌っています。顕著な天的性質が、この人々の特徴です。他の何者にもまして、また他のすべての者たちの前で、この人々は天的性質を現します。
勝利者たち
次のことに注意してください――これは途方もない効力を及ぼす点です――この書の最初の数章にある勝利者たちへの諸々の約束は、この群れにおいて成就されていることがわかります。主は勝利を得る或る人々に関して、「わたしは彼らの上に、わたしの神とわたし自身の新しい名を記そう」（黙三・十二）と仰せられました。こうあります、「彼の名と彼の父の名がその額に書かれていた」。この人たちは勝利した人々であり、諸教会の中の他の人々から区別されています。
完全な統治
そして次に、彼らは特定の人数であり、特別な一団であることが述べられています――彼らは十四万四千人です。これは確かに、「小羊」という言葉を文字どおり受け取ってはならないのと同じように、文字どおり受け取るべきではありません。それはある意味を帯びた数です。十二かける十二です。それは統治であり、統治の数であり、完成された統治です。しかし、これは彼らを区別するものであることを、もう一度見てください。私たちは後で、だれも数えることのできない大群衆に来ますが、この人々は数えられています。彼らは、はっきりと異なる特別な一団です。
純潔な民
彼らに関する他の特別な点にも注意してください。「地から外へ買い取られ（中略）女によって汚されなかった。彼らは純潔な者たちだからである」。この御言葉の中に、文字どおりの意味を読み取ってはなりません。そのような意味は全くありえません。旧約聖書と新約聖書の全体を通して、神の選びの民は純潔な民と見なされていますが、これはその特定の意味と調和しています。イスラエルが姦淫を犯したのは、他の諸国民、この世の民族と霊的関係を持つことによる姦淫でした。純潔の意味は次のとおりです――すなわち、この世の背後にあるあの霊的体系から絶対的に分離して、その分離を維持することです。それとのつながりが決してあってはなりません。今日、この問題は喫緊の問題です。中国に行けば、これが喫緊の問題かどうか、自分がこの大きな姦淫に、大きな赤い龍に降伏するかどうかがわかります。今、それは生か死かの問題であり、この人たちは降伏しなかった人々です。彼らは純粋さを保ち、汚されませんでした。彼らは「小羊の行く所へはどこへでも従って行」きます。常にそうしてきたからです。それが習慣になったのです。これが彼らの内に生じて、彼らの中に造られた気質です。彼らは地上でそうしましたが、そうし続けます。彼らは発作的に小羊に従う人々ではありません。ある日は前進するけれども翌日は後退するような人々ではありません。彼らは絶えず小羊に従います。それは主イエスに対する徹底的な献身です。彼らは小羊への初穂です。「小羊への初穂」と述べられていることに注意してください。彼らの内で小羊の性格と御業が初めて成熟に達します。彼らの中に、彼はまずご自身の魂の苦しみを見て、そして満足されます。それは小羊のためであり、その満足のためです。
「小羊への」
それはこれを意味します。すなわち、救いに関する彼らの観念は個人的利益によって支配されておらず、また、彼らは救われて自分のために救いを享受するために救われようとしたのではないのです。彼らの観念では、救いは全く主に対するものであり、主のためです。これは完全にいっそう高い水準にあります。これは区別を設けるものであると、私は示唆したいと思います。自分が救いを得るために救われることを喜ぶ多くの人々、クリスチャンがいます。なぜなら、彼らにとって救われることは良いことだからです。救いは彼らのために多くのものを保証してくれますし、それは天と栄光を意味します。しかし、これらの別の人々の主要な関心事は小羊の栄光です。「小羊への」。彼らは彼が行く所へはどこへでも従って行きます。
「キリストの苦難の交わり」
当然ながら、王の行く所へはどこへでも従って行くことの方が容易かもしれません。彼が肉身にあった時代、彼が行く所へはどこへでも追いかけて行く多くの人々がいました。彼らが常にそこにいるのをあなたは見いだします。ああ、彼は「パンと魚」と仰せられました。彼らがそこにいたのは彼の力強い御業を見るためでした。しかし、この人々は小羊に従います。これは、彼らには「キリストの苦難の交わり」に――この句を最初に用いた使徒のように――応じる意向があったことを意味します。使徒にとって、キリストの苦難の交わりは避けるべきものではありませんでした。「それは私がキリストとその苦難の交わりとを知るためです」（ピリ三・十）。小羊の苦難にあずかる意向がそこにはありました。これは特別な種類の民、特別な一団という結果になります。それをこのように見るとき、私たちの諸々の疑いや私たちの諸々の恐れはなくなります。これらの人々が誰なのかを特定するなら、他の立場は道を譲ることになります。
私たちが小羊について述べてきた一切のこととの関連の中でそれを見るとき、これが一体何を意味するのかが明らかになります。つまり、あなたは小羊に関する神の御言葉全体を理解し、この人々が誰であり、何者なのかを理解します。なぜならこの人々は、疑いなく、小羊というこの句が意味する一切のもの、小羊の命、小羊の性格、小羊の御業を受け入れ、それにあずかり、その化身となったからです。
これが示しているのは、第一に、小羊であるキリストとの特別な交わりによって選定・区別された一団です。小羊という言葉、小羊という御名を、その全き意義と共に、よく見てしてください。次にここで、小羊であるキリストと特別な関係にある一つの民を、彼が小羊である意味と共に、見てください。この群れに与えられる特別な栄誉があることに、疑いはほぼありません。彼らの地位は、特別な栄誉ある地位です。彼らについて述べるその口調は、主にとって大いに聖なる貴重な意味を持つ民について述べる口調そのものです。
苦難を通して学んだ歌
彼らは一つの独占的な秘訣を持っています。彼らは一つの歌を歌います。この十四万四千人以外、だれもその歌を学べませんでした。他の何者もその能力を持っていませんでした。彼らはこの独占的秘訣をどのように得たのでしょう？ああ、その答えは私たちの多くの経験の核心を突きます。ご存じのように、次のことは一つの確かな原理です。すなわち、あなたは苦難を通して、それ以外の方法では学べない諸々の秘訣を学ぶのです。だれも知らないそれらの秘訣を私たちが学ぶのは、苦難の中でです。私たちはそれらの秘訣を説明することも、教えることもできませんし、他の人々に理解させることもできません。私たちにはこう述べることしかできません。「私がくぐり抜けたものをあなたもくぐり抜ける時、あなたは理解し、知るようになるでしょう。それまでは、それはあなたに対して全く閉ざされています」。この人々は或る道の中にいたのであり、その道の中で何かのための能力が形造られたのです。
「初穂」
これもまた、核心を突きます。彼らは或る能力を持つ人々であり、これは主にとってとても大きなことを意味します。これを「初穂」という句は確かに明らかにしており、内包しています。最初のものは常に決定的なものです。そして、神の御言葉には次のような原則があります。すなわち、ある事柄が聖書の中で初めて言及されるとき、それは常に、それに関して後で生じるものをすべて内在的に含んでいるのです。この人々、この群れには内在的価値があります。与える能力が形造られているのです。その絵図は黙示録の最後で変化します。そこには都があり、そしてまさにその御座から諸国民の健康のためであるものが流れ出ます。このまさに核心的なものから、諸国民は価値あるものを得ます。この内在的価値を持つものは、何度も何度も再生して、この「都」を中心とする多くの者たちに益を及ぼせます。初穂――ああ、確かに、価値あるものを持っているのは彼らだけではありませんが、彼らが最初にそれを得るのであり、しかも、それを他の人々のために得るのです。それは分け与える力であり、苦難の中で形造られた能力によります。
これは原則に適っているのではないでしょうか？あなたたちの大部分は、自分自身の経験から、次のことを確かにご存じでしょう。すなわち、仮にあなたがだれかを助けてこれたとするなら、それは彼らを助けるための能力をあなたの中に形造る経験をあなたが通ったからなのです。あなたがだれかを助けてこれたのは、あなたが情報を伝えたからではありません。経験を通して、しかも、痛ましい経験を通して、神があなたの内になさった深い御業の結果だったのです。このような方法で、この人々はまず統治します。与える能力、分与する能力によって、彼らは統治します。彼らは一つの独占的秘訣を持っています。彼ら以外のだれも、この秘訣を学べません。彼らは或る徹底的な道を通ったこと、そして、主に仕える徹底的な立場にあることが、ここで暗示されています。
神の満足を第一とすること
彼らが神の御旨に関して何を完全に表しているのかは、ここでは告げられていません。しかし、神のより豊かな啓示の光に照らして彼らを見ることができます。小羊の意味に関するより豊かな啓示を取り上げる時、この小羊の群れ、小羊の行く所へはどこへでも従って行くこの人々が何者なのか、私たちは理解し始めます。後で私たちはそうするかもしれませんが、ここでは一つか二つの点に言及することにします。この人々は、まず第一に、特別な方法で神を満足させます――神の満足を第一としています。彼らは、神が聖徒たちの中に求めておられる嗣業を神に与え、神に応じました。これは大したことです。御心をその上に堅く定めてきたものを神が獲得されることは、決して小さなことではありません。神が満足を見いだされること――確かに彼らはこれを表しています。
しかし、ここに注目に値する点があります。彼らは歌います――彼らの歌がどのように描写されているのかに注意してください。「多くの水の音のような、激しい雷鳴のような」。何という音量！「私が聞いたその声は、琴をひく人が竪琴をひく音のようであった。彼らは御座の前で新しい歌を歌う」。これの何が注目に値するのでしょう？この人々はただならぬ方法で苦難を経験した人々です。この人々は小羊と共に進んだ人々であり――これは常に苦難と犠牲を意味します――彼らは心からこのような大声で、このように見事に歌います。それゆえ、この歌を伝える言葉を見つけるのは困難であることを使徒は見いだします。それは何を意味するのでしょう？ああ、どの苦難にも無限の価値があったことを、彼らは理解したのです。結局のところ、「主は自分たちに反対しておられる」と考えるよう誘惑された時でも、実はそうではなかったことを、彼らは理解したのです。結局のところ、それは敵が彼らの苦難の意味としてでっちあげた諸々の理由によるものではありませんでした。そうです、これには言語を絶する価値と意義を有する何かがあったのです。勇気を奮い立たせ続けるために歌う人々がいることを、私は知っています。おそらく、特別な理由が何もなくても、歌う人々がいることを私は知っています――しかし、ここのこの人々は、意味も目的もなく歌っているのではありません。彼らが今歌うのは、主の諸々の道に全く感謝しているからです。それはこれを意味するにちがいありません。彼らは小羊に従い、徹底的に十字架の道を行きました。十字架とキリストの苦難の中に最も深く入り込んだ人々こそ、永遠において最も大声で歌う人々です。彼らは十分に、苦難を通して神の愛を発見しました。彼らは御座の前で歌います。私たちはしばしば御座の前で、苦々しさと反逆のうちに、文句を言い、つぶやき、絶望します。最終的に――小羊の行く所へはどこへでも従って行く人々にとって――これが唯一の歌になります。この歌を他の人々は全く知ることも理解することもできません。
結局のところ、これを疑う余地は全くありません。これは主にとってとても貴重なものです。冒頭で述べたように、それはとても多くの問題を解決するでしょう。私たちの多くを悩ませている問題の一つは、「なぜ主は私たちをこのような特別に困難な道に連れて行かれるのだろう？」ということです。主は他のクリスチャンたちをこの道に連れて行っているようには思われませんし、彼らは比較的楽な時を過ごしているように思われます。なぜ私たちはこのように困難な時を過ごさなければならないのでしょう？これが私たちが抱えている問題の一つです。他の人々はなんでもすることができますし、それでもクリスチャンであって救われています。しかし、主は私たちに対してこれを許そうとはされません。他の人々はかなりのことを許してもらって、幸福なクリスチャンのままでいられるのに、しかしどういうわけか、主は私たちにはそれを許してくださいません。彼は実に辛い方法で導いておられます。ここにその理由があります。それは黙示録十四章のこれらの節の中心にあります。その上に主の心は据えられています。私たちに対する主の特別な、ただならぬ諸々の取り扱いや諸々の道に対して、また、その中を主が私たちを導いておられる諸々の苦難に対して、私たちが取るべき正しい姿勢を恵みによって見いだせてさえいれば。もしその正しい姿勢を取れていれば、私たちは次のような姿勢を取っていたでしょう――主はご自身にとって特別に価値あるものを求めておられますから、私たちは次のパウロの言葉に何らかの新たな意義を見いださなければなりません――「あなたたちはキリストのために、彼を信じることだけでなく、彼のために苦しむことをも賜っているのです」。「あなたたちは苦しむことを賜っています」。おそらく、これは主が多くの人には任せられない委託です。主がご自身の子らの多くに、ある一定量を超えた苦難を任せられたかどうかは疑問です。
私たちは少しの間これを保留しなければなりません。もしこれまで述べてきたことが真実だとするなら、もし主がこの人々によって特別に価値あるものを示しておられるとするなら、偏見、歪曲、恐れにはすべて説明がつくのではないでしょうか？これがその理由ではないでしょうか？主をきわみまでも完全に満足させるものよりも劣ったものを一切受け入れないよう、どうか主が私たちに恵みを与えてくださいますように。